実際、Real IRAの「デニス・ドナルドソンはわれわれが」という主張については、BBCがスルーしている。BBCはデリーでのReal IRA/32CSMによるイースター蜂起記念式典のことは記事を出している。しかし、事前にリークされていたその声明で最もキャッチーだった「ドナルドソン殺害」については、BBC記事にはまったく言及がない (実際にその一節が読み上げられなかった以上、BBCとしては "refusing to give oxygen of publicity" ということだろう)。BBCだけではなく、ガーディアンのヘンリー・マクドナルドもスルーしている。ということは、普通に考えて、RIRAが告白した「殺害の様子」が、警察(アイルランドの、だが)が把握している事件現場と一致しないとかそういう裏でもあるのだろう。
となると、RIRAが「ドナルドソン殺害」の「犯行声明」を出したのは、別の目的だと考えられる――テクストとしてみる限り、RIRAのあの声明を書いた本人が最も重要と考えていたに違いないのは、「裏切り者(スパイ)は許さない」というくだりだ。マーティン・マクギネスにあそこまで言われて黙っていられず、例によって「裏切り者 traitor」が意味の表層雪崩を起こしてカオスになってるのかもと思ったが、各種報道によると、RIRAのヒットリストには、北アイルランド紛争時の「大物スパイ」(Stakeknifeことスカルパティッチ、ケヴィン・フルトンら……フルトンは、スパイとして「大物」だったというより、それを告白して有名になったのだけど)の名前がずらずらと並べられているらしい。武装活動停止宣言前のPIRAがギラギラと狙っていたに違いない彼らの名が。
RIRAが彼らを殺すことに「成功」すれば、「RIRA>>>>>>PIRA」という図式のできあがり、となる。RIRAはそれをして、「俺らすげぇ」を既成事実化したいのだろう。脳みそ(以下略
以上、ソースははてブにメモってある各記事。(いちいちリンクしませんでした。)
http://b.hatena.ne.jp/nofrills/20090415
同じくひとつ前のエントリで言及した、今年のイースター蜂起記念行事でのRIRA/32CSMの声明の一節が、頭にこびりついて私をイライラさせ続けるので、これを爆音で聞いてみたりした。
I got my propaganda I got revisionism
I got my violence in high def ultra-realism
Wanted to cap somebody
Wanted to buck them down
Wanted to pull the trigger
Just to hear the fucking sound
I got my propaganda
―― Saul Willliams, Survivalism_OpalHeartClinic_Niggy_Tardust!(Escaped...
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