「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2009年04月07日

Something's wrong ... seriously!

AFP BBの記事、「水のボトルに印刷された『Home Office(内務省)』のロゴ」という写真がなんともいえません。Home Officeのロゴが印刷されたボトルド・ウォーターなんてものが実在するとは。少なくとも積極的に飲みたい気はしません。Peckham Springのほうがまだ……。



で、記事の本題の件、つまり「英内務省のホームページが誤って日本のポルノサイトにリンクされていた」件ですが、これです。

tabsite.png

whoisで見てみると:
http://whois.domaintools.com/technicaladvisoryboard.org.uk

ドメインが失効してこの出会い系業者が登録したのが、2009-02-07になってますね(ということは、失効は今年2月7日より前)。それから今までの2ヶ月くらい、ホーム・オフィスは、利用者が "Technical Advisory Board" のリンクを踏むと、何についてのテクニカルなアドバイスを受けられるのかわからんエロサイトに飛ばされる可能性に気付いていなかった。お間抜けすぎる。

ホーム・オフィスといえば、英国のpolice state化を推し進めている組織(<バイアスかけてます)。対テロおよびテロ法関連、イミグレ、デモ弾圧、そのほかもろもろ、推進の中心はホーム・オフィス。

んで、「リンクを踏むとエロサイトに飛ばされる」という大失態について、当初ホーム・オフィスは、AFP記事によると:
リンクはもともと、内務省ホームページから外部の諮問機関のウェブサイトに貼られたもので、同省は「このサイトがハッキングされ、問題のポルノサイトにリンクが貼り替えられたようだ」と説明した。


つまり、当初は「私たちは犯罪被害者です!」という前提で、ドメイン失効すら把握していなかったということ。(以下、罵詈雑言を省略)

この件、ガーディアン掲載のPress Association(<通信社)の配信記事:
http://www.guardian.co.uk/technology/2009/apr/07/home-office-japanese-pornography

PA記事経由でBBCの記者ブログ:
http://www.bbc.co.uk/blogs/technology/2009/04/red_faces_at_the_home_office.html

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ウォルマートのひどさを暴く映画に、ロンドンの下町のマーケットが出てきていた。

町山智浩さんのブログで告知されていた、東京MXTV「松嶋×町山未公開映画を観るTV」(日曜日の午後11時から、1時間番組)の第一回(4月5日放送)を見てみたら、ロンドンが出てきたので少し。

同番組は日本未公開の世界のドキュメンタリー映画を(もちろん日本語字幕つきで)紹介するという内容で、これからしばらくの間は米国のドキュメンタリーが続くとのこと。キリスト教根本主義 (fundamentalism) を扱った『ジーザスキャンプ』もやるとのこと。

第一回で放映されたのは、流通最大手ウォルマート(激安量販店)の「徹底した低コスト」の実態を取材してまとめた(というか「暴いた」)映画、"Walmart: The High Cost of the Low Price"で、第一回(5日)に放映されたのは前半だけ、後半は来週に続く。

IMDBを参照すると、この作品はリリースデートがUSAで2005年11月4日なので、映画の内容は今からおおよそ4〜5年前のものだと思われる。
http://www.imdb.com/title/tt0473107/

このドキュメンタリーを製作したRobert Greenwaldは自身の映画制作会社を持つ映画作家で、この作品のほか、ルパート・マードックのニューズ・コーポレーションを題材とした "Outfoxed" や、イラク戦争の「民営化」の側面を集中的に取り上げた "Iraq for Sale" (←Blackwaterに興味がある人は見てみてください) などを制作している。
http://www.robertgreenwald.org/

ウォルマートは1962年にアーカンソー州で創業され、30年ほどで全米一の小売業となった企業で、米国外でも地元のチェーン店を買収するなどして展開している。英国ではASDAが1999年にウォルマート傘下に入っている。(ちなみに日本では2000年代に西友がウォルマートに子会社化された。西友は元々は西武のセゾングループ。)

このドキュメンタリーに出てきた「ロンドン」はQueens Marketだ (Queen's Marketと書くのが正しいのかもしれないが、綴りが二通りあってわからない)。ここはロンドン東部のNewhamというboroughにある野菜だの台所洗剤だの何だのの生活密着マーケットだが、この場所の再開発でASDA (=Wal-mart) の出店計画がある、という文脈だ。この文脈についてはPhase9 Entertainmentのサイトに詳しく出ていた。引用すると:
The film also lambastes Newham Council's forthcoming planned sale of London's East End 105-year old Queens Road Market to Wal-Mart. An Asda superstore will be the centrepiece of the redevelopment and it is believed that this will force many market traders out of business and as a result the multi-cultural local community will cease be able to purchase much needed low cost fresh food and household products. Newham Council will confirm their plans in the New Year and the local community, led by the Friends of Queens Market, continues to protest against the sale.


映画で取材を受けていたのは、白人、スキンヘッド、腕にタトゥというルックスに、口を開けば濃いぃコックニーで、いかにも「下町の屋台のおっちゃん」っぽい青果のストールの店主だった。彼は「自分にはASDAに悪意はないが、このままいけばロンドンで最も民族的に多様なマーケットが消えることになる。それに俺の店は跡継ぎの息子もいるんだ」といったことを語っていた。

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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