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2008年05月12日

ある「殺人」の記録――無数に起きている同種の「殺人」の一件の

以下、非常にショッキングな話である。なるべく感情を交えずに(感情を封印して淡々と)書くつもりだが、実際に泣いているので、どうしても表面に出てきてしまうものがあるだろう。それでも私は、「宗教のせいでこんなことになったのだ」とは思っていないし、そう書くつもりもない、ということは最初に書いておく。「宗教」のせいではない。これは「宗教の解釈」のせい、「部族の名誉を守ること」を「神のご意志」だと弁解して起きることなのだ。「宗教」のせいではない。

4月27日、オブザーヴァーに衝撃的な記事が出ていた。イラク南部、シーア派の民兵組織が群雄割拠状態のバスラで、17歳の女性が、父親によって殺された、という記事だ。

Her crime was to fall in love. She paid with her life
Afif Sarhan in Basra, Mark Townsend and Caroline Davies
The Observer, Sunday April 27 2008
http://www.guardian.co.uk/world/2008/apr/27/iraq.military1

「彼女の罪は恋に落ちたことだった。彼女はそれを生命で支払った」という見出しにあるとおり、彼女は、「許されざる恋」をしたと見なされ、「家を穢した」と断罪され、実の父親に絞め殺された。いわゆる「名誉殺人」である。

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2008年04月28日

「原理主義的無神論者」たちの「宗教」の否定=「反・宗教」

しばらく前から何度か、英メディアの記者ブログ、論説ブログなどで、"fundamentalist/fundamental atheism", "atheist fundamentalism" といった表現を見かけて、「変なの」と思っていた。(「夜食に最適な朝食メニュー」みたいなことになっている。)

そんなおり、macska dot orgさんの下記記事を読んで、あれが一種の「用語」であると把握した。

米国を席巻する「新しい無神論者」の非寛容と、ほんの少しの希望
4/25/2008 - 12:01 am
http://macska.org/article/224

これは、米国に滞在しておられるmasckaさんが、atheistのグループに実際に参加され、そこでの「無神論」がどのようなものであるかを、非常に読みやすい形でまとめてくださっている文章だ。翻訳者にとっては必読であり、このテーマに興味のある人は読んでおくとよさそうな文章である。ただし、それなりの前提を共有していないと、論旨を取り損ねるかもしれない(いかなる文章でもそれは同じかもしれないが)。

なお、この文章は、メールマガジン「α-Synodos(アルファ・シノドス)」の第一号に掲載されたものであるとのこと。興味がおありのかたはサイトにぜひ。

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2008年04月16日

BBCで、ピーター・テイラーのAge of Terrorというシリーズがスタート

ageofterrorbanner-s.gif

BBCで、ピーター・テイラーによるドキュメンタリー・シリーズ、Age of Terror が、15日からスタートしてます。週1度の放送で、4回シリーズ。BBC Twoで、夜9時からです。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/age_of_terror/

ピーター・テイラーは――名前が平凡すぎてウェブ検索するのが大変なうえに、ウィキペディアにもほんの少ししか書かれていないのだけど、テロリズムの分野では非常に著名なジャーナリストです。1970年ごろから北アイルランド紛争を取材し非常にすぐれた業績を残し、ほか、パレスチナ紛争、バスク独立紛争、南アの反アパルトヘイト闘争/紛争、そしてアルカイダと、さまざまな「紛争/テロ」を取材しています。今年2月に北アイルランド映画祭で来日していたマーゴ・ハーキンさん(デリーの人で、ブラッディ・サンデイ事件の目撃者)も講演のなかで、ピーター・テイラーの名を出して「BBCの報道は基本的にひどいものだが、ピーター・テイラーのようなジャーナリストもいる」とおっしゃっていました。

【ピーター・テイラーの本】※入手困難なものも含めてある。
1575000776Behind the Mask: The Ira and Sinn Fein
Peter Taylor
TV Books Inc 1999-03

by G-Tools


0747538182Provos: Ira And Sinn Fein
Peter Taylor
Bloomsbury Pub Ltd 1998-09

by G-Tools


0747545197Loyalists
Peter Taylor
Bloomsbury Publishing PLC 2000-01-17

by G-Tools


074755806XBrits: The War Against the IRA
Peter Taylor
Bloomsbury Publishing PLC 2002-02-18

by G-Tools


0140523375Beating the Terrorists (Penguin Special)
Peter Taylor
Penguin Books Ltd 1980-10

by G-Tools


※このあとは、すぐあとで書きます。→書きました。「続きを読む」で。

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2008年04月14日

バビロンの遺跡と「イラク戦争」についての展示を大英博物館が企画

イラク戦争が――というか、米軍の無定見、「歴史」への敬意の欠落が、バビロンの遺跡にもたらしたひどい影響について、大英博物館が今年の11月に予定されている「バビロン展」で大々的に取り上げるらしい。ガーディアンのレポート。

Exhibition exposes modern tragedy of Babylon
Robert Booth
Monday April 14, 2008
http://arts.guardian.co.uk/art/news/story/0,,2273427,00.html

「バビロンがひどいことになっている」というのは、たぶん独立系メディアやイラク人、イラク関係者のブログで英語の記事では何度も目にしているが、大手メディアではあまり大々的には取り上げられない。(「あまり〜ない」というのは、タリバンによる仏教遺跡の破壊、アルカイダ系組織によるサマラのモスクの破壊などの事例について、自分が特に意識していなくても入ってきた情報の量と感覚的に比較してのことで、具体的数値を示せるわけではないのだが。)

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2008年03月30日

【メモ】29日、バスラの戦闘に英軍が参加。

以下、メモ。あとで書き足します。この数日間の情勢もあわせて。

バスラの戦闘に英軍が参加しました。イラク軍からの要請に応じて、民兵側の迫撃砲の発射地点に砲撃を行なったとのこと。BBCの第一報:

British Army joins Basra fighting
Last Updated: Saturday, 29 March 2008, 16:00 GMT ※日本時間30日午前1時
http://news.bbc.co.uk/2/hi/in_depth/7320696.stm

The British Army have fired artillery shells at a mortar position in support of Iraqi forces in southern Iraq.

The British Army spokesman in Basra, Major Tom Holloway, said the artillery barrage was in response to a request from Iraqi ground forces. ...


これまで行なっていた空からの援護は偵察で、攻撃は今回が初めてだそうです。

別のBBC記事には、イラク全土で今回の作戦での死者は少なくとも200人とあります。本当に最悪です。

以上、書きかけ。
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2008年03月26日

【メモ】イラク全土でシーア派武装組織に対する掃討作戦・武力衝突

昨日の「バスラでの対武装組織掃討作戦」のメモの続き。事態が拡大しているので新規エントリとする。(なお、このエントリも前のと同じく「メモ」的な意味で随時更新するので、自分がうっかりコメント欄に書き込んであとからどこに何を書いたかわからなくならないよう、コメント欄はクローズしておきます。)

まず、現時点のBBC最新記事(news.bbc.co.ukのトップ記事でもある):
Unrest spreads around Shia Iraq
Last Updated: Wednesday, 26 March 2008, 03:40 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/7313894.stm

つまり、事態(バスラの作戦名はCharge of the Knightsというらしい)はイラク全土のシーア派地域に拡大した、という記事で、バスラ以外に戦闘・武力衝突が起きているのはバグダードのサドル・シティなど。クット、サマワ(あのサマワです)、ナシリヤ、ヒッラ、ディワニヤでは外出禁止令が発令されている。現時点での死者数は少なくとも30人。(ということは、dozensで数えるくらいに死者が出ていると考えるのが妥当だろう。)

バスラ上空は「連合軍(coalition)」(まだこの用語が使われているんだよな。英軍と書けばいいのに)のジェット機が旋回、戦闘が激しい地域へのジャーナリストの立ち入りは治安当局によって止められており(→遠くで銃声がものすごい勢いで響いていたり、目の前でメフディ軍の人が物騒なことをしている様子をとらえた映像がBBC World News@YouTubeにあります。たぶんBBC News記事のWatch Videoのところにも同じ映像がある。映像はたぶんロイターのもの)、BBC特派員は火曜日の日没の時点ではどちらが優勢ということははっきりわからないと伝えている。

イラク軍スポークスマンはAPの取材に対し、バスラ市の中心部でメフディ軍からの激しい抵抗にあったと述べている。

バグダードではグリーンゾーンにロケット砲が打ち込まれ(今のところ死傷者なし)、米軍とイラク軍はサドル・シティを封鎖。サドル・シティの中では激戦。

ワシントンでは例の「キューバ危機がわかんなくってちょっとパニクっちゃった」的美人広報官が、「今回の作戦はイラクによるもの(Iraqi-led and Iraqi-initiated)」と強調。ということは、記者から「アメリカ/『連合国』が動いたのではないか」という質問があったということでしょう。

BBCアナリストによると、サドル派は今回の「首相じきじきに監督しているイラク政府の作戦」について、10月の地方選挙前にサドル派を弱体化させておく目的で行なわれているものだと考えており、アナリストはそれについて「マリキ首相は非常に危険性の高い戦略に乗り出した」とコメントしている。作戦が成功するとの見込みはまるで立っていない。サドル・ムーヴメントは、特に若くて貧しい人々の間で広範な支持を集めており、バスラなど南部のシーア派地域ではすっかり定着している。そして、サドル派の停戦が破棄されることになれば、イラク政府と米国政府の主張(イラクは曲がり角を過ぎ、内戦から政治的和解へと進みつつある、というもの)が危うくなる。

――というのが、現時点(日本時間26日午後4時ごろ)でBBCが伝えている最新の情勢。

以下はBBC以外のメディアから。(随時更新)

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2008年03月25日

【メモ】バスラでイラク治安当局対メフディ軍の戦闘

まだ第一報の段階でよくわからないのだが、BBCとAFPの記事の情報源と雰囲気(内容というより)がちょっと違っていて、ブックマークしておくだけでは後から意味不明になりそうなため、メモとしてこちらにざっと書いておく。

以下、ムクタダ・サドルの民兵組織については、基本的に「メフディ軍」と表記する(「マフディ軍」との表記もある。英語ではMehdiとMahdiの2通りの表記がある)。

BBC:
Fierce clashes break out in Basra
Last Updated: Tuesday, 25 March 2008, 07:33 GMT ※多分まだこれからどんどん更新される。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/7312078.stm

AFP:
Fierce fighting erupts in Iraq's Basra city
1 hour ago ※上のBBC記事とほぼ同時刻に出ている。(Google Newsで確認)
http://afp.google.com/article/ALeqM5gC8ijfQL67ZnXJbpz_bz15QZBu3w

要点としては、バスラ(前日にマリキ首相が訪れたばかり)でイラク治安当局とメフディ軍の間で戦闘となった。AFPによると現地時間午前5時(日本との時差はたしか6時間だから、日本では午前11時か?)に戦闘が開始された。負傷者が病院に搬送されているが、死者は報告されていない。

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2008年03月23日

「サダム・フセインの極悪非道な犯罪行為」から20年目、メディアは静かだった。

言い訳にも何もならないのだが、今週(16日からの週)はジョナサン・パウエルの「NI和平の舞台裏」の本についての記事の山とグッドフライデー合意10周年関連の記事の山で、もう、どこもかしこも、坂口安吾の部屋に積まれている書籍状態だった。(合意は、日付的には1998年4月10日なのだが、それが「イースター」だったので、BBCなどでは2008年のイースター、つまり今週末と4月10日とに分けて特集を組むらしい。)それに加えて、イラク戦争開戦から5年(3月20日)、チベット、アントニー・ミンゲラの急死、それから16日はセント・パトリックス・デイだったのでその関係の話、それとかなりどうでもいいんだけどヒラリー・クリントンがNI和平に果たした役割についてなどなど、読むべきものの量がハンパじゃなく、どれを読んでもどっと疲れる、といった具合。

というわけですぐにはニュースサイトを見て回ることもできなかったのだが、2008年3月16日は、「ハラブジャ事件」からちょうど20年という日だった。
http://en.wikipedia.org/wiki/Halabja_poison_gas_attack

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2008年03月17日

「壁」で分断されたバグダードから、イラク人ジャーナリストが伝えること


One of my favourites was the Mutanabi book market. The cafes and teahouses lining the old street had became a hangout for journalists, poets and artists, and with them had come the book market. It was here that I used to buy my illegal photocopies of Marx's Communist Manifesto - in Arabic - and Orwell's 1984.

Last week, I went back to Mutanabi. To reach it I travelled through bullet-pocked Bab al-Mu'adham, past countless checkpoints: Shia police commandos, some carrying newly US-supplied M-16 guns, hunkering behind sandbags, Sunni militiamen in khaki trousers, T-shirts and trainers.

Mutanabi street itself looks like a scene from a second world war movie, a couple of gutted buildings, heaps of garbage in the muddy road. Before the war, booksellers spilled into the road and you had to push and shove to walk down the street; now there were only half a dozen of them.

The street was targeted by a car bomb, killing dozens, a few months ago. A week later the prime minister, Nouri al-Maliki, vowed that he would rebuild the street. When I went there, a lone small concrete mixer had been left in the middle of the road as if to indicate that his excellency's words were taken seriously.

http://www.guardian.co.uk/world/2008/mar/17/iraq1


北アイルランド和平についての総括的な報道がガーディアンで始まっているので、リンク紹介くらいしかできないのですが、バグダードから、「G」ことGhaithのレポートが入っています。彼をレポーターとして制作された開戦5周年のテレビ番組の抜粋映像つき。
http://www.guardian.co.uk/world/2008/mar/17/iraq1

「G」はサラーム・パックスが「バグダード・ブロガー」として世界的に注目されたときに数ヶ月間ブログを書いていたサラーム・パックスの友人のひとりで、その後ジャーナリストとして活動し、2004年には米軍の攻撃で負傷したりしているけれど、まあとにかくこの人はどこにでも行くから(2004年のナジャフとかカルバラとか、ファルージャとか、2006年以降の極度に不安定化したバスラとか)、彼が元気でいてくれることがわかることは、ブログ時代からの読者としては嬉しいのですが、彼の伝えることは胸に突き刺さるようなものばかりです。

映像は、「バグダードの今」を映しています。バグダードといえば爆弾とか流血の光景ばかりがテレビ画面に出てくるので、この映像を見て「何だ、意外と平和じゃん」と思えるかもしれない。でもそこにあるのは、「壁」です。「壁」で分断された都市です。

バグダードの人であるGhaithは、この都市をどう見ているのだろう。映像の中の彼は「まさに仕事中」で、彼の心情はうかがい知ることは私にはできません。でも同じURLで読める記事には、それがはっきりと書かれています。

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2008年03月07日

銃撃、銃撃、銃撃

20年前の3月7日、英領ジブラルタル(地理的にはスペインといったほうがわかりやすい)で、3人のIRA「義勇兵」が、英軍SASに射殺された。

ON THIS DAY: 7 March 1988: IRA gang shot dead in Gibraltar
http://news.bbc.co.uk/onthisday/hi/dates/stories/march/7/newsid_2516000/2516155.stm

今日はそのことを書こうと思っていたのだが、その前に――よりによってこの日に、エルサレムでユダヤ教神学校でガンマンが銃を乱射、学生8人を殺す、という事件が起きた。

下記は現時点での最新記事:
Israel buries shootings victims
Last Updated: Friday, 7 March 2008, 14:26 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/7282948.stm

Funeral processions begin for Israeli students killed by gunman
Rory McCarthy in Jerusalem, Allegra Stratton and agencies
Friday March 7 2008
11am GMT update
http://www.guardian.co.uk/world/2008/mar/07/israelandthepalestinians3

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2008年03月03日

【メモ】「革命家のテロ」という言い方など

昨晩、ETV特集の「ロシア・歴史は繰り返すのか」を見た。「歴史は繰り返す」ということについてのよくわからない(というか「わかりやすすぎる」)提示の仕方が釈然としなかったのだが、それは番組タイトルだからまあいい。それよりナレーションでの「テロリスト」という語の扱いが気になって気になってしょうがなかった。

19世紀のロマノフ王朝のロシアでアレクサンドル2世が暗殺されたことを「テロリストによって(殺された)」、「革命家のテロ」という言い方をしていたのだが、まあそこまでは個人的にはすごく違和感あるけど許容範囲として、その言説における「テロ」が、「国家の武装勢力や治安機関以外の者が、政治的な主義主張によって正当化している暴力」という位置づけをされていたことには、「これに何の注釈もなしというのはちょっとどうか」と思った次第。ただでさえ「テロ」ということばが軽くなりすぎているのだから、もう少し丁寧に扱っていただきたかった。

と思いつつ、番組を見ながら、これはロシア国内での「テロ」の語り方/語られ方なのだろうか、とも思ったのだが。(確か、「革命家のテロ」云々というのは、リュドミラ・なんとかさん(<姓を失念)という歴史家だったか政治学者だったかの話を受けた部分に出てきていたと思うが、ぼーっと見ていたので、記憶違いかもしれない。)

プーチン政権のスピンドクターがおそろしかったなぁ。

※このエントリは自分用のメモなのでコメント欄なし。
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米国による「拷問」を扱ったドキュメンタリ、Taxi to the Dark Sideが今夜地上波で放送

長編ドキュメンタリー部門で米アカデミー賞をとったTaxi to the Dark Side(邦題は「『闇』へ」)が、今日3月3日の夜10時から、NHK総合テレビで再放送されるそうです。アレックス・ギブニー監督最新インタビューつきで。
http://www.nhk.or.jp/democracy/yotei/index.html
民主主義の膝元でテロ撲滅の美名の下“拷問”が容認されるのはなぜか?アフガニスタンで、テロリストと疑われ捕えられ、死亡したタクシー運転手の事例を軸に、アフガニスタンやキューバのグアンタナモで“拷問”に関わった調査官、被害者へ取材、またアメリカの政策決定者への取材を重ね、拷問現場の証拠写真で構成する番組。


映画のサイト:
http://www.taxitothedarkside.com/
Timelineのところは、映画そのものを見る前に目を通しておくとよいかも。

※映画を見たら何か書き足すかも。

2008年02月22日

イラン人男性の英国による強制送還の可能性をめぐるオンライン署名の日本語化

当方の過去記事をご参照くださった「FemTumYum」さんの22日エントリ「その発言がどのような行為となって誰を脅かすのか:イラン人青年強制送還をめぐって」、およびそのエントリで取り上げられている「にしへゆく」さんの20日エントリに関連して、ないよりはあった方が役に立つのではないかという主旨で、英→日の日本語化。

具体的に言うと、「にしへゆく」さんの20日エントリで紹介されている「オンライン署名」の文面の単なる対訳。

「署名をしようと思っているけれども、何が書かれているのかがわからないので署名ができない」という方がおられたら、是非参照していただきたい。

「そもそもこれは何の話なのだ」という方は、「FemTumYum」さん「にしへゆく」さんのエントリをご参照いただきたい。(当方のこのエントリではその点については扱わないが【→といいつつちょっと書いた。エントリの下の方を参照】、簡単に書いておくと、今オランダに身柄があるイラン人男性が、過去に英国で難民申請を却下されており、英国ではヴィザ切れの状態で、オランダから英国に身柄を移送されれば英国からイランに送還される可能性が高い、という状態。)

署名のやり方の図解:
ipetitionhowto.png

上記を入力して送信すると次のようになりますが、サイト維持費の寄付をしない人はそのままウィンドウを閉じてOKです。
ipetitionhowto2.png

元の文書:
save MAHDI in UK
http://www.ipetitions.com/petition/UKMADHI/

以下、全文対訳(多少の意訳あり)。なお、原文の段階から人名の表記ゆれ or タイプミスが見られるが(Mahdi, Mehdi, Madhi)、日本語の文では「メフディ」に統一した。また、文中【 】で記してある部分は訳者による補記である。

なお、このペティションが「誰宛て」であるのかは日本語化した私にも正直よくわからない。個人的には(というか常識的に判断して)、文面に "TO EVERYONE;" とあるのだから、上記ページに名前とメールアドレスを書き入れて送信することは、嘆願書を書いた人に向けた「参加表明」のようなものだと思っておいてよいのではないかと思う。

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オランダ イミグレ 英国 難民申請却下事例

2008年02月16日

アフガニスタンの「和解」の道を追放された専門家が語る。

昨年12月末に、国連の職員とEUの職員が、アフガニスタン政府から国外追放処分となった。国連職員はMervyn Pattersonさん(英国籍、北アイルランドの人)、EU職員はMichael Sempleさん(アイルランド共和国国籍)で、どちらもアフガニスタンでの経験豊富な専門家だ。国外追放の理由は、南部ヘルマンド州で「タリバン」と会って話をしていたからだということだったが、細かいところはよくわからない(よくわからない理由は、あまり詳しいことが大きくは報道されていないことと、私がニュースチェックをあまり細かくはしていないことによる)。

今回、追放されたうちのひとり、アイルランド人のマイケル・センプル氏が、追放後初めてメディアのインタビューに応じた。ガーディアン、16日付で同紙アイルランド部門のトップ、ヘンリー・マクドナルドが記事にしている。(ヘンリー・マクドナルドといえば北アイルランド紛争が専門であるが。)記事は、印刷された新聞では一面の下部に掲載されている。

We can persuade Taliban to be peaceful - expelled UN man
Henry McDonald, Ireland correspondent
The Guardian,
Saturday February 16 2008
http://www.guardian.co.uk/world/2008/feb/16/afghanistan.terrorism

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2008年02月13日

「軍用トラックから降りた兵士たちがデモ隊に向けて発砲を始めた」

マーゴ・ハーキンさんの映画を見たことで、ブラディ・サンデーについてあれこれと読んでいるのだが、今日のニュースでとてもそっくりだなあと思ったものがあるので記事クリップのメモ。

昨年9月、ビルマのラングーンでのデモで、軍隊からデモ隊に対する発砲があり、日本人ジャーナリストの長井健司さん(→カメラは返していただきましょう)を含め何人もが殺された事件について、その場にいた人の証言が新たに出たとの毎日新聞さんの報道。

<ミャンマー>僧侶が証言「1mで狙い撃ち」長井さん射殺で
2月13日2時30分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080213-00000010-mai-soci
 デモ隊は約200メートル進んだ地点で治安部隊によって止められ、軍用トラックから降りた兵士たちがデモ隊に向けて発砲を始めた。撮影を続けていた男性に対し、駆け寄ってきた兵士が約1メートルの距離から発砲。続いて4人の兵士があおむけに倒れた男性の手足を持って連れ去った。男性はカメラを手に持ったままの状態だったという。

 ケーサーインザさんは約5メートル離れた場所から目撃しており「兵士は明らかに男性を狙って撃った」と明言した。その後の海外メディアの報道で男性が長井さんと知ったという。

※引用文中の太字は引用者による。

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ビルマ Bloody Sunday 北アイルランド

2008年01月29日

BBC特派員レポート、「世は疑心暗鬼でも人は熱烈歓迎」

BBCの記者で、アフガニスタン、パキスタン、イラクなどからレポートしているKate Clark記者の記事:

Hospitality in a suspicious world
Last Updated: Saturday, 26 January 2008, 12:05 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/from_our_own_correspondent/7209024.stm

記事のタイトルは、「世は疑心暗鬼でも人は熱烈歓迎」といったような意味だ(無理やり四字熟語を使っているので若干不自然だが)。「イスラムの地域」で長く記者をしてきた白人女性である彼女が、BBC Radio 4のFrom Our Own Correspondentという番組で、「イスラムの地域」で自分が経験したことを語っているものだ。

番組は、放送後1週間はサイトで聞ける。下記リンクで開くページの右サイドバー、ListenのSat(土曜日)をクリックでプレイヤーが立ち上がる。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/from_our_own_correspondent/default.stm

この日の番組は、ケイト・クラークのほか、ファーガル・キーン(ルワンダ虐殺を取材した彼は、今は暴力が激化しているケニアにいる)ら。さっき、作業をしながら一度ざっと聞いただけだが、視聴が可能な間にもう一度聞こうと思っている。

なお、この番組はpodcastでの視聴も可能。DL可能期間は、ラジオと同様、放送後1週間。ケイト・クラークやファーガル・キーンのレポートは26 Jan 08の放送分で。(ファーガル・キーンのレポートは、ケニアのエスニック・コンフリクトがひどくなりつつある段階のものとして、ちゃんと聞いておくべきものかもしれない。)
http://www.bbc.co.uk/radio/podcasts/fooc/

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2008年01月21日

バグダードの「ピースライン」

「ピースライン」というのは、北アイルランドのコンテクストで知ったことばだが、難民となってシリアに逃れたイラク人の「帰還」の体験談をBBCで読んだとき、まっさきに頭に浮かんだのはこのことばだった。

Iraqi refugees: "We can't return"
Last Updated: Friday, 18 January 2008, 12:16 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/talking_point/7179657.stm

イラクに戻ることにしたのは、自宅がどうなっているかを確認する必要があったからです。小さな店も2軒、やってましたし、それもどうなっているのか不安で。確認しなくてはというのは逼迫した話で、戻るのは怖いとか言っていられなかったんですね。

こう話す女性(仮名で「ウンム・アリ」)は、1年前にバグダードからシリアのダマスカスに逃れたイラク人だ。彼女は宗派としてはシーア派だが、居住区域はスンニ派が多いエリア(アル=アマリヤという地域)だった。

今ではメフディ軍(ムクタダ・アル=サドルの私設武装組織)がコントロールしているシーア派の地域から、アル=アマリヤに近づくと、臨時で設けられた検問所があり、イラク軍と米軍の兵士が警備についていました。

所持品検査を受けた私は、コンクリートの防壁の向こうのアル=アマリヤ地区に通してもらえました。


BBCの記事のページに資料写真的に掲示されているが、バグダードでは「スンニ派の地域」と「シーア派の地域」とを隔てる「壁」が建設されている。写真を見ると高さ1メートル50センチくらいだろうか、イスラエルが建設を強行している「壁」やら、北アイルランドの「ピースライン」ほど物体として威圧的なものではない。それでも、「宗派」に基づく「分断」が、こういう物体として可視化されたことの意味は、決して小さくはない。見た目は東京の住宅街の家屋のブロック塀に似ていなくはないかもしれないが、これはそういう塀とは違う意図で作られた物体である。

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イラク イラク戦争 難民 暴力の現場 セクタリアニズム 「壁」

2008年01月15日

"We are blessed or cursed to live with each other"(ダニエル・バレンボイム)

"I am not a politician," he told us. "But I know one thing. There is no military solution. We are blessed or cursed to live with each other... Even not very intelligent people are saying that the occupation has to be stopped."

「私は政治家ではありませんが、これだけはわかっています。軍事的解決などというものはない。わたしたちは一緒に生きていかねばならないのです、それが恵まれたことなのか呪われたことなのかはあるでしょうが……あまり学のない人たちでさえ、占領はストップされねばならないと言っています」

上記は、パレスチナの市民権を得たダニエル・バレンボイムのことばとして、BBCのTim Franks(エルサレム支局)が、1月14日付のJerusalem Diaryで引いていることばである。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/7186757.stm

バレンボイムの市民権は、ラマラのパレスチナ自治政府が授与した「名誉市民権」で、上にあるバレンボイムの発言は、ラマラでの授与式のあとの記者の質問に答えたものだそうだ。なお、授与式はラマラで行なわれ、バレンボイムはラマラのCultural Palaceに寄贈した新品のSteinwayのピアノで、ベートーベンのソナタを3曲、演奏した。アンコールはショパンのノクターンだったそうだ。

記事を書いたBBCのTim Franksは、ほんの何日か前に同じラマラでブッシュ米大統領が示した楽観的な考えについて「あなたも同じお考えでしょうか」と質問した。バレンボイムの反応について、彼は次のように書いている。

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shoot to kill バレンボイム 音楽 イスラエル パレスチナ

2008年01月13日

陰謀論は陰謀によってもたらされたに違いないという陰謀論が噴出すること必至の写真

産経新聞さんの一枚の写真:
【先週の政界名場面】にこにこ握手している場合か、石破さん!
2008.1.13 08:33
http://sankei.jp.msn.com/photos/politics/situation/080113/stt0801130833001-p1.htm
拡大写真:
http://sankei.jp.msn.com/photos/politics/situation/080113/stt0801130833001-l1.htm
スクショ:


キャプション:
参院外交防衛委員会で新テロ対策特別措置法案が民主党など野党の反対多数で否決されたが採決を終え、握手を交わす町村信孝・官房長官と自民党の山本一太氏(手前)、石破茂・防衛相と民主党の浅尾慶一郎氏(中央)。右は民主党の藤田幸久氏 =10日午後4時24分、国会・参院第一委員会室


写真が見られなくなったときのためにメモっておくが、左から、町村(いつもの態度)と山本(背中からのショット。深々と頭を下げ、町村の手を両手で握っているようだ)、石破と浅尾(横顔、両者満面の笑み)、キャプションにはないが石破と浅尾の向こう側にカメラの方に顔を向けた高村(外務大臣、笑顔)、そして浅尾の背後に藤田、という配置。(敬称略)

この民主党の藤田というのは、新テロ対策特別措置法の衆院での再可決という場面で「9.11捏造の証拠を見せた」、というか「国会でUFO」の次は、「国会で陰謀論」ですか、と言いたくなるようなことをした(<リンク先衆院TV、18分ごろから)稀代のうつけである。

産経新聞は「にこにこ握手している場合か、石破さん!」と石破にツッコミを入れる見出しを立てているが、この写真でツッコミ対象として最も注目すべきは藤田の笑顔だろう、どう見ても。あと浅尾も。(浅尾は「金融出身」との理由で藤田から指名されて株式取引についての質問に回答している。)

まったく、茶番もいいところだ。あんまり頭に来たから、藤田が国会で「9.11陰謀説」を持ち出したのは陰謀のせいだ、ということで、陰謀論の連鎖をとなえてみる。(<あんまりマジで受け取らないでください。)

2008年01月05日

イラン、ガーディアンの記者を事実上の国外退去に

なんてこった。ガーディアンのイラン特派員、Robert Taitのヴィザ更新をイラン当局が認めず、Taitが事実上の国外退去となってしまった。これで英語の新聞で書いている英国人記者はイランからいなくなってしまったそうだ(BBCなどテレビ局の記者はいる)。

Guardian's Tehran correspondent expelled without explanation
Saturday January 5 2008
http://www.guardian.co.uk/media/2008/jan/05/pressandpublishing.iran

記事によると、ロバート・テイト記者はイラン人と結婚しているのだが、在留許可(ヴィザ)と居住許可(レジデンス・パーミット)の更新が認められなかった。ガーディアンの編集長が直接イランの文化・イスラム指導省に申し立てを行なったがダメだった。イラン当局は申請却下の理由は説明していない(申請却下の理由を説明しないのは英国も同じかもしれないが。英国では、not satisfied that you are ... だったかnot convinced that you are ... だったかという文面で伝えられるはず)。彼はイラン特派員としてテヘランで3年近くを過ごしているが、既に英国に戻っている(だから本人にも夫人にも身の危険はない)。イラン当局は、ガーディアンが別の記者を派遣する場合は手続きをしてください、みたいなことを言っているらしい。

テイト記者の書いた記事が当局の反感を買ったことで、昨年3月に一度、国外退去を申し渡されていたのだが、ガーディアンの申し立てで在住許可が更新されて、とりあえず事なきを得ていたのだそうだ。

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