《The + 比較級 …, the + 比較級 〜》で「…すればするほど〜」という構文は、普通に教育課程で英語を履修していれば、高校で誰でも習っているはずだ(ただし2013年以降の日本の高校英語のことはわからん)。私は高校時代に下記の例文で覚えた。
The more you have, the more you want.
(持っているものが多いほど、ますますほしくなる)
この前半が、比較級ではなく最上級になるパターン。めったに見ないが、ないわけではない。その実例を今読んでたBBC記事から:
We continue to appeal to anyone who may have knowledge of people with similar intentions. The earliest we can intervene to prevent terrorism the better.
http://www.bbc.com/news/uk-32521780
記事の内容は、「学習障害のある少年を標的に定め、友人として近づいた上でそそのかしてテロ行為を行わせようとした18歳男子に有罪判決」というもので、それはそれで別途見ておく必要があると思うが、ここでは英語の例文だけ。
引用したのは警察の人のコメントで、「(有罪になった被告と)同様の意図を持っている人のことを知っている方がいらしたら、ご一報いただきたい。われわれ(警察の対テロ専門部門)が(可能な限り)最も早く介入することができれば、より状況はよくなる」という意味。
"The earlier we can intervene ..." としても、たぶん《意味》は同じだが、この文例での "The earliest" という最上級には、込められている感情がある。ただしこれ、文法としては「間違っている」と扱われる(「間違っている」という扱いの例)。スタンダードな英文法では、この構文は「間違っている」ので、「通例、言わない」とされているはずだ。
同じように、「間違っている」とされているものに、「わたしはオレンジジュースです I am orange juice」がある。言語学ではこういう文を「うなぎ文」と呼ぶ(「ぼくが注文するのはうなぎです」を「ぼくはうなぎだ」と言うことから)。それについて、過日、非常に有益なページを見たので、それについてもついでにメモしておきたい。
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