「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2015年03月29日

例の「一部非公開裁判」の判決が出たけど、まだ「非公開」なので何が何なのかさっぱり

2014年6月、なんだか奇妙な「非公開裁判」のニュースがあった。2013年10月に逮捕されたときは、その逮捕(「テロ法」によるもの)が大きく報じられた容疑者2人が起訴され裁判という段になって、検察が「すべて非公開ですべき」と主張し、裁判所が「コアの部分は非公開にすべき」と判断し、「公開裁判」が原則のイングランドで審理の大方が非公開・報道禁止となったのだ。

その裁判の判決が、2015年3月に出た。







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2015年03月28日

「診断書」= sick note(s) ということについての実例のメモ

ジャーマンウィングス9525便の意図的墜落について、現地(ドイツ)のタブロイド報道を元に、なかなか刺激的な話が飛び交っている。BBCでも記事にしているが、飛行機を故意に墜落させたと判断されている副操縦士の元彼女(付き合っているうちにだんだんついていけなくなって別れたという)の(おそらくは「今思えば……」という)話を聞いたドイツのタブロイドBild紙だけをソースにしているもので、それなりに慎重に接したほうがよいのかもしれない。私はドイツ語もできないし、ドイツの報道事情もよく知らないので、さじ加減的なものもなにもわからないのだが、BBCがBildだけを典拠としているのは、少なくとも「急いで出している記事」という印象を受ける。

(なお、Bildのようなタブロイドの「独占取材」自体は珍しいものではない。タブロイドはよく「日本でいうと東スポ」などと言われるが、日刊であるという形態は別としてメディアとしての存在感は、「東スポ」というより「週刊文春」、「週刊新潮」などの週刊誌に近いと思う。)

さて、ドイツではその副操縦士の家に当局が入っていろいろと証拠を集めているが、そこで「引きちぎられた診断書」が出てきたというのが大ニュースになっている。この「診断書」が、英語でmedical certificateではなくsick noteとあらわされていることを、実例として書き留めておくのが本稿の目的である。



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2015年03月27日

エアラインが採用時に精神的健康チェックを行なっていても、「意図的に墜落させる」ということが起こりえる、ということ。

ジャーマンウィングス社の飛行機が墜落した件は、機長がトイレに行っていた間にコクピットで1人になっていた副操縦士が、トイレから戻ってきた機長を締め出した状態で、意図的に山に激突したと考えられると、墜落現場のフランスの検察当局が述べた。

それが明らかになってすぐに、私が見ていたニュースサイトのフィードはそのニュース一色になったが、その前にすでにそういう話が出ていた。




……ということを聞いてすぐに思い出したのが、「心身症」という言葉を社会に定着させた日航機の「逆噴射」だ。当時の小中学生のほとんどは、この墜落に関する悪趣味な冗談や、ひどい場合にはいじめに至った事案で、学校で先生にお説教を食らうなどしているはずである。うちらも全校集会で校長先生からお説教を食らった。

1982年のこの墜落事故のあとで、エアライン各社の操縦士のメンタル・チェックが厳格化された、というようなことを私は聞きかじっていたと思うのだが、どうもそれは思い込みだったらしい。

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2015年03月26日

「普通の22歳男子に戻りたい」と言ってアイドル・グループからメンバーが抜けて、ネットには彼に対するお約束のヘイトスピーチ。

「BBCのTop Gearのジェレミー・クラークソンがクビになった!」というのが流れてきて数時間後には、「One DirectionからZaynが脱退した!」が流れてくるという、何ですかこの芸能ニュース・ラッシュは、という日だ。



ゼイン・マリクが「普通の22歳男子に戻りたい」と言ってグループを脱退したことには「キャンディーズか、都はるみか!」とつっこまざるをえないが、それだけならブログにしない。

ブログを書いているのは、芸能系というより殺伐系の話題になっているからだ。クラークソンのbigotryではない(正直、あれは話題にすればするだけ「炎上商法」に寄与することになると思う)。ゼイン・マリクへのいやがらせ(彼の民族と宗教的バックグラウンドについてのヘイトスピーチ)だ。

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ロンドン、イーストエンドの再開発について読んでいるうちに、100年以上前の犬の写真をたっぷり鑑賞していた。

ロンドンのイーストエンド、というよりシティのすぐ東側に、スピタルフィールズ (Spitalfields) という地域がある。シティの外側に位置するこの地域は、17世紀にはフランスから逃れてきたユグノーの移民街で、シティのギルドの制約のないところで絹織物産業が営まれた。その後、アイルランドでのアイリッシュ・リネンの産業の後退で職にあぶれたアイリッシュが移住してくるようになったが、19世紀、ヴィクトリア朝が始まるころにはこの絹産業も下降線の一途をたどっていた。スピタルフィールズやその近隣地域で救貧活動が盛んに行なわれたのことにはそのような背景があり、19世紀のロンドンのイーストエンドの暗い雰囲気(切り裂きジャックなど)もそういう流れに位置する。

スピタルフィールズはそのころの重くて湿ったような雰囲気を漂わせながら、80年代、90年代以降は、シティとは毛色の違う「オルタナティヴ」な運動の拠点として流行ったし、今もそういう場所だ。場所がよいので再開発の計画も何度か持ち上がってきたし周辺域はずいぶん手が入れられてしまったようだが……というところで、Norton Folgate(通りの名)のあたりがまた危機にさらされていると知った。




その流れでスピタルフィールズの各種運動系のアカウントなどを見て回っていたら、次のようなすばらしい記事に遭遇した。




以下はその話。

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2015年03月25日

ロンドンの不発弾

ロンドンは第二次大戦でドイツによる空襲にさらされたので、不発弾が見つかることはそこそこよくあるらしい。Unexploded ordnance (略してUXO) という表現を私が最初に見たのも、ロンドンに関する文章だったような気がする。
Most current UXO risk is limited to areas, mainly in London and Portsmouth, that were subject to the Blitz and to land used by the military to store ammunition or to train on. According to the Construction Industry Research and Information Association (CIRIA), from 2006 to 2009, over 15,000 items of ordnance were found in construction sites in the UK. Most notably, 1000 homes were evacuated in Plymouth in April 2009 when a Second World War bomb was discovered, and in June 2008 a 1 000 kg bomb was found in Bow in East London.

http://en.wikipedia.org/wiki/Unexploded_ordnance#United_Kingdom


建設工事で地面を掘って見つかることが多く、CIRIAでは業者向けのパンフレットを出しているそうだ。

そんな事例が、今週もあった。見つかったのは長さ5フィートの1000ポンド爆弾。場所はロンドン南東部のバーモンジー。「泥棒市」でも知られる庶民的なエリアだ。




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「無根拠な憶測」を「ノイズ」として排除する必要性について、さすがに考えずにはいられないことがあったので。

フレンチ・アルプスの山中に、バルセロナ(スペイン)からデュッセルドルフ(ドイツ)に向かうエアバス機(A320)が墜落した。ちょうど24時間ほど前、24日の午後8時ごろ(日本時間)にBBC Newsのトップページを見てみたらトップニュースになっていたので知ったのだが、フランスのTVニュースでの第一報も7時40分ごろのことだったようだ。私が見たときにはすでに「乗客・乗員全員絶望」というフランスの首相の発言が出ていて、それが見だしになっていた。墜落したのはドイツのルフトハンザが傘下に持っているLCCのジャーマンウィングズの4U9525便、150人ほどが乗っていたという。

そのときにやっていた作業が一段落し、9時ごろにTwitterの画面を見たときには、どうやら既に「はっきりした根拠はないけれど、その時点でわかっている事実の断片だけつなぎ合わせて結論しちゃおう(少なくとも可能性のひとつにはなるので、これは善いことだよな)」という人々(今後、「オカルト組」と呼ぼうと思う)が活発に発言していたようだった。(個人的にはその界隈は見ないようにしているが、それを見たと思われる人々の言葉の断片がいくつか、流れていた。)

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2015年03月24日

欧州極右のさらに右がロシアでごにょごにょ、という話題(それと、ジム・ダウソンについて)

3月22日にロシアのサンクトペテルブルクで開かれた「国際ロシア保守派フォーラム」についての23日付FT記事が、JBPressで日本語訳されている。

欧州の極右より、ロシアへ愛をこめて
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43288


これがなかなかすさまじいというか、BNPを追い出されたあとのニック・グリフィンがBNPのさらに右に行くことは予想できていたけれども、まさかロシアに行くとは…… (^^;) ああ、でもシリアに行ってたから、こうなるのは規定路線ではあったのかもしれない。

で、記事にはジム・ダウソンが出てくるのだが、彼は確かにスコットランド生まれかもしれないけど「スコットランドの活動家」ではなく「北アイルランドの活動家」と言うべきではと思う。つか、ダウソンはかの「ベルファストの旗騒動」の「中の人」の1人だ。家は北アイルランドだし。
http://en.wikipedia.org/wiki/Jim_Dowson

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2015年03月23日

「反権威」と「トンデモ」と、「言論の自由」と「オンライン・アビューズ」と。

サンディ・フック小学校事件に関する陰謀論についてのページを作成中だが、「みんなが発言できる」すばらしいユートピアだったはずのインターネットでは、こんなことでこんなひどい「アビューズ」が発生するのか、と暗澹たる気分になっている。

シカゴ・トリビューンは、サンディ・フック事件否定論のサイトの主は、シカゴを拠点とするカシム・K・イグラム (Cassim K. Igram) という57歳の男であることを突き止めた。

彼はネットや出版物で、キャス・イングラム博士 (Dr. Cass Ingram)、カセム・カリール (Kaasem Khaleel) など、いくつかの偽名を使い分けている。ハーバル・レメディのときは「キャス・イングラム博士」、9-11事件やボストン・マラソン爆弾事件は米国政府またはイスラエル政府のしわざだと主張するときは「カセム・カリール」というように。

……その正体であるイグラムは整骨医の技能を有しているが、イリノイ州での免許を1999年に剥奪されている。理由は、栄養サプリメントの代金としてある女性に数千ドルを払わせようとしたことが、「アンプロフェッショナルで倫理にもとる不名誉な行為」と判断されたこと。

……イグラムは(「キャス・イングラム博士」の名前で)ハーバル・レメディや栄養について何冊もの本を出しているが、それらはノース・アメリカン・ハーブ&スパイス社という会社の製品を紹介している。そして、その会社は米連邦貿易委員会によって、オレガノ・オイルに関するデタラメな主張を行なったとして訴えられている。

……
http://matome.naver.jp/odai/2142623486769204201?&page=4


このような「デタラメな主張」をする者も、法律に抵触する発言でない限り、基本的に「言論の自由」によって守られている。「言論の自由」から「デタラメ」を排除するのは法律や行政ではなく、「人の良心」や「判断力」である。というか、それでしか「デタラメ」を排除できない。息をするように嘘をついてもなぜか説得力があるように聞こえ、マスメディアのお覚えもめでたいような人物は、マスメディアでの発言機会を有している限りは「デタラメ」を吹聴し続けるだろうし、マスメディアに出なくても自分の発言が(必要な範囲に)届くようなネットワークを持っていれば、地下化した状態で「デタラメ」を垂れ流し続けるだろう。「言論の自由」はそういうことさえも擁護する。

それでも、この件について調べていたときに、2013年4月のボストン・マラソン事件についてネット上でものすごい勢いで垂れ流されていた「陰謀論」をいちいち否定する記事が、大手報道機関でたくさん出ていたことを再確認した(例えばABC, ガーディアン, Wired, ほか。「陰謀説」をいろいろまとめたのがsnopes)。「デタラメの垂れ流し」は目に付くが、一方で、「それはデタラメですよ」と指摘するために「言論の自由」が行使されている光景も目に見えるようになっているのだ。それを見るかどうかは、また別の話かもしれないが。

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「私たちはよいことをしてきたのだ」という語りについて。

ここまであからさまなものを見るとは思っていなかったんで、ちょっとびっくりしています。

例えば帝国主義での植民地支配について、「植民地化された場所の近代化を促進したから良いことだった」というような単純な語りがあります。こういう語りの最大の問題点は、物事は「良いこと」か、そうでなければ「悪いこと」だという白黒の二元論であること、1つ良いところがあればすべてが「良いこと」になるという詭弁が堂々とまかり通ってしまうことです。実際には、物事はそんなに単純ではありません。

ただしこういう語りはありふれたもので、いろいろなヴァリエーションもあります。その一例が3月22日のBBCに。

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2015年03月21日

(´・_・`) のコンテンツ化、あるいは歴史と伝統の自虐芸

※「歴史と伝統の」は枕詞です。

2015年3月20日、欧州は春分の日と日食とスーパームーンが同時に起こると盛り上がりを見せていた。その前日までの2日ほどは、強い磁気嵐の影響で、通常よりずっと南の方でまでオーロラが観測されて盛り上がっていた。イングランドではカンブリアの空が緑色と紫色に染まり、通例、もっと北のほうのスコットランドやアイルランド北部でなければ観測されないような空の写真がBBCなどニュースサイトの写真特集をにぎわせていた。そんなイベント尽くしの日々、きっと子供たちは3月19日の夜はわくわくしながら眠りについたことだろう。「明日は日食だ!」と。

しかしここで立ちはだかるものがある。「ブリティッシュ・ウェザー」である。ちなみにお隣のアイルランドでも同様の「アイリッシュ・ウェザー」が立ちはだかる。指を交差させて幸運を祈ったところで、変えることはできないものだ。

というわけで……






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ある拷問被害者の死……「正義」がもたらされるその日を、生きて迎えていただきたかった。

2014年12月、米CIAのやってきたことについて「拷問」であるということがついに公の文書で認められたことは、グアンタナモなど米軍の施設で「拷問」にさらされてきた人たちに、いくばくかの《救い》をもたらしていた。彼らは「私は拷問にかけられた」と述べても、「あなたに加えられたのは《拷問》ではありません。《尋問手法》です」と言われてきた。それが「はい、確かにあなたに加えられたのは《拷問》でした」となるだけでも、《救い》になる……ひどいことだが、「最低最悪」が「最悪」程度になることでも《救い》になりえてしまう。

同じころ、アイルランド共和国が1970年代に欧州人権裁判所(ECHR)に起こした「拷問」に関する訴えを、新証拠を持って再提示するというニュースがあった。北アイルランド紛争、オペレーション・デメトリウス、インターンメント、ギニアピッグ、「フーデッド・メン」(これらの言葉の意味は、下記のNAVERまとめのページに書いてある)……2015年2月にはあの「有名な人権弁護士」(有名俳優の配偶者でもある)がチームに加わって、いよいよ本格的に動き出しそうだな、というところまで来ていた。

その矢先のジェリー・マッカーさんの訃報である。残念でならない。

北アイルランド、1971年8月9日に一斉拘留された「拷問の実験台」のひとりが、71歳で亡くなった。
http://matome.naver.jp/odai/2142682154578918301


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Twitterがどんどんごちゃごちゃしてくる件

20日、ブラウザでTwitterの個別ツイートを表示させたときに、右側にカラムが出現していた。「フラット・レイアウト」云々でのニュースサイトのリニューアルなどが進み、どこもかしこもサイドバーを捨てる方向で、ページ内の情報量が激減しているときに、あえて逆を行って「ブラウザだからできること」をやるのはいいと思う。

問題は、精度が低すぎて意味が分からない上に、めちゃくちゃうっとうしいだけだという点だ。生暖かく見守っていき……たいと言いたいところだが、その前に、あんまりこんなふうにごちゃごちゃになってきたら、ブラウザで見るのやめると思う。(´・_・`)

Twitter新機能、 "You may also like" が、現状、限りなくうっとうしい。
http://matome.naver.jp/odai/2142686977324449001


初期のTwitterの攻撃的なミニマリズムが懐かしい。

4861905354ツイッター・パーフェクトガイド Twitter Perfect Guide. (INFOREST MOOK)
インフォレスト 2009-11-17

by G-Tools

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ガーディアンの次の編集長は女性だ。

2010年の「ウィキリークス」の報道以後、日本語圏でも「名称を言うだけで新聞だと通じる」機会が増えてきたような気がする英国拠点の新聞、ガーディアンは、元々は1821年にマンチェスターで始められた非体制的な(ノン・コンフォーミストの)実業家たちの新聞だった。創刊から数年後に「マンチェスター・ガーディアン」の名称となり、1959年に「マンチェスター」を取ってただの「ガーディアン」となり、1964年に本拠をロンドンに移した。

この194年の歴史を通じて、「ガーディアン」の編集長は10人しかいない。ウィキペディアからコピーすると:
John Edward Taylor (1821–1844)
Jeremiah Garnett (1844–1861) (jointly with Russell Scott Taylor in 1847–1848)
Edward Taylor (1861–1872)
Charles Prestwich Scott (1872–1929)
Ted Scott (1929–1932)
William Percival Crozier (1932–1944)
Alfred Powell Wadsworth (1944–1956)
Alastair Hetherington (1956–1975)
Peter Preston (1975–1995)
Alan Rusbridger (1995–present)

……と、大雑把に第二次世界大戦後は、編集長が20年に一度交代していることが確認できる。というか、一度編集長になったら20年。現在のアラン・ラスブリジャー編集長(ルパート・マードックに「何だあのハリー・ポッターは」と言われたことでも知られる)も、20年目となる今年の夏に退任するということが2014年の暮れに発表されていた。その後任が、全スタッフの投票と経営陣(スコット・トラスト)の選考を通じて決定されたというのが3月20日のニュース。194年の歴史を通じて初めての女性編集長だ。

Guardian appoints Katharine Viner as editor-in-chief
http://www.theguardian.com/media/2015/mar/20/guardian-appoints-katharine-viner-new-editor-in-chief





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2015年03月20日

今「海外なんかに行くから」うんぬんという言葉にへこんでる人、そんな雑音は気にすんな。

チュニジアの事件を受けて、「観光客が標的とされる」、「日本人も何人も巻き込まれた」というショックを自分なりに吸収するためだろうが、あまりに粗雑な「自己責任」論というか、「海外なんかに行くからテロに遭う」みたいな言葉が「つぶやかれ」ているようだ。(私はこの「つぶやき」という日本語に非常に大きな違和感を抱いているが。)

しかし、3月20日に……それも「あれから20年」の3月20日に、「海外なんかに行くからテロに遭う」みたいな言葉をリアルタイムで見るというのは、何という皮肉だろうか。

以前も書いているが、日本国内では過去に幾度も「テロ」攻撃・事件が発生しており(このリスト、煩雑すぎる。「国内で発生した」という要件に絞り込んではどうか)、ほとんどの事例で攻撃主は日本を拠点とする者・日本国籍を有する者である(「外国人テロリストが日本に入り込んできて日本を攻撃する」のが常なのではない。アメリカでいえば、オクラホマシティ連邦ビル爆破のティモシー・マクヴェイみたいなのがほとんどで、9-11同時多発テロのモハメド・アタのような者はまれだ)。「外国人ジャーナリスト」と呼ばれる立場の人から、日本は「テロ攻撃のために来日するテロリスト」の心配をする以前に、日本で生まれ育って日本の都市や機関を標的とする「テロリスト」や、「テロ」とは呼ばれない無差別攻撃(報道用語で「通り魔」と呼ばれるもの)の心配をしてはどうかという指摘がなされることも、普通だ。(しかし、「日本には四季がある」=「四季があるのは日本だけ」みたいな阿呆な論理飛躍に《洗脳》されている良い子にはそういう話は通じないし、逆にそういうことを言うと「在日か」などわけのわからない罵倒をされることになりかねないのが現在の日本語圏である。)

地下鉄サリン事件から20年 テロ組織へ突き進んだオウム真理教
http://thepage.jp/detail/20150319-00000008-wordleaf


<地下鉄サリン20年>オウムの本質はサリン事件の頃と「変わらない」
http://thepage.jp/detail/20150320-00000004-wordleaf


上記2本の記事は、元公安調査庁東北公安調査局長の安部川元伸氏による。公安と聞いただけで「うがががががーーー」となるパブロフの犬、もとい、単細胞、もとい、人もいるかもしれないが、読むべき記事だ。

オウム真理教が引き起こしたサリン事件から20年経過したいま、リアルタイムで事件を見た人はだんだん少なくなってきています。特に、若者の中には、オウムといってもピンと来ない人も多いでしょう。オウムは、例によって騙しのテクニックを使ってそういう若者を組織に取り込んでいるようです。
http://thepage.jp/detail/20150320-00000004-wordleaf?page=3


また、この記事を含め、何本かの有益な記事から抜粋して構成されている短い「まとめ」(INFO-RAVENさんによる)があるので、今は時間がないという人はそちらをどうぞ。文字量としては2分もあれば読める分量だ(情報量としてはもっとたっぷりある)。

【3月20日】風化させない。地下鉄サリン事件を振り返る
http://matome.naver.jp/odai/2142675523319791601


カルトは誰も救えません。あなたや周りの人を不幸にさせるだけです。
http://matome.naver.jp/odai/2142675523319791601/2142677266541459903


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2015年03月19日

チュニジアの首都で、博物館が武装勢力に襲撃されて、観光客が殺された。

痛ましい限りだ。誰が博物館に古代のモザイクや彫刻を見に行って、武装勢力の襲撃を受けるなどと考えるだろう。

18日の夜、確認したいことがあったのでBBC Newsのトップページを見たときにチュニジアで何かが起きているということに気づいた。そのBBCの記事をざっと読み、すぐにTwitterで検索したりさかのぼったりして、報道機関の関連記事を読んで、Live blogを追っていたものの記録が下記である。

チュニジア、首都チュニスのバルド国立博物館を武装集団が襲撃、死者22人以上(日本人5人含む?)
http://matome.naver.jp/odai/2142668797952221401

※なお、死者数についてはまだ確定されていないようだが、日本語の報道では「死者19人、うち日本人3人」で落ち着いてきたようだ。日本人の死者数が減ったのは、「現地では5人と言われていたが、名前が重複してカウントされており、実際には3人」ということだそうだ。

日本人が犠牲となったということがわかったのは19日の朝、時間帯としては十分に明るくなった後だったが、その前の段階で、観光立国の比較的安全な都会の著名な観光施設(観光客なら誰でも行くような……パリのルーヴル美術館、ロンドンの大英博物館のような)で、昼日中に起こった襲撃事件ということで、1997年のルクソール事件を想起して、ぐるぐるしていたのだった。

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2015年03月18日

「被害者は口から泡を……」ということを、広く知られるようにする必要がある、ということ。

腫瘍内科医の勝俣範之さんによる「僕はサリンサバイバー」というブログ記事を読んだ。

あれから20年になるというので、語られることが増えていると思う。それらを読んだときに、何年か前なら、あの事件に直接的に関連することのほかは何も思い出すべきものなどなかった。しかし今は違う。

2013年8月21日、シリアの首都、ダマスカスの東にあるゴウタという町で、化学兵器が使用され、何百人も死んだと報じられた。



Twitterはほぼ即座にwhodunnitの様相を呈した。が、より慎重な人々の間では、兵器についての分析などをしている人たちと同様に、「誰がやったか以前に、何が使われたのかが問題だ」という態度が見られた。

そして「あの名称」はほどなく画面に現れた。

※この先は、1995年3月20日の東京での事件で心的外傷を受けている方は、閲覧はしないほうがよいかもしれません。シリアでの化学兵器の使用に関連して、トリガーになりうることを書いています。


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Happy St Patrick's Day! と言いつつ、ポリティカルなおじさんたちがなかなかめんどくさい状態に。

毎年恒例3月17日。今年は北部6州周りはいろいろアレですが、まずはアイルランドのアイドルでなごみましょう。

アイドル(1):




アイドル(2):

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2015年03月16日

「みんな」なんて、信じていない。



BBC Newsの今のトップニュースになっているこの話で、脳髄の芯が冷たい怒りに満たされていて、何ら文章らしい文章が書けないので貼るだけ。1つ前のエントリの件。



これ↑のThunderclap(一種のtweet storm. 発起人はFIDHで、HRWやAmnesty Intなどが呼びかけ人的な立場)が、15日 18:30 CET (日本時間で16日 02:30) に流れる。あと1時間ほどだ。

私も支持・参加表明してあるので私のTwitterアカウントからも流れる(そしてそういうのが流れるとフォロー外されるんだよね)。(これが流れてから、本稿に少し書き足すかもしれない。)

賛同者は、200人が閾値だったところ、私で196人目とかそんな感じだったが、その後もほとんど増加していない。



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2015年03月15日

「アレッポは、97%の明かりが消えてしまった」……シリア、「革命/蜂起」の開始から4年

2011年3月15日。東京ではまだけっこうな余震が続いている中で、#Mar15 #Syriaのハッシュタグが流れてきてから4年である。




本文が書けずにいるうちに日付が変わりそうなので、とりあえずこれだけ。

あれから4年、今のシリアは「明かりが消えた国」。 #WithSyria #FailingSyria
http://matome.naver.jp/odai/2142615428998791101





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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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