kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2019年11月30日

ロンドン・ブリッジでまたテロ攻撃――テロリストとして有罪になっている人物が、なぜまたテロを起こせたのか

11月29日(金)の23時台、Twitter経由でロンドン・ブリッジで何かが起きているということに気づいた。現地では14時台だ。最初はよくある鉄道トラブルかなと思った。英国は米国の感謝祭は存在しないが、それにまつわる商業行事のブラック・フライデーのセールだけはここ数年で輸入されているので、その関係のイベントかなとも思った。しかし実際に起きていたのはそういうことではなかった――一帯は封鎖されており、銃声があったという。

ロンドン・ブリッジでは以前にもテロ攻撃があった。2017年6月3日、橋を北から南に進んでいく車が歩道の歩行者の中に突っ込み、テムズ川の南岸に渡り切ったところで車を捨てた犯行グループ3人が、今度は刃物を用いて、バラ・マーケット (Borough Market: 大量生産でない加工品やオーガニックの野菜などで有名な食品の市場だが、敷地内にレストランやパブもたくさん入っている) にいた一般の人々を次々と襲った。8人を殺し、48人を負傷させた容疑者3人は、そのすぐ先で警察に撃たれて死んだ。イスイス団に触発されての凶行だった。
https://en.wikipedia.org/wiki/2017_London_Bridge_attack

英国では事件・事故などで亡くなった人の死亡原因の特定のために、inquest (死因審問)と呼ばれる法的手続きが取られるが、2017年6月のバラ・マーケットでのテロのインクエストは、今年5月から7月に行われたところだった(このインクエストの結論は特に驚くべきものはなかったので、Twitterなどでメモることもしてないと思う)。
https://en.wikipedia.org/wiki/2017_London_Bridge_attack#Inquest

あのテロに影響を受けた何百人という人々は、インクエストの報道を見てまた「あの日」のことを思い出していたに違いない。

それから4か月ほどで、また同じロンドン・ブリッジで、何百人――いや、ひょっとしたら何千人の規模で、「あの日、自分はそこにいた」と回想することになる人々が増えた。平日の昼間に、道路の通行止めや駅の封鎖などで交通網にも広く影響が出たから、間接的に影響を受けた人は何万人の単位になるだろう。Twitterでフォローしている方の中にも、ご家族の誰かが発砲音を聞いた人や、交通の混乱に巻き込まれた人がいる。この

今回のテロ攻撃は、29日(金)午後2時前に、ロンドン・ブリッジの北側にあるフィッシュモンガーズ・ホールのあたりで起きた。この建物は魚屋のギルドの建物で、ルーツは中世にあるが現在の建物は19世紀半ばに建設されたものである。第二次大戦でのロンドン空襲で損傷して修復され、現在はGrade IIに指定されている(文化財の指定を受けている)。外観はあまり派手ではないが、中は壮麗で、イベント会場として貸し出されるなどしている。
https://www.squaremeal.co.uk/event-party-venues/fishmongers-hall_275

29日(金)は、この建物で、ケンブリッジ大学のコンファレンスが行われていた。分野は犯罪学だが、テーマは "Learning Together", 犯罪を犯した人と一般社会の関係を「学び」によって再構築していこうという取り組みである。"Learning Together" という取り組みは、ケンブリッジ大だけでなく英国の多数の大学が参加して進めていて、今はちょっと重いようだけど取り組みをまとめたウェブサイトもある。
https://www.learningtogethernetwork.co.uk/

このコンファレンスに招かれていた元服役囚が、今回の事件を起こした。現時点で報道されていることをまとめたウィキペディアには次のように記載されている(事件が進展中の段階ではこんなにすっきりまとまった情報は出ていなかったということは強調しておきたいが):
A man attending the event, and wearing a fake suicide vest, threatened to blow up the hall. He began stabbing people inside the building. He subsequently began stabbing pedestrians at the north side of the bridge. Several people fought back, including one who grabbed a narwhal tusk from the wall inside Fishmongers' Hall to use against him as a weapon.

Several people were injured before members of the public restrained the attacker on the bridge. The police arrived shortly thereafter and surrounded the attacker, firing multiple shots. The attacker was shot by police and died at the scene.

https://en.wikipedia.org/wiki/2019_London_Bridge_attack


このようにして5人が刺され、うち2人が残念なことに亡くなった(現時点では男性1人、女性1人としか報じられていない)。

襲撃者はこのコンファレンスに「当事者」として招かれていたのだが、では彼はどのような罪で服役することになったのか。現地でも日付が30日になったころには、それが報じられていた。明らかになった事実に、私は言葉を失わざるをえない。

London Bridge: Attacker had been convicted of terror offence
https://www.bbc.com/news/uk-50610215


Usman Khan profile: terrorist who wanted to bomb London Stock Exchange
https://www.theguardian.com/uk-news/2019/nov/30/usman-khan-profile-terrorist-who-wanted-to-bomb-london-stock-exchange


襲撃者、ウスマン・カーンは28歳。2010年、19歳のときにロンドン証券取引所を爆破しようとした集団の一員として、2012年に有罪判決を受けていた。量刑は「もはや社会に危害を加えるおそれがなくなるまでは保釈なし」とされていたが、この条件は後に緩和され、2018年12月に仮釈放されて保護観察下に置かれていた。電子タグを常時着用することを条件とした仮釈放だ。
The Met has identified the London Bridge attacker as Usman Khan, a 28-year-old man released from prison on a licence (parole) in December 2018 after spending eight years in jail for terrorism offences.

... Khan was wearing an electronic tag

https://www.theguardian.com/uk-news/live/2019/nov/29/london-bridge-incident-police-city?page=with:block-5de1dc7f8f08cd6fe586e952#block-5de1dc7f8f08cd6fe586e952

Khan was originally classed as never to be released unless deemed no longer a threat but this condition was later lifted.

He was freed in licence in December 2018.

https://www.theguardian.com/uk-news/2019/nov/30/usman-khan-profile-terrorist-who-wanted-to-bomb-london-stock-exchange


2012年のこの判決について、うっすらと記憶にあったので(ロンドン証取はIRAが1990年にボムっているので「またか」と思ったことは確実)ログをあさってみたら、当時の記事が出てきた。

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posted by nofrills at 19:30 | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月24日

『博士と狂人』などの電子書籍がセールで安くなってる(11月28日まで)&電子書籍書店で否応なく見せられるものについて

11月28日(木)まで、早川書房のビジネス書の電子書籍がセールで最大半額という告知を見て、「ビジネス書かぁ……」とスルーしかけていたあなたに朗報。

サイモン・ウィンチェスターの『博士と狂人』(鈴木主悦訳)が対象になってる。34% OFFで458円。

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博士と狂人―世界最高の辞書OEDの誕生秘話 (ハヤカワ文庫NF)
博士と狂人―世界最高の辞書OEDの誕生秘話 (ハヤカワ文庫NF)

サイモン・ウィンチェスターはロンドン出身のジャーナリストでガーディアンで長く仕事をしていた。『博士と狂人  世界最高の辞書OEDの誕生秘話』は英国での原題は "The Surgeon of Crowthorne: A Tale of Murder, Madness and the Making of the Oxford English Dictionary" だが、北米では "The Professor and the Madman: A Tale of Murder, Insanity, and the Making of the Oxford English Dictionary" と題され、日本語版のタイトルはこちらの北米版にならっている。

内容は、19世紀末、英語の網羅的な辞書 (OEDことthe Oxford English Dictionary) を作るというすさまじい仕事に携わる言語学者のジェイムズ・マレー博士と、彼が語義をまとめ上げ辞書を作っていく過程でかけがえのない協力者となったウィリアム・チェスター・マイナーという知識豊富な米国の元軍人(ロンドンで殺人を犯し、精神病と診断され、精神病院で暮らしている)について、残された資料から丹念に読み解いて調査していったもの。この本については既に多くの紹介がされているので(例えばこちら)、ここで何かを書くまでもないだろう。当ブログが言いたいことは、「この名高い本がセールで安くなっているので、読んだことがない方は読んでみては?」にすぎない。

ところでこの『博士と狂人』、メル・ギブソンが製作と主演(マレー博士)をつとめ、マイナー氏にショーン・ペンを配して映画化されているはずだが、その話をとんと聞かない。IMDBを見てみると、今年3月に中南米や中東で封切られ、その後欧州各国でも次々とロードショーにかかっているが、米国では「インターネット公開」、「限定公開」となっているし、英国に至っては公開国一覧に出てもいない。それに、映画製作国は「アイルランド・アメリカ」なのだが、アイルランドでも封切られたというデータがない。
https://www.imdb.com/title/tt5932728/releaseinfo

と、ウィキペディアを見てみると、もめてたんすね。
https://en.wikipedia.org/wiki/The_Professor_and_the_Madman_(film)
In July 2017, Gibson and his production company Icon Productions sued the production company Voltage Pictures over their desire to control certain aspects of the production. They refused final cut privileges and an additional five days of production in Oxford.

On June 19, 2018, Judge Ruth Kwan of the Los Angeles County Superior Court rendered a judgment denying Gibson's motion for summary adjudication. The multiple lawsuits were settled in a confidential settlement in April 2019. Gibson and Safinia issued statements distancing themselves from the project and calling the version released by Voltage "a bitter disappointment". They did not participate in the promotion of the film. Safinia was not recognized for directing or co-writing the film, being credited instead under a pseudonym, "P. B. Shemran".


映画の評価は、IMDBのユーザーレビューでは「演技がすごい!」とめっちゃ高評価で、ウィキペディアで引用されているRotten Tomatoesでは低評価なので、俳優だけはすごいというパターンかもしれない。

ともあれ、そのうちに日本でも何らかの形でリリースはされるだろうから、映画に興味のある人も、元となったサイモン・ウィンチェスターの本を読んでおくといいかもしれない。「驚きの実話」ではあるけれど、「ネタバレ」したらつまらなくなるという性質のものではないと私は思う。

それと、早川書房ビジネス書のセールからもう1冊。


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posted by nofrills at 20:40 | 書籍系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月23日

「ハロルド・ウィルソンは欧州について中立だった」という言説

twittertrends-23nov2019-haroldwilson.png11月23日の晩(日本時間)、Twitterの画面を見てみたらなぜかHarold WilsonがTrendsに入っていた。選挙絡みだろうということはわかったのだが、それ以上はわからないので、「何だろう?」と頭の上に「?」を浮かべた状態でTrendsをチェックしてみた。

そしたら「ほへー」と驚くことになった。

「エビデンス」云々の話としても、これはとても興味深いと思う。

ハロルド・ウィルソンは、1960年代と70年代に二度にわたって英国の首相を務めた政治家。私は気づいたときには「ウィルソン労働党内閣」というセットフレーズが頭に入っていたのだが、いつそんなセットフレーズを頭に入れたのかは記憶していない。大学に入る前だったが、高校の世界史でそんなの習わないし、何だろうね、ほんと。ともあれ、詳細はウィキペディアを参照。
https://en.wikipedia.org/wiki/Harold_Wilson

ウィルソンが率いた労働党は、1964年にアレック・ダグラス=ヒュームの保守党を破って政権をとったが、1970年にテッド・ヒースの保守党に敗れて政権を失った。その後、1974年3月の総選挙でどの政党も過半数を取らないというhung parliamentの結果が出たときに、ウィルソンの労働党はどの党とも連立しないで(できずに)minority governmentとなり、同年10月に改めて選挙を実施してわずか3議席の差で過半数を得て労働党政権を率いたが、1976年に突然引退。当時は明かされていなかったが、そのときすでにアルツハイマー病で、記憶力と集中力がひどく減退するという症状が出ていたようだ。ウィルソンのあと、労働党党首に選ばれたのはジェイムズ・キャラハンで、キャラハン政権下で英国政治は激動の時代を迎え、最終的にはいわゆる "winter of discontent" のあと、1979年に提出された不信任案がわずか1票差で可決されたために議会の解散と総選挙が行われ、そして首相となったのがマーガレット・サッチャーだった。(この段落は早口で読む)

そのウィルソンが首相として対応した最大の問題が(北アイルランド問題は別として)、英国は欧州経済共同体(EEC)に留まるべきかどうかという問題だった。2010年代のEU離脱論が保守党の中から出てきた議論である一方で、1970年代のそれは労働党の中から出てきたものだった(労働党には根強い欧州懐疑主義がある。そのことは、現首相のボリス・ジョンソンも著作の中でしっかり検討している)。

英国がEECに加盟したのは1973年、保守党ヒース政権のときのことだ(60年代は、「フランスのNON」が英国のEEC加盟の道を閉ざしていたが、「NONしか言わないフランス人」ことシャルル・ドゴールが死去して事態が動いた……というのが英国の歴史観である)。しかしその「保守党による政策」には労働党の党員・支持者からかなりの反発があった。ウィルソン労働党が1974年に政権に返り咲いたとき、その問題に直面しないわけにはいかなかった。そしてウィルソン首相、キャラハン外相らは次のように行動する(太字は引用者による)。

Following Wilson's return to power, the renegotiations with Britain's fellow EC members were carried out by Wilson himself in tandem with Foreign Secretary James Callaghan, and they toured the capital cities of Europe meeting their European counterparts. The discussions focused primarily on Britain's net budgetary contribution to the EC. As a small agricultural producer heavily dependent on imports, Britain suffered doubly from the dominance of:

(i) agricultural spending in the EC budget,
(ii) agricultural import taxes as a source of EC revenues.

During the renegotiations, other EEC members conceded, as a partial offset, the establishment of a significant European Regional Development Fund (ERDF), from which it was clearly agreed that Britain would be a major net beneficiary.

In the subsequent referendum campaign, rather than the normal British tradition of "collective responsibility", under which the government takes a policy position which all cabinet members are required to support publicly, members of the Government were free to present their views on either side of the question. The electorate voted on 5 June 1975 to continue membership, by a substantial majority.

https://en.wikipedia.org/wiki/Harold_Wilson#External_affairs


つまり、欧州側と交渉して約束を取り付けたあと、英国でレファレンダム(国民投票)を実施し、そして「欧州の共同体に英国は残留する」という結論を得たわけだ(2016年にキャメロンがしたことも、基本的にはこの型で、そのときは「1975年と同じように、英国は残留するだろう」と思われていた)。そのレファレンダムの際、上の引用部分で太字で示したように、ウィルソンは労働党の人々に対して党議拘束をかけなかった。それが一種のプロトタイプになっている。


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posted by nofrills at 20:30 | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月16日

「アクター」か「アクトレス」か、それが問題だ。

今日、東京で女性の芸能人が逮捕されたというニュースがあって、たまたま最初に見たヘッドラインで「俳優の〇〇〇〇容疑者」と書いてあり、「おや、日本でも女性の俳優について『女優』ではなく『俳優』という表記が当たり前になってきているのかな」と思ったので、ざっと、新聞を中心に用語を見てみた(TV局の報道用語までは細かく見ていない)。下記にまとめてある。
https://threadreaderapp.com/thread/1195616119056293888.html

結論だけ書いておくと、女性の役者さんについて「俳優のだれそれ」と書いているのは、旧来のメディアでは朝日新聞、新興ネットメディアではAbemaTIMESで、ほか、毎日・読売・産経もNHKも「女優のだれそれ」という用語法だった。

かつて、女性の看護師は「看護婦」、女性の警察官は「婦警」「婦人警察官」、女性の保育士は「保母」と呼ばれていたのだが、そういった職業については性別に依らない用語(「看護師」、「警察官」や「警部補」など、「保育士」)が使われるようになってかなり経つ。一方で「俳優」「女優」だけは変わらない(男性の俳優について「男優」と呼ぶのは、特別な場合に限られる。「女優の八千草薫さんが亡くなった」とは言っても、「男優の高倉健さんが亡くなって〇年になる」とは普通言わないわけで)。

英語でも「俳優 actor」と「女優 actress」の用語は今転換期にあるようで、上記threadreaderapp.comにも入れてあるが、英国ではガーディアンが性別にかかわらず役者はactorと呼んでいる一方で、BBCなどは女性の俳優はactressとしている。

今日もガーディアンに女性の俳優/女優のインタビューが出ていたが、やはりactorという用語が使われている。
Australian actor Mia Wasikowska trained as a ballet dancer in her teens before switching careers. In 2010 she was the highest-grossing film star in the world after playing the lead in Tim Burton’s Alice in Wonderland and starring alongside Annette Bening and Julianne Moore in The Kids Are All Right. She has since starred in Jane Eyre opposite Michael Fassbender and as the writer Robyn Davidson in Tracks. Now she plays Judy in Judy and Punch, Mirrah Foulkes’s unruly, subversive, feminist take on the traditional puppet show.

https://www.theguardian.com/film/2019/nov/16/mia-wasikowska-interview-judy-and-punch


ガーディアンは遅くとも2011年9月には、「女性ならば自動的にactressと呼ぶ」というのをやめている。
https://www.theguardian.com/theobserver/2011/sep/25/readers-editor-actor-or-actress

See also:
2014年12月01日 「女の子」でも「女性」でも、「ヒーロー」。
http://nofrills.seesaa.net/article/409903492.html

以上、メモ。

posted by nofrills at 22:50 | 言語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月11日

はてなブックマークでわけのわからないスターがつけられている場合、相手はスパマーかもしれない。

追記(11月16日夜): この件、気になっていた方が相当多くいらしたようで、本エントリのはてなブックマークのブクマ数が100を超えています。多くの方に情報共有していただけているようで何よりです。はてな社への通報の際など、「このスパムです」ということで当ブログのURLを提示していただいてもかまいません。
https://b.hatena.ne.jp/entry/nofrills.seesaa.net/article/hatebu-spam-hatenastar.html

しかるに、当ブログではこういう事情ではてなブックマークのコメント(ブコメ)一覧を非表示にしてあります。また、現在、はてなブックマークではブコメ一覧非表示にしたブログは、ブログオーナーでもブコメの確認ができなくなっています。そのため、ブコメでご指摘いただいた場合も、当方では把握のしようがないことをご了承ください。一部はてブユーザーさんのようにはてブとTwitterを連動させている場合はTwitterで確認できるので、本エントリ末尾にそれらのツイートを埋め込んであります。

▲▲▲追記ここまで。以下、本文▼▼▼

はてなでid:Hagexさんとして知られていたブロガーさんが、2018年6月、ブログで告知して本職の名義で行っていた講演会の直後に刺殺された事件の裁判が、今日11月11日に始まったという。被告もはてなのユーザーで、「はてなブックマーク」というプラットフォーム上で、「IDコール」という機能を使って、だれかれ構わず罵詈雑言を投げつけ、運営に通報されてアカウントを停止され、また新規アカウントを取得して罵詈雑言→通報→アカウント停止……ということを繰り返していた人物だ。罵詈雑言を投げつけられた側は、自分を罵倒してきているのが誰なのかはもちろん知る由もなかったし、アカウントも停止されては新規で取得することを繰り返していたから、「はてな」のサービス上で一貫して誰かを認識する「ID」でその罵倒主を呼ぶこともできなかった。そのため、罵倒された人々は、彼が他人を罵倒するときに多用する罵倒語に基づいて「低能先生」という仮の名前をつけ、「また低能先生が暴れ出した」といったふうに書いて情報を共有した。その経緯は、「日刊SPA!」の下記記事(2018年6月)に詳しい。(事件発生時のほかのマスコミの記事の多くは、このような経緯を正確に把握できていなかった。「はてな」の独自のシステムになじみのない記者が、警察発表の文言から解釈して書いていたのだろう。そもそも警察も「はてな」のシステムはよく知らなかったかもしれない。)
松本容疑者は、2016年ごろから、はてなブックマークなどの他ユーザーに「低能」という言葉を使って誹謗中傷を行っていた、いわゆる荒らし、嫌がらせ投稿者だった。そのため、過去100回以上もアカウントを凍結されては、新規IDで復活し活動をすることを繰り返してきた。……

一方的に低能先生がHagexに低能コール(荒らし)を仕掛けていただけで、報道から想像するような松本容疑者vs Hagexのようなバトルは見られない。ただ、低能先生からコールが来る度に、はてなに通報を行っていただけだ。

https://nikkan-spa.jp/1490100


「はてな」での「IDコール」という機能は、「私のブログであなたの発言を引用しています」といったことを手軽に伝えるために導入され(ああいう機能をTwitterなどSNSが一般的になる前に導入していたのは、今思うと、とても早かったのだと思う)、「はてなブックマーク」においては、誰かがブックマークのコメント(以下「ブコメ」)で「ミルクティーはミルクが先ってこと?」と書いたことに対して別のユーザーが「id:honyarara ミルクは後っていう人もいますね」などと情報を補足したりする用途で使われていた。しかしこれは同時に「id:honyarara はぁ? ミルク先とか何言ってんの? お前みたいなエセインテリが世の中を悪くするんだ。謝罪しろ!」みたいなわけのわからない暴言・罵倒の流布にもつながる機能でもあった。そして現実に、考えられる限りにおいて最悪の(というか開発者を含め、おそらく誰も予想も想定もしていなかった)使われ方をして、id:Hagexさんの殺害という事件につながっていったあと、事件から4か月ほど後に、はてなブックマーク上におけるIDコールは廃止された。そしてはてブからは個人に対する名指しの罵倒のようなものは消えたのかもしれない(私はあまり熱心に見ていないし、ストレス対処のため特定ユーザーの非表示も活用しているので、私が知らないだけで本当はまだまだあるのかもしれない)。

「IDコール」がなくなった現在もはてブに残っているユーザー間のやりとりの手段(にもならない程度のものだが)は「はてなスター」だ。

「はてなスター」は、後発のFacebookなどにおける「いいね!」のようなスタンプ的なものである。最初に導入されたのは今は亡き「はてなダイアリー」で、導入時には「社内で回覧する文書に『読みました』の意味でつけるシャチハタ印みたいなもの」というイメージだという説明があったと思う。実際、「はてなダイアリー」はユーザー同士がよく読み合い、コメントしあい、言及しあうなどしていたので、「Aさんのダイアリーの中でBさんの発言が言及されていることがIDコールでBさんに伝えられ、それをBさんが読んだということがはてなスターで示すことができ、Bさんは必要があればコメントなりトラックバックなりでAさんに対して反応もできる」というエコシステムがあったのだが、日本語で100字分しかスペースのないはてブのブコメではそこまでの機能は負わせることはできず、単なる「いいね!」ボタン的に使われていると思う。

「はてなスター」についても、「場合によっては『逆いいね!』的に使われる」という懸念は常に呈されていた。スターの数が多ければブコメ一覧のページで目立つことになるので、スターをたくさんつければ「見て見て、こいつ、こんなバカなこと言ってるよ!」とさらし者にすることもできる、というわけだ。その点は、同一人物が大量につけたスターはあまり高く評価されないという処理をするなどしているはずだ(正直、スターの数とかにあまり関心がないので、認識がゆるかったり間違ってたりしたらすみません)。

私もよく訓練されたはてなユーザーではあるので、そういったことはよく知っている。遠い目をして語れるくらいには。

だが、今回、id:Hagexさんの殺害事件の初公判についての記事に対する私のブクマについたはてなスターには、違和感を感じた。というか、正直、ぞっとした。だって、私のそのブクマにはコメントがないんだから、誰かがはてなスターをつける要素など何もない。誰かがスターをつける理由などないはずなのだ。あるとすれば、「あなたがはてなブックマークというプラットフォームから発した殺人事件についてのこの記事をメモしたことを、私はチェックしましたよ」と告知するためか。

hatebu-star-spam111119a-min.png

このように、「あとで読む」というタグしか入力されていないブクマに、id:ookubo0803なるユーザーがはてなスターをポチっとつけているのだ。

このIDに心当たりはない。てか、この「おおくぼ」って、誰? ……と、さすがに不気味さを感じながら(私はある件で脅迫もされているし、それとは別の件でもたぶん目つけられていると思う)そのスターをクリックしてみると、そこに出てきたのは、何と、「セクスィ〜なロシア美少女」云々(要旨)だった。

hatebu-star-spam111119b-min.png

スパムかよ。 (・_・)

スパムとわかったらサクサク通報するだけだ。

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posted by nofrills at 15:26 | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告ブロッカーは広告以外の画像をブロックするのにも使えるよ、というお話

ここしばらくずっと話題になりっぱなしの日本赤十字社お気に入りのグロ絵(現実にはあり得ない形で強調された、こういう意味での「グロテスク」な絵)ポスターなどに関連して、「あの絵を見たくないので、あの絵がTwitter Cardなど勝手にフィードされる画像に表示されているブログ記事などは、どんなに中身がよくてもツイートできない」という人が、私の見る範囲ではけっこう少なくないのだが、そういうタイミングで、秋葉原であのグロ絵以上にひどい絵が建物の壁面にどーんと掲げられているという話題があり(現時点ではもう別の、穏当なものに差し替えらえているが)、そのグロ絵を擁護する声もネット上にはあふれ、ああいうグロ絵を見たくない・見せられたくない私たちには、マジで逃げ場がない。心底気持ちの悪い国だ、この日本という国は。

そのあまりにもひどすぎるグロ絵の看板が取り外されたのは、ある方が区(東京都千代田区。ちなみに皇居がある区ね)の条例に照らしておかしいのではないかという問い合わせをしてくださった後なのだが、その方がそれについて報告するツイートにもそのあまりにもひどすぎるグロ絵がばーんと掲示されているという地獄っぷり。いや、普通に「この件ですが」という意味で掲示することには、そりゃ、正当性はありますよ。でも、Twitterのシステム上、まったく無防備なところにああいう絵が流れてくる(こともかなり多くある)わけで、それはどうなのかと。

私、個人的にイスイス団の暴力見せびらかしの最盛期(2014年夏)にかなりメンタルやられまして……しかも、正当な理由があってそれらの画像を掲示しているジャーナリストのフィード経由で……いや、わかるんすよ、「知る権利」とか「事実の提示」とか。でも無防備なところに、イスイス団の残虐画像や、イスイス団が誇る「天国に行った勇敢な戦士たち」の亡骸の写真が繰り返し繰り返し表示されているうちに、さすがにこっちの頭もおかしくなってきた。

「そういう映像を見る」と心の準備をしているときはいいんです。でもそうでないときに「不意打ち」のようにグロい画像を見せられるのは、日本語でも「精神的ブラクラ」という表現がある通り、非常によくない。あの「自由」原理主義みたいな米国でも、2001年9月11日のNYCで高層ビルに飛行機が突入する映像が、事件後、TVニュースで繰り返し繰り返し「突然流される資料映像」的に使われたあとで問題視されるようになって、映像の使用が控えられるようになったという話もあるくらい。

というわけで、ああいう画像が表示される回数を減らせれば、減らした方がいい。手元でできるなら手元でそう設定すべき。

というときに(PCの場合)使えるのが、ブラウザのアドオン(エクステンション、拡張機能)の広告ブロッカー。

「広告ブロッカー」や「AdBlock」という名称ゆえ、広告*だけを*非表示にするものと思い込んでいる方もおられるが、あれは基本的に画像を非表示にするものなので、どんな画像でも非表示にすることができる。そのやり方を、AdBlockを使ったことのない方にもわかるように、説明してTwitterで連投した。

それを、先日こちらにも書いたが、ThreadReaderAppというウェブサービスを使って、一覧できるようにしてある。
https://threadreaderapp.com/thread/1193495868130746369.html

以下、この内容をまたコピペしておく。

今の時代、ひとりひとりが個別にフィルターを設定して自衛していかないと、グロ画像は歯止めなく流れていて、話題になったものは何度でもしつっこく表示され続ける。そのストレスを少しでも軽減するために、ひとりでも多くの方にお役立ていただけますように。

【続きを読む】
posted by nofrills at 01:00 | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月03日

Twitterで、自分の発言だけ連続投稿したものを、読みやすく、1ページで表示してくれる便利ツールのご紹介。

ここ数週間、ネット上の日本語圏、特にTwitter界隈でずーっと話題になりっぱなしの、とてもセンシティヴな案件があって、多くの人がたくさんの言葉を費やして考えていること、思っていることを語っている。そういった言葉を、ただTwitterに置いておくだけでは埋もれていってしまうし、誰かに「これを参照してください」と示すにも単独のツイートだと文脈が見てもらえないかもしれないという心配がある。

といって、日本語圏では、自分の発言をTogetterなどを使って「まとめ」れば、「セルフまとめ」などと呼ばれ、「自意識過剰だ」的な批判が湧いて出てくるのがデフォ。ましてやあのセンシティヴな案件について「セルフまとめ」など作ろうものなら、ギャング映画のごとく蜂の巣にしてやろうというキーボード・ウォリアー様たちが覚醒してわらわらと寄ってくるに違いない、という心配がある。

そういう場合に、日本語圏に特有の粘着質のイナゴのことなど気にせずに、自分の連続ツイート(スレッド)だけを淡々と一覧できるようにしてくれるツールが英語圏にはあるので、今日の昼間、それを紹介する連ツイをしてみた。

そしてその連ツイを、当該のツール(Thread Reader Appという)を使って1ページにまとめてみた。「スレッド」の作り方の注意点なども書き添えてある。下記からどうぞ。
https://threadreaderapp.com/thread/1190812074521219072.html

使い勝手や見え方を比較するため、同じ内容で、NAVERまとめを利用したページもこしらえてみた。こちらもよろしければご参照のほど。

Thread Reader App: 英語圏のシンプルで便利なツール(日本語も問題なく使える)
https://matome.naver.jp/odai/2157274949164167101

Thread Reader AppもNAVERまとめも、「どちらが絶対的によい」ということはなく、用途・内容に応じて使い分ければよいと思うが、自分の発言だけで構成されたスレッド(連ツイ)をさくっとまとめて表示させたいだけなら、Thread Reader Appが便利である。作業にかかる時間はほんの数秒(と数分の待ち時間)で、Twitterにログインしてさえいれば、実質、何もしなくてもよい(先方のサービスへのログインすら不要)。

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2019年10月27日

hontoで講談社学術文庫のセール中。『怪物ベンサム』やウェルズの『世界文化小史』、ベーダの『イングランド教会史』が安い

EBPD13107.pngオンライン書店のhontoのサイトを見ていたら、講談社学術文庫のセールをやっていた。いわく、「紙で入手困難な本」(品切だったりする本)が30%オフになっている。10月31日まで。

ざっと見てみたところ、日本史の本が多いのだが(徳富蘇峰の『近世日本国民史』がずらっと並んでいるほか、 網野善彦『中世再考 列島の地域と社会』があり、また、太平洋戦争関連の本なども何点も入っている)、歴史以外のジャンルでも田中克彦『ことばとは何か 言語学という冒険』などがあるし、あと、カントの『純粋理性批判』(全4巻)もある。

ところで、どうでもいいが、「カント」をペンネームの一部にしているラノベ作家がいるために、hontoの電子書籍を「カント」で検索すると、乳房がサッカーボールのように丸くグロテスクに強調されたような発情期and/or男子中学生向けのグロ絵がずらずらと表示されて、うっとうしく不快なことこの上ない。ドイツのカントの本を探している人間がラノベ表紙絵をしつこく見せられるのは、ノイズを超えて、苦痛でしかない。電子書籍書店はこの点、本当に考えてほしい。実店舗ではラノベだのマンガだのは売り場が分かれているので問題が生じることはないのだが、同じ思想でネット書店も構築してくれないだろうか。ラノベだの何だのは、「ジャンルごと表示しない」ボタンをもうけるべきだ。これは「表現の自由」の問題ではなく、単に「買い物の邪魔」という問題である。コンビニにツナのおにぎりを買いに行ったら、おにぎり売り場にツナ関連の売れ線だからといってツナサンドやらツナクリームパスタやらちゃおちゅ〜るやらがずらずらと並んでいて、肝心のツナおにぎりを探すのに2分も3分もかかったりしたら頭にくるだろう。そういうことだ。実際、ラノベとやらが売れ線であるらしい電子書籍販売店では、何を検索してもラノベが出てくるので――それこそ「コレット」なんかひどいありさまだ。私はフランスのあのコレットの本を探しているという場合でも――、本当にうっとうしくてかなわない。

閑話休題。で、その講談社学術文庫のセールで、何点か英国関連のものもあったので持ち帰ってきた。繰り返しになるが、10月31日までが3割引きの価格である(それを過ぎても平常価格で購入はできるが)。

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2019年10月25日

欧州大陸から来たコンテナと、39人の中国人とされた人々と、アイルランドのトラック野郎と、そして……?

きれいに手入れされているように見えるそのトラックのフロントガラスの上部と下部には、
Ireland
The Ultimate Dream
という文字が見える。

そのトラック(正確にはトレーラー)はアイルランド島からウェールズを経てイングランドにやってきた。運転手は北部6州(北アイルランド)のアーマー州ポータダウン在住の20代男性。専業のトラック運転手だ。彼はダブリンからフェリーに乗り、ウェールズのホリーヘッド港に到着し、一路車を南東に向けて走らせた。ロンドンを通り越して到着したのは、テムズ川河口域のエセックス州サロック (Thurrock) のグレイズ (Grays)。ここで彼は、港に到着していたコンテナを受け取った。欧州大陸から来た冷凍コンテナだ。この荷物をどこかに運ぶ仕事を請け負ったのだろう。

そして彼は殺人 (murder) の容疑で逮捕されることになった。コンテナの中では、39人の人間が死んでいた。



「エセックス州の港で、コンテナの中で39人が死亡しているのが発見された」というショッキングなニュースがあったのは10月23日の晩(日本時間)。当初、「ホリーヘッドから入った」(ホリーヘッドはアイルランドのダブリンからのフェリーが発着する港である)、「ブルガリアから来た」という2つの情報が直接結びつけられて報道されていたので、「ブルガリアからアイルランド経由でイングランド南東部へ移動?」と多くの人々が頭の上に「?????」を並べていたようだったが(私も)、一夜明けてみれば、トラックの車の部分(トレイラー)がアイルランドから来ていたのであり、39人が入れられていたコンテナはベルギーの港から直接サロックの港に来ていたということがわかった。

Brexitがこうなっているタイミングで、こんな形で欧州と英国の間の物流について、そして何よりアイルランド島の「ボーダー」(アイルランドを1つと見る立場では、あれは「国境」ではない)と、アイルランドとブリテンの間の物流について、改めて確認されるようなことになるとは。

亡くなっていた39人は、24日の報道では、全員中国籍と思われ、男性が31人、女性が8人。うち1人は、初期報道では「ティーンエイジャー」と伝えられていたが、やがて「若い成人女性」とされるようになった。
https://www.bbc.com/news/uk-england-essex-50162617
Essex Police said it was the largest murder investigation in the force's history and the victims were all "believed to be Chinese nationals".

It said formal identification of the 39 people, one of whom is a young adult woman, "could be a lengthy process".


コンテナに何十人と詰め込まれた人間が全員遺体となって発見されるということは、これまでも何度かあった。最も衝撃的だったのは、2015年、オーストリアで冷蔵車の中から71人の遺体が見つかった事件だろう。

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2019年10月05日

パリ警視庁での衝撃的な事件について、英語圏ネット上極右界隈で言われていることのメモ

10月3日(木)、フランス、パリのシテ島にあるパリ警視庁で職員とみられる男が刃物で4人の職員を刺殺、その後本人も警察官に射殺されるという衝撃的な事件があった。殺された3人は情報部門職員、1人は人事部職員とのことで、容疑者を射殺したのは着任してまだ数日にしかならない若いインターンだったという。

事件の前日、フランスでは警官たちが、いわゆる「ブラックな」労働環境に抗議してデモを行っていたが、3日の事件は、警察からの公式のステートメントがまだ出てなくてもろもろ不明だった段階でも、デモと関係があるということは言われていなかった。実際にデモとは無関係だったようだ。

衝撃的な事件の後、しばらくは(フランスの事件報道ではよくある)情報錯綜と情報統制の奇妙な共存が続いていたようだが、日本時間で土曜日になって、「予備捜査の結果、容疑者が過激思想に傾倒していた可能性があることが示された」という報道がなされている。このAFP以外の報道記事を見ると、仕事で過激派の情報に接していたということだ。一方で、自宅の捜索では過激化の兆候は一切見つからなかったという。職場で過激化されていたと仮定して、自宅には過激化を示すものは何もなかったとすると、自宅には職場のものは一切、情報の一片たりとも持ち帰っていなかったのだろう。

そういうこと(職場と自宅とは完全に別にすること)が要求される仕事だったのだろう。

――ここで私はおまじないのマニキュアを塗る。15歳女子を装ってネットでイスイス団の人員と接触し、彼らのリクルート(人員募集)活動がどのように行われるかを身体を張って報告したフランスのジャーナリスト、アンナ・エレル(仮名)の本にマニキュアのことが書いてあって(「15歳女子」を自分の元に来させようとするイスイス団の男は、Skypeの画面で彼女が爪を塗っていることに気づき、そのようなことはしてはならないというくだらない教義を言って聞かせる。ああいうくだらない教義は、カルト教団が声をかけた人物がその思想を本当に信じたかどうかを試す試金石として用いられるものとして典型的だ。日常の中のほんの小さな、くだらないことを変えさせることで「自分は生まれ変わった、別の人間になった」と思わせていく)、それを読んで以来、私はずっとそっち系の情報に接するとき(この指先でそのことについて書くとき)、発色のよいマニキュアを遠慮なく塗っている。あたかも指先にこれがあれば、ああいうのが浸透してくることが防げる、といわんばかりに遠慮なく。

ジハーディストのベールをかぶった私
ジハーディストのベールをかぶった私

さて、本題。パリでの事件について。


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2019年09月24日

英国で学位を取得した人の残留許可期間が2年になる(テリーザ・メイ内相の「改革」で短縮されていたのが元に戻る)

こちらのブログを放置してしまっているが(下書きはあるんだけど、アップできる状態にまで持ち込めていない。何しろBrexitと英国会がああだから……)、英語実例をただ集積していくブログは毎日更新中で、そちらで取り上げる記事によっては、こちらで書いてもいいんじゃないかという内容の解説を書いて、コピペしようかなどうしようかなと考えている間にめんどくさくなってコピペしない……ということが続いている。そもそも同一の文章をあちこちにアップするのはノイズを増やすだけだというインターネット老人会のいにしえの掟に縛られているので、どうにも腰が重いのだが。

が、この件はリンクと一部コピペくらいはしておこう。表題の件:
https://hoarding-examples.hatenablog.jp/entry/2019/09/18/%E5%85%88%E8%A1%8C%E8%A9%9E%E3%81%8Ccase%E3%81%AE%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%81%AE%E9%96%A2%E4%BF%82%E5%89%AF%E8%A9%9E%E3%81%AFwhere%2C_have_%2B_O_%2B_%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%88%86%E8%A9%9E%2C_
現在EU離脱(Brexit)という問題を抱えてしっちゃかめっちゃかになっている英国だが、Brexitの焦点のひとつが「外国からの流入人口(移民)」である。EUの一員である限りはEU加盟国からの人の流入は制限できないという問題――それは同時に、英国からEU各国への流出に障害がないということでもあるのだが――について、自身は外国で就職など絶対にしないという庶民層からの感情レベルでの反発(「近くの工場で働くために通りの奥に引っ越してきた人たちが、わけのわからない言語でしゃべっている」「ここはイギリスだ、英語をしゃべれ」的なもの)を、ポリティカル・クラス(政治の上層部、国政の政治家たち)が無視し、侮ってきたツケが爆発した、と言えるわけだが、そういった感情的反発はBrexitが議論の俎上に乗るようになる前からずっと可視化されていたわけで(ゴードン・ブラウンの "Bigoted woman" 発言と、その後のブラウンへの批判の嵐をご記憶だろうか。わからない方は英語圏でウェブ検索を)、ある意味でその不満のガス抜き調整弁として利用されてきたのが「外国からの留学生の数」だ。2010年、労働党ゴードン・ブラウンが選挙で負けて、保守党のデイヴィッド・キャメロンがLibDemsと連立を組んで新政権を発足させたあと、テリーザ・メイ内相のもとで積極的に進められたイミグレ政策のひとつが、「留学生を減らす」という政策だった。具体的にはインチキ学校(「ヴィザ取り学校」と呼ばれたような実体のない学校……今、日本で問題になりつつありますね)の認可を取り下げたり、ヴィザ発給要件を厳しくしたり、ポイント制を導入したりといったことが進められた。さらに、大学で留学した場合、学位を取得したあと英国に残れるのは4か月までとされ、要するに、卒業したら速やかに英国外に退去することが求められていた。

テリーザ・メイが内相時代に導入したその方針が、ここにきて転換された。「転換」といってもメイ以前の時代の制度に戻っただけだが、学位を取得したあと、2年間の残留が認められる。転換の理由は、メイの導入した政策のもとで英国の大学は外国人留学生を大量に失うことになった(つまり学費収入が減ってしまった)ことだと考えられる。詳しくは下記報道記事を参照。
https://www.theguardian.com/education/2019/sep/10/uk-work-visas-for-foreign-graduates-to-be-extended-to-two-years


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2019年08月28日

もういいから、leave-left-leftも知らん奴は黙ってこのプリントやっとけ。あと、本屋の学参コーナーに行って、中学のまとめの問題集買ってきてやれ。

今日、下記の英語学習用のPDF(自宅学習・塾でも使えるオーソドックスなプリント)をseesaaのスペースにアップロードした。そもそも著作物ではないので著作権はない。各自、ご自由にダウンロードしてご利用いただければと思う。

内容はファイル名を見ればわかるだろうが、英語の不規則動詞の活用一覧である。

■単なる一覧表:
English-irregular-verbs-list.pdf

■そのまま穴埋めテストに使える空欄仕様:
English-irregular-verbs-test.pdf

2つのファイルは、空欄になっているかどうかだけで、中身は同じ。それぞれソートが4パターンある。
・1〜5ページ: 中学既習語・それ以外の語に分けたアルファベット順で最も初学者向け
・6〜10ページ: 活用型別のソート(cut-cut-cutのようなA-A-A型、make-made-madeのようなA-B-B型、give-gave-givenのようなA-B-C型……)
・11〜15ページ: 全部ごちゃまぜのアルファベット順
・16〜20ページ: 型別にソートして、その中をアルファベット順にソートしたもの


さて、なぜ唐突にこのようなものをアップロードしたのかというと、leave-left-leftという基本中の基本を理解も了解もしていない人たちがleaveの過去形・過去分詞形のleftを「左翼」と訳して盛り上がり、その間違いを指摘する人たちが盛り上がり、それを受けてもなお自説に固執する人たちがいて、最終的には「ハッシュタグ大喜利」という形でおおいに盛り上がる、ということがあったことを、盛り上がってから何時間も経過してから知ったことがきっかけである。(私は基本的にTwitterでは日本語圏は見てないので、このようなタイムラグが発生した。)

そのハッシュタグは、確かに失笑ものというか爆笑もので、私もリアルタイムで騒動を見ていたら「ハッシュタグ大喜利」のビッグウェーブに乗ってたかもしれない。いや、たぶん乗ってただろう。どういうものかというと、下記の曲のタイトルを「子供たちはみんな右翼」とやるようなものだから(alrightはall rightの略式表記)。ネタならいくらでも思いつくよ。



(もちろん、The kids are all rightは、直訳すれば「子供たちは大丈夫」だ。)

しかしいかに教養のカケラもない、愚かで無理やりな珍解釈であろうとも、誰かの間違いをTwitterのようなオープンすぎる場で「大喜利」にしてしまうことは、「よってたかって公然とあげつらい、小ばかにし、嘲笑すること」にもなる。少なくとも、ネタにされた当事者はそう感じるだろうし、そう感じることは特に理不尽なことではない。そのような「嘲笑」が、ネタにされた側にもたらすのは、恨み (grudge) だとかルサンチマンだとかいったものだ。それがもたらす分断は、あとから埋めるのは難しい。

そういった分断を、私はPCのモニターの中にだが、Brexitをめぐる英国の人々の中に見てきた。

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2019年08月22日

絶対に失敗できないイベントがここにはある。そしてお台場の下水と人糞は「部屋の中の象」となる。

日付が21日になったころ、はてなブックマーク(はてブ)を見てみたらこんな記事があった。

うんこミュージアムが開業
東京・台場に、8月から
2019/8/20 15:38 (JST)
https://this.kiji.is/536432057426887777
「うんこはカワイイ」という新たな価値観を発信する「うんこミュージアム TOKYO」が東京・台場の「ダイバーシティ東京 プラザ」にオープンした。国籍や年齢に関係なく楽しめる体験型施設。観光スポットとして注目を集めそうだ。

 横浜市でも同様の施設が9月までの期間限定で営業中で、3月の開業から4カ月半で女子高生など若い女性を中心に約20万人が訪れた。東京では外国人観光客もターゲットに含め、半年で35万人の入場を目指すという。


はてブでは、最初のブコメでいきなり「以下『虚構新聞かと思った』禁止」と宣言されていたが、こんなネタをはてブだけに置いておくのは忍びないと思った私は、下記のようにtweetした。


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2019年07月20日

卑劣で理不尽極まりなく、無差別的な、不意打ちの大量殺人であっても、それは必ずしも「テロ」ではない。

18日に起きた京都のアニメーション・スタジオへの放火事件、あまりにも凄惨で、失われたものがあまりにも大きく、本当に言葉もない。このような暴力で大切なご家族・ご友人・同僚を奪われた方々の心中はいかばかりか。34人もの尊い人命、その人々の人生と未来、その人々の持っていた技能やセンスばかりでなく、スタジオに蓄積されてきたこれまでの仕事の成果物も失われたと一夜明けた19日の会見でスタジオの社長が述べておられる(いかなる思いか)。

人々が普通に仕事してる仕事場が、持参したガソリン(それも大量のガソリン)を撒いていきなり火をつけてしまえるような人物に急襲され、完全に破壊された。その事実を前に、この件に関するどのような情報を目にしても、「…………」としか反応できない。(まだ逮捕されておらず「被疑者」になっていないにも関わらず放火したと考えられる人物の名前が警察から明らかにされ、マスコミ各社の「独自取材」っていうんでしたっけ、とにかくそういうので「近所の人の話」なども出てきているが。)

私はアニメは別に見ないし、このスタジオの作品も見たことがなく(ネットでよく言及されているから名前と絵柄だけ知ってるものはいくつかあるにせよ)、したがって個人的なショックというものはほとんどない。個人的につながりを感じないので、「一般のニュース」として「ひどい」と思っているが、自分の中で何かが壊れたというような感覚はない(そういう点では、2005年7月7日のロンドンでの公共交通機関爆破テロのほうがよほど個人的なショックが大きかった。ロンドンの地下鉄はなじみ深いものだし、爆破された30番のバスは使ってたことがあるのだ)。それでも、というかそれだからこそ、ある日、仕事場が突然ガソリン撒かれて火をつけられるなんて、それだけで、というかそれ自体、ひどすぎると思う。その仕事場が、世界的にも有名な映像スタジオであろうとも、他の何かであろうとも。

オフィスや店舗などにガソリンなどを撒いて火をつけるという事件は、ここ日本で何度か起きてきたということは、私はもちろん知っている。まだ消防隊が現場にいたころのNHKの報道記事では2000年の神戸のテレクラ放火(火炎瓶なので中身は灯油かもしれないしガソリンかもしれないし、ほかの燃料かもしれないが)や、2004年の埼玉県でのドンキ連続放火(これはガソリンよりは扱いやすい灯油が使われていた)、2008年の大阪での個室ビデオ放火(これは突然、手持ちの荷物の紙類を燃やし始めたということで、ガソリンなど燃料の準備はなかったようだが)と、出火原因がいまだに不明で、放火であるとの事実も確定していない事件だが2001年の東京・新宿歌舞伎町の雑居ビル火災への言及がある。

ひどい被害を出した放火事件といえば、ほかにも、2000年、栃木県宇都宮市の宝石店が放火された事件や、2001年、青森県弘前市の消費者金融オフィスが放火された事件や、2003年、名古屋の軽急便オフィスでの立てこもり・放火事件あたりがすぐに思いつく。これらの事件のときに、テレビのニュースなどではガソリン火災のすさまじさが報道されていたし、特に2003年の事件は社会に与えた衝撃が大きく、ガソリン販売のルールが少し(だけ)厳しくなった(ウィキペディアより引用すると、「この事件以降、ガソリンスタンドのポリ容器等でのガソリン販売の禁止が徹底され、法規制が強化された」)。

これらの事件は、きわめて陰惨な事件ではあったが、金品の強盗目的だったり(宇都宮、弘前)、会社のあこぎなやり方に怒りを抱えた配達ドライバーだったり(名古屋)と、なぜそこをガソリンのような強力なものを使って襲うのかということについて、納得できるかできないかは別の話として、かなりはっきりした理由があった。一応理屈は通っていたが、その上で「ひどいことをしやがる」という事件だった。

しかし、京都のアニメーション・スタジオの事件では、そこがどうにもわからない。「ひどいことを……またどうしてこんなひどいことを」と問うてみたところで、その「どうして」が、ネットで流通している憶測・噂で言われている内容は「は?」としか言いようのないもので、たとえその憶測が当たっていたとしても、そんなことでガソリンを撒いて火をつけるという行為に出るなんて信じられない。確定情報が出るのを待とうにも、当人も重いやけどで入院していて警察の取り調べは行われていないので「確定情報」が出ない。

あまりにもひどい事件だし、いわゆる「ネット民」にはとてもなじみ深い企業が標的にされたことでネットでの関心も極めて高く、そういう「人々の関心の高さ」をカネに変える仕組みがすっかり出来上がっているネットでは、関心を持った人がクリック/タップしたり、人に伝えたり(シェアしたり)したくなるような文(「記事」と呼びたくないし「文章」でさえないようなもの)を毎日脈絡なくアップロードしているたくさんのブログが、放火犯と思われる人物(法的にまだ「被疑者」ではないので、ここでは「容疑者」とは呼ばないが、要はその立場にある人物)の名前が19日に警察によって明らかにされるずっと前から、ネット上のどこかで誰かがどういう根拠で述べて(書いて)いるのかわからないようなことを(おそらく単にクリック目当てで)「まとめ」るなどしていて、すごいカオスになっていたそうだが、私は個人的にはそういうのは見ていない。ただ、Yahoo! Japanのトップページに出るようなヘッドラインは見ていたし、はてブのトップページも見ていて、放火犯と思われる人物は関東在住で、攻撃されたスタジオとの間には接点らしい接点がないようだ、ということはわかった(もしも接点があったのなら何よりまず「放火したのは元従業員」などといったような情報が出回っただろうが、逆に「元従業員ではない」という情報が出回っていた)。

関東地方在住の人物が、個人的に関係などない京都の会社に、ガソリン持ってカチコミに行くという時点で、全然わからない。

とはいえ、自身も大やけどを負って、現場の近隣住民の方に助けられ、その後警察に取り押さえられたというこの人物が、個人的に何か一方的な恨みを抱いていた(逆恨みしていた)ようなことを口走っていたということは、わりと早い段階でその住民の方が語っていた。ということは、いわゆる「通り魔」のようなことではなく、このスタジオを襲うと決めたうえで実行された放火であることは確かなのだろう。

しかし、噂されるその犯行理由(噂の段階のものを「理由」と呼ぶことは適切でないような気がしてならないのだが、ほかに言葉が見当たらない)は、「建物にガソリンを撒いて火をつける」という行動につながり得るとは思われず、これまでにあった「ガソリンを撒いて火をつける」という事件よりも、ずっとずっと、理不尽に感じられる。

この理不尽さは、死傷者が約70人(うち死者が34人)という被害の大きさ、それも全員が「非武装の民間人」どころか「いつものように職場で仕事をしていた映像制作者たち」というまったく無防備な人々であったこと、その人々が所属するスタジオが到底攻撃されるいわれなどなさそうな作品を作ってきたスタジオであったこと、そして攻撃が突然行われたことと重なって、今回の事件は「卑劣で理不尽極まりなく、無差別的な、不意打ちの大量殺人」として、私を含めて大勢の人々をショックで打ちのめす。

なぜこんなことが。

こんなことがあってよいはずがない。

そのショックは瞬時に「怒り」に結晶する。そしてオンラインで事件について何かを述べる(語る)人々は感情を高ぶらせていくし、高ぶらせた感情を「ネット上の誰か」たちと共有する。何かを述べることよりも、感情を共有することのほうが、この場合、目的になっているのだろう。

そして多くの人々が、この卑劣で理不尽極まりなく、無差別的な、不意打ちの大量殺人について言う。「これはテロだ」と。最大限に非難するつもりで。

しかし、現状分かっていることから判断して、これは「テロ」ではない。なぜならば、ある攻撃が「卑劣」であるかどうか、「理不尽」であるかどうか、「無差別的」であるかどうか、「不意打ち」であるかどうか、「大量殺人」であるかどうかは、「テロ」を決定づけないからだ。

「テロ」を決めるのは動機だ。攻撃手法ではない。「無差別的に一気に大勢殺すこと」でもない。動機があっての「テロ」だ。

確かに「テロ」の定義には統一されたものはなく、定義はいろいろありうるが、最大公約数的なものはある。その最大公約数的なものの一例として、英国の情報機関MI5のサイトに挙げられている「テロリズム」の定義を見てみよう。(なお、英国は2000年代以降に活発化したイスラム過激派のテロ、ここ数年警戒が強められている極右過激派のテロ以前に、1970年ごろからずっと北アイルランド関連のテロを自国内に抱えており、2001年9月11日を境にいきなりテロテロと騒ぎ出した米国とは国民の意識も異なる。)
https://www.mi5.gov.uk/terrorism


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2019年06月16日

「バスで血まみれになってる私の姿をご覧になったかと思いますが、そんなあなたも、ホモフォビアというものすべてについてちゃんと怒ってくれているのでしょうか」

今月7日、女性2人が血だらけでロンドンのバスの中に座っているというショッキングな写真がTwitterにどっと流れてきた。日本語圏でも話題になっていたから、見た人も多いだろう。

07june2019.jpg私が見た画面では多くが報道記事のフィードで、写真はTwitter Cardで表示されるようになっていたのだが、中にはローカルに保存した写真を単独でツイートして、自分の言葉を添えたものもあったかもしれない。

ショッキングだったのは写真だけではなかった。彼女たちはカップル(同性カップル)で、5月30日にロンドンのカムデンのバスの中で「今ここでキスしてみろよ」などと男たちに絡まれ、それを拒んだら、こういうふうになるまで殴られたという。あのカムデンでこんなことが起きるなんて!

あまりに痛々しい写真で、写真を「さらす」ようなことも殴られた彼女たちが気の毒な気がしたが、記事のメモということでGuardianのフィードとMetroの記事のツイートを何件かRetweetした。

その後、警察が動いて加害者が特定され(ロンドンのバスの中は、IRAが暴れていたころからの「テロ対策」でカメラが設置されている)、翌日には5人が逮捕されていた。5人ともティーンエイジャーだ。

2人の女性のうち髪の色が濃いのはメラニアさんという方で、姓も職業も報道されていたが、もう1人の金髪の女性は「クリス」というファーストネームしか報道されていなかった。

さて、6月16日のガーディアンのトップページに「バスで血まみれになってる私の姿をご覧になったかと思いますが、そんなあなたも、ホモフォビアというものすべてについてちゃんと怒ってくれているのでしょうか」(超訳)という見出しが出ていた。筆者名はひとこと「クリス」。スーダンやらイランやらで10日近く前のロンドンでの出来事のことは正直忘れかけていたが、ああ、あのカムデンで殴られた人かと思い、記事を読んでみたら、これはすごい。低気圧だの暑さだのでダルさMAXなのだが、思わず超訳に着手するレベルだった。

You saw me covered in blood on a bus. But do you get outraged about all homophobia?
Chris
https://www.theguardian.com/commentisfree/2019/jun/14/homophobic-attack-bus-outrage-media-white

【以下、超訳(原文の文意をゆがめてはいないつもりですが、読解を間違えていたらすみません)】
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2019年05月28日

「英国ではサッカーは労働者階級のスポーツ」という類型に対する強烈なカウンターをどうぞ

英国をめぐる類型(ステレオタイプ)の中に、「サッカーは労働者階級のスポーツだ」というのがある。(それと同時に、フットボーラーがファンに丁寧に応対したりしていると「さすが紳士の国」云々のナレーションがつけられたりするのでわけがわからないのだが。)

「サッカーは労働者階級のスポーツだ」というのは、それ自体は真である。1990年ごろまではそう言われていたものだし、ほかのスポーツ(特にラグビー)と比較するとサッカーは際立って「労働者階級」的な存在だ。

しかし、少なくとも21世紀の現代においては、「サッカーは労働者階級のスポーツだ」をひっくり返して「労働者階級以外はサッカー以外のスポーツに入れあげる」とか、「サッカーは労働者階級だけのスポーツ」と言ってしまうのは、真ではない。

それでもしかし、「サッカーは労働者階級のスポーツだ」というわかりやすい言説は、ときに「サッカーは労働者階級だけのスポーツだ」と尾ひれはひれをつけながら、今も流通している。「それ、必ずしも正しくないですよ」ということを指摘したい場合は、普通に「今はそうとも限らないですけどね」と言うこともあるが、黙ってほほ笑んで聞き流しておくこともあるだろう。

いずれにしても、「労働者階級だけ」でないことをはっきり示すエビデンスがあれば、「サッカーは労働者階級だけのスポーツだ」という極論を知ったかぶりで吹聴するような人々の発言は無視すべきものだということを、説得力をもった形で示すことができるわけで、その機会を待ち望んでいた人も少なくなかろう。

そしてついにその機会が、まさに願ってもないような形で、我々の前に訪れたのである。

ケンブリッジ公、つまりウィリアム王子といえば、英王室メンバーの中でも最も真顔力が足りていない人である。昨年のヘンリー王子の結婚式の際、あまりに激しいアメリカの黒人教会式の流儀に、エリザベス女王をはじめ王室の方々が居並んだ席のなかでただ一人、顔を真っ赤にして下を向いて肩を震わせているのが中継されていた(ちなみにお父さんのチャールズ皇太子は、口元が多少ひくひくしながらも鼻で大きな息をするなどして持ちこたえていたし、お祖母さんのエリザベス女王に至っては完璧な真顔力の持ち主としての実力をこれでもかこれでもかと見せつけていた)。

そのウィリアム王子がサッカーの「アストン・ヴィラFC」(バーミンガム拠点)のサポーターであることは、英国では広く知られているそうだが、現在チャンピオンシップ(二部リーグ)に落ちているアストン・ヴィラが、来季におけるプレミアリーグ昇格をかけた試合が27日、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われ、ウィリアム王子もVIP席で熱戦を見守った。試合は終盤、アストン・ヴィラが1点リードしたまま、アディショナル・タイムに入り、VIP席ではウィリアム王子が(フットボール・ファンにはなじみ深い)例の表情で(つまり感情をむき出しにして)、試合を見守っていた。

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2019年05月11日

虚構新聞さんの "バンクシー?の「『バンクシー?のネズミの絵』見物客の絵」に見物客殺到" の内容を、英語でわかる(かもしれない)ようにしてみた。

それは、おもしろい冗談記事を読んだあとで書いた、何気ない一言だった。

バンクシー?の「『バンクシー?のネズミの絵』見物客の絵」に見物客殺到 東京

これは英訳したらバンクシーを笑わせることができるのではないか。

2019/05/10 11:46


そして、この投稿から数時間後……

bhatenanejpentrykyoko-npnet2019051001.jpg

……

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これがまだこのあとも増えているのだ……。

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……やるっきゃない(土井たか子調で)。俺、この仕事終わったら終わる前でも、Banksyから笑いを取るんだ。


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2019年04月30日

ロンドン、SOHOパブ爆破テロから20年 #AdmiralDuncan

あれからもう20年にもなる……1999年4月30日、ロンドン中心部の繁華街SOHOのオールド・コンプトン・ストリートにある「アドミラル・ダンカン」というパブに対する爆破テロがあり、何十人もが負傷し、3人の尊い命が奪われた。うち1人は妊娠中の女性だった。

このパブは「ゲイ・パブ」として知られていたが、パブの客はさまざまで、要は「LGBTコミュニティに理解がある不特定多数の人々」がネイルボムの標的にされるというテロ事件だった。

爆弾犯はその前の2週間にわたって攻撃をしかけていたネオナチ活動家だった。この男は、まずは17日の土曜日に黒人街であるブリクストンのエレクトリック・アヴェニュー(19世紀に最初に街頭が電化された通りだが、現代では庶民の商店街に鍋釜たわしの類や衣類を扱う露店が立ち並ぶ通りとして人々を集めている)を標的とし、翌週、24日の土曜日にはバングラデシュからの移民が多く住むイーストエンドのブリック・レイン(ここも露店市で有名)を標的として爆弾テロを行なっていた。ブリクストンでは48人、ブリック・レインでは13人が負傷した。

いずれも、「IRAではない」ことは最初から明白で(1999年はまだ英国、いやイングランドは「爆弾テロといえばIRA」の時代だった)、ブリクストンのボムの後、18日(月)には戦闘的極右(ネオナチ)集団C18から犯行声明の電話があったにもかかわらず、警察はぼーっとしていたらしい。「極右テロ」が警察でさえ深刻に受け取られていなかった時代だ。

当時のBBC記事 (via wikipedia):

Combat 18 'claims nail bomb attack'
Monday, April 19, 1999 Published at 18:47 GMT 19:47 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/323295.stm
A man claiming to be from the extreme right-wing group Combat 18 has told police that the organisation was behind Saturday's Brixton nail bomb attack.

The 999 telephone call was made at 0606 BST from a telephone box on Well Hall Road, south-east London - near where Stephen Lawrence was murdered in April 1993.

But Scotland Yard detectives said they were keeping an open mind about the motive behind Saturday afternoon's attack which injured dozens of people and have not ruled out the phone call being a hoax.

The head of the Metropolitan Police's anti-terrorist branch, Deputy Assistant Commissioner Alan Fry, said: "This call should be taken with extreme caution.

"This line of inquiry is being taken very seriously but there is absolutely no evidence and there is no intelligence at this time to support this claim, and I can only reiterate to the public that no motive has been ruled out at this time of the investigation....


こうして警察が「犯行声明はあったが証拠がない」と言ってる間に次の爆弾が準備され、ブリック・レインで13人を負傷させ、さらにその次の爆弾はSOHOで79人を負傷させ3人を殺した。

そうなってからようやく逮捕された容疑者はナチズムを信奉する男で、当時22歳。数年前に極右政党BNPに入って「ターナー日記」に触発され、BNPではヌルいということで離党して、より小規模で過激な「ナショナル・ソーシャリスト・ムーヴメント」(この集団はC18の分派である)に加わっていた。

裁判の結果、男は有罪となり、少なくとも2049年までは仮釈放なしということで収監されている。

以上、概要などはウィキペディアにまとまっている。
https://en.wikipedia.org/wiki/1999_London_nail_bombings

事件当時、私は既に自宅でインターネットを使っていたが、情報環境は今とは比べ物にならないほど貧弱で(SNSどころか、YouTube以前、それどころかGoogle以前の時代である)、1日に1度配信されてくるガーディアンのニューズレターやいくつかのメーリング・リストのほかは、自分でBBC Newsやガーディアンのサイトを見ていたのだったと思う。入ってくる情報はとても少なかったが(何しろ映像なんか流れてこない時代。BBCのニュースも部分的にRealPlayerで提供されていれば御の字だった)、極右の爆弾テロであることはすぐにわかった。

その後、有罪となった男はその界隈で崇拝される存在となり、いくつかの(彼らにとってこれほど「成功」しなかった)極右の爆弾事件に関連してその名が言及されている。「学校での銃乱射」におけるコロンバイン高校銃撃事件の2人(これも今年4月で20周年だった)ほどではないにせよ、同種の「崇拝」の事例だ。

さて、この連続爆弾テロから20年となる今年4月、英国では「事件を振り返る」動きがよく見られた。例年4月17日も24日も30日も、関係団体でなければ特に何も行われていないのだが、今年は大手でも特集が組まれていたようだ。BBC Newsnightがまず、4月16日に一連の事件をまとめた映像を出した――犯人の名前に言及せずに。

映像では、当時の警察の記者会見の様子などがわかる。記者に対して警官が示している「物証」の釘(爆発物の中に仕込まれていたもの)を見るだけでぞっとする。こんなものを大量に詰め込んだ爆発物が、間口が狭く人が密集したパブという空間で爆発したのだ。そして同様のネイル・ボム事件は(どの程度報道されているかということはさておき)その後も起き続けている。例えば2010年にはウエスト・ヨークシャーで火器やらネイルボムやらが大量に押収され、BNPのメンバーだったことのある男が逮捕・起訴の末、有罪となっている(がこのときは「テロリズム」として扱われもしなかったはずだ)。それから、2013年にはウエスト・ミッドランズでモスクに対してネイルボムが仕掛けられたが、たまたまラマダン中で礼拝の時刻がずれていたため、死傷者を出さずに終わった。このボムの犯人は礼拝帰りのイスラム教徒の老人を刺し殺して有罪となったウクライナ人の男で、この男はほかにも複数件のボム攻撃を行なっている。

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posted by nofrills at 22:16 | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

当ブログがはてなブックマークでどうブクマされているかを追跡しなくなった理由(正確には、追跡できなくなった)

1つ前のエントリ、『2019年4月時点: Amazon Prime Videoで見られる映画にはどんなものがあるか(北アイルランド関連、シリア内戦関連など)』は、おかげさまではてなブックマーク(以下「はてブ」)で25件を超えてブクマしていただいている。Brexitに関連してアイリッシュ・ボーダー(日本のマスコミ様の表現では「国境」)への言及が増え、またグッドフライデー前夜にジャーナリスト殺害というひどいことが起きるなどしていて北アイルランドという場所について初めて関心を持ったという方も大勢おられると思うが、文字数も少なく内容も薄っぺらい報道記事から何かを語っちゃう前に、No Stone Unturnedのような作品を見て、実際にどのようなことが起きていたのかを把握するための一助となれればと思う。(もちろん、和平合意から20年以上経過しているときに「紛争」だけで北アイルランドを見てしまうのもよくないわけで、関心を持った方には、The FallやDerry Girlsなど、オンライン配信で見られる北アイルランド製の娯楽映像作品にも接していただきたい……Derry Girlsは「紛争」が背景として絡んでるけどコメディ。)

はてブでのコメント一覧を非表示にしてある当ブログで、はてブの件数が10件を超えることはまれである。そして、主観的に「いっぱいはてブがついた」と感じられるときは、以前は、妙な言いがかりをつけられること(そして「炎上」させられること)を避けるためにも、blog authorには閲覧できるコメント一覧の画面をキャプチャし、必要に応じてマスクするなどして、当該エントリの末尾に付け加えていた。例えば2016年11月5日のこのエントリや、2017年6月のこのエントリのように。

最近、一定数のブクマがついたエントリについて、この「ブコメ一覧のキャプチャ」がアップされていないことについて、疑問をお持ちの方もおられるかもしれない。よほどめんどくさがっているのだなと思われているかもしれないし、「何か都合の悪いことを隠している」とさえ疑っておられる方さえいらっしゃるかもしれない。

だが、結論から言えば、これは私の意思でやめているのではない。

いつからか、はてブでは「ブコメ一覧のキャプチャ、というか「blog authorによるブコメ一覧の表示」ができなくなったのだ。

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2019年04月28日

2019年4月時点: Amazon Prime Videoで見られる映画にはどんなものがあるか(北アイルランド関連、シリア内戦関連など)



基本的に、洋書・電子書籍などAmazonでなければ手に入らないものでなければAmazonは使わないようにしているのだが、Amazon Primeは使っている。ここでしか見られないドキュメンタリー映画があるためだ。

以下、そのドキュメンタリーをはじめ、Amazon Prime Videoで見られる映像作品を、北アイルランド・英国関連、紛争関連のものを中心に列挙しておこう。連休で何かお探しの方に役立てていただければと思う。

目次:
■北アイルランド関連:
1. No Stone Unturned (ノー・ストーン・アンターンド)
https://amzn.to/2V24qvK

2. Shadow Dancer (シャドー・ダンサー)
https://amzn.to/2UN2Ed3

3. Five Minutes of Heaven (レクイエム)
https://amzn.to/2PBng6T

■ジョン・ル=カレ原作:
4. Tinker, Tailor, Soldier, Spy (裏切りのサーカス)
https://amzn.to/2Vy4Yce

5. Our Kind of Traitor (われらが背きし者)
https://amzn.to/2Vui7CV
※2019年5月1日まで!

6. A Most Wanted Man (誰よりも狙われた男)
https://amzn.to/2GPmY9L

7. The Night Manager (ナイト・マネジャー)
https://amzn.to/2GOdxHt
※連ドラだから長い。

■「テロとの戦い」関連:
8. Eye in the Sky (アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場)
https://amzn.to/2DD8ojF

9. Zero Dark Thirty (ゼロ・ダーク・サーティ)
https://amzn.to/2Lbby4j

10. Highway to Hell: The Battle for Mosul (地獄への道:モスルの戦い)
https://amzn.to/2GO1CJI

■シリア内戦:
11. City of Ghosts (ラッカは静かに虐殺されている)
https://amzn.to/2UJxlzN

12. Return to Homs (ホムスへの帰還)
https://amzn.to/2PyhqTK

■ほか……:
その他……


以下、詳細。

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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