「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2011年09月26日

カダフィと、北アイルランドの武装勢力(今日の英国のテレビ番組)

リビアから、トリポリで数多くの遺体が埋められているのが発見された、1996年のアブ・サリム刑務所(政治犯収容所)の大量虐殺の犠牲者たちだと思われる、というニュースがあった。
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-15055109

ベンガジはカダフィ政権にとって常に「反体制派」の町だったそうだが、今年2月15日、今に至る大きなうねりの発端となったベンガジでの抗議行動は、この大量虐殺事件で身内を殺された人々も多く参加していた(ベンガジではアブ・サリム事件被害者遺族の真相究明を求める動きはずっとあったそうだ)。この人々の願いが――身内がどうなったのか確認し、殺されているのならちゃんと葬ってやりたいという願いが、ようやくかなうことになるのだろう。そしてまた、この人々を誰がどのように殺したのか、ということも、うまくいけば解明されるだろう。

(ただしその点、決して楽観はできない。そう思うのは、私が見ているエリアが「1972年1月30日に軍隊が射殺した13人の死の真相が公式に認められたのは、2010年6月だった」とか、「謎の火災で証拠書類が焼失した」とか、「建物がアスベストで汚染されているので中にあった警察の書類は写しも取らずに全部廃棄」とかいったことがぽこぽこ発生し、同時に調査報道ジャーナリストが「公式のshoot-to-kill policyがあったとは考えられない」と結論するようなことが普通にあるエリアだからかもしれないが……。)

そんなときに、北アイルランドからこんなニュース。

Gaddafi 'in £1m gift to dissidents just before his ousting'
By Deborah McAleese
Monday, 26 September 2011
http://www.belfasttelegraph.co.uk/news/local-national/northern-ireland/gaddafi-in-1m-gift-to-dissidents-just-before-his-ousting-16055060.html

「カダフィが政権の座を追われる直前に、ディシデント・リパブリカンに£1mを贈呈」。

んまぁ。

記事曰く、26日(月)の英ITV 1でのドキュメンタリー/調査報道番組で、リビアのムアンマル・カダフィと、アイルランド(北アイルランド)の「非主流派リパブリカン」(Real IRA, Continuity IRAなど)との関係について取り上げる。

【続きを読む】
posted by nofrills at 21:00 | TrackBack(0) | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【訃報】ガスティ・スペンス(現代のUVF創設者)

現代のUVFを作り、「北アイルランド紛争」の始まりの発端にいた人物で、なおかつ1994年のロイヤリスト停戦を宣言し、「北アイルランド紛争」の終わりの発端にいた人物である、ガスティ・スペンスが、この週末、病院で亡くなった。しばらくの間病気だったという。78歳だった。

スペンスについては以前書いたものがあるので詳細はそれを参照していただきたい。
http://nofrills.seesaa.net/article/31426079.html

マーティン・マクギネスをa man of peaceと呼ぶのと同じ意味で、ガスティ・スペンスもa man of peaceである。(そしてもちろん、そういうa man of peaceは、この2人だけではない。)

今はやらなければならないことがあるので、このニュースとあまりじっくりと向き合えないのだが、以下はとりあえず記事のリンク集として。

BBC:


Bel Tel:

「アイルランド大統領候補、マーティン・マクギネス」についての記事と、スペンスの訃報。そして下の段に80年代のベルファストを舞台としたドラマの話題。

【続きを読む】
posted by nofrills at 03:02 | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月24日

国連総会

国連総会のジェネラル・ディベート、今日の午前の部で、パレスチナのアッバスのスピーチと、(間に日本とブータンを挟んで)イスラエルのネタニヤフのスピーチがあった。

ネタニヤフのを聞いてまだ頭が煮えていて(詳細はTwitterのログ参照のほど)、どうも調子が悪いのだけど――イスラエルのあと、スウェーデンだったのだが、それがまさに「理性の声、国連総会におけるリベラルな西側民主主義国家らしい発言」で、いい具合にチルアウトはできたのだが、まだ足りていない――BBC Newsのトップページはこうなっている。



アイリッシュ・タイムズ:


Palestine
H.E. Mr. Mahmoud Abbas, President of the Palestinian Authority
23 September 2011
http://gadebate.un.org/66/palestine

あと、今日、新規独立&加盟国である「南スーダン」もスピーチあったんですね。
http://gadebate.un.org/66/south-sudan-republic

23日のメニュー:
http://gadebate.un.org/homepage/2011-09-23

※既に21日にフランス、米国など、22日にイラン、英国などがスピーチしています。

【続きを読む】
posted by nofrills at 04:16 | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月23日

busbylab.comなるサイトについてのアップデート

クリス・バズビー博士の活動の一環として日本で立ち上げられたらしいウェブサイトについて、先日(20日)、少し調べてみた件の続報。

まず、あの段階では「不明」だったバズビーさんご本人と、これらのサイトとの関わりという点。これは「関わりあり」で確定。ただし、その「関わり」の具体的な中身はわからない。バズビーさん自身の発言(後述)から、「名前を貸しているだけ」ではなさそうだが、その活動の詳細を把握しているのか、そもそも日本の「NPO法人」という制度を理解されているのかどうかなど、疑問の余地がある。

ソースは下記ビデオでのご本人の発言だ。
http://www.youtube.com/watch?v=4iutbbfduAQ

【続きを読む】
posted by nofrills at 10:30 | TrackBack(1) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月21日

台風が東京を直撃した日、英ガーディアンのオンライン版は「震災から6ヶ月」の記事を…

台風は東京も直撃した。とにかく風がすごかった。

その最中に見たガーディアンのトップページが、「震災から6ヶ月」の記事を大きく取り上げていた。節目の日付でもないのに、こうやって取り上げてくれている。



記事は、ガーディアンがこれまで取材した6組の被災者の人々の言葉で振りかえる「6ヶ月」。
http://www.guardian.co.uk/world/interactive/2011/sep/21/japanese-tsunami-survivors-interactive

この記事を見終わったころにアップされたのが、Typhoon Roke(台風15号)の記事だった。

その続報。見出しで「大震災の津波の被災地に台風が向かっている」と伝えている(Twitterのフィードはもっと直接的に、Fukushimaと書いていたと思う):

Typhoon Roke heads towards Japan's tsunami-hit areas
http://www.guardian.co.uk/world/2011/sep/21/typhoon-roke-hits-japan

今テレビないからわからないんだけど、きっとテレビがあって東京在住だったら、台風が東京を通り過ぎた段階で「終わったこと」に思えていたに違いない。あのものすごい風と、たたきつけるような雨の音が聞こえなくなった段階で、既に「終わって」いる上に、おそらくテレビは、「鉄道の運行再開」など「平常に戻りつつある東京」を集中的に伝えている。夜だからなおさらだ。

そういうときに、モニタの中の英国の新聞で、「まだ先がある」こと、その「先」は福島であることが強調されている。

非常に不思議な気分がする。

※書きかけ
posted by nofrills at 23:58 | TrackBack(0) | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

お笑いアイルランド大統領選

「ええええええーー」っていう展開の次は、大爆笑でお茶ふきほうだい。さすがはアイルランドだ。


「え、まさか…」、「こわいな」、「2位、ノリス」、「ははははは」、「ちょwww トップはマクギネス、てwww」


何があったかっていうと、これです、これ。
http://www.rte.ie/radio1/liveline/2011-09-20.html

【続きを読む】
posted by nofrills at 07:15 | TrackBack(0) | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月20日

今日、BBC Newsでトップニュースになっている「日本」は……

BBC News見に行ったらこんなんだった。キャプチャ内の記事見出しクリックで記事が読めます。



BBC Newsは、KwoutでキャプチャとるとUS版になって、私のモニタの中にあるのとは多少異なるのだが、今日のこのタイミングではトップニュース(日本の兵器メーカー weapons maker へのサイバー攻撃)はUS版もUK/国際版も同じ、2番目のニュース(イタリアの格下げ)も同じ。3番目は異なる(UK/国際版はイタリアのラクイラの地震での死者について、科学者らが過失責任を問われているというなにげにすごいニュース、US版は芸能界の訃報)。

トップニュースになっている件は、もちろん、日本でも報じられている。テレビではどうなのだろう。今日は台風15号と名古屋の水害があるから(これも非常に深刻。春日井や多治見が水没とか……)、あまり大きくは取り上げられていないかもしれないが……。




今日は英国ではわりとslow news dayのようで、各紙のトップニュースがばらばらだ。イタリアの格付け引き下げが最大のニュースで、イエメンの暴力が深刻化していることが大きく取り上げられていることはだいたい共通しているが。

【続きを読む】
posted by nofrills at 21:38 | TrackBack(0) | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「6ヵ月後の福島」を伝える英ガーディアン記事 (2)――「絵葉書のような光景」の中で

東日本大震災と福島第一原発の事故から半年となった9月、英ガーディアンの2本の重厚な記事の紹介の続き。ジャスティン・マッカリー記者の大熊町「一時帰宅」同行取材に続いて、前の日本特派員ジョナサン・ワッツ記者の「半年を経て」の長文記事。

Fukushima disaster: it's not over yet
Jonathan Watts
guardian.co.uk, Friday 9 September 2011 23.01 BST
http://www.guardian.co.uk/world/2011/sep/09/fukushima-japan-nuclear-disaster-aftermath

この記事に対するはてなブックマーク:
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.guardian.co.uk/world/2011/sep/09/fukushima-japan-nuclear-disaster-aftermath

記事の写真はジェレミー・スーテイラトさん(とお読みするのだと思う。フランス語話者)という、東京拠点のフォトグラファーの作品。写真家のサイトにギャラリーがあって、大判で見ることができる。
http://jsouteyrat.photoshelter.com/gallery/Japan-Fukushima-6-months-on-2011/G0000keaKPGQLyms/

【続きを読む】
posted by nofrills at 11:30 | TrackBack(0) | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

busbylab.comなるサイトからたどってみたら、「パーキンソン病と幹細胞」(?)に行き着いた。

とんでもないウサギの穴に落ちたようで、もはや何が何だか、さっぱりわからない……。

低線量被曝について独自の論を展開しているクリストファー・バズビー博士の名前の入ったサプリメントを売っているwww.busbylab.comなるサイトがある、怪しい、ということで話題になっていた。詳細は下記(かなりとっ散らかっている……怪しいサイトを見たらオープンな場でログが残る形で騒ぐ前に、さくっとwhoisするといいと思います。確実にノイズ減らせますから)。コメント欄も参照。
http://togetter.com/li/189644

うへぇ、と思いつつ、これに関連して私が見てみたサイトは3件ある。
1) www.busbylab.com
→おおもと。

2) www.cbfcf.org
→ Christopher Busby Foundation for the Children of Fukushima(福島の子どもたちの為のクリストファー・バズビー基金)。このページによると、バズビー博士は日本でNPOを立ち上げるらしい。(この活動に本当にご本人が関わっているのかどうか、私は知らないし、未確認。

※なお、Togetterではこのchildren of Fukushimaのofの用法に「どうせ言うならinだろう」、「いかにも日本人っぽい間違いだ」とかいうツッコミが入っているが、こういうofの用法は、別に間違いではない(実は言語において、何が「間違い」であるかを言うことほど、難しいことはないのだが)。参照例として、The Women and Children of Iraq Are Under Siege(これはinと交換可能だが、ニュアンスが違ってくると思う), Street Children of Russia(これはinと交換可能), People of Belfast(これはfromと交換可能)などがある。

3) www.seldontechnologies-japan.com
→ Togetterのページのコメント欄で、@loufockさんが言及しておられたので、何となく見てみたら、えらいことになったサイト。


以下、各論。いちいちすべてエビデンスつけてるから長いよ。

【続きを読む】
posted by nofrills at 06:57 | TrackBack(2) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月19日

「6ヵ月後の福島」を伝える英ガーディアン記事 (1) ――大熊町の百合の花

さて、既に1週間以上前のことになるが、東日本大震災から半年となった週に、英ガーディアンで2本の記事が出た。こういうことを英語で(←重要)伝えてくれる記者さんとメディアが存在することに、まず感謝したい、と私は思った。

1本は8日付、トピックは、福島県大熊町の住民の方々の一時帰宅。ガーディアンの日本特派員であるジャスティン・マッカリー記者の記事で、記者とマイケル・コンドンさん(東京ベースの映像作家さん。ご本人のツイート)の取材によるビデオ(6分13秒)がついている。このビデオは大半が「言語は日本語で英語字幕」なので、英語はちょっと、という方にも見ていただきたい。

Japan disaster: Fukushima residents return to visit their homes
Justin McCurry in Okuma, Fukushima prefecture
guardian.co.uk, Thursday 8 September 2011 19.23 BST
http://www.guardian.co.uk/world/2011/sep/08/japan-nuclear-disaster-fukushima-homes

もう1本は、マッカリー記者の前のガーディアン日本特派員で、現在は北京を拠点とするガーディアン環境部門、ジョナサン・ワッツ記者の重厚な記事。東京を拠点とするフォトグラファーのジェレミー・スーテイラトさん(とお読みするのだと思う。フランス語話者)の、一度見たら忘れられない写真が掲載されている。

Fukushima disaster: it's not over yet
Jonathan Watts
guardian.co.uk, Friday 9 September 2011 23.01 BST
http://www.guardian.co.uk/world/2011/sep/09/fukushima-japan-nuclear-disaster-aftermath

以下、それぞれについて少し詳しく。

【続きを読む】
posted by nofrills at 21:00 | TrackBack(0) | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月17日

アイルランド大統領選、えええええーーっていう展開に

UPDATED: 公式アナウンス後。


なお、本エントリは「日本語での解説」は目的としていない。「解説がない」とかいうコメントをはてブなどでもらったが、英語で引用した部分に必要なことは書かれているはず。あと、「IRAからいきなり大統領か」みたいなことを思った人は、この件での「解説」とかいう以前に、1994年のIRA停戦から1998年の和平合意、そして2007年の現在の自治政府本格起動という一連の流れを知ることのほうが先。「英国とアイルランドの関係」云々とかいうのは、それ以前以前の以前(「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」で「北アイルランド」の自治政府の副首相がMMcなのですが)。



先週末のシン・フェインの党大会の時からその気配はあったんだけど、RTEでも「その見込み」的な報道があったんだけど、もちろん、フカシだろうと思ってスルーするつもりだった。

でもさっきガーディアン見たら、そんなことも言っとれんくなった。
Breaking news:
* LATEST: Martin McGuinness, the former IRA chief-of-staff who is now deputy first minister of Northern Ireland, is to run for the Irish presidency. More details soon ...



※画像クリックで原寸

BBCでも:
Irish presidency - Sinn Fein to put Martin McGuinness forward
16 September 2011 Last updated at 16:08 GMT
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-14943373

アイリッシュ・タイムズも来たわ〜:


【続きを読む】
posted by nofrills at 01:48 | TrackBack(0) | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月15日

半年前の今日。

国連総会を前に「パレスチナ国家」のことがあちこちで大きな話題になっている。ガーディアンのトップページが記事の一覧みたいになっていた(大きな写真のある枠内で、右側の記事見出しをクリックすると読めます)。



でも私に見える範囲ではほとんど盛り上がっていない。アメリカがとかイスラエルがとかの話ではない。そんな「外国」の反応など、二の次。ここで「国家」の形式を求めている「パレスチナ」は、「パレスチナ人」のごくごく一部でしかない、ということだ。もっといえば、ファタハ(PA、「パレスチナ自治政府」)が国家を樹立したとしても、「アラブの春」で倒されたような腐敗した強権的な政権がまたあの地域に新たに出現するだけだから(それはウィキリークス後に、ウィキリークスとは別な経路でリークされた「パレスチナ・ペーパーズ」に明らかだった)、半年前の3月15日、「統一 Unity」を求めて行動を起こそうとした(そして、始まる前に弾圧された)パレスチナ人たちはスルーするか、反発するか、複雑な心境を示すか(「確かに在外公館にパレスチナの旗が掲げられるとうれしい。でも中身がファタハでは……」という心境)、積極的に否定している(エドワード・サイードなどを参照しつつ)。

一方、3月15日の自分のTwitterのログを見ると、都内でパンや牛乳が店頭になかったり、トイレットペーパーが買い占められていたりするのだが(近所の大手スーパーの棚は歯抜け状態で、100円スーパーの食品の棚は完全にすっからかんになっていた)、東北地方はまだまだそれどころではない状態で(ガス、水道はおろか、電気すらも復旧していない地域が多かった)、さらに余震や別の大地震があり……という一方で、パレスチナで「3月15日」のハッシュタグがあり、リビアは反カダフィ勢力がアジュダビヤを制し、そして……あの「えっ」。



【続きを読む】
posted by nofrills at 07:40 | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月14日

「現場にはレッド・ブルの缶が」――20時間に及んだカブールの武装勢力の攻撃

13日、アフガニスタンのカブールで組織立った攻撃を展開した武装勢力は、結局、20時間戦っていたらしい。(犯行声明はタリバンが出しているそうだが、襲撃を行ったのはハッカニ・グループのようだ。「いつものように」と誰かが書いていたが。)



Afghan gunbattle: Troops kill Kabul insurgents
http://www.bbc.co.uk/news/world-south-asia-14909004

攻撃されたのが、国家保安局とか米大使館とかNATOというかISAF本部とかの区画で、英大使館とかBBCとかもあるようなエリアで、Twitterではすばやく#kabulattackというハッシュタグが設けられ、記者や現地の英語話者の方々が逐一、状況を伝えてくれていた。(でもまさか20時間も続くことになるとは、誰も、思ってなかった。)Twitterで拾えたものをまとめてある。
http://chirpstory.com/li/2518
http://chirpstory.com/li/2519
http://chirpstory.com/li/2534

私が事態に気づいたのは、13日の午後6時過ぎ(日本時間)、Foreign PolicyのBlake Hounshellさん(在ドーハ)が、現地TOLOテレビ(独立系テレビ局)の人の「攻撃者は米大使館に向けてロケットを発射した」との報告を受け、「うは、それはよくないな」と述べていたツイートだった。

【続きを読む】
posted by nofrills at 20:41 | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月13日

フランス、マルクールでの爆発をめぐる情報錯綜とTwitterについてのメモ

「フランスの原子力発電所で爆発があった」という文字列を私が見たのは、12日午後9時過ぎのことだった。誰かが自分のコメントを付け加えて手動でRTしていた下記のツイートだ。いや、実のところ、本当にこの人のこのツイートだったのかどうかはわからない(なので、画像としては名前とアバターが入らないように切り抜いた。あんまり意味ないかもしれないけど)。ただ、こういう文面だったことは確実だ(一字一句その通りと断言することはできない)。



そこでBBC Newsにアクセスすると最初の「速報」の段階(Breaking Newsのロゴに、more to follow的な記事)の次の段階(Breaking Newsのロゴが現地写真になり、多少情報が追記された段階)と思われる短い記事があった。そこにはフランスのLe Figaroの報道を引いて、「1人死亡、3人負傷、詳細不明、放射能漏れのおそれあり」ということが書かれていた。

先ほどまではてなブックマークのページその痕跡が残っていたのだが、はてブの冒頭の対象ページからの引用の部分が、はてブのクローラーのタイミングだろうが既に更新されているので、正確なところは検証できなくなってしまっている。今確認できるのは、引用文がはてブよりさらに短いが、TOPSYの画面だ。



"There is a risk of a radioactive leak after a blast at the southern French nuclear plant of Marcoule, media reports say." (フランス南部のマルクール核施設で爆発があり、放射能漏れのおそれがある、とメディアが報道している)というのが書き出しの一文で、次の文にその「メディア」がLe Figaroであることが示されていた。

そこでLe Figaroに行ってみると、その内容の記事があった(ただし現在は更新されており、私が見た文面とは異なっている)。

しかしそれからものの10分ほどあと(たぶん)には、フランスの当局者から「放射能漏れは今のところ、確認されていない」的なコメントが出されていた。その時点でのBBC Newsのキャプチャ:

【続きを読む】
posted by nofrills at 02:25 | TrackBack(0) | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月11日

10年が経過、という日の英メディアのトップページ(アイルランド共和国のも少し)

この年に生まれた子供が10歳になっている。



上記は午後7時(日本時間)前のBBC Newsのトップページのキャプチャ。(画像内見出しクリックで記事が開きます。)

この1週間か10日くらい、「あれから10年」の特集記事を連日掲載してきたガーディアン/オブザーヴァーは、こんなふう。



インディペンデントは:

【続きを読む】
posted by nofrills at 20:37 | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月08日

バスラのバーハ・ムーサさん殺害をめぐる調査報告書

イラク戦争でブッシュ米大統領(当時)が「大規模戦闘状態の終結」を宣言してから4ヶ月ほどあとの2003年9月、イラク南部で英軍が拠点としていた都市バスラで、1人のホテル従業員の男性が、反乱勢力と疑われ、英軍に連行された後、変わり果てた姿となって帰ってきた。全身の93ヶ所に負傷していた男性の名前はバーハ・ムーサ Baha Musaさん。26歳。既婚で2人の幼い子供のお父さんだった。

「英軍にとってのアブ・グレイブ事件」(とはいえ、アブ・グレイブのあのひどい状況が発覚するより前に発生している)ともいえるこのケースをめぐって2008年から進められてきた調査の最終報告書が、今日さきほど、公表された。調査委員会の委員長は、英軍に対し、73点の勧告を行った。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/sep/08/baha-mousa-inquiry-recommendations

BBC, ガーディアン、インディペンデント、テレグラフをざっと見たところ、テレグラフが非常にわかりやすい記事を出していた。


※キャプチャ画像の記事見出しをクリックすると記事が読めます。

イラク戦争での占領者による暴力について、関心を持ってきた人は下記は読む価値あると思います。(米軍についてはこういうのは非常に多く語られたけど、英軍についてはそれほどでもなかった……。)書いているのは人権・国際人道法の専門家。

Beyond Baha Mousa
Clive Baldwin
guardian.co.uk, Thursday 8 September 2011 15.24 BST
http://www.guardian.co.uk/law/2011/sep/08/baha-mousa-inquiry-iraq-britain-law

【続きを読む】
posted by nofrills at 23:46 | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月07日

ウィキリークスの終わり (4)

さて、また続きだ。前記事3本:
(1) http://nofrills.seesaa.net/article/224175599.html
(2) http://nofrills.seesaa.net/article/224233852.html
(3) http://nofrills.seesaa.net/article/224460458.html

(1)では情報が私のところにどういうふうに伝わってきたかを振り返った。(2)と(3)では、最も大きな出来事(暗号化ファイルについて)の当事者が、何があったのかを説明しているブログの内容を日本語で紹介した。この事態について、どれか1本だけ読むなら(2)だ。

この記事では、(1)で触れた、当事者ではない人による「ウィキリークスの終わり」という経緯まとめのブログを紹介し、また、もう一方の当事者であるガーディアンの主張を簡単に述べておく。これでこのシリーズは終わり。

ではまず、「ウィキリークスの終わり」というブログ。

September 02, 2011
The End of WikiLeaks
http://tomwatson.typepad.com/tom_watson/2011/09/the-end-of-wikileaks.html

ブログの主はトム・ワトソンさん。英国に「実証可能性」ということについて追究し、市民的自由や情報公開などについても活発に活動している同姓同名の議員がいるが別人。このブログのワトソンさんは、米国のメディア・コンサルタントで起業家でジャーナリストだ。Twitterでは @tomwatson.

【続きを読む】
posted by nofrills at 23:49 | TrackBack(0) | Wikileaks | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月06日

ガーディアンとLSEが8月の暴動を徹底解析

ガーディアンとLondon School of Economics (LSE) が、the Joseph Rowntree Foundation と、the Open Society Foundationsの支援を受けて、この8月の「暴動」について大掛かりな調査を行なうとの告知。



「暴動を読み解く Reading the Riots」と題されるこのプロジェクトの内容は、「暴動」の初日、トッテナムが荒れ、隣町のウッドグリーンに拡大したときにまっさきに現場に飛んでいったポール・ルイス記者の記事に詳しい。

Reading the Riots study to examine causes and effects of August unrest
http://www.guardian.co.uk/uk/2011/sep/05/reading-riots-study-guardian-lse

【続きを読む】
posted by nofrills at 08:00 | TrackBack(1) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月05日

ウィキリークスの終わり (3)

さてと、またぞろ続きである。前エントリ2つ:
(1) http://nofrills.seesaa.net/article/224175599.html
(2) http://nofrills.seesaa.net/article/224233852.html

(2) でみた、ナイジェル・パリーさんのブログ(米東海岸時間、8月31日付け)を引き続き見ていく。
http://nigelparry.com/news/guardian-david-leigh-cablegate.shtml

といっても、(2) で中断したところから下の部分は、その前の部分(パリーさんや @Nin_99 さんが、何ら修正、つまり固有名の墨消しを加えていない米外交公電のcsvファイルを発見し、解凍した経緯についての説明)ほど重要ではないので、ざっと内容の紹介だけ。詳細は各自、パリーさんのブログでご確認いただきたい。

PGPで暗号化されていたアーカイヴを解凍したあと、パリーさんはそのことをTwitterに投稿し、またそのツイートのURLをウィキリークスにメールした。それから20分もしないうちに、ウィキリークスから声明が出された、とパリーさんは報告している。その「声明」が、当ブログのこのシリーズの (1) で触れている、ガーディアンに対する非難の声明である。声明のURLを再掲しておこう:
http://www.twitlonger.com/show/cq0suv

このあと、ガーディアン側から反撃があったのだが、パリーさんのブログにはそれについての記載はない。Twitter上で私に確認できる範囲では、WL支持者らはガーディアンからの反論を無視するか、けなすかしているようだ。その反撃の要点のひとつが「8月4日にガーディアンの編集長とジュリアン・アサンジが会って話をしていた」というもので、またジュリアン・アサンジが自分の主張にとって都合のよくない事実を伏せていた、ということになる。

ともあれ、パリーさんのブログに戻ると、パリーさんが解凍に成功した旨をツイートしてから1時間もしないうちに、今度は @Nin_99 さんがネットに、墨消しの施されていない公電をアップロードした。さらに2時間後には、Cryptome.orgにもアップされた。

【続きを読む】
posted by nofrills at 23:58 | TrackBack(0) | Wikileaks | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

……全文を読む
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。