「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2015年05月28日

旗々しい話。

「緑・白・オレンジ」のアイリッシュ・トリコロール(アイルランド共和国の国旗)と、「オレンジ・白・緑」のコートジヴォワールの国旗の混同の話題が出るにはまだ1ヵ月半ほどあったはずだが、アイルランド共和国での婚姻の平等(同性結婚)決定で、大西洋の向こうから、「旗の区別がつかない」系の話題が流れてきていた。

アメリカの反ゲイ集団、「ふははは、アイルランドの旗など逆さまにしてくれる!」…だがその旗は(^^;)
http://matome.naver.jp/odai/2143276257488960401


実際にはロビー・キーンの靴の縫い取りとか、守銭奴エア(aka ライアンエア)の機体に表示されている旗が「オレンジ・白・緑」になっている例もあるのだが、アメウヨというかアメウヨと呼ぶのもはばかられるあの「葬式押しかけ」の過激派集団が出てくると、さすがに、時空がゆがむような感覚がある。

にしても、J. K. ローリングさん、すばらしい対応ですね。スルーしちゃいけないものはスルーしない。Twitterは、著名人、特に女性の著名人がそういうことをやるのは簡単ではない(どんな奴にどんなふうに絡まれるかわかったものじゃない)という場になっているけれど、あのキップのよさには感心。
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誰も惜しんでいないが、トニー・ブレアが「カルテットの中東和平特使」を辞任する。

トニー・ブレアが「カルテットの中東和平特使」を辞任する。
http://matome.naver.jp/odai/2143274928986134101


この「まとめ」を作るときに、報道機関のツイートがことごとく顔写真をつけているので、自分の中で、この戦争犯罪人の顔写真の1日分どころか1か月分の許容量を超えてしまった感じがする。

ともあれ、ハアレツはほんとにブレアが大好きなんだなということはわかった。

BBCは「何もしなかったってみなさんおっしゃいますが、元々何かができるポストではなかったので」などとかばった上で、「ブレアのおかげで規制が撤廃され、西岸地区の観光業が賑わい、特使としての目標、パレスチナ経済の振興に貢献」などとヨイショしているが、brown-noserはFIFAのセップ・ブラッター周辺のを見せられてるだけでももうたくさんですよ。

トニー・ブレアの件で読む価値があるなと思った論説は、IBTのだ。

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北アイルランド自治議会が、機能不全を起こしている。「またか」と言うなかれ。今回は深刻だ。

人間が考えるたいがいのシステムは、いつかは古くなって、実用に耐えなくなるか、実態にそぐわなくなるのが当たり前かもしれない。何らかの問題を解消・解決するために、いろいろな要素がある中で何かを優先して考案されるシステムは、時代の流れ、状況・環境の変化、人々の考え方の変化によって、だんだん齟齬が生じてくるものだろう。

1998年のグッドフライデー合意 (GFA) でスタートした現在の北アイルランドの「自治」は、通常の「与党と野党」というシステムではなく、「パワー・シェアリング(権限の分担) power sharing」という形で機能するシステムだ。通常は議会で過半数を持った政党が組閣するが、北アイルランドでは獲得議席数に応じて閣僚ポストが各政党に割り当てられている。なので北アイルランドには「与党」もなければ「野党」もない。

しかしGFAでの自治議会は、2002年の「スパイ騒動」(その事実はなかったことがあとで確定されたが)でサスペンドされてしまった。さらに2003年の自治議会選挙でGFAに反対していたDUPが最大政党となった。どうすれば北アイルランド自治議会を機能させることができるかが模索され、交渉交渉また交渉の末、シン・フェインによる警察の支持という歴史的な転換点を経てDUPの支持を取り付けることで実現されたのが、2006年のセント・アンドルーズ合意に基づく現在の自治政府だ。これにより、ユニオニスト側のDUP、ナショナリスト側のシン・フェインをそれぞれ最大政党とし、両党から正副ファースト・ミニスターを出し、UUPとSDLPとアライアンスも閣僚を出すという形が実現された。この合意で、司法 (justice) の権限が英国の直轄統治から北アイルランドの自治に戻されることとなり(具体的に実現したのはさらにその数年後だったが)、ストーモントの自治議会は2007年5月8日に心あたたまるようなセレモニーで再起動された。現在の自治議会はそのときに再起動された自治議会である。
https://en.wikipedia.org/wiki/Northern_Ireland_Assembly#Current_assembly_and_suspensions

……というわけで、(DUPは全力で否定するが)元々は1998年のGFAで形になった自治議会のシステムが、そのときそのときに修正されつつ、何年もかけてまともに機能するようになって今日がある……というだけなら美しいのだが、これが機能しない。

システムの(今から見れば)原型といえるものが作られた1998年までの時点では、解決・解消されるべき問題は「宗派間対立」だった。というか、より正確には「50%以上の "プロテスタント" が、50%未満の "カトリック" を二級市民扱いしてきたことから、武力紛争になった」ということを踏まえ、(大まかに政治的に「ユニオニスト」と「ナショナリスト」に対応する)これら2つの宗派の一方だけに偏って有利な政治を行わないようにしなければならないということが、「ポスト紛争」のシステムの最優先事項だった。「クロス・コミュニティな/双方のコミュニティ間で隔たりなく cross-community」という形容詞が、とても重要なキーワードだった。

しかし、である。

With the first minister Peter Robinson in hospital recovering from a heart attack and unable to take part in the debate, his DUP attempted to introduce a bill that would have led to reforms of the benefits system locally and manage redundancies in the civil service.

But Sinn Féin and the SDLP exercised a veto known as the “petition of concern” where bills can be defeated if one side of the sectarian/political divide claims there is insufficient cross-community support for the law.

--- Northern Ireland power sharing in crisis as welfare bill fails
Tuesday 26 May 2015 22.54 BST
http://www.theguardian.com/politics/2015/may/26/northern-ireland-power-sharing-in-crisis-as-welfare-bill-fails


阻止された法案はウエストミンスターの緊縮財政方針にともなう福祉削減に関するもので、2014年12月のストーモント・ハウス合意(「エクストリーム交渉」の末、結ばれた合意)に含まれていたのだが、この3月、突然シン・フェインが支持を撤回した(「エクストリームUターン」)。既にEUの予算もとりつけていたメイズ/ロングケッシュ刑務所跡地再開発計画への支持を、DUPがいきなり撤回したことを思わせるようなUターンだった(あのころから、「ピース・プロセス」の行き詰まり感ははっきりとわかるほどになった)。

ここでシン・フェインとSDLP(ナショナリスト/カトリックの側)が、「福祉の削減」というクロス・コミュニティ云々(つまりセクタリアン・ディヴァイド……今はこの言葉はあまり使うべきではないのだが)の問題ではないものについて「一方の側での説明・議論・理解・支持が不十分な場合の拒否権」を使うのは、「法案成立を阻止するために、使えるものは何でも使っている」状態だろう。

しかし、これは本質的にとても危ういことだ。この法案は、「ナショナリスト/カトリックは承服できないが、ユニオニスト/プロテスタントは支持している」などというものではないからだ。

実際、ユニオニストの側からこんな声が上がっている。

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FIFAのお偉いさんがまとめてしょっ引かれた件

ニュースが多すぎて本当にわけがわからないのだが、少しずつ。

総会のため宿泊していたスイスの高級ホテルに明け方に当局が踏み込んで(米国からの依頼でスイス当局が動いた)、FIFAのお偉いさんがまとめてしょっ引かれ、米国に身柄送致される予定、という衝撃的なニュース。発生してしばらくはFIFAのスポークスマンも何が何だかわけがわからない状態だったようだが、数時間のうちに米司法当局が会見を行って、何が何なのかくらいはわかるようになった。

まさに映画のような、「前々から計画されていた急襲」+「電光石火」+「段取りのよい記者会見」で、これが「米軍特殊部隊の人質解放作戦」などではなく「平和的な身柄拘束」(現場にいたNYT記者の言葉)であることで、素直に「映画みたい」と言える気がする。しかもこれを可能にしたのは「司法取引でFBIが自陣に引き入れたFIFA役員が、キーホルダーに仕込んだ盗聴器でひそかに身内の会合を録音したこと」だったとか、これ、そのまま映画になるんではないか。製作はジョージ・クルーニー。主演はベン・アフレック。(<それ、違う映画)

米国での訴追は「CONCACAFでの不正を軸に調べてたらFIFAの不正もぞろぞろ出てきた」+「その不正行為の舞台が米国」ということのようだが、それとは別に、スイス当局が同時にFIFAそのものの不正(2018年と2022年のワールドカップ開催地選定をめぐり)を捜査しているとのことで、これはしばらくドラマが止まりませんよ。

とりあえず、何が何やらわけがわからなかった段階からの記録。

米FBIが、贈収賄容疑などでFIFA役員らを何人も逮捕。会長選挙まであと48時間というタイミングで
http://matome.naver.jp/odai/2143270611007230701


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英政府当局は何をしていたのか……今日のBBC Panoramaで北アイルランドの「闇」を特集

今日28日(木)のBBC Panoramaがすごい内容。予告編(冒頭部分)の紹介。




北アイルランド紛争で唯一、取材・執筆活動ゆえにターゲットとされ殺されたジャーナリストのマーティン・オヘイガン(2001年9月、ロイヤリストに襲われ射殺された。当時のブレア政権は事件の捜査・真相究明にどのくらい本気で取り組んだのだろうか)が、今日のPanoramaの映像の最初に出てくる。

Britain's Secret Terror Deals

British security forces have been accused of involvement in dozens of murders during the Troubles in Northern Ireland. Reporter Darragh MacIntyre investigates allegations that the state colluded with paramilitary killers and covered up their crimes. He meets the families who have been fighting for decades to uncover the government's darkest secrets and he confronts some of those believed to be complicit.
http://www.bbc.co.uk/programmes/b05x8gzs


このPanoramaの取材を行ったダラー・マッキンタイアは、潜入取材を得意とするドナル・マッキンタイアと兄弟で、BBC NIのベテランのジャーナリストだ。2012年にはアイルランドのカトリック教会の児童虐待について優れた仕事をしている

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BBCが「遺跡」の次は「鳥」について警鐘を鳴らし、人が殺され、街を追われていることはスルーする一方で、ISISはプロパガンダ上の勝利をおさめる

ニュースが多すぎて何が何やら (@_@) の状態だが、シリアのパルミラの遺跡に「イスラム国」を自称する勢力(ネットスラングで「イスイス団」、本稿では「ISIS」と表記)が接近していると、「ユーラビア」脅威論界隈からメインストリームのメディアのトップページまでがそろって大騒ぎをしていた件(一方で、大勢が殺されているという報告にはほぼ無関心だったが)で進展があった。パルミラの一帯がついにISISのもとに陥落したあとの数日間での進展だ。

BBCには記事が見当たらないが:
http://www.bbc.com/news/world/middle_east



これはISISにとってはプロパガンダ上の勝利だ(というかどうやっても彼らのプロパガンダでは彼らが勝つのだが)。騒ぎが大きければ大きいほど、彼らは「何もしない」ことによって、「そんなに野蛮なことはしない」という印象付けができるからだ。それでもなお、遺跡が破壊されないという方向性が示されたことは、よかったとは思う。

しかし、それだけで安心してしまう前に、知るべきことがあるだろう。

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2015年05月26日

ピーター・ロビンソンが倒れた件と北アイルランドの政治ニュース、続報(退院まで追記)

現地月曜の朝、ピーター・ロビンソンが倒れて病院に搬送されたこと、心臓発作と思われるということは既に書いたとおり。

その後、ロビンソンは心臓手術を行い (underwent a procedure)、そのままロイヤル・ヴィクトリア病院(RVH)にいる。手術の内容は、病院は「プライバシーの尊重」と言うのみだが、ステントを入れたのではないかという話。となるとしばらくは休養が必要になるが、その間のファーストミニスター代行については、当初、前回2010年1月のロビンソンの一時離脱時(自身の不動産疑惑と妻の口利き疑惑……というより妻が19歳の愛人を囲ってた騒動+彼に便宜を図っていたのではという疑惑)に代行をつとめたアーリーン・フォスター(まだ40代の女性政治家でなかなかのやり手のよう)が立つという話もあったものの、ナイジェル・ドッズが出てきて「決まってません」ときっぱり

本当に何の前触れもなく「大一番」(ストーモントの議会での福祉法案の審議)の直前にリーダーが倒れたので、DUPがしっちゃかめっちゃかになっている様子だ。うっかりするとシン・フェインの策に……あ、ええと、「そういうこと」が言いたいんじゃないですが (^^;)

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アイルランド共和国における「婚姻の平等」の実現について、現地のことばとハッシュタグ、写真など。

25日付で急遽「アイルランド共和国」と「北アイルランド」は別で、ましてや「アイルランド共和国」と「英国」とはまったく別で、そして「北アイルランドでは何も進展なんかしていませんよ」ということをざっと書いたために遅くなってしまったが、アイルランド共和国における婚姻の平等(同性結婚合法化)のレファレンダムについて、現地のことばとハッシュタグ、写真などをまとめておいた。

アイルランド共和国の同性結婚合法化…「他の誰かの幸せ」と「国の制度」と「価値観」と。
http://matome.naver.jp/odai/2143256986079242401


相当本気で作ってあるんで、読んでみていただきたい。

アイルランド共和国での同性愛者への差別撤廃(1993年までは「犯罪者」だった)の最大の功労者のひとりであるデイヴィッド・ノリス上院議員のことば。レファレンダムの最終結果が出る少し前のインタビューでの発言だ。

この国で同性愛者が平等になるときがついにすぐそこまで来ているのです。ただ私には少々遅すぎました。先日もお話ししましたが、私は何とか船を押し出そうと一生懸命になっていて、自分でその船に飛び乗ることを忘れてしまっていた。今やその船は港を出て、大海原に乗り出してしまいました。でも、そういう光景を眺めているのは、とてもよい気分です。

http://matome.naver.jp/odai/2143256986079242401/2143259824791425003


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2015年05月25日

北アイルランド自治政府ファーストミニスター、ピーター・ロビンソンが倒れた。

アイルランド島で立て続けにあれこれ起こりすぎていて全然追いつけないのだが、北アイルランドでファースト・ミニスター(自治政府首相)のピーター・ロビンソン(66歳)が倒れた。月曜の朝、自宅で具合が悪くなって病院に搬送され、さらにベルファストで最も設備の整った病院(ロイヤル・ヴィクトリア病院: RVH)に移って検査を受けているとの由。おそらく心臓発作。



報道関係のツイートや政界からのお見舞いの言葉は下記にアーカイヴした。

#NorthernIreland: First Minister Peter Robinson hospitalised (25 May 2015)
http://chirpstory.com/li/268239


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アイルランド共和国と北アイルランドは別。「アイルランド全体」、「イギリス全体」が「同性結婚を導入」というのは、誤情報。

取り急ぎ。アイルランド共和国と北アイルランドは別で、北アイルランドは英国の一部である。「アイルランド全体」、「イギリス全体」が「同性結婚を導入」というのは、誤情報である。

2014年5月24日付、Japan in Depth掲載の下記の記事を見た。
http://japan-indepth.jp/?p=18460



この記事には、論点とか視点とかいうこと以前の重大な事実誤認が含まれている。「アイルランド共和国」での政治的な意思決定は、「イギリス」とは関係ないという点についての事実誤認である。

当該記事の見出しには
【アイルランド、国民投票で同性婚合法に】〜イギリス全土で合法化〜

とあり、また本文には
今回アイルランドで行われた国民投票の結果を受け、イギリス全土において同性婚が解禁されることとなった。

とある。これが著しい事実誤認である。

その点について、取り急ぎ、ものすごく大雑把に書いておく。(あまり厳密な記述にはしないので、読むだけ読んで終わりにして、引用とかはしないでいただけるとうれしい。)


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2015年05月23日

5月23日は、Eurovision Song Contest, つまり広域欧州(+オーストラリア)国別対抗歌合戦の日です。

今日、5月23日(土)はEurovision Song Contestのグランド・ファイナルの日だ。元々欧州(後に広域化してユーラシア大陸)のテレビ放送での広域同時生中継のテスト的な意味合いがあったこの「国別対抗歌合戦」は、今年は60年目ということで、地球の裏側のオーストラリアがゲスト参加する。

開始時間はCESTで21時。CESTはGMTとは2時間の時差なので、日本時間とは7時間の時差。つまり日本では24日午前4時からということになる。終了予定は00:35 CEST(日本では朝7時35分か)。気になる人はTwitterを見てるのが一番確実

昨年、オーストリア代表、「ひげ美女」のコンチータ・ヴルストが優勝したので、今年の開催地はオーストリアのウィーンである(ユーロヴィジョンは、毎年、前年の優勝国が開催地となる)。既に10日ほど前から、ウィーンの街中がEurovision仕様になっているという「小ネタ」系ニュースがあったが、公式サイトに数時間前に「コンチータが案内するウィーン」のビデオのリンクがアップされた。製作は観光局のようで、ドイツ語だ。コンチータは相変わらずお美しく、白いジャケットを、袖を通さずに肩にかけたたたずまいが実にスタイリッシュである。
https://www.youtube.com/watch?v=9Rf67eqgQfk
(ウィーンはまだバーで喫煙できるんですね。)

今年のテーマは「橋をかける Building Bridges」。昨年、優勝のスピーチでコンチータが "This night is dedicated to everyone who believes in a future of peace and freedom. You know who you are. We are unity, and we are unstoppable." と述べたところから、今年の「歌合戦」が始まる。



おりしも、22日(金)、アイルランド共和国で同性結婚の可否についてのレファレンダム(国民投票)が実施されていて(正確には同性結婚を可能にする憲法改正についての賛否を問う投票なのだが)、私が見る画面のレインボー率がとても高い。世界中にディアスポラがいるアイルランドの、いわば「開かれたナショナリズム」が、可視化されているのだが、国外に働きに出ているアイルランド人(リーマンショック後のバブル崩壊で新たに国外移住した若者もとても多い)が投票のために戻ってきている。

しかしアイルランドはグランド・ファイナルの前に脱落してしまった。(´・_・`) 久しぶりに再会した家族や友人たちと一緒にユーロヴィジョンで自分たちの代表を見てワイワイできてればおもしろかっただろうに。(アイルランドはかつてユーロヴィジョンの強豪国であった。)

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2015年05月21日

父と子(写真)

チャールズ皇太子のアイルランド訪問というシリアスなニュースの最中ではあるけれど、その流れに関係なく、これらの写真は、並べなければならないような気がしたので。

(・_・)

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2015年05月19日

「歴史」は、動くときは一気に動く。ついに、ジェリー・アダムズが英王室メンバーと直接顔を合わせる。

シン・フェインの警察支持とは異なり、これにはシンボリックな意味しかない。しかしそのシンボリックな意味は、とても大きい。だからたぶん、世界的に報じられるだろうし、おそらく日本語でも記事になるだろう。

ついにジェリー・アダムズが、英王室メンバーと直接対面する。

#Ireland: Sinn Fein leaders, incl. Gerry Adams, to meet Prince Charles
http://chirpstory.com/li/266968




May 18

Speaking tonight, Cathaoirleach Náisiúnta Sinn Féin, Declan Kearney said:

“On Saturday an Ard Chomhairle decided that representatives of Sinn Féin would attend events as part of the visit of Prince Charles to Ireland.

“This was agreed to promote the process of resolving past injustices and promoting reconciliation and healing.

“Sinn Féin representatives have received a number of invites including the Party President Gerry Adams and deputy First Minister Martin McGuiness. In line with the Ard Chomhairle decision both will meet with Prince Charles.”


このシン・フェインのリリースは、党幹事長(チェアマン)のデクラン・キアニーの言葉として、「土曜日(5月16日)、党幹事会 (Ard Chomhairle) が、シン・フェインの代表団が英チャールズ皇太子のアイルランド訪問で行われる行事に出席することを決定した。これは、過去の不正義を解決し、和解と癒しを促進するプロセスを促進する(言葉のダブリは原文ママ)ために決定された。党首ジェリー・アダムズ、(北部/北アイルランド自治政府の)副首相マーティン・マクギネスをはじめ、党の代表者たちは招待を受けている。党幹事会の決定に沿う形で、アダムズ、マクギネス両名はチャールズ皇太子と対面する」と党員および一般の人々に告知している。

これが可能になる筋道は、4年前の今頃からつけられ始めた(といっても、シン・フェイン目線を離れれば、今回のことより4年前の出来事のほうがずっと重要でずっと大きいのだが。つまり、今回の出来事は4年前の出来事の結果のひとつなのだが)。

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2015年05月13日

「あの○○記者」というブランド化にこそ、懐疑の目を向けるべきではないのか。

毎日新聞の国際欄をチェックしたら、こんなふうになってた。例のシーモア・ハーシュ記事は、毎日新聞の国際欄のトップに来るようなものなのだろうか? ただし記事は「共同」だが。


※記事:
米国:「ビンラディン殺害にパキスタン協力」暴露記事(→ミラー

確かにシーモア・ハーシュは人々の耳目を集めることができる記者だ。下世話な言い方をすれば、この人の書いたものは「売れるコンテンツ」だ。それに「国際欄のトップに来ていること」は、単に共同通信記事の配信のタイミングもあったかもしれない。だが、この記事は……びっくりしたので、わざわざ手間かけてツイートしたくらいだ。

そもそも当該の記事を「暴露記事」と呼んでいいのかどうかも私にはわからない。ハーシュの記事は(がんばったけど全文を読むことができず、ざっと「目を通した」だけだが)、まとめると、「〜ということが関係者の話でわかった」という記事で、その「〜ということ」は他者による検証可能性が著しく低いのだ(ハーシュの情報源が匿名だったり、事実誤認が目立ったりしている)。その場合、「〜という可能性が高いと指摘する記事」ではあっても、「〜という事実を暴露する記事」ではなかろう。「問題提起」は「事実の指摘」ではない。

ともあれ、当該のシーモア(セイモア)・ハーシュの記事については、既に「Twitter上のジャーナリストらの反応や記事の抜粋のツイート」を中心に、まとめておいた。当該のハーシュの記事へのリンクも、下記「まとめ」にあるのでそれをご参照いただきたい(ここからリンクしたくない)。

「5年間軟禁の挙句に売られた」……? シーモア・ハーシュ、「オサマ・ビンラディン殺害」の“真相”とは
http://matome.naver.jp/odai/2143132879161241101


なお、当該の記事はアメリカのジャーナリズムの媒体にではなく、イギリスの言論誌(London Review of Books)に掲載されている(その点は共同記事にも書かれている)。こんなビッグネームが「暴露記事」を書くなら、LRBではなくNew Yorkerだろう。(ちなみに、ハーシュが「シリアの毒ガス」についてよくわからないことを憶測を積み重ねて書いていたのもLRBだった。あんときに指摘された疑問点、そのままになってるんじゃないっすかね。)

このハーシュの記事は、私が何かをしてもしなくても、いずれ日本語化されるだろう。なのでここでは、この記事についての「ツッコミ」を少し紹介しておこうと思う。

なお、「ツッコミ」以前に、翻訳する場合は必ず問題となると思われる部分についての指摘が出ているのでそれを。固有名詞の混同だ。

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2015年05月10日

北アイルランド総選挙結果についてはこちら。

北アイルランドについてはこちら:

2015年英総選挙: 北アイルランド全18選挙区の結果(付: BBC記者のネクタイ選び)
http://matome.naver.jp/odai/2143116928203956601


「なぜこんなに狭くて人口も少ないところで18議席もあって、議席を取るだけ取って議会に出席しないことを政策の柱としている政党が強いのか」など、深い話はしていません。単に、選挙速報のログ。

今回のメインはUUPの復活。それも、前回シン・フェインを相手に4票差だった選挙区で奪還したばかりか、あのウィリー・マクレエ(DUP)から奪ってる。ユニオニストでぐだぐだになって議席を失ってフェードアウトした政党はいくつかあるけれど、議席を失って復活したのはUUPだけじゃないかなと思います。ま、UUPは何があってもUUPなので、底力(バックについてる組織を含め)が違うんですが。

にしても、DUPが8議席で、ウエストミンスターでLDと同じ議席数ですよ。わけがわからない。

でもブリテン島(思慮のない人、口の悪い人は「メインランド」と平気で言うけど)では北アイルランドのことなんか、誰も、気にしてない。世論調査機関ですら、埒外においてたりするくらい。

でもウエストミンスターとホワイトホールにとって、北アイルランドは簡単に切り離せる存在ではないので。アイリッシュ海(の一部)を「自国の海」として持っているのと持っていないのとでは、大違いですよ。(スコットランドは対ノルウェー、対アイスランドの「領海」の問題。)
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総選挙結果については、別途書いています。

表題の通り。まだ書いてる途中ですが、下記ご参照ください。

何がいけなかった? 英総選挙、事前の世論調査が外れすぎ!(付: 「帽子を食べる」)
http://matome.naver.jp/odai/2143119750434669501


例えばこんな感じのこと:



……だけでなく、ガチなことも書いてます。ブログで一気に書くことができず、「わんこそば」方式で少しずつにしないと書けないので。

たとえば:


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2015年05月09日

2015年5月英総選挙最終結果





See:
http://www.bbc.com/news/election/2015/results
http://www.theguardian.com/politics/ng-interactive/2015/may/07/live-uk-election-results-in-full

あと、今回Twitterでは政党名のハッシュタグのあとに政党のマークを表示していた(サッカーのワールドカップのときに国名のハッシュタグで国旗を表示するように)。

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ガーディアンの選挙速報……ウェブページのコンパクトなスペースでの「わかりやすい」見せ方

昼間、こういうメモ的なツイートをした。



※ガーディアンのトップページは:
http://www.theguardian.com/uk

これについて、「あとでブログにアップ」と書いたものをこのエントリに。

眠いので日本語の説明文なし。

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※多重投稿のため消去※

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2015年05月08日

「ウエストミンスター型政治システム」の終わりのはずが、「現行の投票前世論調査のやり方」の終わりに?

投票前は「2010年に続き、どこも過半数を制さないhung parliamentになる見込み」だとか、「保守党と労働党の支持率はほぼ拮抗」だとか言われ、いわゆる「ウエストミンスター型の政治」(二大政党制: 二大政党の間で政権交替が行われる政治形態)の「終焉」が語られたりしていたが、実際にフタをあけてみれば保守党の(「ランドスライド」とまでは行かなかったが)「楽勝」だった。

私自身も事前調査についての報道を読みながら、「スコットランドの議席が半分以上はSNPに行くことが確実なときに、ほんとにここまで接戦になるのかなあ」と思いつつ、実績のある調査会社がそう分析しているのだから、さほど現実からかけ離れてはいないのだろうという程度に、分析の内容を信じていた(自分が考えるときの前提としていた)のだが、実際には大きく違う結果が出た。

というより、実際に出た結果より前に、投票所が締め切られた瞬間に報道された出口調査の結果(←これ、いかにも「日本だけが特殊」なように言う人たちがいるけれど、そうじゃないので)で、既に調査会社の分析は大きく外れていたことがわかった。

投票前の調査会社の分析のまとめ:


投票締め切り(日本時間8日午前6時)直後に出た出口調査の分析(BBCをはじめ、英国の報道機関の合同調査):



「もしこの出口調査が正しかったら、一番の負けは調査会社だ」という声(多数あり):


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posted by nofrills at 23:40 | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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