マクギネスが、非主流派リパブリカンのことを "traitors" (売国の輩)という言葉で非難し、ペイズリーらユニオニストがそれを「勇気ある言動」と讃えているのは、誰がどう見てもどこかにお約束の足場があるであろう「政治」なのだけれど(シン・フェインは英軍が襲撃されたときには「歯切れ」が悪かったことでチクチクとやられていた。警官銃撃後に、"traitors" などという言葉をマクギネスが使ったのは、そういうことも影響しているだろう)、一方でどこにもお約束などありゃしない、「政治」などクソ食らえといわんばかりの武装闘争至上主義(わかりやすくするために「原理主義」という言葉を使ったほうがいいのかもしれないが、北アイルランドについては本物の、宗教上の原理主義、つまり「根本主義 fundamentalism」が紛争に深く関わっているので、その言葉は使わない――自分にはその程度のディセンシーはあるのだということをいちいち言語化して確認していないと、頭がおかしくなりそうだ)が、人数的には「わずか300人程度」であれ、今回のこの事態に大きく関わっている。
中東でまたいつもの(そう、「いつもの」)暴力が人命を奪っている(3月11日)ことは、私の見ている範囲が偏っていたのかもしれないが、少なくともガーディアンやタイムズやBBCではトップ記事にはなっていなかったし、「壁」の建設に抗議する側にいたアメリカ人のISMメンバーが、催涙弾(とはいえ殺傷能力のあるキャニスター)を顔面にまともにくらって瀕死の重傷を負った(14日)ことも同様で、そういうことを知ろうとすらしていなかったということにまたもやもやしたものを少しおぼえつつ、中東よりずっと「規模」の小さい「暴力」について、昨日も今日も記事を読む。自分で選択して。
以上が前置き。ここからが本文。
このエントリのポイントは3つ。ひとつは共和主義シン・フェイン (RSF) のRuairi O'Bradaighのこと。残り2つは、逮捕された「非主流派リパブリカン」の「大物」2人それぞれのこと。
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