先日、「イスラム国」を自称する勢力(ネットスラングで「イスイス団」、本稿では「ISIS」と表記)が、その支配域における「医療の充実」を宣伝するビデオをアップした。私は現物は見ていないが、報道記事によると、ISIS系のソーシャル・メディアのアカウントで流されているその映像は、「まるでドラマのオープニングかと思うような作り方」がされたスタイリッシュなものだそうだ。ISISのプロパガンダ・チームが英国出身なのだろうけれど、英国の国民健保、NHS (National Health Service) をパクったようなロゴで、ISHS (Islamic State Health Service) の存在を誇示し、設備も整い、ぴかぴかに手入れされた(おそらく)ラッカの総合病院の各診療科を、複数の医師が順繰りに紹介してみせているそうだ。
Islamic State NHS-style hospital video posted
http://www.bbc.com/news/world-middle-east-32456789
24 April 2015
このビデオに出てくる医師のひとりが、オーストラリア人だという。「アブ・ユーセフ」と名乗るこの医師は、「これが僕のジハード」、「もっと早くにISISに加わっていればよかった」と語り、西洋諸国の医師や医療関係者に対し、ISIS加入を呼びかけている。
The Australian doctor, who calls himself Abu Yusuf, says he travelled from his home country to join IS and is using his medical skills "as part of my jihad for Islam".
He is shown treating newborn babies in incubators, in a section of the video set in the hospital's apparently well-equipped paediatric ward.
Speaking directly to camera, he says he wished he had joined IS sooner. He calls on doctors and other medical professionals in the West to join the group.
あからさまな「勧誘」。「このきれいで立派な病院で、君も大義のために自分の能力を生かさないか?」という誘いだ。
この「アブ・ユーセフ」医師が誰であるのかがわかったと、IBTが豪州の報道をまとめて伝えている。
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