「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2008年06月27日

Nine Inch NailsのアルバムDL数で見る世界&NINリハーサルの映像

26日のnin.comのアップデートがすごい。先日無料ダウンロードという形で公開された新作アルバム "the slip" がどこからどのくらいダウンロードされているかをGoogle mapで可視化した、というファイルとキャプチャ画像を公開している(詳細は下の方)。こういうふうに情報をシェアしようというトレント・レズナーの男前っぷりには改めて惚れてしまう。さあ、みんな、とりあえずnin.comに行って、どんどん惚れるんだ!

なお、新作アルバム "the slip" は、DVDつきの限定盤の予約受付が始まっている。日本のamazon.co.jpでも予約受付中になってる。7月22日発売。→追記:確実に入手したい人は、「店頭で見かけたら」みたいにのんびりしてない方がいいのかも?

B001B71NOIThe Slip
Nine Inch Nails
The Null Corporation 2008-07-22

by G-Tools


……って、実はこの「限定盤」のDVDに収録されるリハーサル映像(完成度高いです)がつい先日nin.comで公開されていたので、それをここに書こうと思ったら、またnin.comが更新されてた。というわけで、2回分の更新についてこの1エントリで扱うことにします。

まず、26日のアップデートについて。タイムスタンプが、6.26.2008, posted by Trent Reznor at 12:08 AM pst, from los angeles の更新。

書かれている文章の内容は、「ツアー準備に忙しくしています」といった前置きのあと:
【要旨】
Google EarthのKMLファイルで、おもしろいデータができたので公開します。ここをクリックすればダウンロードできます。これは、The Slipが世界のどこからダウンロードされたかを示すものです。The Slipの公式サイトからのダウンロード総数は、5月5日のリリース以降現在までで、1,400,000強(この数値はダウンロードした人数を示すもので、1人が複数回DLしたのはカウントしていません)。今回公開するマップのデータは、NIN公式からのダウンロードだけを示すものです。

このファイルは、Google Earthのソフトがないと開けないのでご注意ください。KMLファイルが自動で開かない場合は、DLしたフォルダでファイルをダブルクリックしてください。開いたら、レイヤを消すなどして見たいところだけ見たりもできます。また、コンピュータの性能によってはこのファイルがやたらと重かったりもするかもしれません。

The Slipは、公式サイトを離れてP2Pで出てたり、ほかのダウンロード窓口があったりもするので、実数はもう少し多いと思いますが、ともあれ、nin.comにあった画像(配布されているKMLファイルのキャプチャ)がおもしろいので、それを。それぞれ画像クリックでオリジナルサイズで表示されます。

North America:
http://www.nin.com/images/nin-downloads-us.jpg

#まあ、北米は特に感想も出てこないのだけど……

Europe:
http://www.nin.com/images/nin-downloads-europe.jpg

#中央ヨーロッパから東ヨーロッパがすごい。その地域での人気が高いというのは話には聞いていたのだけど、見せられると感慨深い。あとモスクワかな、ロシアで一本、びゅーんと伸びているのがすごい。

Asia:
http://www.nin.com/images/nin-downloads-asia.jpg

#東京の中のひとりは私です。中国が、必ずしも大都市でもないところからのアクセスもあるのが感慨深い。

Australia:
http://www.nin.com/images/nin-downloads-australia.jpg

#大陸の沿岸部を除いては人があまり住んでないのかな。←イメージが貧困ですみません。

Latin America:
http://www.nin.com/images/nin-downloads-southamerica.jpg

#各国の首都はさすがに多い。ベネズエラはもうちょっと多いかなと思ってたけど(特に根拠なく)案外少ないですね。

キャプチャ画像にない範囲(東南アジアとか)もちょっと見てみたいので、KMLファイルをDLしたいんだけど、うちのパソコン、Google Earthには性能が、なので……orz でもあとでやってみよう。「世界」を「NINのアルバムDL数」で見ることができるなんて、これまでになかったことだから。

で、この告知のポストには
P.S. - If you are one of the people from Fiji who got the record, can we crash on your couch?
フィジーからダウンロードしてくれた方、今度泊めてください。カウチで寝ますんで。

というおちゃらけもついているのだけど(フィジーから4人がDLしている)、それよりも「アーティストのみなさんへ」という追記が男前すぎ。こういう、「自分たちでやっていこうとしているバンド」へのサポートの行動と姿勢が、先日のツアーサンプラーもそうなんだけど、自分のなかで「ファンでよかった I'm proud of being a NIN fan」的な安易な言説を呼び起こすんだなぁ、ははは。

Additional note to artists:
The idea for this visualization originally came from some data sent to us by Topspin. These guys helped us out with our digital delivery for a while and are in my opinion the best option out there for artists to deliver their goods to their audience on their own terms. Keep an eye on them - they are leagues ahead of everyone else in terms of infrastructure and philosophy.

【要旨】
元々このアイディアはTopspinから送られたデータから着想したものです。ここ最近のNINのデジタル販売・ダウンロードはTopspinに手伝ってもらってるんですが、自分たちのやりたいようにリスナーに自分たちが制作したものを届けたいなら、ここに頼むのが一番いいと個人的には思ってます。設備的にも理念的にも、同業者のなかで群を抜いています。チェックしてみてください。


Topspinのサイトでも、NINのthe Slipの「DLマップ」のことは書かれていて(→この記事)、そこには「最初の1ヶ月間はうちでホスティングしたけど、その後はNINが引き継いでいます」とあるので、このGoogle mapのデータは最初の1ヶ月のものでしょう。

TopspinのaboutのページTeamのページによると、設立者のPeter Gotcherはドラマーで、80年代にサンフランシスコのドルビー・ラボラトリーズで働いたあと、Digidesign Inc. に行き、ここでの仕事は高く評価されており(2000年のグラミー賞で技術貢献賞)、1997年からヴェンチャー・キャピタリストとして活動、Pandoraにも関わっている。もうひとりの設立者のShamal Ranasingheはラガ系のDJでギターを弾き、1999年にReal Networksで音楽アプリにかかわり、RealJukeboxを作った人。2002年にGotcherと出会って、その後にMusicmatchに入り、Musicmatchが2004年にYahoo!に買収されるとYahoo!のメディア部でアプリ開発、2007年にTopspinを立ち上げた。CEOのIan Rogersは1992年からこの分野で仕事をしている人で、主な仕事にYahoo! Media Playerなどがあり、NullsoftやGnutellaにも関わったことがあり、というか、ビースティ・ボーイズのグランド・ロイヤルのプレジデントだった人。

というように、要するに経営陣は3人とも音楽関係の非スーツ族。スーツ着てますが、この6月にビルボードの表紙になった3人。スケボーの人がRogersさん、左の赤いネクタイの人がRanasingheさん、右の青いネクタイの人がGotcherさん。

と、26日の更新についてはこんなところで。

さて、その前(24日だっけか)の更新でアップされていたのが、The Slipの「限定盤」のDVDに収録されている映像、3曲分@Pitchfork TV。スタジオでのリハーサルをおさめたものだけど、監督が(いつもの)Rob Sheridanで、すごくしっかり作られている。必見!! 特にジョッシュのドラムが見たい人はマスト。

1,000,000(The Slipの2曲目):
http://www.pitchfork.tv/special-presentation/nine-inch-nails-live-from-rehearsals/1000000


Letting You(The Slipの3曲目):
http://www.pitchfork.tv/special-presentation/nine-inch-nails-live-from-rehearsals/letting-you

最後、あまりにかっこよすぎて倒れますので、頭ぶつけたり、コップ倒してキーボードにビールかけたりしないようにご注意ください。

Echoplex(The Slipの5曲目):
http://www.pitchfork.tv/special-presentation/nine-inch-nails-live-from-rehearsals/echoplex

この曲のライヴでのかっこよさは異常だと思う。北米いいなあ

あんまりぺらぺらとしゃべるのもウザイというか、単に見ていただいたほうがいいんですが、どうしてもこれは――金色のレスポールを持ったロビン・フィンクさんが徐々に、ガンズの姿(下図右)から、「どちらの星からいらしたんですか」といいたくなるような元の姿(下図左、94年ごろか?)に戻りつつあるのが感慨深い。


あ、あとほんとにNINのファンという人はETSも見とくといいと思います。
http://www.echoingthesound.org/phpbbx/viewtopic.php?t=37332



NIN Hotlineより:
http://www.theninhotline.net/news/#1214521804

NIN公式のリミックス音源専門サイト(http://remix.nin.com/)が始まるずっと前からファンのリミックスをホスティングしていたNINRemixes.comが運営資金の寄付を募っています。これはファンが始めたサイトで、NINがメジャーとの契約が切れてなかったときに配布したマルチトラック・ファイルを使ったリミックスなどの「大会」をやったり、そうやって選ばれた優秀作を集めてコンピレーションを作ったりといった活動をしてきたサイトです。NINRemixes.comのトップページに、控えめにdonateというリンクがあるので、そこからどうぞ。PayPalで寄付できます(1人1ドルでも240人から寄付があれば1年間運営できる、のこと)。
タグ:NIN 音楽

※この記事は

2008年06月27日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 19:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | -15BA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

……全文を読む
▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼