町山智浩さんのブログで告知されていた、
東京MXTVの
「松嶋×町山未公開映画を観るTV」(日曜日の午後11時から、1時間番組)の第一回(4月5日放送)を見てみたら、ロンドンが出てきたので少し。
同番組は日本未公開の世界のドキュメンタリー映画を(もちろん日本語字幕つきで)紹介するという内容で、これからしばらくの間は米国のドキュメンタリーが続くとのこと。キリスト教根本主義 (fundamentalism) を扱った『ジーザスキャンプ』もやるとのこと。
第一回で放映されたのは、流通最大手ウォルマート(激安量販店)の「徹底した低コスト」の実態を取材してまとめた(というか「暴いた」)映画、
"Walmart: The High Cost of the Low Price"で、第一回(5日)に放映されたのは前半だけ、後半は来週に続く。
IMDBを参照すると、この作品はリリースデートがUSAで2005年11月4日なので、映画の内容は今からおおよそ4〜5年前のものだと思われる。
http://www.imdb.com/title/tt0473107/このドキュメンタリーを製作したRobert Greenwaldは自身の映画制作会社を持つ映画作家で、この作品のほか、ルパート・マードックのニューズ・コーポレーションを題材とした "Outfoxed" や、イラク戦争の「民営化」の側面を集中的に取り上げた
"Iraq for Sale" (←Blackwaterに興味がある人は見てみてください) などを制作している。
http://www.robertgreenwald.org/ウォルマートは1962年にアーカンソー州で創業され、30年ほどで全米一の小売業となった企業で、米国外でも地元のチェーン店を買収するなどして展開している。英国ではASDAが1999年にウォルマート傘下に入っている。(ちなみに日本では2000年代に西友がウォルマートに子会社化された。西友は元々は西武のセゾングループ。)
このドキュメンタリーに出てきた「ロンドン」は
Queens Marketだ (Queen's Marketと書くのが正しいのかもしれないが、綴りが二通りあってわからない)。ここはロンドン東部のNewhamというboroughにある野菜だの台所洗剤だの何だのの生活密着マーケットだが、この場所の再開発でASDA (=Wal-mart) の出店計画がある、という文脈だ。この文脈については
Phase9 Entertainmentのサイトに詳しく出ていた。引用すると:
The film also lambastes Newham Council's forthcoming planned sale of London's East End 105-year old Queens Road Market to Wal-Mart. An Asda superstore will be the centrepiece of the redevelopment and it is believed that this will force many market traders out of business and as a result the multi-cultural local community will cease be able to purchase much needed low cost fresh food and household products. Newham Council will confirm their plans in the New Year and the local community, led by the Friends of Queens Market, continues to protest against the sale.
映画で取材を受けていたのは、白人、スキンヘッド、腕にタトゥというルックスに、口を開けば濃いぃコックニーで、いかにも「下町の屋台のおっちゃん」っぽい青果のストールの店主だった。彼は「自分にはASDAに悪意はないが、このままいけばロンドンで最も民族的に多様なマーケットが消えることになる。それに俺の店は跡継ぎの息子もいるんだ」といったことを語っていた。
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