真偽不明の《噂》が出回ることは、戦地ではよく見られる。戦地でなくても、うちらが普通に日常生活を送っている東京でだって《都市伝説》が日常的に出回っている。「池袋の○○ビルに行くと、誘拐されて外国に売り飛ばされる。被害者に会って話をした雑誌記者がいるが、記事を書こうとしたら○○組に脅迫され、書けなかった」といった類の《噂》だ。「世間話」として広まりはするが、誰もそれが《事実》であるという確認が取れないまま、細部に変形が加わりつつ、単に口から口へと伝わる。
しかし中には、今回の「殺害した男性の肉を……」の《噂》のように、報道機関が媒介する(文字通りの「メディア」になっている)こともある。
2007年には、英軍が占領していたイラク南部の都市バスラで「英軍が持ち込んだ人食い巨大バジャー(アナグマ)が人々を無差別に襲っている」という、恐るべき生物兵器(マジでそう言われていた)の存在が噂された。これも報道機関が媒介した(このときはアルジャジーラ。詳細はリンク先を読んでください。すごいから)。
が、報道機関が媒介した結果、《都市伝説・噂》の飛び交う狭く閉じた世界の外に伝えられることで、「そのような事実はない(のではないか)」という客観の光が与えられることもある。
前置きはこのくらいにして、本題。ブコメで書いたとおり、「殺害した男性の肉を……」は「十中八九根拠なし」と考えられる。ライブドアニュースの記事のタイムスタンプは「2015年3月3日 11時53分」となっているが、その時点では既にdebunkされていた。
New ISIS rumor: Islamic State tricked mom into eating son's remains:
http://t.co/WO811DbnGm pic.twitter.com/jsoT6UAfuh
— snopes.com (@snopes) 2015, 3月 2
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