kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2016年08月17日

英国で何人も「感化」したイスラム過激派の活動家、アンジェム・チョーダリーに有罪判決

"About time!" と反応している人がいるとおり、「今更」感のあるニュースだ。アンジェム・チョーダリー(チョードリ、チャウダリなどカナ表記はいろいろある)がようやく、有罪判決を受けた。「2000年テロリズム法(テロ法)」に基づき、「イスイス団へのサポート」で有罪だ。

ガーディアンとBBCとでは、見出しのトーンが少し違うように見えるが、厳密性が高いのはBBCである。

Anjem Choudary convicted of supporting Islamic State
Jamie Grierson, Vikram Dodd and Jason Rodrigues
Tuesday 16 August 2016 15.32 BST
https://www.theguardian.com/uk-news/2016/aug/16/anjem-choudary-convicted-of-supporting-islamic-state

Radical cleric Anjem Choudary guilty of inviting IS support
16 August 2016
http://www.bbc.com/news/uk-37098751

判決(陪審団による評決)は7月28日に出ていたが、関連する別の裁判の進行に影響を与えないよう(陪審団が影響を受けないよう)、それが結審する8月16日までチョーダリーらの裁判は、判決を含む詳細の公表・報道が差し止められていたそうだ。量刑の言い渡しは9月6日。

The verdict on the two defendants was delivered on 28 July, but can only be reported now, following the conclusion of a separate trial at the Old Bailey of another group of men for a similar offence.

...

Choudary currently has more than 32,000 followers on Twitter and his account can still be viewed online, despite requests for its removal in August last year and the following March.

He and Rahman will be sentenced at the Old Bailey on 6 September.

http://www.bbc.com/news/uk-37098751

Choudary and Rahman face up to 10 years in jail for inviting support for a proscribed organisation. They will be sentenced on 6 September at the Old Bailey.

https://www.theguardian.com/uk-news/2016/aug/16/anjem-choudary-convicted-of-supporting-islamic-state


こうなると、「アルカイダへのサポートで有罪にならなかったのはなぜか」などとして「陰謀論」思考の言説がまた脚光を浴びるかもしれないが(英国内での影響力が極めて大きな人物であるゆえ)、そういうのはまた、見逃せないようなものを見かけたときに書くとして(「いつもの人たちが言ってる」程度のは、そもそも私には見えないのだが)、「報道解禁」の時点で出た記事をいくつか読んでおこう。報道機関では8月16日に報じるまでの間、取材・執筆などする時間がたっぷりあったわけで、なかなか、分厚い記事が並んでいる(といっても、BBC Newsのウェブ版って、昔はこういうクオリティが当たり前だったよね、っていう気が……)。

なお、当ブログでは既に、アンジェム・チョーダリーについて何度か書いているので、それらも参照されたい。

2015年01月22日 NHKのニュースに出てきたらしい英国のその人物は、「イスラム教を代表する人物」などでは全然ないのでご注意を。
http://nofrills.seesaa.net/article/412746762.html


2015年08月06日 ようやくアンジェム・チョーダリー起訴。容疑は「イスイス団支持」関連(後藤さん拘束時にNHKが「指導者」として紹介していたイングランドのイスラム過激派活動家)
http://nofrills.seesaa.net/article/423660363.html


今回、有罪判決となったのは、↑↑このとき(2015年8月)の裁判である。アンジェム・チョーダリとミザヌル・ラフマンの2人が一緒に、「2000年テロ法」のセクション12違反で起訴されていた。

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2016年08月14日

The Sunの煽動がものすごくて、Twitterがブーメラン・ストリートになっている。

ふと見たらScotland YardがTrendsに入っていたので見てみたら、すごい光景だった。

Trends入りする程度にツイート数が増えているのは、スコットランド・ヤード(つまりロンドン警察。ざっくりと、日本でいう「警視庁」に相当)が新たに、「インターネット・トロール」取り締まり部門を設ける、という方針を出した、とかいう話があるためだ。

というか、この方針が本当なら、「トロール」として「取り締まり」の対象になる可能性が高い側の人々が、感情的にわめきたて、扇情的な発言を投下している。つまり、ブーメラン・ストリート化していて、きっとあなたは戻ってくるだろう。

と、最初からわかったかのように書いているが、Trendsから入った画面を見たときには、何が原因でTrendsに入っているのか、わからなかった。スティーヴン・ローレンス殺害事件についての9日付のガーディアンのフィードがあるが、こんな「数日前のニュース」でTrends入りしたわけではないし、その上にある「トップ・ニュース」のところは、明らかに「まともなニュース」のフィードではない。だって添えられている画像のサディク・カーン市長は、警察とは直接は関係ないのだから。それに、「思想警察」なんて強烈な言葉を、わざわざ引用符でくくって「いわば思想警察」的にヘッドラインに持ってくるなんて、「まともなニュース」ではない。

sydtw.png


この「トップニュース」の投稿者情報を表示させるとこうなる:

sydtw2.png


プロフィール欄は空白、被フォロー数もフォロワー数も40にも満たず、ツイート数は膨大。古くからのユーザーなのだろう。で、そういう人がツイートしているよっていうことで「トップニュース」に表示されてしまう理由はわからない(右隣に大手メディアであるEvening Standardがあるのに)。Twitterの謎のアルゴリズムである。

ともあれ、この人のタイムラインを見て、どういうことなのかを確認してみた。「思想警察」云々のヘッドラインは、どうせデイリー・エクスプレスだろうと思ったが、もっとひどかった。

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2016年08月13日

いわゆる "slow news day" なのかもしれない。それにしても……(ああ、「国際関係」は生臭い)

※以下は「BBC Newsへの批判」ではない。「流れが変わった」ことについての記録を意図したものである。

先ほど、BBC Newsのトップページをチェックしたら、トップニュースが「シリアの戦闘地域で結合双生児が生まれた」というものだった。

少しあとになってしまったので、二番手、三番手のニュースが変わってきているが、下記のキャプチャのようになっていた。



このヘッドラインと写真を見たとき、私はBBCお得意の「BBC独占」で救急車に密着取材したのかな、と思った。しかし、常識的に考えてそれはありえないので(アサド政権がそういう取材を許すとは思えない)、病院を取材した記事なのだろうと思い、それはぜひ読みたい記事だと期待感を高まらせてクリックした。

だが、その先にあった記事は、「こんなのがなぜトップニュースなのか」と驚くべき内容、驚くべきクオリティだった。

いわゆる "slow news day" なのかもしれない。ほかにトップニュースになるようなトピックがないのかもしれない。が、それにしたってこれがトップというのは理解できない、という中身だ。

だって、自分たちで取材していないのだから。「独自入手」した映像などもないのだから。ネットに書かれていることをまとめただけの記事なのだから。そこらへんのネット媒体のようなこと、あるいは個人でもある程度の能力があればできるようなことを、あのBBC Newsがやっているのだから。

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2016年08月12日

【訃報】エドワード・デイリー神父(後に司教)〜ブラディ・サンデー事件で白いハンカチを掲げ、負傷者を搬送した神父

edwarddalyrip.png「エドワード・デイリー司教が非常に重篤な容態である」というBBCの報道が流れてきていたのに気づいたのは、日本時間で8月8日の午後4時台、7日夜(現地時間)に北ベルファストでUDAの「著名なメンバー」が射殺されたというニュースをTwitter上で追っているときのことだった。ベルファストのBBC Newsは「重篤な容態である」と言い、一方デリーのBBC Radioは、それに加えて病院名も書き、「親族が病室に集まっている」と伝えていた(ちなみに病院は、デリーの周辺地域の基幹病院で、ベッド数は500床だそうだ)。

政治家など、名の知られている人について、このような「ニュース」が流れることはときどきある。高齢であったり、「かねてより病気療養中」であることが知られていたりする場合だ。明示されることはないが、そのような報道がなされる目的は、「死にゆく者への祈り」の呼びかけである。時には「容態が安定し、家族が感謝の意」といった続報があることもあるが、多くの場合は、24時間もしないうちに訃報が流れる。なので「重篤な容態」の報道が流れてきたときに、「ああ……」と言葉にならない気持ちになりながら、次の報道の内容を、言葉は大げさだが「覚悟」していた。

デイリー神父の訃報は、思いのほか早くやってきた。「重篤な容態」の報道に私が気づいてから1時間ほどあとのことだった。

それまでの間に、私はデイリー神父についてTwitterに少し書いていた。"ブラディ・サンデー事件、現場で取材に応じるエドワード・デイリー神父の映像。(当日は、公民権要求デモの取材のために多くのカメラと記者が現場にいた。その目の前で、英軍は13人を撃ち殺し、「攻撃されたので反撃した」との虚偽をばら撒いた)" として、下記のビデオをツイートした。

※デイリー神父の「証言」は、エンベッドした映像の最初の1分くらいです。その後は英軍側の証言(ウィルフォード大佐)、現場の様子の映像と、解説のナレーション。

それから、"負傷者を運ぶ人々を先導するときにデイリー神父が掲げていたハンカチについて、7年前に書いています" として、2009年1月の「記念日」の拙ブログのエントリをリンクした。

2009年01月31日 Free DerryがFree Gazaになり、あのハンカチがMuseum of Free Derryに
http://nofrills.seesaa.net/article/113444195.html


信仰を抱かぬ私ではあるが、かろうじて、デイリー神父を見送ることができたと思う。

先ほどから「デイリー神父」と書いているが、その後司教になられているので、肩書きとしては「デイリー司祭」と書くのが正確だ。しかし、デリーの教区の信徒でなければ、この方を認識する人は「あの神父さん」として認識していることがほとんどだろう。私もそうだ。なのでついつい「デイリー神父」と書いてしまう。それがご本人のお気持ちに反するような失礼な間違いにはならないことを願いつつ、本稿では「あの神父さん」を悼みたい。

edwarddaly-p137.jpg


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2016年08月08日

北ベルファスト、ロイヤリスト内紛か(UDAメンバーの射殺)

北ベルファストの住宅街の路上で、人が銃で撃ち殺されるという事件があった。TwitterでNIのリストをさかのぼると、90年代の英国のガール・グループ、All SaintsがFeile Belfast(ベルファストの「アイリッシュ・ナショナリスト」の側で開催される毎年夏の文化祭)でステージに立っているのとだいたい同じタイミングで発生していたことが確認できる。ひとつは「あの紛争 (the Troubles)」の残りカスが根を張って新たに育ったような部分の出来事で、もうひとつは「あの紛争」が過去のものとなったことを改めて確認するような出来事だ。

nbjb2.png


初報はPSNI(北アイルランド警察)のこのツイート。



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2016年08月07日

北アイルランド警察と「あの紛争」の残りカス〜ビリー・ライトの神話化と、shoot to killをめぐって

北アイルランド警察の動きについて、少し気になるようなことが伝えられている。2件をまとめて1つのエントリにしようと思う。

今年1月、Be Like Billというインターネット・ミームを北アイルランドの警察がネットでパロディ化して(そう。警察が、ミームのパロディを作ったんです。コメディランドでもなかなか発生しない事態)、ニュースになったことがあった。

それから半年。その警察は今なお、そのミームのパロディを使っていたそうだが、そこで今度は本当に物議をかもす(というよりそれ以上の)展開になっていることを、The Irish Newsが報じている。(The Irish Newsはベルファストのメディアで、ダブリンのThe Irish Timesとは全然別。)

PSNI Facebook Dissident Dan posts 'wholly inappropriate'
Connla Young, 06 August, 2016 01:00
http://www.irishnews.com/news/2016/08/06/news/psni-facebook-dissident-dan-posts-wholly-inappropriate-says-councillor-639559/

やらかしたのは、最初にBe Like Billのパロディ、「ディシデント・ダン」をFBで投稿したクレイガヴォン警察署。問題となった投稿は7月21日付け(「夏のオレンジ祭り」の翌週)。

The Irish Newsの記事では、メインの画像としては問題となったのとは別のFBの投稿(棒人間の「ディシデント・ダン」を使っている)を使い、問題となった投稿は、サイドに小さく表示させている(クリックで拡大できる)。

その「問題となった投稿」については記事本文にも説明があるが、画像を拡大表示させれば記事に書かれていない部分も(一部だけ)読める。FBの写真投稿にしては長文なので、キャプチャには全文は入っていない。

クレイガヴォン警察のアカウント担当者は、この投稿で、銃の訓練としての標的射撃で使っている「標的」(板に、こちらに銃口を向ける男の絵が描かれたもの)のことを「ダン」と読んでいる。書き出しは、"This is 'Dan'." だ。

ミームのパロディでは、書き出しは "This is dissident Dan." だった。

今回の投稿にはdissidentという言葉はないが、"This is 'Dan'." のDanにくっついている引用符は、「例のダン」という意味を明示している。

なので、このターゲット・プラクティス用の板を普段から「ダン」と読んでいるといういいわけは通用しない。

既に練習に使われて銃弾による穴がいっぱい空いた状態のこの「標的」の写真に、クレイガヴォン警察のFB担当者は次のように書き添えているということを、記事は本文で書いている。引用されているのは冒頭のほんの少しだけだ。だが、それだけで十分である。

A message from an officer believed to have taken part in the training said: “This is 'Dan'. He was my 'training partner' a couple of days ago and as you can see...he didn't have a great day...."

http://www.irishnews.com/news/2016/08/06/news/psni-facebook-dissident-dan-posts-wholly-inappropriate-says-councillor-639559/


続けて記事は書く。警察によるこのような行為が、なぜ「問題」となるのかを。

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2016年08月06日

「あの戦争」は過去のひとつの戦争であり、もう終わったものだ。でも「戦争」は終わってなんかいない。核兵器も。

「毎年、8月になると戦争戦争と騒ぎ出す」と人は言う。私は「そうか?」と思う。なぜなら、私の見ている世界は、少なくとも2001年9月以降は、何月だろうとどの季節だろうと、「戦争」であふれかえっているからだ。一見「戦争」とは無縁そうな、大いに話題になっている「楽しいゲーム」に関しても、日本語圏でも取りざたされている「祈りの場」の尊重というような「過去の、終わった戦争」に関するニュースだけでなく、地雷原の話は出てくるし、現に戦火の中にいる子供たちへの視線の必要性を訴えるキャンペーンのことも出てくる。だが「毎年、8月になると……」論の人には、その人の文脈があるわけで、はあ、そういうものかもしれないですね、と黙って聞いておく。聞いているうちにその人の文脈がわかってくる。そのことで、私はそう発言する人の文脈を、多少なりとも(ただの「知識」としてであっても)共有できていると思う。これは、多くの言語コミュニケーション(音声であれ、文字であれ)に伴うプロセスのひとつだ。「はぁ? 8月だけとか、どこを見てたらそんなネボけたことを言えるんっすか」と全否定してかかることもできるのだろうが、そこから生じるのはコミュニケーション・ブレイクダウンでしかないだろう。

ともあれ、そういう時期(時季)になり、日本語圏でぱっと目に付く範囲で「あの戦争」への言及が増えてきた。これから15日まで、それが続く。

普段は気の向いたときにしか見ないYahoo! Japanのトップページを、7月26日の相模原での凄惨にして陰惨極まる大量殺人事件後は、日に何度か見るようになっているのだが、8月6日の朝、少しスクロール・ダウンしたところに、「未来に残す 戦争の記憶」というバナーがあることに気づいた。「ウォー・アーカイヴ」とあるそのURLを見てみると、「戦後70年」、つまり2015年(昨年)作成されたページで、その後も更新が続けられている。



今、この「アーカイブ」のトップにあるのは、7月28日の青森空襲についてのページだ。
http://wararchive.yahoo.co.jp/airraid/detail/15/

1945年7月28日夜、62機のB-29爆撃機が青森市を襲いわずか1時間余りの空襲で、1,000人を超す犠牲者が出ました。

前日に空襲を警告するビラが撒かれたにもかかわらず、消火の人手がなくなることを恐れた行政当局が避難を禁じたことと、投下された焼夷弾に燃え広がりやすい「黄燐」が混ぜられていたことで被害が拡大しました。


2016年6月に行なわれたインタビューで、この空襲で叔母とその幼い子供たちを亡くした(殺された)82歳の富岡せつさんという女性が、次のようなことを語っている。

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2016年08月03日

ふつうじゃない。(米大統領選、というか共和党)

米大統領選に関しては、少なからぬ人が、もう口にする言葉も失っている。

先週金曜日、民主党の党大会でスピーチを行ない、常套句でいう「全米が涙した」状態を現実のものとした人がいる。いや、「人たち」がいる。大切な息子を、イラク戦争で戦死という形で失ったカーン夫妻だ。アメリカにとっては「国を守って戦って死んだ」軍人の親である。

そのカーン夫妻に、信じがたいことに、共和党の候補者となったドナルド・トランプは、敬意のひとかけらも見せず、ただ侮辱をしてみせた。発端は、カーンさんのスピーチで「ドナルド・トランプは国のために何も犠牲にしていない」というようなことを言われてカチンときたことらしい。実に子供じみているが、子供じみたことをすることによって注目が集まり、票がかせげるということに気づいた人物なので、今後も同じような、到底大人とはいえないふるまいをし続けるだろう。(トランプと兵役についても、報道記事が出始めているが。)

トランプの侮辱に、カーンさんは反論した。「ステージには夫婦揃って立っていたのに、しゃべったのは男だけ。女の人はしゃべることを許されてないんですかね」というあまりにひどい発言に、息子を亡くした母親であるガザラ・カーンさんは、「私がしゃべらなかった理由」を説明した。ワシントン・ポストがその反論の場を提供した。

一連の経緯は下記にまとめてある。カギは「イスラム教」だ(カーンさんたちはイスラム教徒である)。
http://matome.naver.jp/odai/2147011961211761301

この「戦死者家族への侮辱」というとんでもない事態を受けて、オンライン・メディア、Vox.comの創設者であるエズラ・クラインさんが、「あまりのことに、私は言葉を失ってしまいました I'm speechless」と書く代わりに、どうspeechlessなのかを説明した長文記事を書いている。
http://www.vox.com/2016/7/30/12332922/donald-trump-khan-muslim

この記事に、次のようにある。
This isn't partisan. This isn't left versus right. Mitt Romney never would have said this. John McCain never would have said this. George W. Bush never would have said this. John Kerry never would have said this. This is what I mean when I write that the 2016 election isn't simply Democrat versus Republican, but normal versus abnormal.


これは、「民主党の党大会でのスピーチは、共和党の人たちはけなす」という党派的な問題ではないと述べ、クラインさんは「2016年の選挙は、単純に民主党対共和党という選挙ではない。ノーマル対アブノーマルの選挙だ」として、7月28日付の記事にリンクしている。
http://www.vox.com/2016/7/28/12281222/trump-clinton-conventions

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2016年08月01日

カール・フランプトンの勝利と2枚の旗

日本時間で7月31日(日)の昼ごろ、米ニューヨークでボクシングのタイトルマッチが行なわれていて、英国では早朝4時とかいう時間帯だったにも関わらず、NIのリストはけっこう賑わっていた。タイトル保持者であるメキシコのボクサー、レオ・サンタクルスに挑んだのは、北アイルランドのカール・フランプトンだった。

ボクシングは競技団体がひとつではなく、体重別の階級も細かくて、普段、特に関心を持たずにいる自分には難しいのだが、この試合は「WBA」という競技団体の「フェザー級」という階級のタイトル戦だった(階級についてはウィキペディアに一覧表がある)。試合は、目の肥えた人々が口々に「すごい試合だ」とツイートするような充実した内容だったようだが、判定の結果、フランプトンが2-0で勝ち、チャンピオン・ベルトを掲げた。

それだけでも北アイルランドは盛り上がるだろうが、さらに、今回フランプトンは、1つ下の階級(スーパーバンタム級。かつて「ライトフェザー級」と呼ばれていた階級)から1つ上げてフェザー級で王者に挑んだのだが、以前の階級であるスーパーバンタム級では既に世界を制していた。つまり、「2階級制覇」だ。これは、北アイルランド出身のボクサーとしては史上初の偉業達成となる。

というわけで、1ヶ月ほど前にはフランスでサッカーの代表チームを応援してぴょんこぴょんこしていた人たちが、また「うわぁい♪」と盛り上がっている。

cfrmpt-bt-min.png


サッカーは、今年のEuro 2016の大会まではかなり「オレンジか、緑か」の区別が目立っていたのだが(北アイルランド代表をサポートするのは「オレンジ」側で、「緑」の側でサッカーに熱心な人々はアイルランド共和国代表をサポートする、というのが基本的な図式だった)、ボクシングは「オレンジ」も「緑」もなく、北アイルランドの人々をひとつにまとめるスポーツだ。

というか、あの「紛争」の時代に、ボクシングをそういう存在にした人がいる。フランプトンの所属ジムの「おやっさん」で、80年代にボクサーとして活躍したバリー・マクギガンである。

そこらへんのことは、既に書いたものをご参照いただきたい。

2016年02月28日 ベルファストのボクサーと、「クロス・コミュニティ」
http://nofrills.seesaa.net/article/434378595.html


ニューヨークでのタイトルマッチで、判定の結果が告知されフランプトンが勝利を手にしたときに、リング上で喜びを爆発させるバリー・マクギガンの写真が報道写真として回っている。とてもいい写真だと思う。

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2016年07月30日

飲食店従業員が「研修」のために呼び出されたら、イミグレが待ち構えていて……ということがあったあとの波紋

今週半ば、Twitterで #BoycottByron というハッシュタグがUKのTrendsに入っていたことがあった。何気なく見てみると、「バイロン」というのはチェーン展開している高級ハンバーガー・レストランで、そこで働いている「移民」たちが「研修」と称して声をかけられ、指定の場所に行ってみたらイミグレ(出入国管理当局)に捕まえられた、ということが起きていた。

おそらくそのようなことはしょっちゅう起きていて、ニュースにもならないし、それどころか人々の話題にもなることはない(「明日は自分かも」という立場の人々を除いては)。今回「バイロン」の件が話題になったのは、Twitterを見てわかった限りでは、「イミグレに捕まえられた『移民』は南米から来た人々で、そのためスペイン語のメディアで報道があり、そこから英語圏に入って、"No one is illegal" のスローガンに共鳴する人々によって、『どうせ、就労許可がない人々の足元を見て安い賃金で使ってきたのだろうに、イミグレと手を組んで従業員をわなにかけるなど、言語道断』ということで『バイロンをボイコットせよ』というハッシュタグができた」という経緯のようだった。つまり、スペイン語の報道がなければ英語圏に情報は流れていかなかっただろうと思われる。英国内で、英国政府によって行なわれていることであっても。

これはもちろん、日本でも同じことが言える。よほどひどいこと……本当に、ものすごくひどいことでも起きない限り、うちらの投票で決められた議会から選ばれた大臣が責任者となって、うちらの税金で運営されている政府(法務省)が管理・運営している牛久などの施設でどんなことが起きているかは、支援者のブログなどをチェックしている人たちはある程度は知っていても、日本国民の多くは知ることすらない。芥川賞候補者ともなった在日イラン人作家(もちろん、最初から日本語で書いている)、シリン・ネザマフィの小説『サラム』(留学生文学賞受賞)に、通訳者として難民申請に関わった人の視点で詳細が描かれているが、この小説だって「誰もが読んでいる」とはいえない。
4163284109白い紙/サラム
シリン・ネザマフィ
文藝春秋 2009-08-07

by G-Tools


ともあれ、英国での「バイロン」レストラン・チェーンの件は、そのように、スペイン語圏の報道から英語圏Twitterに入ったあとで、報道機関が取り上げ始めたようだった。スペイン語メディアの編集長にインタビューなどした映像報告もある:



そして、今週半ばのこのニュースのあとでどうなったかが、金曜日の晩(現地時間)に出たガーディアンの記事で報じられていた。

Most of those arrested at Byron burger chain have been removed from UK
Lisa O'Carroll, Friday 29 July 2016 17.33 BST
https://www.theguardian.com/uk-news/2016/jul/29/most-of-those-arrested-at-byron-burger-chain-have-been-removed-from-uk

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2016年07月24日

ミュンヘン銃撃事件: ブレイヴィクを崇めていた18歳の銃撃犯は、「テロリスト」ではないのか、という問い。

ミュンヘンのショッピングセンターでの銃撃事件の発生から24時間以上が経過し、詳細が明らかになってきている。この事件については1つ前のエントリでも書いたが、実は、それはまだ書こうとしていたことの半分だ。残り半分と、もろもろアップデート分をここに書こうと思う。

この事件は、当初、「またイスイス団のテロか」と思われたので(現地警察も「テロである」と宣言し、非常事態宣言を出していたのだが)国外の大手報道機関のイスイス団を専門とする記者がドイツに派遣されるなど、各報道機関が「イスイス団のテロ」であることを前提として報道していたし、ドイツの政治家も、外国の政治家も、「テロ」のときの対応をし、そういう場合の言葉を発していた(例えば米オバマ大統領や、アイルランド共和国のマイケル・D・ヒギンズ大統領)。しかし結局のところミュンヘン警察は、「イスラム過激派(ジハディスト)のテロではなかった(関連は認められなかった)」と結論した。

「イスラム過激派」とは関係なかったとしてもなお、動機が解明されていない以上は、厳密にいえば、「テロである可能性」は残っている――「イスラム過激主義」以外にもテロの動機はいくらでもあるからだ。それに、「テロ」は定義次第だ(アメリカなどは「自軍が外国を占領しているときの自軍、つまり占領軍に対する現地の人々の武力抵抗」を「テロ」と呼んで恥じない)。;-P

でも、英国の報道機関の記事を見ている限り、あの銃乱射は、単なる――「単なる」とかいうとまた言葉尻をとらえて「不謹慎だ」と絡んでくる人がいるかもしれないが――「卑劣な無差別攻撃」であり、「テロ」ではないとほぼ断言されている状態だ。豪州の司法長官は「攻撃があれば何でもかんでもテロテロテロテロと言い立てるのはいかがなものか」といった発言をしている。個人的にも、日本でときどき発生する「通り魔殺人事件」が「テロ」ではなく殺人、傷害といった「刑法犯罪」であるのと同じく、鬱積を募らせた個人の暴力の爆発は、「テロ」ではないと思う。

英語圏で話がややこしくなるのは、ひとつには、「テロ」イコール「卑劣な無差別攻撃」という言い換え(セット思考)があるからかもしれない(実際には、テロリストは無差別ではなく標的を定めた攻撃(暗殺、誘拐など)も頻繁に行なってきたのだが)。Twitterなどを見ていると、「無差別」な攻撃というだけで「テロ」と呼ぶ条件を満たしているかのような発言を見ることが多いように思う(「IRAのテロ」のころはそんなでもなかったような気がするが、そのころアメリカでは「テロはわが国では起こらない」ことになってた)。また、日本語で俗に「無差別」とか「不意打ち」の攻撃を「テロ」と呼ぶが、そのような性質のものをすべて本当に「テロリズム」として扱っていたら、あれも「テロ」、これも「テロ」ということになってしまい、意味がなくなる。(秋葉原の通り魔事件を、その意味で「テロ」と呼んだ人もいたが、そこまで拡大解釈が許されたら、議論は成立しなくなるだろう。)

ともあれ、英語圏のジャーナリストなどが(警察が「テロではない」と結論している)ミュンヘンの銃撃事件を「テロではない」と断言することにためらいを覚えているように見えたのは、おそらく、ミュンヘンの18歳の銃撃犯と、5年前の同じ日にノルウェーで大量殺人を起こした極右テロリストのアンネシュ・ブレイビクとの「つながり link」を考えなければならなかったからだろう。つまり、「テロリストのシンパ」は「テロリスト」なのではないか、ということだが。

18歳の銃撃犯はブレイヴィクに非常に高い関心を抱いていて、ミュンヘン警察が記者会見で "obvious link" か "apparent link" がある、ということを述べたようだ(これはlost in translationを呼ぶよね)。BBCはここに注目してセンセーショナルに「ブレイヴィク」という名前を見出しにして、トップニュースとして扱っていた。(ブレイヴィクが大喜びしているだろうし、どこかにいるかもしれない「予備軍」みたいな人が「これか!」と思っているだろう。)

bbcnews23july2016b.png


だがミュンヘンの銃撃犯とブレイヴィクとでは、大きな違いがあるのではないか。

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2016年07月23日

ミュンヘンの銃撃事件は、「テロ」なんかじゃなかった。



「イスラムのテロ」だという声が上がった。「白人優越主義者・ネオナチのテロ」だという声が上がった。

「ニース、ヴュルツブルクと来て、これだ」という感情の吐露のようなことが言われた。「そういえば今日は、5年前にノルウェーでブレイヴィクが大量殺人をおかしてから5年目だ」という指摘があった(誰が忘れようか、7月22日という日付を)。

「犯人は『アッラー・アクバル』と叫んでいた」という目撃者の話がCNNで報道された。銃を持っている犯人を撮影した映像の中で、「犯人は『俺はドイツ生まれのドイツ人だ』と叫んでいる」という報告が相次いだ。

「情報が混乱しているな」、「どっちなんだ」と多くの人が思っただろう。「どちらかは、誤認か聞き間違いだろう」と思った人も少なくなかっただろう。

正直、私は「情報が混乱している」と思った。犯人が単独でしゃべっている映像で「俺はドイツ生まれのドイツ人だ」と言っているのなら、「アッラー・アクバル」は銃撃に巻き込まれた群集の中から上がった叫びではないのか(英語なら「オーマイガッ」だ)。

違っていた。「俺はドイツ生まれのドイツ人だ」も、「アッラー・アクバル」も、銃撃犯の言葉だった――ということだろう。



ドイツのミュンヘンで痛ましい事件が起きた。警察は当初「テロ」と宣言していた。しかしそれは間違っていた。初期の混乱した状況の中で、混乱した目撃者の証言を元に事態を最大限に深刻に見積もっていたので、まったく見当はずれの見立てをしていたのである。それは人命を最優先にしたためなので、批判されることはないだろう。私もそのこと自体に、批判すべき点があるとは思わない。

でも警察が「テロだ」と言っていたあいだ、ずっと、Twitterのような個人の発言の場では、イスラモフォビアがぶちまけられていた。「イスラムに決まってるだろ」というろくに根拠のない決め付け(根拠となりうるのは、CNNだけが報道している「目撃者証言」のみ)が横行していた。(→キャプチャ1キャプチャ2

全体の経緯は下記に記録をとってある(英語情報だけだが)。

ミュンヘン銃撃事件、情報はどう流れたか(現地2016年7月22日)※最終的に「テロ」ではないとの結論
http://matome.naver.jp/odai/2146923417885619401


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2016年07月21日

バングラデシュの過激主義に関するニュースのメモ

Twitterでメモを取ってたんですが、閲覧数、RT数が多いので、一箇所にまとめておきます。その前に前置き。

バングラデシュは「わが国ではイスイス団やアルカイダの活動はない」といい続けてきました。「わが国で活動している武装組織は、ナショナリストの野党勢力である」と(あと、実際、バングラデシュには以前から活動している武装勢力はあります)。同国内でのイスイス団の活動を指摘したアメリカのテロ専門家には、誹謗中傷が殺到していました。ダッカのカフェ襲撃事件が起きてもしばらくは――イスイス団が犯行声明的なものを出しても――「国内の武装勢力の犯行である」といっていました。2日後には「イスイス団の可能性も視野に入れて捜査」とかいうことになっていたのですが、ダッカの事件ではイタリア人と日本人が大勢殺害されており、特に根拠はありませんが、両国の外務省などからツッコミがあったのではないかとも思います。インド亜大陸でのアルカイダやイスイス団の活動の伸張については、すでにかなり広く知られていたことでもあり、バングラデシュ政府だけがstate of denialの状態でいるわけにもいかなくなってきたのでしょう。

ダッカの事件は、日本の人々の認識・態度も変えたようです。つまり「日本人なら安全」という《神話》が崩壊した――そんな神話、エジプトのルクソールでの銃乱射(1997年……20年近く前!)のときに崩壊してたんじゃないですかね、と私は思うんですが、何か基準的なものが違うのでしょう。

それと、「日本人だからといって見逃されない」ということは、「日本人だから標的にされた」ということを意味するわけではありません。

以下、メモの本体。

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2016年07月20日

ロンドンが、変なふうにヒートアップしている……ということでなければよいのだけど。

19日から20日、ロンドンが東京より暑くなって(といっても、数日前の東京と同じくらいだったのだが……)、夜間も「暑すぎて眠れない」と言う人が続出してTwitterに#toohottosleepという《too ... to 〜構文》の練習によさそうなハッシュタグがぼんぼん流れてくる(といっても、23度だったそうだが……涼しいじゃん! )一方で、ハイド・パークやその周辺でひと騒動あったそうだ。

若者が集まってわいわいやっているうちに喧嘩になり、刃物が持ち出されたとのことで、どうやら「よくある騒ぎ」のようだが、違っていたのはそこで事態の収拾のために現場に入った警官に対し、Black Lives Matterと叫んで瓶などを投げつけた人たちが大勢いたということだ。

ただの「流行のキャッチフレーズ」として何も考えてない子たちが叫んでいるだけなら、米国のBLM運動の人たちに失礼ではあるけれど、まあ、「何も考えていないのだな」で済む話だろう。

だが、「警察に対する戦い」のスローガンとして、あるいは「戦い」のために感情を奮い立たせる言葉として、組織的に使われているとしたら……2011年夏のことを思い出すと、心穏やかではいられない。あの夏の「暴動」のきっかけは、警察に射殺された「黒人」青年の件で、トッテナム警察署に対する正当な抗議行動が行なわれていたのに便乗した犯罪者集団がトッテナムで暴れだしたことだった。

ともあれ、アメリカでのBLMのことも含め、いろいろと一箇所で読めるようにしてある。

ロンドンで、なぜか「Black Lives Matter」と叫びながら集団が大暴れ。3人負傷
http://matome.naver.jp/odai/2146899945819320801


本当に文字通り、Black lives matterだし、All lives matterなので、変なふうにエスカレートしないでほしいと心から願う。

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2016年07月19日

ドナルド・トランプ夫人が、ミシェル・オバマのスピーチをパクったんではないかというお話。

ニースのトラックによる無差別攻撃、トルコでのクーデター、米国での警官射殺、ドイツでの刃物男……毎日毎日、大手報道機関のサイトがトップで伝えるのが、血なまぐさいニュースばかりだ。何か、一息つけるようなニュース(例えば宇宙探索の話題とか)でもあればよいのだが、2番目以降のニュースもロシアのドーピングだとか、北朝鮮のミサイルだとか、カシミール情勢の緊迫だとか、南スーダンの予断を許さない情勢だとかいったものが並んでいるし、これまでずっと最悪だったシリア情勢が改善したというニュースもない(アレッポは、30万人が暮らすエリアが、完全に包囲された)。

そんなときに、「血の臭いのしないニュース」をみんなが待っていたのだろうなあ、と思わずにはいられない光景が、今、私が普段見ている報道機関のサイトで展開されている。一例としてBBC(ガーディアンのインターナショナル版も同じような構成だった)。

bbcnews19july2016


共和党の党大会で、ドナルド・トランプの妻であるメラニア・トランプ(旧ユーゴスラヴィア出身で元モデル)が「移民であるわたし」を強調するようなスピーチを行なって、夫の「過激発言」を少しマイルドにする方向のスピンをかけようとしたらしいのだが、そのスピーチの一節の文面が、2008年の民主党党大会でミシェル・オバマ(バラク・オバマ夫人。以下「オバ美」)が行なったスピーチの文面にそっくりだったから、もう大変。昨日Twitter Trends的にはトップニュースになっていたキム・カーダシアンとカニエ・ウエストとテイラー・スウィフトの話には飛びつかなかった人、あるいは公然と飛びつくわけにはいかなかった人たちも、今日のこのゴシップには「けしからんことですな」などとつぶやいては口ひげをひねりながら(←イメージ)、嬉々として飛びついているようだ。

記事:
US election: Melania Trump 'plagiarised' Michelle Obama
http://www.bbc.com/news/election-us-2016-36832095


Melania Trump convention speech seems to plagiarise Michelle Obama
https://www.theguardian.com/us-news/2016/jul/19/melania-trump-republican-convention-plagiarism-michelle-obama


オバ美とメラニアのスピーチを並べてみると:

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米ルイジアナ州バトンルージュの警官銃撃容疑者は、自分は「集団ストーカー」の被害者だと信じていたようだ。

「反撃だ」とか言ってた、なんてのは当たり前すぎてニュースにもならないと思うんだけど、それでいいらしい。

米ルイジアナ州バトンルージュで警官が銃撃を受けて3人が殺された事件で、現場で射殺された容疑者は、イラク帰りの、29歳の退役軍人だった。

先日のダラスでの警官銃撃事件も、アフガニスタン帰りの元軍人だった。どちらも「黒人」で、ブッシュ政権の推進した軍事行動を経験していて、さらに最近(ファーガソン以降)の米国での「人種問題」を、おそらく当事者として間近に見ている。何か共通する点があるのだろうか(そういう「物語」がこれから語られるのだろうか)と思いながら、バトンルージュの事件の容疑者、ギャヴィン・ロングについての報道記事を読んでいたのだが、読んでいるうちにとんでもないところまで連れて行かれてしまっていた。

それを記録したのが下記。

海兵隊を名誉除隊、大学進学、スピリチュアルな目覚め……バトンルージュで警官を銃撃した容疑者の人物像
http://matome.naver.jp/odai/2146881291849406101


「NAVERまとめ」の見出しは最大文字数が50字で、そこに入れようとするとあまりに「トンデモ」に見えてしまうと思ったので入れていないが、私が「とんでもないところまで連れて行かれてしまっていた」と感じているのは、この容疑者が、いわゆる「(政府による)集団ストーカー」論を信じており、自分がその被害者だと考えていたという点。

「ブラック・パワー」の武装主義とか、連邦政府への反対とかいった背景だけだったら、「やはり」と思いこそすれ、さほど驚きはしなかっただろう。しかし……である。


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2016年07月18日

大衆紙The Sunは、買ってはいけない。人種偏見の拡散・煽動に加担したくないならば。

dontbuythesun.jpg"Don't Buy the Sun" ――写真は、リヴァプールFCのサポーター96人もが声明を奪われた群集事故、「ヒルズバラ(ヒルズボロ)の悲劇」について、「サポが暴れたから」的な嘘八百を並べ立てたこの大衆紙に対するリヴァプールの人々のステッカー(写真: CC BY-ND 2.0, by (Mick Baker)rooster)だが、リヴァプールFCのサポでなくても、より広く「サッカーの試合を見に行って帰らぬ人となるなんてことがあってはならない」と考えるサッカー・ファンのひとりでなくても、人種偏見の拡散・煽動に加担したくない人は、ルパート・マードックの企業グループNews Corp傘下にあるこの大衆紙は、買ってはならない。

ネットでも、この大衆紙のサイトで記事を閲覧するなどして、view数を増やすことに貢献してはならない。(マードックのNews Corp系列の媒体は、一時期はすべて、The Timesと同じように「ネットでは、お金を払って購読していないと記事が読めない」ようにされていたが、現在はThe Sunは何もしてなくても記事は読めるようになってるらしい。私はサイトに近づかないようにしているのでよく知らないが。)

それを改めて知らせることが、今日(7月18日)、あった。

twtr18july2016.pngTwitterのTrendsが、「キム・カーダシアンにキム・カーダシアンにキム・カーダシアンにテイラー・スウィフトに、月曜日になったねって話と天候と、核抑止力(トライデント)と、ReclaimTheInternet(ネット上の嫌がらせや脅迫をなくし、まともな発言の場としてのインターネットを回復しようという運動)」みたいになってて、かなりどうでもいい話が半分以上だな……という中に、The Sunも入っていた。

どうせまた芸能ネタか、テレビ番組ネタか、スポーツ関連か何かで、派手な1面を作って話題になっているのだろう……と思ったら、違っていた。

フランスのニースで発生したトラックによる群集に対する無差別攻撃について報じるチャンネル4のニュース・キャスターが、「ヘジャブを着用した若い女性 (a young lady wearing a hijab)」だったことについて、「適切なことなのだろうか」と述べている記事がThe Sunに出ていて、そのTwitterフィードが、一度流されたのに削除された、ということで騒ぎになっていたのだ。

The Sunのその記事を書いたのは、「ヒルズバラの悲劇」の初期報道で、「観客が暴れた、観客が悪い」という虚偽の情報を "THE TRUTH" と銘打って喧伝するという判断をしたケルヴィン・マッケンジーだそうだ。この人物は、アリステア・キャンベル(「ブレアのスピンドクター」だった人物)などよりさらに危険だし、有毒・有害なことを平気で垂れ流す。

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posted by nofrills at 23:20 | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

今度はバトンルージュ(米ルイジアナ州)で警官が銃撃され、右翼は勝手にBLMと関連付けて騒ぎ立てている。

1つ前のエントリと同じ書き出しだが、すさまじい勢いで次から次へと大変なことが起きていて、何一つ追いついていない。今日はこうなっている。



17日(日)の朝、アメリカで警官が銃撃され、3人が死亡。事件があったのはルイジアナ州バトン・ルージュだ。当初、銃撃犯は3人いて、1人が死亡し2人が逃げていると報じられていたが、最終的には銃撃犯は1人であったと結論された。

下記は、active situationが続いていたときのUSA Todayによる解説のスライドショー。



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2016年07月16日

ニースの大量殺戮事件とソーシャル・ネット、および誤情報・デマ

すさまじい勢いで次から次へと大変なことが起きていて、何一つ追いついていないのだが(今日はトルコでクーデターがあって、失敗した)、7月14日(フランスの革命記念日、バスティーユ・デイ)に南仏ニースで発生した、毎年恒例で行なわれる花火大会の群集を標的にしたトラックによる無差別殺戮については、主に「ソーシャル・メディアでの情報」という観点から下記に「まとめ」てある。

ニースでの無差別攻撃と、ソーシャルメディア(Twitterがすばやく問題アカウントを凍結)
http://matome.naver.jp/odai/2146854765250800301


84人もの人が殺されたあの攻撃では、今日(16日)になってからイスイス団の(実質的)犯行声明が出て、それについても上記に書き加えてあるのだが、発生当初から、ソーシャル・ネットではイスイス団支持者が盛り上がっていた。

いまどきのジハディ支持者は、TwitterやFacebookよりむしろ、Telegramを好んで使っているのだが、今回は、発生当初の「恐怖のばらまき」の段階でTwitterがよく使われたようだ。Twitterは今回いつになく迅速に対応し、それらのアカウントはすばやくサスペンドされていたという。上記「まとめ」には、過激派に対抗する英語圏のアカウントがTwitterにメンションを飛ばしながら、発見した過激派のアカウントについて注意を喚起しているときのログもとってある。

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2016年07月14日

テリーザ・メイ政権発足。私の閣僚人事の予想が的中した。



13日(水)、月曜日に保守党の党首となっていたテリーザ・メイが首相就任の手続き(国家元首による任命という形式をとる)をした。

メイさん、のっけからぶっとばしていた。

Brexitを支持した大衆紙The Sunが、Brexitに反対していたメイを最大限にdisるつもりだったのだろうと思うが、12日にこういう1面を作ってきた。




そして13日、女王のもとに赴き、首相として任命されるという儀式的な手続きに臨んだとき、メイの履いていた靴が……ぶほっ。




姐さん、パネェっす。(^^;)

日本時間で14日午前3時半ごろのBBC Newsのキャプチャ。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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