Republicans attack Sinn Fein MLA
Page last updated at 18:55 GMT, Thursday, 31 July 2008 19:55 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/6432399.stm
A Sinn Fein assembly member has been attacked by young republicans in the Dunclug estate in Ballymena, County Antrim.
※BBCがURL足りなくなったのか、大ポカをやりやがったのかわかんないけど、このURLは今回の記事に出てくる人についての2007年のストーモント選挙関連のニュースで使われていたURLで、そのために私のはてなブックマークに入れられないので、ブログに書いておく。
襲撃されたDaithi McKayさんは、2007年ストーモント選挙で最年少で当選した人で、2007年選挙の時点で25歳。
水曜日にバリミナの団地に住むコミュニティ・ワーカーを訪ねたあと、インターンメントの記念行事(たぶん8月9日)のボンファイアをめぐって地域の若いリパブリカンと口論となり、ボコられたらしい。
コミュニティ・ワーカーはBBCの取材には応じたが名前などは出さないよう要請しており、襲撃後は団地から引っ越すことを考えている、と語っている。彼の話では、20人ほどの若者が集まっていた。「20人が900世帯のコミュニティを思うがままにできるなんて」。
BBC記事には暴行の現場をとらえた映像を含むニュースクリップがエンベッドされている。映像では暴行しているのは1人だが(たぶん10代後半)、暴行を受けるマッケイ議員と若者の間に50代か60代の男性が割って入ろうとしてもお構いなしで殴る蹴る。音声によると、コミュニティ・ワーカーは36年間ここに暮らしていて活発に活動している。
彼らがボンファイアに反対しているのは、若いのが「紛争」を口実にボンファイアをおこない、それにかこつけて集まってはいろいろと暴れるから、のようだ。
実際、集まってボンファイアするティーンエイジャーが真剣に「インターンメント」を受け止めているのかどうかはわからない(いないとも言えない)。しかし、コミュニティが「シン・フェイン」と「シン・フェインに反対する者」とに分かれていることは――別の言い方をすれば、「シン・フェイン」が「(若者が反抗すべき)オーソリティ」になっていることは――明らかだ。
さらに深いところはSluggerで。ごくごく短いBBC記事からは想像できないほど背景が複雑らしい上に、コメント欄がすごいことになっているけれど。(捨てハンの観客が「ビールもってこい、このスレおもしれぇ」と書き込んでるほど。別な言い方をすれば「大荒れ」。)
http://sluggerotoole.com/index.php/weblog/comments/the-community-is-totally-opposed-to-this-event/
この事例は、「紛争は終わりました」で地域の「問題」がすべて解決するわけではない、ということを明確に示している。「北アイルランド和平」をあまりに能天気に持ち上げる言説ばかりを読んで/読まされていると、こういう側面を見ることはできない。
なお、コメント欄2ページ目によると、バリミナのこのボンファイアは元々は何年も前にシン・フェインが企画して始めたものだとのこと。そうだとしたら、ものすごいアイロニーに頭がくらくらする。
バリミナといえば、2006年5月に、カトリックの15歳の少年、マイケル・マカルヴィーンが、ロイヤリストの連中に撲殺されるという事件が起きている。
http://nofrills.seesaa.net/article/22305742.html
http://nofrills.seesaa.net/article/22305830.html
彼の葬儀には、「カトリックはふだんサポートしている緑のセルティックのシャツを着て、プロテスタントはふだんサポートしている青のレンジャーズのシャツを着てほしい」という遺族の希望で、学校の子たちが緑と青で参列した。しかしその葬儀を、ロイヤリストのバカ者どもが軽く妨害しようとしたという事態も起きていた。
前提として、「ロイヤリスト」=「ブリティッシュ」であるなかで、他の地域なら単に「威張りくさった不良が我が物顔で暴れている」とでも片付けられそうなことが(片付かないけど)、「ブリティッシュの圧制」と簡単に結び付けられてしまう。何もかもが、あまりに簡単に政治化してしまうし、政治化されてしまう。
スラオさんのコメント欄にURLがあったので、BBCでインタビューに応じていたボンファイア推進派(というか)のリーダーのBeboのページを見たが、彼が参加しているグループに、セルティックのプレイヤーのファンクラブ(ラーションとかボルッチとか)のほかに、"Mickey-Bo" の追悼のグループがある。"Mickey-Bo" は殺されたマイケル・マカルヴィーンのニックネームだ。
http://www.independent.ie/national-news/tears-flow-freely-as-community-mourns-loss-of-wee-mickeybo-97188.html
議員を殴ったhoodの子は、マイケル・マカルヴィーンとほぼ同じ世代だろう。
"Mickey-bo" のニックネームは、2004年の映画、"Mickybo and Me" に由来したものだろうか。
http://www.imdb.com/title/tt0388154/
http://www.irishfilm.ie/reel/reel_6.htm
http://www.paramountpictures.ie/mickyboandme/
この映画は今年2月の「北アイルランド映画祭」で見た。1970年代のベルファストで、カトリックの小学生ミッキー・ボー(ミキボー:ミッキー・ボイルの略)が、プロテスタントの小学生ジョン・ジョーとひょんなことで知り合って親友となり、「こんなところからは逃げ出そう」と言って「ブッチ・キャシディとサンダンス・キッド」になりきって大冒険、という筋書きだ。もちろん、紛争がベースだから全面的に明るい映画ではない。ふたりの冒険が終わったときにミッキー・ボーを襲ったのは、「紛争」そのものだった。
赤毛でそばかすのマイケル・マカルヴィーンの風貌は、確かに、映画の「ミッキー・ボー」に似ている。
UPDATE@5 August 2008:
Man held over Sinn Fein assault
Page last updated at 21:47 GMT, Monday, 4 August 2008 22:47 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/7542155.stm
A 21-year-old man has been arrested in connection with an assault on two Sinn Fein members in Ballymena.
タグ:北アイルランド
※この記事は
2008年08月01日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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