数時間前に「80人」と公表された島での死者数は、
先ほど、「84人」となった。オスロでの死者数7人とあわせて、91人だ。わずか何時間かのうちに、この男は91人も殺したのだ。しかもまだ、島を囲む
水の中で遺体の捜索が行われていると警察はいう。
事件のあった金曜日、男はオスロで自動車爆弾が爆発したあと、労働党の青少年キャンプが開催されているウタヤの島へ向かった。警官の服装をした男は、党の船で島に渡ったという。
(ここで厳密なチェックが行われていれば、と思わざるをえない。)
「親切な警官に見えた」逃げる若者狙い撃ち
2011年7月23日14時51分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110723-OYT1T00497.htm 【スンボレン(ノルウェー南部)=末続哲也】……
少年によると、犯人の男は、青色の警官の制服姿で、船着き場でボートから降りると、キャンプ参加者たちの方に悠然と歩いてきたという。少年は「30代半ばぐらい。一見、親切そうな普通のノルウェー人警官にみえた」と話した。
男は、直前にオスロで起きた爆弾テロの関連で捜査していると語り、いかにも警官らしい口調で人々に「整列するように」と命令。男から約150メートル離れた場所にいた少年は当初、男のことを気にとめずに友人とおしゃべりを続けていたが、突然、3発の銃声が連続して聞こえた。その後も島にいた700人以上の悲鳴に交じって乱射音が鳴り続けたという。……
整列させた何百人ものティーンエイジャーたちに、銃弾を撃ちこむ。無差別に。この男は、一体何がどうなっているのだろう。
1999年のSOHOのアドミラル・ダンカンというパブにネイルボムを仕掛けた
極右のテロリストは、そういう人たちが集まる(そういう人たちしか来ない)オンラインの掲示板などに、賛美する書き込みが相次いだ(吐き気)。今回は、FaceBookにいろんな人たちが勝手にページを作っている(→
キャプチャ画像)ようだ。
実はすでに削除されているが、Facebookには本人のアカウントがあった。今朝方、誰かから回ってきたリンクで閲覧することができた。私も閲覧した。「好きな音楽」はクラシックと歌ものトランス(変な趣味)、「愛読書」にはオーウェル『1984』、カフカ(作品何だったか忘れた)、マキアベリ……
男のFacebookのアカウントとTwitterのアカウント(下記)は、犯行のわずか数日前に作られたものだと、英語圏の誰かのツイートで読んだ。Twitterのアカウントにはたった一言だけ投稿されているのが今も確認できる。投稿時刻は日本時間で7月18日02:48である。(なお、キャプチャ画面で彼をフォローしているのは、英語圏のジャーナリストである。)

※アバターはモザイクをかけた。
男が書き込んでいるのは19世紀の英国の思想家、ジョン・スチュワート・ミルの文のもじりだ。
ミルといえば「リベラル(自由主義者)」として現代に至るまで非常に多くの人々の尊敬と敬意を得ているが、日本では一方で「保守派」を自認する人々の一部からは蛇蝎のごとく嫌われている。しかし(あえてこの言い方をするが)「欧米」ではそうではない。「自由」=「国家の支配からの自由」の偉人として、むしろ保守派から尊敬されている。
乱射男のTwitterの文、"One person with a belief is equal to the force of 100 000 who have only interests." (信念を抱いた一人の人間は、力では、興味本位でしかない10万人に匹敵する) は、このJ. S. ミルの "On Representative Government" という1861年の文章からの抜粋のもじりである。
※オリジナルは、"One person with a belief is a social power equal to
ninety-nine who have only interests." (信念を抱いた一人の人間は、力では、興味本位でしかない99人に匹敵する)
http://en.wikiquote.org/wiki/John_Stuart_Millミルは、この男のFacebookのページの「愛読書」のところにもあった。On Liberty(自由論)が入っていた。この男があの名著をどう読んだのか、私は知らない。ミルをどう読んだら、ああいうことができるのか、私は知らない。
以下、この事件についての私のこれまでのツイートとRTだいたいすべて。ソースは
単にツイッターのログ。
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