kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2016年11月05日

イギリスがおかしい。

「人民(国民)の敵」――デイリー・メイルの一面にそんな文言がどかーんと出ている。

誰かの発言の引用ではない。ジョークを意図したものでもない。

そして、その文言を添えられて顔写真を「さらされて」いるのは、スパイだとか政府の金を横領した人物だとかではなく、「仕事中」の服装をした判事である。

最初にこの画像を見たときは、「デイリー・メイルのこういう一面はまだですか」という主旨の風刺作品だろうと思った。しかし、ほんの10秒ほどで、風刺作品ではなく本物だということが確認できた。BBCで毎日「今日の新聞一面」を淡々とフィードする記者のアカウント(「事件記者」めいた「電話で真顔」のアバターの由来は、おそらく電話中の首相の真顔である)が、これを淡々とフィードしているのが確認できたからだ。

dailymail-enemiesofthepeople.png


「法の統治」という大原則を、デイリー・メイルのような歴史ある報道機関が知らないはずはない。しかしそれでも、高等法院の判事(裁判官)たちのことを引用符つきで 'out of touch' と断罪してみせているのは、これまでずーっと「負け」続けてきて今年の6月にごく僅差で「勝った」ためにやたらと勝ち誇り、「民主主義」をただの「多数決」にしようとしている「一般大衆 the people (と自認しているであろう人々)」の聞きたいことを言ってあげて売り上げとPVを稼ぎながら、彼らを煽動し、彼らを方向付けるためである。

あの英国で、まさかこんなことが起こるとは、誰が予想していただろう。いくらデイリー・メイルでも、である。

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2016年10月28日

LとRとHi-NRG/ユーロビート(訃報: ピート・バーンズ)

英語のLとRの聞き分けは難しかった。今でも難しい。語頭にある場合は文脈なくても聞き分けられると思うが (lidとrid, lightとrightなど)、語中にあるときは文脈を頼って判断していると思う(flyとfryなど)。でもずっと以前は、語頭にあるときも聞き分けなんてできなかった。聞き分けができないから書くときも間違えた。テストでくだらないところで失点する原因になると言われ、「受験地獄」の時代、私はあせった。スペルミスは1箇所で-1点なので、1点を争う入試などでは致命傷になりかねない。

今のように「ネイティヴがしゃべる英語」へのアクセスがほとんど無尽蔵にある時代とは違う。聞き取りの練習には、基本、英語教材か、ラジオの英語講座か、英語の映画(もちろん吹き替えではなく字幕)しかなかった。ただし、地理的条件が合えば、米軍のラジオ放送を「英語のシャワー」的にかけっぱなしにしておくという荒技も使えた。当時のFEN (the Far East Network: 現在はAFN, the American Forces Network) である。

FENは基本、DJがおしゃべりしながら音楽を流している局で、定時にはニュースがあり、大相撲の中継などもあったが(力士の名前が英語訛りで読まれ、"Push, push, push" などと絶叫で中継されるのは、おもしろかった)、基本的には「そのときどきのヒット曲や、オールディーズと呼ばれる曲が延々と流れている局」だ。実際には音楽目当てでかけっぱなしにしていても、「英語の聞き取りに役立つから」という名目があるから、親に「また『ながら勉強』なんかして!」と怒られずに済むという便利な局だった。かかる曲はテレビの「ベストヒットUSA」(これもまた「小林克也の英語が勉強になるから」という名目が立ち、「親に怒られずに毎週見ることができる番組」だった)と大差なかった。1980年代、商店街の店の多くは店頭でラジオか有線放送かカセットテープを流していて(今のように、著作権管理団体がうるさくなかった)、そこでもヒット曲が常に流れていた。八百屋ではおやじさんが「さかなはあぶったイカでいい」と有線に合わせて鼻歌を歌っていたし、こじゃれた雑貨屋はFENだったり「海外チャートもの」の有線放送で「洋楽」を流していた。もっと本格的に「音楽好き」の人は、それなりのリソースやアクセスがあれば、チャートもの以外の音楽を聞いていただろうが、「チャートもの」の音楽は、どこにいても必ず耳にした。

LとRの壁にぶち当たっていた私に光を投げかけてくれたのは、そういう「チャートもの」の曲のひとつだった。

You spin me right round, baby, right round
Like a record, baby, right round round round


発音記号もどきで書くと、 [rai], [rau], [lai], [re], [rai], [rau], [rau], [rau]. これだけのバリエーションが間髪いれずに流れてくる。それも、ものすごい美声で、しかもLとRの違いがはっきりわかる。


※全体の歌詞はこちら: http://www.metrolyrics.com/you-spin-me-round-lyrics-dead-or-alive.html

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2016年10月26日

英デイリー・テレグラフが伝えた言語的に意味不明の域に達するWHOの新方針+「またスプートニク(元ロシアの声)の誤訳か」=カオス

「ねとらぼ」さんの下記の記事。「なんぞこれは」としか言いようがない。

「性的パートナーがいない人は障がい者?」誤訳を元に波紋広がる 元記事は不妊の定義変更を取り上げたもの
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1610/22/news041.html

ざっと見て、なるほど、また例のメディアがデタラメを書いて、それを真に受けた日本語圏のネット界隈が盛り上がっちゃったんですね、という話ではあるようだが、この記事を読んでも意味がよくわからない。報じられている「不妊の定義変更」(WHOの基準が更新される)というものが、内容面で、言語的に意味不明の域に達しているからだ。かつて、知人が「メールマガジンの無料購読という日本語がわからない」と言っていたことがある。「購読」の「購」の貝へんは「貨幣」を表し、「購読」という漢字はすなわち「対価を払って読むこと」を意味しているはずだから、「無料で購読する」というのは意味不明のオキシモロンだ、というのだ。確かに言われてみればそうかもしれないが、実際には「言葉は生き物」であり、「購読」はメールマガジン以前から、有償・無償を問わず用いられていた(無料で配布されている企業のPR誌についても「定期購読」という言い方はなされていた。「本誌は無料配布ですが、定期購読をご希望の方は郵送代金分の切手を添えてお申し込みください」といった形で)。今回のWHOの「不妊 infertile」の定義変更には、「お金を払わないのに*購読*って言うのはおかしい」という感覚に近い違和感を覚える。数十年後の植物の研究者などは、一般人との感覚のずれに頭を悩ませることになるのではないか。

ともあれ、「ねとらぼ」さんの記事を、まずは参照しよう。この記事は、日本語圏でこの話題が(例によって)「まとめサイト」のセンセーショナリズムによって、間違った、歪んだ形でバイラルしたことを中心のトピックとしている。

では、その「まとめサイト」の曲解はどこから生じたのか、という点について、「騒動の発端は海外紙を引用して報じられた『性的パートナーを見つけることができない人は障害者扱いに』とするSputnikの誤訳記事」と述べ、「スプートニク」(旧称「ロシアの声」)の記事のスクリーンショットを掲載している。そのスプートニクの記事は:
Sputnikの記事は海外紙「The Telegraph」の記事をもとに、“世界保健機関(WHO)が不妊を障害とみなしつつ、性的パートナーを見つけられない人を障がい者と同一視することになった”とする内容となっていますが、元記事の「disability」を狭義での「障害」としているなど、正確な翻訳とはいえないものとなっています。


……ええと、「ねとらぼ」さんの地の文の意味がわからない。「保健 health」という文脈におけるdisabilityの「障害」という語義に、狭義も広義もないのでは。
http://www.dictionary.com/browse/disability

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2016年10月25日

ホメオパシーがまた話題になったので、「英国でのホメオパシー」について約6年前のことを振り返り、最新状況も見てみよう。

「ホメオパシー」がまた「ネットで話題」になっている。というか、「はてブを使っている人と、それを見ている人の間で話題になり、機動力に優れたBuzzFeed Japanが記事にしたことで、さらに話題になっている」。ただしここで「話題」にしている人々は、かなりの程度まで、同じ人々だろう。ホメオパシー(およびそれを含む「ニセ科学」)については、「新しくネタが出ると話題にする界隈」があり、基本、その界隈の外では話はほとんど広がらないか、一過性で終わってしまう。ざっくり言えば、ホメオパシーについて頻繁に話題にしているのは、信奉者か批判者のいずれかということになるだろう。

ホメオパシーについては、大手一般紙が記事にし、広く人々の目にその「話題」が触れることもときどきある。前回ホメオパシーが広範囲で「話題になった」のは、記録を見返すと2010年のことだ。前年の2009年に、ある助産師が乳児に必要なビタミンKの代わりにホメオパシーの「レメディ」を与え、乳児が死んでしまうというあまりにひどいことが起こっており、その件での裁判について大手新聞が報道を行なったときである。(その後、同年8月には「日本学術会議の金沢一郎会長が『ホメオパシー』と呼ばれる代替医療の効果を否定する談話を発表」し、「代替医療推進」の立場だった当時の鈴木寛副文部科学相もその談話を受け入れるという形で、ホメオパシーの効果は公的に否定されている。このときの顛末は、「碧猫」さん [RIP] の当時のブクマに詳しい)。

報道がなされた場合、この問題にある程度の関心を払ってきた人は注目し、話題にもするだろうが、そうではない多くの人々、とりわけそれまで「ホメオパシー」なるものを知らなかった人は、ニュースを見て、「ホメオパシーっていうのがあるらしいけど、何か怪しいっぽい」という漠然とした印象を抱いて、次の話題に関心を移してしまうだろう。その「何か怪しいっぽい」という印象が残っていれば、誰かから薦められることがあってもその人は手を出さずにいるだろうということを期待したいし、それが期待されて然るべきだが、もしも私がホメオパシー商材の販売を仕事にしていたら(&売れればいいというスタンスだったら)確実に、その「何か怪しいっぽい」という漠然とした印象を利用するだろう。「何か怪しいっぽいっていう印象があるじゃないですかー。私もそう思っていたんですよ。でも……」という話法でターゲットを説き伏せるのだ。

この話法は、「ニセ科学」に限らず詐欺商法でもカルトでもよく使われる。「怪しいという印象がありますよね」と語りかけられたターゲットが「そうですね」と反応すると、薦める人は言葉巧みに(というか、「人と人の会話として極めて自然な流れを作って」)ターゲットが何をどの程度知っていて、どう考えているのかを探る。そして、「私がこれからあなたに紹介する "これ" は、あなたがネガティヴな印象を抱いている "それ" とは同じでありながら別のものだ」という誘導を行なう。例えば、「○○商法って、昔ニュースになって、逮捕者が出たじゃないですか。今はその時代とは違って、あのときのことを十分に反省して、システムを変えたので……」云々というふうに話を進めるわけだ(←今書いているこの例は架空のもの。私がこれを書きながら適当にでっちあげたものであり、万が一現実と呼応したりしていても、それはただの偶然である)。あるいは、「私も怪しいと思ってたんですよ。でも怪しいと言い切るのもおかしいかなと思って、いろいろ勉強して、自分なりに納得できたんです。そして、やってみたらとてもよいものだったので、多くの人にそのよさを知ってもらいたくて……」云々。

「私も、かつてはあなたと同じように、『それ』についてこういう態度だった(が、今はそうではない)」というのは、英語圏で「ex-なんとか」を冠した運動(という日本語は変かも。movement)などで使われる定番の話法である。根本的には「同性愛は治療できるので治療すべき」という主張である「ex-gay」ムーヴメント(2013年に中心的団体が欺瞞を謝罪し、崩壊)はかなり組織的にそういう話法を使っていた。そこまで組織的でなくより個人的な語りとしても、「ex-信仰者」(信仰にはイスラム教、キリスト教などがあり、「無神論者」になった人もいれば「改宗者」となった人もいる)などは、そういう語りを完全に組み込んでいる(興味のある方はアヤーン・ヒルシ・アリなどを見てみるとよい)。

そういう語りが広く採用されるのは、それが効果的だからだ。うちらの日常にも(無害な)例はたくさんある。「銀杏は食わず嫌いだったが、食べてみたらおいしかった」とかいう類のものだ。また、そういうのが、物を売ろうとするときの広告に使われることもある。「クセの強さに苦手意識を抱いている人が多いパクチー。実はこんなうまみ成分があって、それを適切に引き出す調理法が……」(←適当に考えた架空の例です。パクチーにうまみ成分があるのかどうか、私は知りません)とか、「ばい菌に雑菌……『菌』にはネガティヴなイメージがありますね。しかし古来日本人は……」(←同上)とかいった語り口は、いかにも広告くさく聞こえるだろう。

話が広がってしまったが、今回、2016年10月に、またぞろホメオパシーが「ネットで話題」になったのは、ある有名ブロガーが、上記のような「○○には、ネガティブなイメージがあるが……」の系統の語り口を使って、ホメオパシーについてブログに書いたことが発端だった。(ただしその「有名ブロガー」が話題になっているのは、私は全く関心を持っていない界隈で、私はその人の名前と漠然とした風貌と、東京からどこかに移住したという程度のことしか知らない。彼の書いたものを読んだこともほとんどなく、何を書いてるのかも知らないし、どのくらい「ビッグな」存在なのかもわからない。)

【魚拓】【ホメオパシー】ムカデや蜂に刺されたときは「エイピス」を飲むと治るらしい。 : まだ東京で消耗してるの?
http://b.hatena.ne.jp/entry/megalodon.jp/2016-1011-1430-25/www.ikedahayato.com/20161011/66275429.html

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2016年10月22日

Twitterが落ちている。ガーディアンもダメだ。サイバー攻撃だという。(2016年10月22日早朝・日本時間)

twitteroutage.png日本時間で10月22日早朝、書きかけたブログを、今日こそは塩漬けにせずに何とか仕上げてアップしようと、熱い紅茶を入れてキーボードをかちゃかちゃやっていたときのことだ。

Twitterの画像が表示されない。正確に言うと、Twitter Cardの画像が表示されない。ただし猫写真は表示されている(左図。クリックで原寸表示)。さすがここは俺たちの古典的インターネッツ、猫写真は何があっても生き残るのだろう……というのは冗談だが、「一部だけ表示されなくなっているが、きっと何かのバグで、すぐに回復するのだろう」と思っていた。

だが、自分のツイートを埋め込もうと当該のツイートを表示させて所定の操作をしても、Embedのコードが取得できない。こちらのPCのせいかもしれない。そもそももう眠くて頭もうろうとしているので精査する余裕はないが、インターネット・キャッシュを削除してみたがだめだ。自分のTwitterのページは問題なく表示されているので、Twitterそのものが落ちているわけではないのだろう。だからすぐにTwitterで "twitter" と検索してみた。笑い事ではない。午前3時半少し前のことだ。

そうしてすぐに見つかったのが、The Wrapの下記記事である。

Cyber Attack Shuts Down Twitter, Amazon and Other Major Sites
Reid Nakamura | October 21, 2016 @ 11:12 AM
http://www.thewrap.com/cyber-attack-shuts-twitter-amazon-major-sites/

Twitterだけではない。ほかに、SpotifyやAmazon, CNNも落ちているという(ここで、自分で確認するためにそのときは立ち上げてなかったSpotifyのアプリを立ち上げてみたが、日本時間22日の4時台には問題なく使えている。今はSpotifyの「アコースティック・コンセントレーション」のプレイリストを聞いているが、これはすばらしい)。Amazonが落ちるってすごくない?

Much of the internet went down on Friday, following two attacks on the servers of a major domain host. Twitter, Spotify, Amazon and CNN were reportedly among the sites affected.

The company which suffered the hacks, Dyn, first reported around 4 a.m. PT that it had “began monitoring and mitigating a DDoS attack against our Dyn Managed DNS infrastructure.” The initial attack primarily affected internet users on the east coast, and the company claimed it had been resolved just over two hours later.

Around 9 a.m. PT, the company reported that it was “monitoring and mitigating” another DDoS attack, which affected services for users on both coasts.

...

“This was not your everyday DDos attack,” Kyle York, Dyn’s chief strategist, told the New York Times. “The nature and source of the attack is still under investigation. We will be updating our users as soon as we learn more.”

...

http://www.thewrap.com/cyber-attack-shuts-twitter-amazon-major-sites/


ともあれ、私はそのとき、ブログの記事を書き上げようとしていたわけで、とりあえずはそちらの作業に戻って少し様子を見ることにした。DDoS攻撃を受けて大変なときに、無理に埋め込みコードを表示させようとしなくてもいいんだよ、みつを。というわけで地の文をかちゃかちゃと書いていたのだが、30分ほどでだいたい作業が終わってしまい、ツイートのエンベッドを再度試みた。が、Twitterの画面からでは依然、ダメだ。

代替手段としてSeesaa(このブログ)の投稿画面からTwitterの埋め込みをやってみたところ、それは正常に……いや、微妙に正常ではないが(アバターが表示されなくなっている)、何とか動作はしているようだ(日本時間10月22日午前4時15分ごろ)。

twitteroutage5.png


1つ埋め込んでみよう。……なんてキャプチャを取りながら文章を書いているうちに、こちらも完全に反応しなくなってしまった(日本時間10月22日午前4時20分ごろ)。

twitteroutage6.png


こうなる前にTwilogは「新規ツイートを取得」で最新の状態にしておいたので、関連情報は手動でコピペしよう。

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2016年10月21日

Twitterの地域別Trendsの精度。正直、わけがわからない。

当方、TwitterではTrendsはUK (United Kingdom) に設定してある。UKが活動時間帯なら、UKでそのときに話題になっているトピックが何なのかがまあまあよくわかると思われるが、活動時間帯でないとき(みんなが寝ている時間帯)はUK以外で話題のものが非常に多く紛れ込んでいるという印象がある。例えば英国で午前4時(夏時間の今は、日本では午前8時)に見てみると、やたらとアメリカ(北米)のプロレスの話題ばかりだったりする(そして個々のツイート主もアメリカの人だったりする)。

そうでなくても精度が低いことは多く、馴染みのない人名がUKのTrendsに入っていると思ったら、ナイジェリアの芸能人が何かをしたというニュースだったり、ナイジェリアのテレビ局の「お題募集」的なハッシュタグ・キャンペーンだったり、ということは頻発している。アフリカからはケニアの話題が入ってきていることもあったが、私が見たことがあるのはナイジェリアのが多かった。

アメリカ(北米)やナイジェリア、ケニアなどは主要な言語が英語だし、時差もそんなにあるわけではないので、Trendsが混戦するのも、まあわからなくもない。単に「おそらく、十分なツイートの数量がないときには、精度が低いのだろう」と思うだけだ。

だが、日本語の場合はどうか。

今日(2016年10月21日)の午後2時台に発生した鳥取県での大きな地震――UKでは時差8時間で午前6時台だったが――でニュース速報などがたいへんに多くツイートされたあと、UKのTrendsにその地震に関連したフレーズがたくさん並んでいた。1時間もしないうちにそれらは消えたが、そもそもなぜ、それらがUKのTrendsに表示されていたのか、謎である。

以下、記録。ちなみにアイルランドではもっとすごいことになっていた。

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2016年10月16日

あまりに痛ましいスポーツマンの突然の訃報に見る、adviseという語のフォーマルな用法

どんな原因であれ、まだ死ぬような年齢ではない人の訃報は痛ましい。

実際、「まだ死ぬような年齢ではないスポーツマンの突然死」のニュースはときどきある。競技中・トレーニング中の事故よりもむしろ、「気づかれないままだった心臓疾患」など、病気によるものが多く感じられる(実際に多いかもしれない)。2012年に試合中に倒れたフットボーラーのファブリス・ムアンバは、まさに「奇跡的」に死の淵から生還したが、ヴィヴィアン・フォエ、アントニオ・プエルタ、松田直樹など、記憶にあるだけでも何人ものプレイヤーが試合中・練習中に病気のために倒れて亡くなっている。

だが、今日の「スポーツマンの突然死」のニュースは、試合中でも練習中でもなかった。アイルランドのラグビー、マンスターのヘッド・コーチであるアンソニー・フォーリーが、試合のために訪れていたパリのホテルで突然亡くなったという。42歳だった。




私はラグビーのことは何も知らないので、取り急ぎWikipediaを見てみると、アンソニー・フォーリーは1973年生まれ。リムリック(リマリック)の出身で、小さなクラブを経て1995年に「マンスター Munster」のプレイヤーとしてデビュー。後にチームのキャプテンとなり、2008年に引退。1995年から2005年までの10年間はアイルランド代表でもプレイし、1995年のワールドカップ南アフリカ大会(前年に釈放されたネルソン・マンデラを軸にした物語がクリント・イーストウッドによって映画化された大会)で日本との試合に出場していたという。その後は代表入りしたりしなかったり、しても出場したりしなかったりしているが、2000年代に3度にわたって代表チームの主将をつとめている。2005年の6ネイションズでの対ウェールズ戦を最後に代表から引退し、2008年に現役引退した後、2011年からマンスターのコーチの一員となって、2014年に同ヘッドコーチとなった。そして2016年10月16日(日)に行なわれる予定だったチャンピオンス・カップの試合(対Racing 92)のために訪れていたフランスのパリのホテルで死亡しているのが発見された。ご家族にもチームにも、またアイルランドのラグビー界にとっても、世界のラグビー界にとっても、どれほどショックなことかと痛ましく思う。死因などはまだわかっていない。今日予定されていた試合は、後日改めて行われることになった。

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2016年10月13日

「その『デマ』を流した奴は、ただのノンポリですよ」……そうであるとして、だから、何?

昨日の東京での停電の際、またネットで(Twitterで)「デマ」が流れたという。取材と記事化の機動力がずば抜けて高いBuzzFeed Japanが報じている。

停電時に中国人が火事場泥棒? Twitterでデマ広まる
https://www.buzzfeed.com/keigoisashi/power-outage-burberry

はてブ:
http://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.buzzfeed.com/keigoisashi/power-outage-burberry


最も多くの「スター」を得ているid:kiku-chanのコメントがすべてだと思う。
災害時は「外国人が犯罪を犯す」ではなく「アホがデマを広げる」というのを常識とすべき

http://b.hatena.ne.jp/entry/304090292/comment/kiku-chan


そう、これ、元の「デマ」(ありもしないことをでっちあげ、実際に起きていることであるかのように述べたもの)の創出者は、多くの人の印象とは異なり、「ウヨ」ではなく、「アホ」である。

政治的な立場や主義主張、信念から出たものではない。「そういう発言をすれば、騒ぎになり、自分が目立てる」ということから出たものだ。そして問題は、そうやって「目立てる」機会を「アホ」に与えてくれるものとして、排外主義言説がいかにもお手軽に使えるようになっているということである。

その場合、発言者本人には、必ずしも、排外主義の思想も意図もないかもしれない。単に「そう言えば、反応があるだろう」ということで出てくる言葉なのだから。(しかしそうであっても、発言者本人は確実に「排外主義者たちからの反応」を予期・期待しているわけで、排外主義と無縁なイノセントなぼくちゃんであるわけでもない。)

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2016年10月10日

#CableStreet80: 1936年の「奴らを通すな (They Shall Not Pass)」と、街と人々の「歴史」

cablestreet80.png10月9日は、「アイルランドの息子」でもある革命家、チェ・ゲバラが処刑された日(1967年なので、来年は「没後50年」)だが、ロンドンでは#cablestreet80が上位に来ている。1936年10月4日に、「イーストエンドの移民たち」(すなわちジューイッシュとアイリッシュ)と左翼の人々を中心として行なわれた反ファシスト運動の大規模な、今で言う「カウンター・デモ」から80年となることを記念する行事が行なわれている。このような行事は週末に行なわれるのが常だが(そして、この件では主要な参加者の多くがユダヤ人なので、安息日の土曜日は避けて日曜日となったのだろう)、カレンダーを見ると10月4日に一番近い日曜日は2日。何らかの都合・事情で、2日ではなく9日になったのだろうが、どういう事情なのかはわからない。

ともあれ、80年前のその「カウンター・デモ」は、Battle of Cable Street (ケーブル・ストリートの闘い)と呼ばれるものである。当時のニュース映像がYouTubeにアップされている。ここに集まっている大勢の人々は、この地域に暮らすジューイッシュやアイリッシュ、また左翼活動家に加え(イーストエンドは貧民街であったがゆえに救貧活動も活発な土地柄で、またテムズ川のドックで働く肉体労働者の組合活動も活発という文脈がある)、「奴らを通すな (!No pasarán!: They Shall Not Pass)」のスローガンのもと、各地から参集した人々だ。



ケーブル・ストリートは、ロンドン塔のから少し東に行ったところ(ホワイトチャペルの南の端)からまっすぐ東へと伸びる長い通りだ。現在はDLRの高架がかかっており、通りの全長はDLRでほぼ2駅分となっている。Google Street Viewで見ると、この一帯は「真新しい」と呼んでよいような建物がかなり多くあり、21世紀になってからずいぶん再開発が進んだことが一目でわかる(むろん、ドックランズの再開発にともなうものだ)。そのような中にも、ヴィクトリアンの一般的なレンガの建物が残っていたりもする。このトピックとは関係ないが、ケーブル・ストリートの西の端の区画には、「切り裂きジャック博物館」もある。

1936年10月4日、そういうエリアに、「ファシスト」たちが示威・挑発を目的として乗り込もうとしていた(「ファシズム」は大陸仕込みで「非英国的」というイメージがあるかもしれないが、それは誤ったイメージである。またナチスの人種主義・反ユダヤ主義はドイツに移住した英国人思想家の影響を強く受けている)。それに反対する人々が「奴らを通すな」と集結し、ホワイトチャペルのハイ・ストリートにバリケードと「人間の壁」を築き、道をふさいだ。ロンドン警察は、ファシストのデモ隊をケーブル・ストリートへと通そうとし、カウンター・デモの人々もそちらへ移動。そこで警察がカウンター・デモを散らそうとしたことで大勢の負傷者が出たが、ファシストのデモ隊はUターンした(以上、参考記事に基づく)。その一連の経緯の記録映像を短くまとめて解説をつけたものが、上にエンベッドしたニュース映像だ。(当時はこのようなニュース映像は映画館で作品の上映の前に流していた。この映像はどこの映画館で、どんな映画と一緒に人々に見せられたのだろう。「あ、あれ俺! 俺!」なんてこともあったに違いない。事実の細部への興味は尽きない。)

デモを行なったのは、1936年当時、政治的に意味のある勢力になろうとあがいていた「英ファシスト連合」である。1930年代を通じて「第三極」的な期待を集めた大衆政党からいわゆる「泡沫政党」的レベルにまで落ち込んでいたファシスト連合は、リーダーのオズワルド・モズレー(モズリー)を先頭に、軍服的制服に身を包んで「ユダヤ人の街」に乗り込んでやる、と鼻息を荒くしていた。予定では、制服姿の「リーダー」はイーストエンドを練り歩き、そのまま飛行機に乗ってドイツに向かい、ゲッベルスの家で、ヒトラーを来賓に迎え、当時話題の女性セレブ、「ミットフォード姉妹」のひとりのダイアナと結婚式を執り行う、という大掛かりなパフォーマンスを決行するはずだったという(参考記事。なお、「ロンドンを練り歩いて飛行機で……」は失敗してパフォーマンスは出鼻を叩き潰されてザマァ、ということになったものの、結婚のイベントは予定通りに行なわれている)。

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2016年10月03日

コロンビアの「歴史的和平合意」は、レファレンダムで僅差で否決された。

今日は、「コロンビア和平が成立した。今年のノーベル平和賞は確実だろう」と書いて、関連のニュース系フィードをクリッピングするつもりだったが、予想外の結果が出た。しかも、ここ数年で「僅差で決まった」と描写されたレファレンダムや選挙の中でもとりわけ「僅差」度が高い。

BBC Newsは既にトップニュースからは落ちているが(「賛成」で決まっていたらたぶん延々とトップニュースにしていたはずだ)、ガーディアンのインターナショナル版では今もトップニュースだ。



Colombia referendum: voters reject peace deal with Farc guerrillas
Sibylla Brodzinsky in Bogotá
Monday 3 October 2016 12.10 BST
https://www.theguardian.com/world/2016/oct/02/colombia-referendum-rejects-peace-deal-with-farc

President Juan Manuel Santos fails to win approval as voters balk at an agreement that included amnesty for war crimes


ガーディアン記事は、この和平を進めたサントス大統領が当選した2014年の選挙での投票状況と今回のレファレンダムでの投票状況のマップを並べて比較している。

Santos, who watched the results come in at the presidential palace in Bogotá, said he would send his negotiators back to Havana to meet with Farc leaders on Monday. “I will not give up,” he said in a televised address. “I will continue seeking peace until the last day of my presidency.”

He added that the bilateral ceasefire that has been in place since 29 August would continue.


(これは「エクストリーム交渉」のフラグ……ついに北アイルランドに強敵出現か)

日本のメディアの報道の例:
コロンビア和平、国民投票で「反対」が勝利
朝日新聞デジタル 10月3日(月)8時3分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161003-00000010-asahi-int&pos=4
or http://www.asahi.com/articles/ASJB32J25JB3UHBI00D.html

選管当局によると、開票率99・59%で、和平合意の内容に「反対」は50・23%、「賛成」は49・76%だった。


事前の世論調査では「反対」は4割弱だと言われていた(上記朝日記事にもあるが、英語圏の報道でも見た)。

コロンビア和平のプロセスは、北アイルランド和平をひな型のひとつとして進められてきた。北アイルランドの当事者(IRAおよびシン・フェインも、ロイヤリストの側も、また武装主義を拒否してきた政治家たちも)がコロンビアに行ってパネル・ディスカッションを行なったりしている。

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2016年09月30日

@niftyに置いてあるサイトを移行した。最終期限が9月29日の予定が11月10日まで延長されたので、まだやっていない方は今のうちにどうぞ。

長く使ってきた(というか、数年使ったあと、長く更新もせずそのままにしてきた)「@homepage」のサービスが2016年9月を以て終了すること、「@homepage」利用者は現行の@niftyのサービスに移行しないとサイトが消滅してしまうことが@niftyから告知されてからほぼ8ヶ月、猶予期間の終わりも近づいた9月25日(日)に、ようやく移行の作業を行なった。

移行前の旧URL: http://homepage2.nifty.com/nofrills/
移行後の新URL: http://nofrills.in.coocan.jp/

niftyの会員が無料で利用できるウェブサイト・スペース(「ホームページ」)は、nifty.comになる前のnifty.ne.jpだった時代には使っていなかったので(初期は私のウェブサイトはgeocitiesだけだった)、その切り替えは自分では経験していないが、何となく検索してみると1999年10月のInternet Watchの記事が見つかった(Internet Watchのこの「過去記事保全」は、本当にすばらしいと思う)。1999年以前からニフティサーブで「ホームページ」を作っていた人は、今回の2016年の移行で二度目の移行となるのだろう。iswebの消滅を経験している自分としては、@niftyがこれまでどおり無料で使える後継のサービスを用意して、移行できるようにしてくれているのはありがたい。

@niftyによる告知のページを見たら、「お客様の移行状況を鑑み、サービス提供終了日を2016年 11月 10日(木) 15時に変更することといたしました」と追記されている。移行期間が延長されている。当初予定の9月29日までに移行の手続きを取らなかった人も、もし、移行のタイミングを逃してしまった場合や、このまま消滅させるかどうかで迷っている場合は、11月10日15時までなら移行ができるので、少し時間があるときにやってしまうとよいと思う。また、ネット上からは消滅させたい/消滅させてもかまわないが、手元には取っておきたいという場合は、11月10日までは旧サイト(@homepage)でFTPを使ってアクセスしてバックアップもできる。

で、その移行のことについて記録を残すという意味でちょっとブログに書こうとしていたのだが、やらずにだらだらと数日を過ごしてしまい、気づいたら旧サービス閉鎖期限の9月29日午後3時を過ぎていた。私自身も8月末のInternet Watchの記事をはてブで見かけて「おっと、急いでやらねば」と思ったので、うちのようなたかが個人のブログでも書いておけば誰かにとってリマインダーになるかもしれないと思っていたのだが、だらだらと過ぎてしまったので、このまま書かずにいるのかな……というところで、移行期間延長の告知が出たので、一応、書くだけ書いておこうと思った次第。

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2016年09月28日

北アイルランドの「パロディ・アカウント」の「中の人」の正体が判明したのだが……(いろいろとすごい)

よく訓練された北アイルランド・ウォッチャーのみなさん、こんばんは。

2012年秋のベルファスト・シティ・カウンシル(市議会)での決定を受けて、シティ・ホール(市役所)での英国旗(ユニオン・フラッグ)の常時掲揚が廃止され、英国旗はメインランド(ブリテン島)の自治体と同じく、特別な日・機会にのみ掲揚することになったあと、2012年末に勃発したflag protests, すなわち「旗騒動」と当ブログで簡略化して呼んでいるもののことは、当然どなたさまもご記憶のことと思います。

市議会でのデモクラティックな決定(普通選挙で選出された議員による議場での議論を経た後の採決での決定)に対し、「俺たちの声を聞け」と、大事な大事なユニオン・フラッグを掲げ(中には上下さかさまに掲げている人もいましたが)、シティ・ホール周辺に連日押しかけたのは、「ロイヤリスト」の人々でした。仕事についていそうにもない若者も大勢、この「抗議行動」に参加していました。

中には建物内に乱入する者が出たりと大変な騒ぎとなりましたし、「騒動」勃発時はクリスマス直前のショッピングの時期であったため、ベルファスト中心部での買い物を控える人が出て(市の人口のほぼ半分を占める「ナショナリスト」のコミュニティの人は、わざわざロイヤリストの集団が大騒ぎしている中には、行きたがりはしませんよね。「ユニオニスト」のコミュニティの人も、「粗暴な若者たち」が大挙してきている場所は、避けようとする人が多いですよね)、商業に顕著な悪影響を及ぼすなどして、連日大ニュースとして扱われていました。「抗議行動」参加者の「エリート」に対する激しい感情は――「感情」だけで内容はないよう、であったにせよ――市の中心部を外れた東ベルファストで、アライアンス党の政治家への言語による攻撃や、その政治家の事務所への攻撃(ペイント・ボムなど)という形でも噴出しました――それらは「旗騒動」が起きていなくっても行なわれていたことであったにせよ。

この「抗議行動」を組織していたのが、悪いことはすべてIRAのせいにしてしまうことで知られる「いつものあの人」的中年の活動家と、2016年9月の現在では「ちょ、おま、なんでシン・フェインと……」ということになってる人なんですが、当時は「ワーキングクラス・プロテスタント/ロイヤリストの若者代表」のようにふるまい、そのようにみなされていた1990年生まれの若き活動家、ジェイミー・ブライソンでした。ジェイミーは「旗騒動」の前から過激な活動(ただし直接的武装闘争ではなかった)を行なっていて、ネットでも積極的に発言してきた人です。その「知る人ぞ知る」活動家がBBCやベルファスト・テレグラフのような大手報道機関に普通に出てくるようになったのは、「旗騒動」とその後の逮捕、およびデモ参加禁止、携帯電話使用禁止などの条件での保釈といった「ニュース」で「時の人」となってからでした。今では、「北アイルランド・ウォッチャーなら顔写真を見るだけでどういう名前のどういう人かがわかる」ような有名人の一人となっていますね。

さて、2012年年末の「旗騒動」のあと、ネット上にひとつのもんのすごい「パロディ」ムーヴメントが誕生しました。デモクラティックな手続きによる決定に反対する「旗騒動」を皮肉ってLoyalists Against Democracy, 略してLAD……彼ら「旗騒動」参加者の多くが "lad" と呼ばれる男性たちであることを踏まえた、完璧すぎるネーミングです。さすが詩人たちの国、言葉の国、とアイルランドのステレオタイプで納得してしまってもゆるされるほど、見事だと思います。Twitterのアカウントは@ladfleg, "fleg" というのは「旗騒動」の参加者たちの発音する "flag" という語を音声的に忠実に再現した表記です。

ladfleg.png
※ケン・ローチのアカウントがフォローしているとは……映画化決定か?(爆笑)


このアカウントは、「婚姻の平等」(つまり「同性カップルも異性カップルと同じように結婚できるようにすること」)の実現を求める運動に参加しているので、現在はアバターがレインボーカラーになっていますが、元々はオレンジ色(ロイヤリストの色)でした。このアカウントがどういうアカウントなのかは、活動開始から1年を迎えた2013年12月にSlugger O'Tooleのライターの一人がアカウントの「中の人」である「ビリー」(笑)に話を聞いて書いた記事があります。

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2016年09月25日

テリー・ジョーンズが言葉を失いつつあるという。

モンティ・パイソンの一員、「裸のオルガン弾き」、「スパム」スケッチのウェイトレス、「哲学的フットボール」のカール・マルクス、「ザ・ビショップ」の町でブイブイ言わしてる司教、「スペインの異端審問」の大ボケ枢機卿…… Er, nobody, er, expects, er...



そのテリー・ジョーンズが「もうインタビューには応じることができない」状態であることが、BAFTAカムリ(ウェールズ)の特別貢献賞受賞という機会に明かされた。認知症の診断を受けているという。最初の告知はモンティ・パイソンのサイトで行われたようだが、その後、各報道機関がどっと報じている。そのうちのひとつ、ガーディアン掲載のPA記事。

Monty Python star Terry Jones reveals dementia diagnosis
Friday 23 September 2016 12.05 BST
https://www.theguardian.com/culture/2016/sep/23/terry-jones-monty-python-star-dementia-diagnosis-bafta-cymru

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2016年09月16日

「個人」として、「戦争にさよなら」するために……映画『クワイ河に虹をかけた男』

タイの首都バンコクの高架鉄道(ほんの数年前のデモのときに駅が閉鎖されたりしてTwitterで現地のデモ参加者が様子を報告していたことを思い出す)を、DAIKINというアルファベットが書かれた列車が走っている。大阪に本社のあるエアコンで有名なあの企業のラッピング広告だろう。

非都市部にある、私の目から見れば「掘っ立て小屋」と呼んでしまうような、おそらく電気も通っていない家。曾祖母が暮らしていた家のように広い土間の空間があり、居室空間は人が腰掛けたときの高さで作られた床の上。高齢となった男性が一人暮らすその居室空間の片隅に、NISSINという、非常に見慣れたロゴが印刷された段ボール箱が置かれているのをカメラはとらえている。薄暗い場所にぽかっと浮かぶ赤い企業ロゴ。日本企業のロゴ。

その家に暮らす男性は、元労務者だ。日本語での「労務者」は、日常の語彙ではあまり使わないが、「肉体労働者」の意味だ。しかしこの男性は――つまり「ロームシャ」として現地の言葉の語彙にも入っていることばで言う「労務者」は、第二次世界大戦中、日本軍の占領下で肉体労働に狩り出された人々のことだ。英語では "forced labourer" と表す。このような "forced" を「強制」と訳すと、所謂「厳しいご意見を頂戴」することになりかねない昨今だが、ともあれ、日本語ウィキペディアの「労務者」のページを見て、私は今、どうしたらいいのかわからないという気持ちにもやもやと包まれて、画面を見ている。これは「曖昧さ回避のページ」であり、「事典のエントリー」ではない。ここには「これは、かつては差別的なニュアンスで使われていたが、今は使われない用語である」と一般的な語義があり、「華人労務者」のエントリーへのリンクがあり、「労務者(映画)」へのリンクがある。しかし、肝心の、(「華人」以外の))「労務者」(第二次大戦中に「労務者」として狩り出された占領下の人々)について何かを調べようと思ったら、英語版ウィキペディアのRomushaのエントリーを見なければならない。



今、この文章を打ち込んでいるキーボードの横には、今日見てきた映画のパンフレットを開いている。映画を見ながらノートにとっていたメモの、めちゃくちゃな文字(暗い中で、手元を見ずにペンだけ走らせているので、自分で書いたとはいえ解読が大変である)に目をやる。カギカッコつきで、こういう言葉を書き付けている。

「こういうことを我々は平気でしてるわけ。後始末もしないで」


この言葉の主は、永瀬隆さん。英語話者。日本陸軍の通訳者として、「労務者」として連れてこられた東南アジアの人々と同じ場所にいたことがある日本人。

そして、日本軍の元で死ぬまで働かされ、集団で埋められた「労務者」を弔うということをしてきた日本人。

苛酷な環境を生き延び、戦後は「元労務者」となった人々と、個人と個人としてつながり続けた日本人。

語るべきこと、公にすべきことを持ち、そのために何十年間も活動してきたひとりの日本人。

今日見てきたのは、ドキュメンタリー映画、『クワイ河に虹をかけた男』である。監督は、KSB瀬戸内海放送の満田(みつだ)康弘さん。満田さんは、テレビのドキュメンタリーとして永瀬隆さんの活動を取材するようになってから20年以上にわたり撮りためてきた映像と、そして無数の言葉から、119分の映画を作った。





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2016年09月07日

「Twitter売却へ」的な方向付けの話が日本語圏で出回っているようだが、英語圏で見た気はしない。日本語の情報源は……またか(「お察し」的案件再び)

ここしばらく、絶賛マルチタスク中なのであまりあれこれ見ていないのだが、Twitterに関して「英語圏でそんな話、出てないと思うけど」という話題がまた日本語圏(というかはてなブックマーク)でバイラルしていた。下記キャプチャ画像(はてブのトップページ)下段左から2番目である。



「Twitter: 身売りを含む今後の経営方針を決める取締役会を開催へ」なるセンセーショナルな見出しで、記事の配信元は BusinessN... と表示されている。配信元URLは business.newsln.jp とある。

まずははてブのページを見てみたのだが、みなさん、「売却か」っていう話を真に受けて、それぞれ「感想」を述べるなどしているようだ(「英語では140字では短すぎるので流行っていないのだろう」など、それ、どこソースよ、っていう話もびゅんびゅん飛んでる状態なので、率直にいえば、忙しい人はわざわざ時間割いて読む必要はない)。
http://b.hatena.ne.jp/entry/business.newsln.jp/news/201609062217150000.html

ちなみに、はてブでは通例下記のように、それぞれの記事の冒頭部分が少しだけ抜粋されて表示されるのだが:



「Twitter: 身売りを含む今後の経営方針を決める取締役会を開催へ」なるセンセーショナルな見出しのbusiness.newsln.jpのこの記事は、その部分に何も表示されていない。



なので、「クリック数」に貢献したくもないような中身かもしれないが、はてブでとりあえず冒頭部分を見てみるといういつもの技が使えず、しょうがないな……とヘッドラインをクリックしようとしたときに、「あ」と思った。はてブのトップページでは省略されていた配信元のサイト名が、ここでは BusinessNewsline とフル表記されている。それに見覚えが……とウェブ検索してみると、拙ブログに過去記事があった。さらに、拙ブログより上位に「ネットロアをめぐる冒険」さんの記事もあった。

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2016年09月01日

それは、ハッシュタグになりすらしない〜ハーロウ、少年グループによる「東欧人狩り」事件

夕刻、Yahoo! Japanのトップページを見たら、「英の少年6人が移民殺害 逮捕」というヘッドラインが「ニュース」のところに来ていた。


※キャプチャは18:30ごろ取得。Kwout.comに直接Yahoo! JapanのURLを打ち込んで取得したため、実際にブラウザでアクセスしたのとは見た目が異なっている。

「ニュース」のところだけのキャプチャ。



Yahoo! Japanで配信されているのは、毎日新聞の下記記事である。

<英国>少年6人、移民殺害 東欧出身者へ攻撃増
毎日新聞 9月1日(木)11時43分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160901-00000034-mai-int
※毎日新聞のサイトで読むにはこちら。(→アーカイヴ

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2016年08月31日

今日でreported.lyが終わる。

https://reported.ly/

Twitterをはじめとするソーシャル・メディアに投稿された情報を「ソース」としたニュース・サイト、という取り組み、Reported.ly が、8月31日で終了する。Reported.ly は、「ジャーナリズムにおけるTwitterの活用」という点で誰よりも早く真剣な試みをおこなった(そして「ジャーナリズムとは何か」をめぐる熱い議論を引き起こした)アンディ・カーヴィン(当時はNPR所属のジャーナリスト)を中心に、ギリシャ、イタリアなど英語以外の言語が使われているところで起きていることをTwitterで英語で書き、また翻訳し、報告しているジャーナリスト数人のチームで運営されてきた。多くの信頼できるソースをフォローし、必要に応じてRTという形で情報を「まとめ」つつ「拡散」するというスタイルで、毎日のニュースを伝えていた。いわゆる「キュレーション・メディア」として、ここは最もhigh profileなオンライン媒体だったのではないかと思う。

その取り組みが終わる(可能性が極めて高い)ということがアンディ・カーヴィンによって告知されたのは、今月8日のことだ。なぜそういうことになったのかは、ご本人の告知でご確認いただきたい。ちなみに彼の説明文にあるFirst Look Media (FL) というのは、「ウィキリークス」や「アラブの春」などに刺激を受けた大富豪、ピエール・オミダイアが出資してネット上に立ち上げたメディア企業で、グレン・グリーンウォルドとジェレミー・スケイヒルらのThe InterceptもFL傘下である。そのFLが、立ち上げから何年もしないうちにアレなことになっている事情は、ウェブ検索すればわかるので(英語でね)、興味のある方は各自検索していただきたい(キーワードは「マット・タイッビ」)。

A note to our readers
Reported.ly to suspend operations August 31
https://medium.com/reportedly/a-note-to-our-readers-18786235f29#.sf57n9j0d

そして今日がその「最後の」日である。今日を迎えるまでは「ひょっとしたら存続の可能性もあるのでは」と思ってはいたし、「新しいオーナーが決まりました」という告知が出るのではないかとも思っていたが、そうはならなかった。
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2016年08月29日

いわゆる 'alt-right' がメインストリームの話題になっている。「トロール」とあわせて。

「インターネット・トロール」……北欧神話の「トロール」(「悪鬼」のようなもの)に語源があるという「ネット上の『荒らし』」が、米誌TIMEの8月29日号のメインの記事になっていた。今はもう号が変わってしまったかもしれないが、先週、私が調べもののために出向いた英語圏の雑誌をたくさん所蔵している図書館や、TIMEを置いている書店の店頭では、これが「最新号」だった。図書館ならバックナンバーに入ったあとも閲覧はできるし、ネット書店では普通に購入することもできる。メインの記事は、一部、ネットでも読めるようにはなっているが、記事も図版なども本誌でないと見られないものもあったので、図書館で読むだけ読んできた私も買おうと思っている。この号の目次はこちら(誌面・ネット購読でしか読めないリビア情勢についてのJared Malsinの記事など、この号は読むところは多い)。

B01KNC0XN8Time Asia [US] August 29 2016 (単号)
Time Inc. 2016-08-23

by G-Tools


ともあれ、で、実はこの号を買ってからブログに書こうと思っていたのだが、それではいつになるかわからないので、TIMEの「トロール」の記事を受けてBBC News Magazineの記事が出ていることと合わせて、ざっと書いておこうと思う。

参照先の記事は:
How Trolls Are Ruining the Internet
Joel Stein @thejoelstein
Aug. 18, 2016
http://time.com/4457110/internet-trolls/

Trump’s shock troops: Who are the ‘alt-right’?
By Mike Wendling, The Briefing Room, BBC Radio 4
26 August 2016
http://www.bbc.com/news/magazine-37021991

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2016年08月23日

ブラディ・サンデー事件の「刑事事件」としての手続きに一区切りがついたそうだ。

1972年1月30日の「ブラディ・サンデー事件」が、英当局が当時調査してまとめた公式見解の言うような「武装勢力が英軍相手に攻撃してきたので英軍が反撃した」という事態ではなく、「非武装の民間人に対し、英軍が発砲した」という事態だったことが正式・公式に認められたのは2010年6月のことだった(サヴィル報告書)。早いもので、もう6年以上が経過した。サヴィル報告書は、1998年に設立され、2004年まで6年の時間をかけて行なわれた調査の結果を、これもまた6年の歳月をかけてまとめたもので、報告書公表の日から今までの時間を1つの単位として過去を見ると、実に、改めて気の遠くなるような思いがする。

さて、そのサヴィル報告書の公表で、「英国政府が事件当時の『ウィジャリー報告書』で公式見解として流布した《虚偽の説明》を、人々がみな知っている《真実》と置き換えること」という当事者の目標は(事件から40年近い歳月のあとではあったが)達成されたことになり、デリーの人々の意識・関心は、「では、このあとは」ということに移った。あの日に殺された13人(と、後にあの日の負傷に関連して亡くなった1人の計14人)のご遺族の中でも、その点で考え方は割れた。サヴィル報告書が出たことで「英国政府に《真実》を認めさせる」という目標が達成されたので、もう終わりにしようという人々もいた。一方で、13人(と1人)が不法な形で殺されたと認められた以上は、加害者に法の裁きを受けさせなければならないという人々もいた。(英国には「時効」はないので、1972年の殺人者は2006年でもそれ以降でも訴追の対象となりうる。)そのことは、サヴィル報告書公表を以て、毎年1月30日に近い日曜日にボグサイドで行なわれてきた「あの日をたどり、犠牲者を追悼するデモ行進」が終わることになったときに、議論されていた(現在は、ブラディ・サンデー事件の追悼イベントは、その機会に国家の暴力などについて考えるため幅広いテーマに沿って行なわれるレクチャーなどは従前どおりに行なわれているが、デモは「行進をしたい人たちだけが行進する」形になっているようだ)。

「終わりにする」か、「追求を続ける」か……大きく分けてこの2つの立場のうち、どちらが「正しい」かといえば、後者である。それが "justice" というものである。それを追求することは、当事者にとっては時として、とてもつらいことになる。事態が進展する見込みなどほとんどありはしないときに、その「正義」を求め続けるということは、起きてしまったひどい出来事が常にすぐそこにあるという状態をともなう。起きてしまったひどい出来事を「過ぎ去ったこと、過去」にして、自身は先に進む (move on) ということが難しくなる。だから、「正しさ」とは別に、「もう私は終わりにしたい」という心情があることもまた、当たり前のことだ。しかし、その心情を前提にしてしまうことは、間違っている。サヴィル報告書公表時の英首相(英国政府の代表者)の、英国政府の非を認める言葉は、rule of lawの観点から「終着点」ではなく「出発点」になるべきものだ。

... the conclusions of this report are absolutely clear. There is no doubt. There is nothing equivocal. There are no ambiguities. What happened on Bloody Sunday was both unjustified and unjustifiable. It was wrong.

...

Mr Speaker, these are shocking conclusions to read and shocking words to have to say. But Mr Speaker, you do not defend the British Army by defending the indefensible.

https://www.gov.uk/government/news/pm-statement-on-saville-inquiry

※読みづらくなることを避けるため、改行を変更した箇所がある。


同じ声明で、当時の英首相デイヴィッド・キャメロンは、"For those people who were looking for the Report to use terms like murder and unlawful killing, I remind the House that these judgements are not matters for a Tribunal - or for us as politicians - to determine." とも言っている。ブラディ・サンデー事件の真相究明運動とよく似た過程をたどった「ヒルズバラの悲劇」の真相究明運動では(両事件の類似についてはデリー・ジャーナルも指摘している通りである)、ブラディ・サンデー事件とは異なり、(「パブリック・インクワイアリ」ではなく)「事件当時の司法手続きのやり直し」が進められ、「コロナー・インクェスト(死因審問)」という司法制度上の手続きで《虚偽》が《虚偽》として確定された(2016年4月)ため、その場で "unlawful killing" という言葉で「警察に過失があったこと」が認められた。しかしブラディ・サンデー事件については、その言葉が出てきていない。

その言葉を得るには、また、司法の場で手続きをとる必要があるのだ。

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2016年08月20日

ロンドン、地下鉄24時間運行開始(ただし部分的なおかつ段階的に)

8月19日(金)、ロンドン地下鉄の金曜・土曜の24時間運行が開始された。ロンドン地下鉄の愛称 "Tube" に「夜」をつけて、The Night Tubeと呼ばれるこの新たな取り組みについての詳細は、ロンドン交通 (Transport for London: TfL) のサイトに詳しく出ている。
https://tfl.gov.uk/campaign/tube-improvements/what-we-are-doing/night-tube

導入当夜の様子をAFPがまとめた映像。オックスフォード・サーカス駅が、駅名表示も「ナイト」仕様になっている。(ほかの駅でもこうなっているそうだが。)



「労働者」の発想とは思いがたいこのプランは、前の市長(保守党のボリス・ジョンソン)のもとで計画され、本来は2015年(昨年)開始の予定だった(が、結局ジョンソンは、ぶち上げるだけぶち上げておいて、最後までやり通さなかった。尻拭いをさせられるのは周囲と後継者である)。結局は開始予定は1年ずれ込み、導入も全部で11ある路線のうち2路線(東西を結ぶセントラル・ラインと南北を結ぶヴィクトリア・ライン)のみとなった。(Source: the Guardian)

サービス開始告知アナウンスを吹き込むサディク・カーン市長(労働党)。




「ナイト・チューブ(テューブ)」は、既発表分では、運行間隔は10〜15分と昼間並み。今はセントラルとヴィクトリアの2路線のみだが、この秋にはジュビリー・ライン、ノーザン・ライン、ピカディリー・ラインに拡大され、その後は「(設備の)現代化計画が完了し次第」環状線を走る複数の路線(サークル・ラインなど)も24時間化される予定。ロンドン地下鉄は路線の枝分かれ(支線)が複雑なので例外はあるようだが、ロンドン交通のゾーン1〜6全体が、金曜・土曜は「眠らない都市」になることになる。運賃も、「夜なので倍額」といったことはなく、通常のオフ・ピークの運賃 (standard off-peak fares) が適用される。トラヴェルカードももちろんそのまま使えるが、旅行者が使うことが多いと思われるワン・デイのカードは、買った日の翌日の朝4:29に出発する旅程までしか使えないことに注意。つまり、1日有効のデイ・トラヴェルカードで金曜日の昼間に観光して、夜にブリクストンのクラブに遊びに行った場合、翌朝4:29までにヴィクトリア・ラインの地下鉄に乗ればOK、それより遅くなるならまた買いなおさなければならないということになる。

TfLのサイトにも書いてあるが、ロンドンはもうずっと前から「24時間化」されていた。ゾーン1にあるクラブに行ってても、ゾーン6にある友人の家に遊びに行ってても、夜中の3時にゾーン3にある自宅に帰れるのが「眠らない都市、ロンドン」ではデフォだ。ナイト・バス (Night bus) があるからだ。なんと1913年にはもう開始されていたというこのサービスは、第二次世界大戦中こそ休止したものの、常にロンドンの活動の一部となっていた。1980年代に適用路線が拡大されて以降、ナイト・バスはどんどん導入が進められ、1990年代には、市内に細かく張り巡らされたバス路線網は、郊外部に行けば別だが、夜間でも昼間とほとんど変わりなく機能していた(夜間は本数は断然少ないとはいえ、昼間もどうせ、バスは「10分ごとに1台」のはずが「30分ごとに3台団子になってやって来る」ものだし)。普段地下鉄で移動している経路をバスで行くと時間はかかるが、少なくとも動きは取れる。列車で30分の距離を移動するために、始発まで2時間待つより、ナイト・バスで1時間かけて帰ってくればいい、というのは、もうとっくに当たり前になっている。

それに加えて、週末は地下鉄も「10〜15分に1本」の頻度で運行されるということになったわけだ。

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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