「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2008年07月18日

last.fmがメジャー・アップデート

ロンドンに拠点を置くlast.fmのサイトがアップデートされたのだが、見た目、なんだか別のサーヴィスみたいになっている。CBSに買収されたのが1年ちょっと前なのだけど、それでもインターフェイスはほとんど変わらなかったからそのままで行くのかと思っていたところ、すごい変わりようだ。しばらくベータテストをやった上での変更とのことだけど、今日変更になるという告知は、よほど入念にlast.fmチェックしてないとわかんなかったのでは。(私は今週ユーザーページを見ているが、告知は出てなかった。)

中の人のブログでの説明:
http://blog.last.fm/2008/07/17/lastfm-the-next-generation

これまで、デフォルトで、ページは基本的にショッキングピンクとグレイだけでポイント的に赤の文字(「全曲ストリームで聴けます」のfull trackの表示とか)があり、文字の部分は白背景にグレイで、「シンプル」の見本のようだった画面が(→Webarchiveで2006年4月のトップページを見るとわかると思います)、色は赤とグレイと明るい青(<これはリンクをクリックさせたいところ)が基本、文字の部分は白背景に黒(か、グレイと認識できないほど濃いグレイ)になり、アーティスト写真がでかでかと表示されていたり、自分のアバターが泡を食うほどでっかく表示されていたりで、第一印象としては「なんじゃこりゃ」だ。印象を素直にいえば、MacがWindowsになった、みたいな感じ。特に基調の色を変えたのは、「last.fmは変わりました」ということをアピールしたいということなのだろうけど、意味があんまりよくわからない。皮は変わっても中身は変わってないっていうか、ユーザーの利便性を増す方向に変わったのかどうかというと微妙な感じがする。

上記「中の人のブログ」のコメント欄でもひどく不評で、コメントをした人の9割以上が「前のほうがよかった」という意見だ。いきなり大幅に変わったので慣れていない、というのが大きいにしても、数百件のオーダーでコメントがついていてそのほとんど全部が否定的、というのはかなりすごい。多くがレイアウトの雑さを指摘している(不必要に大きな画像、不要な空白、など)。ページトップのバナーがダサいとか、デフォルトの文字が小さすぎる(実際に、前よりさらに小さくなっている)といった指摘もあるし、今回のアップデートでlast.fm側が狙ったことを見透かしたような「なにこのabout me系の情報の見せ方は」とか「これじゃmyspaceだ」といったコメントも多い。有料会員が「解約する」とか「更新しない」とか書き込んでいたりもする。積極的に肯定的な意見はざっと見た中にはなく、消極的肯定というか、「どうせすぐ慣れるよ」というものはいくつかあった。全体としては「否定的な意見を言う」ときの例文集として使えそうな感じだ。

実際、www.last.fm/user/username で見られる「自分のトップページ」では、美的なことはさておき、ナビゲーションがかなり悪くなっていると感じられる。これまで使われていた用語(Overviewなど)がいきなり見当たらなくなっているし、これまで上部のタブと左右のサイドバーにバランスよく設置されていた要素が、左サイドバーに「目次」的なタブ(元々上部のタブにあったもの)、右にその詳細という感じになっていて、1ページに同じことが二度、みたいなことになっている。その結果、ページが縦に長く伸びていて、さらにはShoutbox(ユーザーページの訪問者が「元気?あのアルバム買ったよ」みたいな簡単なコメントを投稿してるところ)がページ最下部にあるのは、Shoutboxを使っている人には不便だ。

というわけで、自分のユーザーページをキャプチャして、ちょっと説明を書き加えてみた。



※last.fmはひっそりと使っているので、ユーザーネームはマスクしてあります。

私も、自分のユーザーページが突然こんなにごちゃごちゃしていたのにはびっくりした。さらに、アーティストのページに飛ぶと、もっとごちゃごちゃして見える。若草色のボタンが加わるからだろうか。これまでグレイのバーで示されていたリスナー数が水色になったのも、うるさく見える一因だろう。面積がでかいから。



※画像はNINのページのキャプチャ。

しかし、赤(朱に近いように見えるけど)と黒と水色と若草色か……落ち着かない組み合わせだ。落ち着かないからこそあちこちクリックしたくなったりするのかもしれないけど、これは最近のamazon.comかという感覚にとらわれたり。(amazon.comも最初に使ったときはすっごくシンプルなインターフェイスだったと思う。といってもブロードバンド普及前だから比較対象にならないか。)

インターフェイスのほかに大きく変更されたのは、まあ私も自分が使っていた機能の範囲のことしかわからないのだが、Playlistが有料登録者 (subscriber) だけのサーヴィスになったことだ。これまでは、無料ユーザーでもPlaylistが各曲フルで「俺ラジオ」的に聴けていたのだが、今回のアップデートでそれができなくなった。Playlistでは、last.fmのストリーミングにフルトラックで登録されている楽曲は今でももちろんフルで聴けるけれど、そうでない曲は30秒以内のpreviewだけになってしまった。

で、Playlistの代わりにLibraryというのができた。これは無料登録ユーザーでも各曲フルで「俺ラジオ」的に聴けるのだが、対象が「これまでaudioscrobbleした曲すべて」らしく、ということはこれまでartist radioやtag radioで再生されたものすべてが含まれているから、「なんでこんなのがはいってんの」というのがあったりもする。で、それはイラネと思ったら、www.last.fm/user/username/library?sortBy=name に行って、消したい曲のアーティスト名を探して、アーティスト名の横にある再生回数をクリックすると出てくる再生した曲の一覧の画面で消せる。(しかし何度もクリックしないとここまでたどり着けないなあ。)



あるいは、アーティストごと消したいときは、www.last.fm/user/username/library?sortBy=name で出てくるアーティスト一覧画面の写真にマウスを置くと写真の片隅に「×」が出てくるので、それをクリックすれば次のようにして消すことができる。



このほか、サイトにエンベッドされてるプレイヤーもインターフェイスが変わっている。今までのシンプルな小さなものから、でっかくて黒くて見た目にかさばるデザインになった。ジャケを出すためにこんなにでかくしたのかな。



で、ここで再生されている曲の詳細やアーティストの詳細を知るには、プレイヤー上部に表示されている曲名かアーティスト名をクリックすればその曲かアーティストのページに……いくはずなんだけど、現状、絶賛バグ放置中のようで、例えば
http://www.last.fm/music/Pigface となるべきところが
→ http://music/Pigface
http://www.last.fm/music/Pigface/_/Suck となるべきところが
→ http://music/Pigface/_/Suck
という具合……これはもう少し待てばフィクスされるでしょう。単純なミスだし。

プレイヤー内に表示されてるジャケ画像は、正しければアルバムのページにリンクされてるはずなんだけど、これも上と同じ理由でダメです。

あと、ナビゲーションでわかりづらくなったのは、どの曲がfull trackなのかということ。この点については追々追加されるのかもしれないけれど、http://www.last.fm/user/username/tracks で再生した曲の一覧の画面を見ても、その曲がfull trackなのかどうかまったくわからない。前は小さな赤い文字で "full track" と表示されていたと思うのだが、だからこそないと気になる。

例えば下記はNINのThe Great DestroyerのModwheelmoodのリミックスを私の既再生曲の一覧で見たところだが、マウスを置いてもfull trackかどうかは表示されない。


また、各楽曲のページに行っても、full trackかどうかはすぐにはわからない。下図のとおり、full trackではない曲では、プレイヤー内にある曲名のところにマウスを置くことでpreviewであると表示されるのだけれど、full trackのほうは特に何も起きない。previewが例外的、というふうにしていきたいという思想なのかな。


でも、例えばCDのリリース前の一定期間だけfull trackでストリーミングしますよっていうプロモーション戦略があるのだから(ベルギーのdEUSが今回のアルバムでやってたけど)、full trackを特別なものとして表示したほうがいいと思うんだけどなあ。

なお、http://www.last.fm/user/username/charts?subtype=tracks のURLで、Chartのtracksで表示させると、下図のように、full trackなのかどうかもはっきり表示される(これが従前のスタイル)。



それと全体的に、「みんなでつけるタグ」の存在感がすっごい小さくなった。これまではバンドなり楽曲なりのページで大きくタグクラウドのスペースが取られていたのに、今は左サイドバーの「タブ」状のものをクリックしないと「タグ」が出てこない。私がlast.fmに登録したころは「タグ」が最大の特徴、という感じで売っていたのだけど(だからいたずらで変なタグをつける人とかもいて、Punkのタグでtag radioを聴いているのになぜかモー娘。の「にーっぽんのみらいは、うぉううぉううぉううぉう」ってのが流れたり、ということもあった)、もうそういう時代でもないのだろう。

というように、「データベース」的な使い方はしづらくなったような気がするのだけど、今回のデザインが主張しているとおり「SNS」的な使い方はしやすくなったのだろうし(それはそれでウザいという意見が出て当然だが。SNSなら後発でいくらでもあるのだから)、ほかにも今のほうがよくなっている面もあるのかもしれない。

私が気付いたのは、ログインした状態で http://www.last.fm/home で表示される "Personalised Podcasts" のセクションだ。ここをクリックすると、 http://www.last.fm/home/freemp3s につながって、そのユーザーの趣味に合わせた無料mp3音源(アーティストが公開しているもの)の一覧が表示され、これはPodcastでも使える、という趣向。こういうときに「タグ」が出てこないのが、last.fmも変わったなぁ、という感慨をいっそう強いものにするのだけど。ちなみに私のパーソナライズド・ポッドキャストは、ダークでアンビエントでインディでポストロックって感じです。チェコのエレクトロニカ(基本はエレクトロニカなのだが、ギターがメタルというか、イングウェイ・マルムスティーンだったりするのが旧東欧はおもしろい)なんかも入ってるけれど、この人たちの音源は彼らのサイトで落として持ってるからなあ、というときでもここからは削除ができないのでそれが不便。

あと、トップページからのナビゲーションが切れてると思うんだけど、Weekly Free Downloads のページはまだあります。
http://www.last.fm/music/+free/

それと、今月1日から、last.fmでは、the Artist Royalty Programをスタートさせ、再生回数に応じて印税を払う、という形でインディペンデントなアーティストをサポートする取り組みを本格化させています。具体的にそれがいくらなのかは開示されていないけれど、作り手が対価を得るために配信者が動く、というのは、そのバンドが「レコードレーベル」や「著作権管理団体」に所属していなくても可能になることがあるのでは、という点で、かなりポジティヴなことだと思うし、「ファンジン」文化の流れも感じたり。

というわけで、新装開店のlast.fmにもそのうちに慣れるのだろうけれど、あれだけの情報をあんなにシンプルに示していたあの形が「らしさ」だったと思うんで、それが失われたことは非常に残念。



追記@夜:
Paint it Black theme for last.fm v.2というユーザースタイルシートを入れてみた。前のLast.fmのPaint It Blackボタン(ピンク基調ではなくグレイ基調に切り替えるもの)を復活させてくれというユーザーの声が大きかったので、ユーザーさんが作ったものだ。Firefoxならインストールは簡単。

このユーザースタイルシートを当てたあとの画面のキャプチャ。



左サイドバーをなくしてグリッドですっきりまとめれば、バカみたいにでっかいバンド写真も、不要だけれども、耐えられないほどではない。

※この記事は

2008年07月18日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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