kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2016年11月15日

ジョー・コックス議員殺害事件で起訴されたネオナチ共感者の裁判が開始された。

報道記事に出ている顔写真は「普通の人」に見える。凶悪そうな雰囲気は特にない。むしろ、「テレビドラマでよく知られた脇役俳優」と説明されたら疑わないだろうなと思わせる風貌だ。だが、実際には、この人物はネオナチ共感者で、殺人者だ。ただし本人は「殺人」を否認している(とBBC報道記事にあるが、具体的には、起訴されたあとに有罪もしくは無罪の申し立てをすることを拒んだので、手続き上、被告本人は容疑を否認、「無罪」を主張しているという扱いになるそうだ)。凶行の現場からすぐ近くで、武器を所持した状態で逮捕されているにもかかわらず、である。(裁判の進行としては、陪審団はまず、この殺人を行なったのがこの人物であるかどうかというところから見ていかねばならないことになる。)

この人物は、「標的」のスケジュールを調べて待ち伏せをし、「標的」が到来したところに襲い掛かり、15回も刺し、3回も撃ったとして起訴されている。法的根拠は単なる「刑法(での殺人罪)」ではなく「テロ法」だった。
At that hearing, on 23 June, a provisional trial date was scheduled for 14 November, with a preliminary hearing on 19 September and a plea hearing on 4 October. Saunders stated that the case would be handled as part of "the terrorism case management list" on which cases related to terrorism (as defined by the Terrorism Act 2000) are placed.

https://en.wikipedia.org/wiki/Killing_of_Jo_Cox


襲撃者が手にしていた武器(凶器: weapon)については、事件発生当時から断片的ではっきりしない目撃情報が伝えられていたが、今回法廷で陪審団に対し証拠として写真で示され、その写真が報道記事に出ている。見たことのない異様な形の銃は、事件当時「手製 homemade」と伝えられていたが、長い銃の銃身を切るなどして拳銃状に改造したものだという。

Jurors were shown pictures of the .22 Weihrauch bolt-action weapon with its stock and most of its barrel removed, leaving it just 12 inches long.

http://www.standard.co.uk/news/crime/jo-cox-trial-thomas-mair-used-homemade-gun-and-knife-to-murder-mp-a3395496.html




この事件は、日本語圏ではどの程度記憶されているだろうか。

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2016年11月11日

Twitterfeedが終わってしまったので、Dlvr.itに乗り換えた。

しばらくブログをほとんど書かずにいた間に、Twitterfeedがサービスを停止してしまっていた。



Twitterfeedは、Twitterが始まってすぐにスタートした「老舗」と言えるサービスで、ニュースサイトやブログなどのRSSを拾ってTwitterに流してくれるという便利なものだ。開発者はMario Mentiさんで、私がTwitterのアカウントを取って最初にフォローしていたBBC Newsやガーディアンなど大手報道機関のアカウントは彼が取得したアカウントで、サイトのRSSを拾ってフィードするよう設定されていた。(その後、大手報道機関のTwitter利用が進むにつれて、RSSフィードを食わせていただけのMarioさん設営のアカウントは、報道機関に譲られて各自で運営されるようになっている。)

Twitterfeedは2011年8月にBitlyによって取得された。BitlyはURL短縮サービスで、2011年1月のエジプト以降、「ソーシャルメディア、特にTwitterでニュースを広める」といったニーズが高まったときに、当時まだt.coの短縮URLがなく、普通にニュースサイトのURLを投げたりするとそれだけで140字使い切ってしまうという問題を解消するため、Twitterで非常に頻繁に使われて、知名度と価値を上げたアメリカのIT企業だ(確か、当時最も広く使われていたクライアントのTweetdeckでのデフォルト設定で、短縮URLはBitlyになっていたのではなかったか)。




そのBitlyが、2016年10月末で、Twitterfeedのサービスを打ち切ることにしたのだそうだ。いよいよTwitterが「衰退」の局面に入ったのだなあと胸が熱くなるが、驚きはない。それでも、Twitterfeedほど広く使われている地味なサービスを終了という判断が出たことには驚いた。それも、告知からサービス終了まで、2週間程度という短さだった。

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2016年11月10日

アメェーリカァ〜〜

今言うとバカみたいなんですが、特に根拠なくぼんやりと、こうなるとは思っていました。投票前にそれを文字にすると、本当にそうなったときに「文字にしたから現実化した」などとオカルトめいた考えを呼びそうなので書かずにいたのですが、「トランプ支持」に意味があったというより、「ヒラリーだけは絶対にやだ」という強い「ヒラリー不支持」に意味があったのではないかと思うのですよね。何となくぼーっと見てただけですが、バーニー・サンダースが勢いづいていたころからの流れで。ただ、選挙戦の終盤でトランプがあまりに「わが道を行く」態度だったので、微妙なトーンの「アンチ・ヒラリー」の票を積極的に取りに行くわけでもないのかなとは思いました。その頃にはもう、そういうのは終わってたんですね。

しかし民主党は「クリントン」というブランドで押し切れると思っていたようですね。共和党が、「ブッシュ家」や「期待の新鋭」ではなく、政治家としては全くぺーぺーの新人を候補者とすることになったときに、民主党の選対は安堵していたんじゃないかと思います。「クリントン」を相手に太刀打ちできそうにもないような政治経験ゼロの「リアリティTVのホスト」が共和党候補者になったんですから。夫が2期8年を務めた元大統領、本人は上院議員を務め、国務長官も経験している政治家。そんなすばらしい候補者が、トンデモ発言を連発する「リアリティTVのホスト」に負けるはずはないと。

今回の米大統領選は、Brexitを決めたEUレファレンダムとの類似もさんざん指摘されていますが、要するに、「アンチ・エスタブリッシュメント」というのは、「アンチ・ネオコン」、「アンチ・リベラル・インターナショナリズム (liberal internationalismは固有の概念を表す名詞)」であり、「アンチ・ネオ・リベラリズム」、「アンチ・国境を否定するインターナショナリズム」(雇用から犯罪まで、幅広い分野で国境を重視するナショナリズム)です。「エスタブリッシュメント」は、「俺たち・私たち」の生活を破壊し、その上で繁栄しているものとして認識されているんです。地元の製鉄工場をつぶし、漁民を失業させて、金融街の資本家・投資家だけが金儲けのゲームにいそしんでいる。Brexitの背景はそういう、情け容赦のない新自由主義です。それについて「反グローバリズム」を叫ぶためのバックグラウンドのある層(インテリ)と、より直感的で単純な理想主義的・ユートピア的ナショナリズムを信じる層(非インテリ)というような違い・分断はあるけれども、大変に多くの人が、同じものに、同じような「怒り」を抱いている。それをうまく自分たちの政治的ゲインにできる人々がいるということです。

個人的には、「オキュパイ」運動の、極めて白黒はっきり単純化された「99%対1%」の世界観の行き着くところはこうだと思ってました。つまり「1%」に泡を吹かせてやることが、少なくとも一部では、よりよい社会の実現のための手段でなく、それ自体が目的化するということ。そのことは、「オキュパイ」が流行っていた当時、どこかで書いたと思います。

最も頭が痛いのは、UKでBrexitが決まったとたんに、それまで周縁にいた極右の移民排斥論者(議員を銃撃して殺害するような奴や、「ポーランド人狩り」をやっちゃう連中を含む)が我が物顔をしだし、「ここは俺たちの国だ、お前ら移民は出て行け」という発言を公然としはじめたように、USAでも「極右の我が物顔化」が現実になるだろうな、ということです。「極右」だけならまだチャールストンの教会襲撃事件後のあれこれで、いわゆる「免疫」があるかもしれませんが、ドナルド・トランプの支援者には「極右」と「突き抜けた極右」(KKKのようなファンタジーの世界の住民)と、「陰謀論者」(アレックス・ジョーンズ系、Infowars系、ほか)が大勢います。彼らが「我が物顔」をしだしたときのことを考えてみてください。それを、国際政治という文脈で考えてみてください。(ちなみに「陰謀論」はある国が積極的にばらまいている情宣の一部でもあります。)

頭が痛いなんてもんじゃないと思います。

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2016年11月09日

2015年11月のパリ攻撃、2016年3月のブリュッセル攻撃双方に関わったと思われる人物を情報機関が特定した。

2015年11月13日から、そろそろ1年が経過する。金曜の夜のパリの街を血で染めたあのすさまじい暴力を計画し組織化したのは誰だったのかという点について、新たに進展が報じられている。

Belgian jihadist Atar 'co-ordinated' Paris and Brussels attacks
http://www.bbc.com/news/world-europe-37906961

BBC Newsは記事のタイムスタンプを廃止してしまったので記事が出た正確な時間がわからないが、今これをアップしようとしている時点で7 hours agoとなっている。

私がこの記事に気づいたのは、11月9日の朝8時ごろ(日本時間)、PCを立ち上げて、米大統領選の結果がそろそろ入り始めるころかとBBC Newsのサイトを見たときだったが、その時点でも大して目立たない位置に配置されていた。米大統領選の特設コーナーは別として、この時点でのトップニュースはインドの唐突すぎる500ルピー札と1000ルピー札の廃止で、これはトップニュースになって当然だ。次の、オーストラリアのテーマパークの遊具の話はこんなに扱いが大きいのがちょっと不思議だが「ビジネスニュース」的な意味はあるのだろう。その他、いろんなニュースが並んでいるが、少なくとも、昨年11月のパリ攻撃と今年3月のブリュッセル攻撃のマスターマインドについてのニュースは、ハリー王子が付き合ってる彼女についての英マスコミの扱いがひどい(蔑視的である)と述べたという話より重要なように思えるのだが(しかもこちらのほうが記事が新しいのに)、ハリー王子のニュースより下位に配置されている。

bbcnews09nov2016s.png


Twitterに記事URLを投げてみても、あまり注目されている様子はない。URLでひっかかるのは全部で15件。私が日本語で内容をメモっているのを除けば、ジャーナリストのアカウントもbotのアカウントもみな、基本的に、ヘッドラインをただ淡々とフィードしているだけだ。

tw37906961.png

※キャプチャに使っているソフトウエアの仕様が原因で、一部、はしょったようにしかキャプチャされていないところがある。

という次第で、非常に地味に見えるニュースだが、内容は濃い。

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2016年11月07日

Twitterがまた落ちた。(2016年11月7日)

日本時間で7日(月)午後、Twitterがまた落ちた。私が気づいたのは3時ごろで、10分か15分で復帰はしたが、復帰後も動作が重たい。

10月22日の早朝に落ちたとき(原因はIoTのウイルス)ととてもよく似ている。というか、ユーザー・エクスペリエンス的には同じである。

今日の不具合に気づいたのは、自分の投稿がInternal server errorとなって投稿できていなかったことによる。ここ3年くらいはめっきり減っているが、この「内部サーバエラー」は「Twitterにはよくあること」なので、とりあえず少し(1分ほど)時間を置いてリロードするなり何なりするのがクセになっているのだが、今日はリロードしてもまだダメだった。即座に10月22日のことを思い出したので、投稿しようとしてエラーになった内容はとりあえずはてブに投げて、しばらく様子を見てみることにした。

10月22日は、ツイートをエンベッドしようとしたときにコードが表示されなかったことで異状に気づいたのだが、今回はどうだろうか。開いていた自分のTLで適当にエンベッドのコードを表示させてみよう。

まず「Embed this」を選んで……

twitterdown_07nov2016.png


……やはり表示されない。

twitterdown2_07nov2016.png


タイムアウトしちゃう。

twitterdown5_07nov2016.png


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「ユーフラテスの怒り」……ラッカ奪還作戦が始まった。 #シリア

表題どおり、ラッカ奪還作戦が始まった。

2014年6月にイラク軍が逃げ出したことによってイラクのモスルを掌握した「イスラム国」を自称する勢力(ISIS, ISIL, またはIS。ネットスラングで「イスイス団」)が「国家樹立」を勝手に宣言し、「サイクス・ピコ協定で定められた国境線の終わり」をアピールする写真をSNSを含むネット上に大量に流した次に大きな(彼らにとっての)「進展」を見たのが、同年8月のラッカの掌握だった。

ユーフラテス川に面したシリア北部の都市ラッカは、同名の県の県都であり、人口20万人を超える規模があるが、シリア国内のほかの大都市からはかなり離れている。2011年の「革命」勃発後、この都市でも民主化要求の平和的運動が起きたが、ホムスやダルーアなどとは異なり、勢いは続かなかったという。2012年、シリア各地で激しい武力行使が見られるようになったあと、ここには各地から避難してくる人々が集まり、シリア政府はラッカは比較的平穏であるとみていた。しかしその状態も長くは続かず、ラッカもまたシリア政府軍(アサド政権軍)と反政権の諸勢力の間の戦闘と陰惨な暴力の場となっていく。そして2013年3月、シリア自由軍(FSA)、ヌスラ戦線(JaN)、イスラミック・フロントなどによる反政権勢力によって政府軍が放逐され、ラッカ県は完全に反政府側の掌握するところとなった(ソース)。このときに「ラッカ解放」を祝う声があったことは覚えているが(ジーンズにスウェットシャツに、髪を覆うヒジャブというような服装の女性が「自由シリア」の旗を壁にかけていた)、その後、ラッカでは世俗主義者より宗教勢力が支配的となり、「解放」を祝った世俗主義の平和的民主化運動の活動家たちは地下に追いやられていく。そして、JaN・アルカイダとイスイス団の離反(2014年初め)を経て、2014年8月にはイスイス団がラッカを掌握し、やがては彼らの自称する「国家」の「首都」としてしまった。ちなみにラッカは796年から809年にかけて、アッバース朝の首都だったことがある。

ラッカを掌握したイスイス団は、市内のキリスト教教会やシーア派のモスクを破壊し、クリスチャンを処刑また追放し、市民たちには「ぼくたちのかんがえるただしいイスラム」を強制し、「市民はわれわれを歓迎している」というプロパガンダをぶちかまし、西欧諸国を含む世界各地の共感者に「きみも理想国家の建設に参加しよう」と呼びかけた。輝かしい光の戦士となることを夢み、また「新たな国」の子供たちを生み育てることを理想とする男女が大勢、ラッカの住人となった(彼らが「国」から与えられる家は、イスイス団に追い出されるなどした元々のラッカ市民の家だったが)。「ジハーディ・ジョン」と呼ばれた西ロンドン出身の男もそうだし、ロンドンのイーストエンドの学校に通っていた10代の女子3人組もそうだ。フォーリーさんもソトロフさんも、ヘインズさんもヘニングさんもカッシグさんも、カサスベさんも湯川さんも後藤さんも、この町のどこかか、あるいはその近郊で殺された。ミュラーさんはこの町の標的に対して行なわれた米国を中心とする連合軍の空爆で殺された。そういった「外国人の犠牲者」は国際的に報道されるが、元々のラッカ市民や、イスイス団による掌握前にラッカに避難してきていたシリア人の死や苦境は、報道という形では極めて限定的にしか接することができない。そもそもラッカには、イスイス団の息がかかっていない報道はない(そういう映像を、あたかもうちらの感覚でいう「報道の映像」であるかのように、日本のメディアがそのまま流したこともあった。後藤健二さんがとらわれていたときだ)。そもそも「報道」と呼べるものなのかどうかはさておき、ラッカ内部での/からの報道は、インターネット上の彼らのチャンネルで流されるイスイス団のプロパガンダ以外にはないといってよい状況だ(フォーリーさんたちと同じように拘束され、イスイス団の「広報」担当にされてしまった英国人ジャーナリストのカントリーさんの例などを参照)。そういうわけで、時おりラッカから逃げてきた一般市民の話に基づく記事が国際メディアに出ているが(リンク先はアルジャジーラ、2015年1月)、ラッカはほぼ「密室化」の状態にある。

ネット上でアラビア語と英語の2言語で活動する組織、「Raqqa is Being Slaughtered Silently (ラッカは静かに息の根を止められつつある: Raqqa SL)」は、基本的に、2011年の「革命」期の平和的活動家たちによる、ラッカを「密室化」させまいという取り組みである。ウェブサイトとTwitterは下記。
http://www.raqqa-sl.com/en/
https://twitter.com/raqqa_sl



その彼らのTwitterアカウントで最初に動きが報告されたのは、日本時間で6日(日)の早朝だった。現地では土曜の夜。「ラッカ: 昨晩、どの勢力かは不明であるが軍人たちが、ラッカの南にあるカスラット村に(たぶん空から)入り、数人のイスイス団戦闘員を拘束した」。
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2016年11月05日

イギリスがおかしい。

「人民(国民)の敵」――デイリー・メイルの一面にそんな文言がどかーんと出ている。

誰かの発言の引用ではない。ジョークを意図したものでもない。

そして、その文言を添えられて顔写真を「さらされて」いるのは、スパイだとか政府の金を横領した人物だとかではなく、「仕事中」の服装をした判事である。

最初にこの画像を見たときは、「デイリー・メイルのこういう一面はまだですか」という主旨の風刺作品だろうと思った。しかし、ほんの10秒ほどで、風刺作品ではなく本物だということが確認できた。BBCで毎日「今日の新聞一面」を淡々とフィードする記者のアカウント(「事件記者」めいた「電話で真顔」のアバターの由来は、おそらく電話中の首相の真顔である)が、これを淡々とフィードしているのが確認できたからだ。

dailymail-enemiesofthepeople.png


「法の統治」という大原則を、デイリー・メイルのような歴史ある報道機関が知らないはずはない。しかしそれでも、高等法院の判事(裁判官)たちのことを引用符つきで 'out of touch' と断罪してみせているのは、これまでずーっと「負け」続けてきて今年の6月にごく僅差で「勝った」ためにやたらと勝ち誇り、「民主主義」をただの「多数決」にしようとしている「一般大衆 the people (と自認しているであろう人々)」の聞きたいことを言ってあげて売り上げとPVを稼ぎながら、彼らを煽動し、彼らを方向付けるためである。

あの英国で、まさかこんなことが起こるとは、誰が予想していただろう。いくらデイリー・メイルでも、である。

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2016年10月28日

LとRとHi-NRG/ユーロビート(訃報: ピート・バーンズ)

英語のLとRの聞き分けは難しかった。今でも難しい。語頭にある場合は文脈なくても聞き分けられると思うが (lidとrid, lightとrightなど)、語中にあるときは文脈を頼って判断していると思う(flyとfryなど)。でもずっと以前は、語頭にあるときも聞き分けなんてできなかった。聞き分けができないから書くときも間違えた。テストでくだらないところで失点する原因になると言われ、「受験地獄」の時代、私はあせった。スペルミスは1箇所で-1点なので、1点を争う入試などでは致命傷になりかねない。

今のように「ネイティヴがしゃべる英語」へのアクセスがほとんど無尽蔵にある時代とは違う。聞き取りの練習には、基本、英語教材か、ラジオの英語講座か、英語の映画(もちろん吹き替えではなく字幕)しかなかった。ただし、地理的条件が合えば、米軍のラジオ放送を「英語のシャワー」的にかけっぱなしにしておくという荒技も使えた。当時のFEN (the Far East Network: 現在はAFN, the American Forces Network) である。

FENは基本、DJがおしゃべりしながら音楽を流している局で、定時にはニュースがあり、大相撲の中継などもあったが(力士の名前が英語訛りで読まれ、"Push, push, push" などと絶叫で中継されるのは、おもしろかった)、基本的には「そのときどきのヒット曲や、オールディーズと呼ばれる曲が延々と流れている局」だ。実際には音楽目当てでかけっぱなしにしていても、「英語の聞き取りに役立つから」という名目があるから、親に「また『ながら勉強』なんかして!」と怒られずに済むという便利な局だった。かかる曲はテレビの「ベストヒットUSA」(これもまた「小林克也の英語が勉強になるから」という名目が立ち、「親に怒られずに毎週見ることができる番組」だった)と大差なかった。1980年代、商店街の店の多くは店頭でラジオか有線放送かカセットテープを流していて(今のように、著作権管理団体がうるさくなかった)、そこでもヒット曲が常に流れていた。八百屋ではおやじさんが「さかなはあぶったイカでいい」と有線に合わせて鼻歌を歌っていたし、こじゃれた雑貨屋はFENだったり「海外チャートもの」の有線放送で「洋楽」を流していた。もっと本格的に「音楽好き」の人は、それなりのリソースやアクセスがあれば、チャートもの以外の音楽を聞いていただろうが、「チャートもの」の音楽は、どこにいても必ず耳にした。

LとRの壁にぶち当たっていた私に光を投げかけてくれたのは、そういう「チャートもの」の曲のひとつだった。

You spin me right round, baby, right round
Like a record, baby, right round round round


発音記号もどきで書くと、 [rai], [rau], [lai], [re], [rai], [rau], [rau], [rau]. これだけのバリエーションが間髪いれずに流れてくる。それも、ものすごい美声で、しかもLとRの違いがはっきりわかる。


※全体の歌詞はこちら: http://www.metrolyrics.com/you-spin-me-round-lyrics-dead-or-alive.html

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2016年10月26日

英デイリー・テレグラフが伝えた言語的に意味不明の域に達するWHOの新方針+「またスプートニク(元ロシアの声)の誤訳か」=カオス

「ねとらぼ」さんの下記の記事。「なんぞこれは」としか言いようがない。

「性的パートナーがいない人は障がい者?」誤訳を元に波紋広がる 元記事は不妊の定義変更を取り上げたもの
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1610/22/news041.html

ざっと見て、なるほど、また例のメディアがデタラメを書いて、それを真に受けた日本語圏のネット界隈が盛り上がっちゃったんですね、という話ではあるようだが、この記事を読んでも意味がよくわからない。報じられている「不妊の定義変更」(WHOの基準が更新される)というものが、内容面で、言語的に意味不明の域に達しているからだ。かつて、知人が「メールマガジンの無料購読という日本語がわからない」と言っていたことがある。「購読」の「購」の貝へんは「貨幣」を表し、「購読」という漢字はすなわち「対価を払って読むこと」を意味しているはずだから、「無料で購読する」というのは意味不明のオキシモロンだ、というのだ。確かに言われてみればそうかもしれないが、実際には「言葉は生き物」であり、「購読」はメールマガジン以前から、有償・無償を問わず用いられていた(無料で配布されている企業のPR誌についても「定期購読」という言い方はなされていた。「本誌は無料配布ですが、定期購読をご希望の方は郵送代金分の切手を添えてお申し込みください」といった形で)。今回のWHOの「不妊 infertile」の定義変更には、「お金を払わないのに*購読*って言うのはおかしい」という感覚に近い違和感を覚える。数十年後の植物の研究者などは、一般人との感覚のずれに頭を悩ませることになるのではないか。

ともあれ、「ねとらぼ」さんの記事を、まずは参照しよう。この記事は、日本語圏でこの話題が(例によって)「まとめサイト」のセンセーショナリズムによって、間違った、歪んだ形でバイラルしたことを中心のトピックとしている。

では、その「まとめサイト」の曲解はどこから生じたのか、という点について、「騒動の発端は海外紙を引用して報じられた『性的パートナーを見つけることができない人は障害者扱いに』とするSputnikの誤訳記事」と述べ、「スプートニク」(旧称「ロシアの声」)の記事のスクリーンショットを掲載している。そのスプートニクの記事は:
Sputnikの記事は海外紙「The Telegraph」の記事をもとに、“世界保健機関(WHO)が不妊を障害とみなしつつ、性的パートナーを見つけられない人を障がい者と同一視することになった”とする内容となっていますが、元記事の「disability」を狭義での「障害」としているなど、正確な翻訳とはいえないものとなっています。


……ええと、「ねとらぼ」さんの地の文の意味がわからない。「保健 health」という文脈におけるdisabilityの「障害」という語義に、狭義も広義もないのでは。
http://www.dictionary.com/browse/disability

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2016年10月25日

ホメオパシーがまた話題になったので、「英国でのホメオパシー」について約6年前のことを振り返り、最新状況も見てみよう。

「ホメオパシー」がまた「ネットで話題」になっている。というか、「はてブを使っている人と、それを見ている人の間で話題になり、機動力に優れたBuzzFeed Japanが記事にしたことで、さらに話題になっている」。ただしここで「話題」にしている人々は、かなりの程度まで、同じ人々だろう。ホメオパシー(およびそれを含む「ニセ科学」)については、「新しくネタが出ると話題にする界隈」があり、基本、その界隈の外では話はほとんど広がらないか、一過性で終わってしまう。ざっくり言えば、ホメオパシーについて頻繁に話題にしているのは、信奉者か批判者のいずれかということになるだろう。

ホメオパシーについては、大手一般紙が記事にし、広く人々の目にその「話題」が触れることもときどきある。前回ホメオパシーが広範囲で「話題になった」のは、記録を見返すと2010年のことだ。前年の2009年に、ある助産師が乳児に必要なビタミンKの代わりにホメオパシーの「レメディ」を与え、乳児が死んでしまうというあまりにひどいことが起こっており、その件での裁判について大手新聞が報道を行なったときである。(その後、同年8月には「日本学術会議の金沢一郎会長が『ホメオパシー』と呼ばれる代替医療の効果を否定する談話を発表」し、「代替医療推進」の立場だった当時の鈴木寛副文部科学相もその談話を受け入れるという形で、ホメオパシーの効果は公的に否定されている。このときの顛末は、「碧猫」さん [RIP] の当時のブクマに詳しい)。

報道がなされた場合、この問題にある程度の関心を払ってきた人は注目し、話題にもするだろうが、そうではない多くの人々、とりわけそれまで「ホメオパシー」なるものを知らなかった人は、ニュースを見て、「ホメオパシーっていうのがあるらしいけど、何か怪しいっぽい」という漠然とした印象を抱いて、次の話題に関心を移してしまうだろう。その「何か怪しいっぽい」という印象が残っていれば、誰かから薦められることがあってもその人は手を出さずにいるだろうということを期待したいし、それが期待されて然るべきだが、もしも私がホメオパシー商材の販売を仕事にしていたら(&売れればいいというスタンスだったら)確実に、その「何か怪しいっぽい」という漠然とした印象を利用するだろう。「何か怪しいっぽいっていう印象があるじゃないですかー。私もそう思っていたんですよ。でも……」という話法でターゲットを説き伏せるのだ。

この話法は、「ニセ科学」に限らず詐欺商法でもカルトでもよく使われる。「怪しいという印象がありますよね」と語りかけられたターゲットが「そうですね」と反応すると、薦める人は言葉巧みに(というか、「人と人の会話として極めて自然な流れを作って」)ターゲットが何をどの程度知っていて、どう考えているのかを探る。そして、「私がこれからあなたに紹介する "これ" は、あなたがネガティヴな印象を抱いている "それ" とは同じでありながら別のものだ」という誘導を行なう。例えば、「○○商法って、昔ニュースになって、逮捕者が出たじゃないですか。今はその時代とは違って、あのときのことを十分に反省して、システムを変えたので……」云々というふうに話を進めるわけだ(←今書いているこの例は架空のもの。私がこれを書きながら適当にでっちあげたものであり、万が一現実と呼応したりしていても、それはただの偶然である)。あるいは、「私も怪しいと思ってたんですよ。でも怪しいと言い切るのもおかしいかなと思って、いろいろ勉強して、自分なりに納得できたんです。そして、やってみたらとてもよいものだったので、多くの人にそのよさを知ってもらいたくて……」云々。

「私も、かつてはあなたと同じように、『それ』についてこういう態度だった(が、今はそうではない)」というのは、英語圏で「ex-なんとか」を冠した運動(という日本語は変かも。movement)などで使われる定番の話法である。根本的には「同性愛は治療できるので治療すべき」という主張である「ex-gay」ムーヴメント(2013年に中心的団体が欺瞞を謝罪し、崩壊)はかなり組織的にそういう話法を使っていた。そこまで組織的でなくより個人的な語りとしても、「ex-信仰者」(信仰にはイスラム教、キリスト教などがあり、「無神論者」になった人もいれば「改宗者」となった人もいる)などは、そういう語りを完全に組み込んでいる(興味のある方はアヤーン・ヒルシ・アリなどを見てみるとよい)。

そういう語りが広く採用されるのは、それが効果的だからだ。うちらの日常にも(無害な)例はたくさんある。「銀杏は食わず嫌いだったが、食べてみたらおいしかった」とかいう類のものだ。また、そういうのが、物を売ろうとするときの広告に使われることもある。「クセの強さに苦手意識を抱いている人が多いパクチー。実はこんなうまみ成分があって、それを適切に引き出す調理法が……」(←適当に考えた架空の例です。パクチーにうまみ成分があるのかどうか、私は知りません)とか、「ばい菌に雑菌……『菌』にはネガティヴなイメージがありますね。しかし古来日本人は……」(←同上)とかいった語り口は、いかにも広告くさく聞こえるだろう。

話が広がってしまったが、今回、2016年10月に、またぞろホメオパシーが「ネットで話題」になったのは、ある有名ブロガーが、上記のような「○○には、ネガティブなイメージがあるが……」の系統の語り口を使って、ホメオパシーについてブログに書いたことが発端だった。(ただしその「有名ブロガー」が話題になっているのは、私は全く関心を持っていない界隈で、私はその人の名前と漠然とした風貌と、東京からどこかに移住したという程度のことしか知らない。彼の書いたものを読んだこともほとんどなく、何を書いてるのかも知らないし、どのくらい「ビッグな」存在なのかもわからない。)

【魚拓】【ホメオパシー】ムカデや蜂に刺されたときは「エイピス」を飲むと治るらしい。 : まだ東京で消耗してるの?
http://b.hatena.ne.jp/entry/megalodon.jp/2016-1011-1430-25/www.ikedahayato.com/20161011/66275429.html

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2016年10月22日

Twitterが落ちている。ガーディアンもダメだ。サイバー攻撃だという。(2016年10月22日早朝・日本時間)

twitteroutage.png日本時間で10月22日早朝、書きかけたブログを、今日こそは塩漬けにせずに何とか仕上げてアップしようと、熱い紅茶を入れてキーボードをかちゃかちゃやっていたときのことだ。

Twitterの画像が表示されない。正確に言うと、Twitter Cardの画像が表示されない。ただし猫写真は表示されている(左図。クリックで原寸表示)。さすがここは俺たちの古典的インターネッツ、猫写真は何があっても生き残るのだろう……というのは冗談だが、「一部だけ表示されなくなっているが、きっと何かのバグで、すぐに回復するのだろう」と思っていた。

だが、自分のツイートを埋め込もうと当該のツイートを表示させて所定の操作をしても、Embedのコードが取得できない。こちらのPCのせいかもしれない。そもそももう眠くて頭もうろうとしているので精査する余裕はないが、インターネット・キャッシュを削除してみたがだめだ。自分のTwitterのページは問題なく表示されているので、Twitterそのものが落ちているわけではないのだろう。だからすぐにTwitterで "twitter" と検索してみた。笑い事ではない。午前3時半少し前のことだ。

そうしてすぐに見つかったのが、The Wrapの下記記事である。

Cyber Attack Shuts Down Twitter, Amazon and Other Major Sites
Reid Nakamura | October 21, 2016 @ 11:12 AM
http://www.thewrap.com/cyber-attack-shuts-twitter-amazon-major-sites/

Twitterだけではない。ほかに、SpotifyやAmazon, CNNも落ちているという(ここで、自分で確認するためにそのときは立ち上げてなかったSpotifyのアプリを立ち上げてみたが、日本時間22日の4時台には問題なく使えている。今はSpotifyの「アコースティック・コンセントレーション」のプレイリストを聞いているが、これはすばらしい)。Amazonが落ちるってすごくない?

Much of the internet went down on Friday, following two attacks on the servers of a major domain host. Twitter, Spotify, Amazon and CNN were reportedly among the sites affected.

The company which suffered the hacks, Dyn, first reported around 4 a.m. PT that it had “began monitoring and mitigating a DDoS attack against our Dyn Managed DNS infrastructure.” The initial attack primarily affected internet users on the east coast, and the company claimed it had been resolved just over two hours later.

Around 9 a.m. PT, the company reported that it was “monitoring and mitigating” another DDoS attack, which affected services for users on both coasts.

...

“This was not your everyday DDos attack,” Kyle York, Dyn’s chief strategist, told the New York Times. “The nature and source of the attack is still under investigation. We will be updating our users as soon as we learn more.”

...

http://www.thewrap.com/cyber-attack-shuts-twitter-amazon-major-sites/


ともあれ、私はそのとき、ブログの記事を書き上げようとしていたわけで、とりあえずはそちらの作業に戻って少し様子を見ることにした。DDoS攻撃を受けて大変なときに、無理に埋め込みコードを表示させようとしなくてもいいんだよ、みつを。というわけで地の文をかちゃかちゃと書いていたのだが、30分ほどでだいたい作業が終わってしまい、ツイートのエンベッドを再度試みた。が、Twitterの画面からでは依然、ダメだ。

代替手段としてSeesaa(このブログ)の投稿画面からTwitterの埋め込みをやってみたところ、それは正常に……いや、微妙に正常ではないが(アバターが表示されなくなっている)、何とか動作はしているようだ(日本時間10月22日午前4時15分ごろ)。

twitteroutage5.png


1つ埋め込んでみよう。……なんてキャプチャを取りながら文章を書いているうちに、こちらも完全に反応しなくなってしまった(日本時間10月22日午前4時20分ごろ)。

twitteroutage6.png


こうなる前にTwilogは「新規ツイートを取得」で最新の状態にしておいたので、関連情報は手動でコピペしよう。

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2016年10月21日

Twitterの地域別Trendsの精度。正直、わけがわからない。

当方、TwitterではTrendsはUK (United Kingdom) に設定してある。UKが活動時間帯なら、UKでそのときに話題になっているトピックが何なのかがまあまあよくわかると思われるが、活動時間帯でないとき(みんなが寝ている時間帯)はUK以外で話題のものが非常に多く紛れ込んでいるという印象がある。例えば英国で午前4時(夏時間の今は、日本では午前8時)に見てみると、やたらとアメリカ(北米)のプロレスの話題ばかりだったりする(そして個々のツイート主もアメリカの人だったりする)。

そうでなくても精度が低いことは多く、馴染みのない人名がUKのTrendsに入っていると思ったら、ナイジェリアの芸能人が何かをしたというニュースだったり、ナイジェリアのテレビ局の「お題募集」的なハッシュタグ・キャンペーンだったり、ということは頻発している。アフリカからはケニアの話題が入ってきていることもあったが、私が見たことがあるのはナイジェリアのが多かった。

アメリカ(北米)やナイジェリア、ケニアなどは主要な言語が英語だし、時差もそんなにあるわけではないので、Trendsが混戦するのも、まあわからなくもない。単に「おそらく、十分なツイートの数量がないときには、精度が低いのだろう」と思うだけだ。

だが、日本語の場合はどうか。

今日(2016年10月21日)の午後2時台に発生した鳥取県での大きな地震――UKでは時差8時間で午前6時台だったが――でニュース速報などがたいへんに多くツイートされたあと、UKのTrendsにその地震に関連したフレーズがたくさん並んでいた。1時間もしないうちにそれらは消えたが、そもそもなぜ、それらがUKのTrendsに表示されていたのか、謎である。

以下、記録。ちなみにアイルランドではもっとすごいことになっていた。

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2016年10月16日

あまりに痛ましいスポーツマンの突然の訃報に見る、adviseという語のフォーマルな用法

どんな原因であれ、まだ死ぬような年齢ではない人の訃報は痛ましい。

実際、「まだ死ぬような年齢ではないスポーツマンの突然死」のニュースはときどきある。競技中・トレーニング中の事故よりもむしろ、「気づかれないままだった心臓疾患」など、病気によるものが多く感じられる(実際に多いかもしれない)。2012年に試合中に倒れたフットボーラーのファブリス・ムアンバは、まさに「奇跡的」に死の淵から生還したが、ヴィヴィアン・フォエ、アントニオ・プエルタ、松田直樹など、記憶にあるだけでも何人ものプレイヤーが試合中・練習中に病気のために倒れて亡くなっている。

だが、今日の「スポーツマンの突然死」のニュースは、試合中でも練習中でもなかった。アイルランドのラグビー、マンスターのヘッド・コーチであるアンソニー・フォーリーが、試合のために訪れていたパリのホテルで突然亡くなったという。42歳だった。




私はラグビーのことは何も知らないので、取り急ぎWikipediaを見てみると、アンソニー・フォーリーは1973年生まれ。リムリック(リマリック)の出身で、小さなクラブを経て1995年に「マンスター Munster」のプレイヤーとしてデビュー。後にチームのキャプテンとなり、2008年に引退。1995年から2005年までの10年間はアイルランド代表でもプレイし、1995年のワールドカップ南アフリカ大会(前年に釈放されたネルソン・マンデラを軸にした物語がクリント・イーストウッドによって映画化された大会)で日本との試合に出場していたという。その後は代表入りしたりしなかったり、しても出場したりしなかったりしているが、2000年代に3度にわたって代表チームの主将をつとめている。2005年の6ネイションズでの対ウェールズ戦を最後に代表から引退し、2008年に現役引退した後、2011年からマンスターのコーチの一員となって、2014年に同ヘッドコーチとなった。そして2016年10月16日(日)に行なわれる予定だったチャンピオンス・カップの試合(対Racing 92)のために訪れていたフランスのパリのホテルで死亡しているのが発見された。ご家族にもチームにも、またアイルランドのラグビー界にとっても、世界のラグビー界にとっても、どれほどショックなことかと痛ましく思う。死因などはまだわかっていない。今日予定されていた試合は、後日改めて行われることになった。

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2016年10月13日

「その『デマ』を流した奴は、ただのノンポリですよ」……そうであるとして、だから、何?

昨日の東京での停電の際、またネットで(Twitterで)「デマ」が流れたという。取材と記事化の機動力がずば抜けて高いBuzzFeed Japanが報じている。

停電時に中国人が火事場泥棒? Twitterでデマ広まる
https://www.buzzfeed.com/keigoisashi/power-outage-burberry

はてブ:
http://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.buzzfeed.com/keigoisashi/power-outage-burberry


最も多くの「スター」を得ているid:kiku-chanのコメントがすべてだと思う。
災害時は「外国人が犯罪を犯す」ではなく「アホがデマを広げる」というのを常識とすべき

http://b.hatena.ne.jp/entry/304090292/comment/kiku-chan


そう、これ、元の「デマ」(ありもしないことをでっちあげ、実際に起きていることであるかのように述べたもの)の創出者は、多くの人の印象とは異なり、「ウヨ」ではなく、「アホ」である。

政治的な立場や主義主張、信念から出たものではない。「そういう発言をすれば、騒ぎになり、自分が目立てる」ということから出たものだ。そして問題は、そうやって「目立てる」機会を「アホ」に与えてくれるものとして、排外主義言説がいかにもお手軽に使えるようになっているということである。

その場合、発言者本人には、必ずしも、排外主義の思想も意図もないかもしれない。単に「そう言えば、反応があるだろう」ということで出てくる言葉なのだから。(しかしそうであっても、発言者本人は確実に「排外主義者たちからの反応」を予期・期待しているわけで、排外主義と無縁なイノセントなぼくちゃんであるわけでもない。)

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2016年10月10日

#CableStreet80: 1936年の「奴らを通すな (They Shall Not Pass)」と、街と人々の「歴史」

cablestreet80.png10月9日は、「アイルランドの息子」でもある革命家、チェ・ゲバラが処刑された日(1967年なので、来年は「没後50年」)だが、ロンドンでは#cablestreet80が上位に来ている。1936年10月4日に、「イーストエンドの移民たち」(すなわちジューイッシュとアイリッシュ)と左翼の人々を中心として行なわれた反ファシスト運動の大規模な、今で言う「カウンター・デモ」から80年となることを記念する行事が行なわれている。このような行事は週末に行なわれるのが常だが(そして、この件では主要な参加者の多くがユダヤ人なので、安息日の土曜日は避けて日曜日となったのだろう)、カレンダーを見ると10月4日に一番近い日曜日は2日。何らかの都合・事情で、2日ではなく9日になったのだろうが、どういう事情なのかはわからない。

ともあれ、80年前のその「カウンター・デモ」は、Battle of Cable Street (ケーブル・ストリートの闘い)と呼ばれるものである。当時のニュース映像がYouTubeにアップされている。ここに集まっている大勢の人々は、この地域に暮らすジューイッシュやアイリッシュ、また左翼活動家に加え(イーストエンドは貧民街であったがゆえに救貧活動も活発な土地柄で、またテムズ川のドックで働く肉体労働者の組合活動も活発という文脈がある)、「奴らを通すな (!No pasarán!: They Shall Not Pass)」のスローガンのもと、各地から参集した人々だ。



ケーブル・ストリートは、ロンドン塔のから少し東に行ったところ(ホワイトチャペルの南の端)からまっすぐ東へと伸びる長い通りだ。現在はDLRの高架がかかっており、通りの全長はDLRでほぼ2駅分となっている。Google Street Viewで見ると、この一帯は「真新しい」と呼んでよいような建物がかなり多くあり、21世紀になってからずいぶん再開発が進んだことが一目でわかる(むろん、ドックランズの再開発にともなうものだ)。そのような中にも、ヴィクトリアンの一般的なレンガの建物が残っていたりもする。このトピックとは関係ないが、ケーブル・ストリートの西の端の区画には、「切り裂きジャック博物館」もある。

1936年10月4日、そういうエリアに、「ファシスト」たちが示威・挑発を目的として乗り込もうとしていた(「ファシズム」は大陸仕込みで「非英国的」というイメージがあるかもしれないが、それは誤ったイメージである。またナチスの人種主義・反ユダヤ主義はドイツに移住した英国人思想家の影響を強く受けている)。それに反対する人々が「奴らを通すな」と集結し、ホワイトチャペルのハイ・ストリートにバリケードと「人間の壁」を築き、道をふさいだ。ロンドン警察は、ファシストのデモ隊をケーブル・ストリートへと通そうとし、カウンター・デモの人々もそちらへ移動。そこで警察がカウンター・デモを散らそうとしたことで大勢の負傷者が出たが、ファシストのデモ隊はUターンした(以上、参考記事に基づく)。その一連の経緯の記録映像を短くまとめて解説をつけたものが、上にエンベッドしたニュース映像だ。(当時はこのようなニュース映像は映画館で作品の上映の前に流していた。この映像はどこの映画館で、どんな映画と一緒に人々に見せられたのだろう。「あ、あれ俺! 俺!」なんてこともあったに違いない。事実の細部への興味は尽きない。)

デモを行なったのは、1936年当時、政治的に意味のある勢力になろうとあがいていた「英ファシスト連合」である。1930年代を通じて「第三極」的な期待を集めた大衆政党からいわゆる「泡沫政党」的レベルにまで落ち込んでいたファシスト連合は、リーダーのオズワルド・モズレー(モズリー)を先頭に、軍服的制服に身を包んで「ユダヤ人の街」に乗り込んでやる、と鼻息を荒くしていた。予定では、制服姿の「リーダー」はイーストエンドを練り歩き、そのまま飛行機に乗ってドイツに向かい、ゲッベルスの家で、ヒトラーを来賓に迎え、当時話題の女性セレブ、「ミットフォード姉妹」のひとりのダイアナと結婚式を執り行う、という大掛かりなパフォーマンスを決行するはずだったという(参考記事。なお、「ロンドンを練り歩いて飛行機で……」は失敗してパフォーマンスは出鼻を叩き潰されてザマァ、ということになったものの、結婚のイベントは予定通りに行なわれている)。

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2016年10月03日

コロンビアの「歴史的和平合意」は、レファレンダムで僅差で否決された。

今日は、「コロンビア和平が成立した。今年のノーベル平和賞は確実だろう」と書いて、関連のニュース系フィードをクリッピングするつもりだったが、予想外の結果が出た。しかも、ここ数年で「僅差で決まった」と描写されたレファレンダムや選挙の中でもとりわけ「僅差」度が高い。

BBC Newsは既にトップニュースからは落ちているが(「賛成」で決まっていたらたぶん延々とトップニュースにしていたはずだ)、ガーディアンのインターナショナル版では今もトップニュースだ。



Colombia referendum: voters reject peace deal with Farc guerrillas
Sibylla Brodzinsky in Bogotá
Monday 3 October 2016 12.10 BST
https://www.theguardian.com/world/2016/oct/02/colombia-referendum-rejects-peace-deal-with-farc

President Juan Manuel Santos fails to win approval as voters balk at an agreement that included amnesty for war crimes


ガーディアン記事は、この和平を進めたサントス大統領が当選した2014年の選挙での投票状況と今回のレファレンダムでの投票状況のマップを並べて比較している。

Santos, who watched the results come in at the presidential palace in Bogotá, said he would send his negotiators back to Havana to meet with Farc leaders on Monday. “I will not give up,” he said in a televised address. “I will continue seeking peace until the last day of my presidency.”

He added that the bilateral ceasefire that has been in place since 29 August would continue.


(これは「エクストリーム交渉」のフラグ……ついに北アイルランドに強敵出現か)

日本のメディアの報道の例:
コロンビア和平、国民投票で「反対」が勝利
朝日新聞デジタル 10月3日(月)8時3分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161003-00000010-asahi-int&pos=4
or http://www.asahi.com/articles/ASJB32J25JB3UHBI00D.html

選管当局によると、開票率99・59%で、和平合意の内容に「反対」は50・23%、「賛成」は49・76%だった。


事前の世論調査では「反対」は4割弱だと言われていた(上記朝日記事にもあるが、英語圏の報道でも見た)。

コロンビア和平のプロセスは、北アイルランド和平をひな型のひとつとして進められてきた。北アイルランドの当事者(IRAおよびシン・フェインも、ロイヤリストの側も、また武装主義を拒否してきた政治家たちも)がコロンビアに行ってパネル・ディスカッションを行なったりしている。

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2016年09月30日

@niftyに置いてあるサイトを移行した。最終期限が9月29日の予定が11月10日まで延長されたので、まだやっていない方は今のうちにどうぞ。

長く使ってきた(というか、数年使ったあと、長く更新もせずそのままにしてきた)「@homepage」のサービスが2016年9月を以て終了すること、「@homepage」利用者は現行の@niftyのサービスに移行しないとサイトが消滅してしまうことが@niftyから告知されてからほぼ8ヶ月、猶予期間の終わりも近づいた9月25日(日)に、ようやく移行の作業を行なった。

移行前の旧URL: http://homepage2.nifty.com/nofrills/
移行後の新URL: http://nofrills.in.coocan.jp/

niftyの会員が無料で利用できるウェブサイト・スペース(「ホームページ」)は、nifty.comになる前のnifty.ne.jpだった時代には使っていなかったので(初期は私のウェブサイトはgeocitiesだけだった)、その切り替えは自分では経験していないが、何となく検索してみると1999年10月のInternet Watchの記事が見つかった(Internet Watchのこの「過去記事保全」は、本当にすばらしいと思う)。1999年以前からニフティサーブで「ホームページ」を作っていた人は、今回の2016年の移行で二度目の移行となるのだろう。iswebの消滅を経験している自分としては、@niftyがこれまでどおり無料で使える後継のサービスを用意して、移行できるようにしてくれているのはありがたい。

@niftyによる告知のページを見たら、「お客様の移行状況を鑑み、サービス提供終了日を2016年 11月 10日(木) 15時に変更することといたしました」と追記されている。移行期間が延長されている。当初予定の9月29日までに移行の手続きを取らなかった人も、もし、移行のタイミングを逃してしまった場合や、このまま消滅させるかどうかで迷っている場合は、11月10日15時までなら移行ができるので、少し時間があるときにやってしまうとよいと思う。また、ネット上からは消滅させたい/消滅させてもかまわないが、手元には取っておきたいという場合は、11月10日までは旧サイト(@homepage)でFTPを使ってアクセスしてバックアップもできる。

で、その移行のことについて記録を残すという意味でちょっとブログに書こうとしていたのだが、やらずにだらだらと数日を過ごしてしまい、気づいたら旧サービス閉鎖期限の9月29日午後3時を過ぎていた。私自身も8月末のInternet Watchの記事をはてブで見かけて「おっと、急いでやらねば」と思ったので、うちのようなたかが個人のブログでも書いておけば誰かにとってリマインダーになるかもしれないと思っていたのだが、だらだらと過ぎてしまったので、このまま書かずにいるのかな……というところで、移行期間延長の告知が出たので、一応、書くだけ書いておこうと思った次第。

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2016年09月28日

北アイルランドの「パロディ・アカウント」の「中の人」の正体が判明したのだが……(いろいろとすごい)

よく訓練された北アイルランド・ウォッチャーのみなさん、こんばんは。

2012年秋のベルファスト・シティ・カウンシル(市議会)での決定を受けて、シティ・ホール(市役所)での英国旗(ユニオン・フラッグ)の常時掲揚が廃止され、英国旗はメインランド(ブリテン島)の自治体と同じく、特別な日・機会にのみ掲揚することになったあと、2012年末に勃発したflag protests, すなわち「旗騒動」と当ブログで簡略化して呼んでいるもののことは、当然どなたさまもご記憶のことと思います。

市議会でのデモクラティックな決定(普通選挙で選出された議員による議場での議論を経た後の採決での決定)に対し、「俺たちの声を聞け」と、大事な大事なユニオン・フラッグを掲げ(中には上下さかさまに掲げている人もいましたが)、シティ・ホール周辺に連日押しかけたのは、「ロイヤリスト」の人々でした。仕事についていそうにもない若者も大勢、この「抗議行動」に参加していました。

中には建物内に乱入する者が出たりと大変な騒ぎとなりましたし、「騒動」勃発時はクリスマス直前のショッピングの時期であったため、ベルファスト中心部での買い物を控える人が出て(市の人口のほぼ半分を占める「ナショナリスト」のコミュニティの人は、わざわざロイヤリストの集団が大騒ぎしている中には、行きたがりはしませんよね。「ユニオニスト」のコミュニティの人も、「粗暴な若者たち」が大挙してきている場所は、避けようとする人が多いですよね)、商業に顕著な悪影響を及ぼすなどして、連日大ニュースとして扱われていました。「抗議行動」参加者の「エリート」に対する激しい感情は――「感情」だけで内容はないよう、であったにせよ――市の中心部を外れた東ベルファストで、アライアンス党の政治家への言語による攻撃や、その政治家の事務所への攻撃(ペイント・ボムなど)という形でも噴出しました――それらは「旗騒動」が起きていなくっても行なわれていたことであったにせよ。

この「抗議行動」を組織していたのが、悪いことはすべてIRAのせいにしてしまうことで知られる「いつものあの人」的中年の活動家と、2016年9月の現在では「ちょ、おま、なんでシン・フェインと……」ということになってる人なんですが、当時は「ワーキングクラス・プロテスタント/ロイヤリストの若者代表」のようにふるまい、そのようにみなされていた1990年生まれの若き活動家、ジェイミー・ブライソンでした。ジェイミーは「旗騒動」の前から過激な活動(ただし直接的武装闘争ではなかった)を行なっていて、ネットでも積極的に発言してきた人です。その「知る人ぞ知る」活動家がBBCやベルファスト・テレグラフのような大手報道機関に普通に出てくるようになったのは、「旗騒動」とその後の逮捕、およびデモ参加禁止、携帯電話使用禁止などの条件での保釈といった「ニュース」で「時の人」となってからでした。今では、「北アイルランド・ウォッチャーなら顔写真を見るだけでどういう名前のどういう人かがわかる」ような有名人の一人となっていますね。

さて、2012年年末の「旗騒動」のあと、ネット上にひとつのもんのすごい「パロディ」ムーヴメントが誕生しました。デモクラティックな手続きによる決定に反対する「旗騒動」を皮肉ってLoyalists Against Democracy, 略してLAD……彼ら「旗騒動」参加者の多くが "lad" と呼ばれる男性たちであることを踏まえた、完璧すぎるネーミングです。さすが詩人たちの国、言葉の国、とアイルランドのステレオタイプで納得してしまってもゆるされるほど、見事だと思います。Twitterのアカウントは@ladfleg, "fleg" というのは「旗騒動」の参加者たちの発音する "flag" という語を音声的に忠実に再現した表記です。

ladfleg.png
※ケン・ローチのアカウントがフォローしているとは……映画化決定か?(爆笑)


このアカウントは、「婚姻の平等」(つまり「同性カップルも異性カップルと同じように結婚できるようにすること」)の実現を求める運動に参加しているので、現在はアバターがレインボーカラーになっていますが、元々はオレンジ色(ロイヤリストの色)でした。このアカウントがどういうアカウントなのかは、活動開始から1年を迎えた2013年12月にSlugger O'Tooleのライターの一人がアカウントの「中の人」である「ビリー」(笑)に話を聞いて書いた記事があります。

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2016年09月25日

テリー・ジョーンズが言葉を失いつつあるという。

モンティ・パイソンの一員、「裸のオルガン弾き」、「スパム」スケッチのウェイトレス、「哲学的フットボール」のカール・マルクス、「ザ・ビショップ」の町でブイブイ言わしてる司教、「スペインの異端審問」の大ボケ枢機卿…… Er, nobody, er, expects, er...



そのテリー・ジョーンズが「もうインタビューには応じることができない」状態であることが、BAFTAカムリ(ウェールズ)の特別貢献賞受賞という機会に明かされた。認知症の診断を受けているという。最初の告知はモンティ・パイソンのサイトで行われたようだが、その後、各報道機関がどっと報じている。そのうちのひとつ、ガーディアン掲載のPA記事。

Monty Python star Terry Jones reveals dementia diagnosis
Friday 23 September 2016 12.05 BST
https://www.theguardian.com/culture/2016/sep/23/terry-jones-monty-python-star-dementia-diagnosis-bafta-cymru

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2016年09月16日

「個人」として、「戦争にさよなら」するために……映画『クワイ河に虹をかけた男』

タイの首都バンコクの高架鉄道(ほんの数年前のデモのときに駅が閉鎖されたりしてTwitterで現地のデモ参加者が様子を報告していたことを思い出す)を、DAIKINというアルファベットが書かれた列車が走っている。大阪に本社のあるエアコンで有名なあの企業のラッピング広告だろう。

非都市部にある、私の目から見れば「掘っ立て小屋」と呼んでしまうような、おそらく電気も通っていない家。曾祖母が暮らしていた家のように広い土間の空間があり、居室空間は人が腰掛けたときの高さで作られた床の上。高齢となった男性が一人暮らすその居室空間の片隅に、NISSINという、非常に見慣れたロゴが印刷された段ボール箱が置かれているのをカメラはとらえている。薄暗い場所にぽかっと浮かぶ赤い企業ロゴ。日本企業のロゴ。

その家に暮らす男性は、元労務者だ。日本語での「労務者」は、日常の語彙ではあまり使わないが、「肉体労働者」の意味だ。しかしこの男性は――つまり「ロームシャ」として現地の言葉の語彙にも入っていることばで言う「労務者」は、第二次世界大戦中、日本軍の占領下で肉体労働に狩り出された人々のことだ。英語では "forced labourer" と表す。このような "forced" を「強制」と訳すと、所謂「厳しいご意見を頂戴」することになりかねない昨今だが、ともあれ、日本語ウィキペディアの「労務者」のページを見て、私は今、どうしたらいいのかわからないという気持ちにもやもやと包まれて、画面を見ている。これは「曖昧さ回避のページ」であり、「事典のエントリー」ではない。ここには「これは、かつては差別的なニュアンスで使われていたが、今は使われない用語である」と一般的な語義があり、「華人労務者」のエントリーへのリンクがあり、「労務者(映画)」へのリンクがある。しかし、肝心の、(「華人」以外の))「労務者」(第二次大戦中に「労務者」として狩り出された占領下の人々)について何かを調べようと思ったら、英語版ウィキペディアのRomushaのエントリーを見なければならない。



今、この文章を打ち込んでいるキーボードの横には、今日見てきた映画のパンフレットを開いている。映画を見ながらノートにとっていたメモの、めちゃくちゃな文字(暗い中で、手元を見ずにペンだけ走らせているので、自分で書いたとはいえ解読が大変である)に目をやる。カギカッコつきで、こういう言葉を書き付けている。

「こういうことを我々は平気でしてるわけ。後始末もしないで」


この言葉の主は、永瀬隆さん。英語話者。日本陸軍の通訳者として、「労務者」として連れてこられた東南アジアの人々と同じ場所にいたことがある日本人。

そして、日本軍の元で死ぬまで働かされ、集団で埋められた「労務者」を弔うということをしてきた日本人。

苛酷な環境を生き延び、戦後は「元労務者」となった人々と、個人と個人としてつながり続けた日本人。

語るべきこと、公にすべきことを持ち、そのために何十年間も活動してきたひとりの日本人。

今日見てきたのは、ドキュメンタリー映画、『クワイ河に虹をかけた男』である。監督は、KSB瀬戸内海放送の満田(みつだ)康弘さん。満田さんは、テレビのドキュメンタリーとして永瀬隆さんの活動を取材するようになってから20年以上にわたり撮りためてきた映像と、そして無数の言葉から、119分の映画を作った。





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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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