kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2017年02月06日

【英語】単数形か、複数形か、それが問題だ(The teamなど「ひとつの集団」の扱いについて)

英語で、「ひとまとまりの集団」を単数扱いにするか、複数扱いにするかはけっこう神経を使う。例えば、The team was in London at the time. とするか、The team were in London at the time. とするかといったことだ。

これは、ネット上の英語教師・学習者のフォーラムなどでもよく話題になる。

http://www.english-test.net/forum/ftopic44474.html で検討されているTOEICの問題は、単純に「文法の問題」として考えれば悪問だが(答えが2つある)、何番目かの回答にあるように「ビジネスで意思を伝える定型文」としてみた場合は答えは1つしかないのかもしれない。

http://english.stackexchange.com/questions/76371/jury-was-divided-or-jury-were-divided の質問者の混乱は、私にも「あるある」で("The jury is out" と言い、"The jury were divided" と言う、どっちなんだよ、っていう)大変に興味深いが、この質問への回答に書き添えられている英米差もあり、やっかいだ(英国は複数扱い、米国は単数扱いが多い)。

私の書くものでは英国流で複数扱いをしてることが多いと思うが、一般的にいって、The Beatlesのように団体名そのものが複数形の場合はare, wereを使っても違和感がないが、Pink Floydのように複数形でない場合はare, wereを使うと変なふうに見えるということはあるだろう。

……というわけで、いろいろと気を使うので、煮詰まってくると、「単数・複数が関係ない表現を使えないか」とかいうことを考え始めたりもする。The team was/were in London. ではなく、 The team stayed in London. とすればいいじゃない♪ とか、The team would leave London for Paris. というふうにもできるよね、とか。うん、わかってる。逆にめんどくさいよね。

そんなお悩みを一発でぶっ飛ばしてくれる(あるいは、そんなお悩みをますます倍増させる)「生きた英語」を見かけたのでメモ。内容はヘヴィーだが、英語の例文としてはシンプルだ。

The PSNI's Legacy Investigations Branch (LIB), which was formed in 2014, are currently investigating 1118 killings.

http://www.belfasttelegraph.co.uk/news/northern-ireland/exbritish-soldiers-criticise-psni-decision-not-to-probe-ira-attacks-on-them-35424698.html


これは、北アイルランド紛争期の犯罪(殺人、殺人未遂、傷害、爆発物設置など)の捜査についての記事で(現地には「時効」というものはない)、それら、言ってしまえば「古い」犯罪の捜査のために、通常の警察の業務を行なう部門とは別に、PSNI(北アイルランド警察)のなかに設けられたLIBという部署についての文である。

ひとつの文(複文)の中で、単数形で受けてるところと複数形で受けてるところがある。

理屈をいえば、最初のところが単数形なのは、LIBというチームをひとつのものとして扱っているからで、次が複数形なのは、LIBというチームの構成員それぞれが犯罪の捜査を行なっているから、ということになるだろう。

こういうときに「揃っていない」のが大変に気になるのだが、この例を見る限り、必ずしも揃っていなくてもよいようだ。だからといって、「全部適当でいい」というわけでは、断じてないのだが。

ちなみに、「ひとつのものとして扱う場合は単数形」というのは基本だが、ためしに "a group were formed" というのをググってみたら大変なことになった。仮定法過去の文例も含まれてるけど、それにしてもこれはカオスだ。

学生さんへ: これで「よかった、少し気が楽になった」と思う人はたぶん英語向き。「なんだよ、余計ややこしいじゃん。規則作って揃えろよ」と思う人は、英語以外の文法がっちがちの言語のほうが合うかもしれません。

4760820094英文法解説
江川 泰一郎
金子書房 1991-06

by G-Tools

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2016年11月19日

「誤訳」は「意訳」「超訳」ではないし、「意訳」「超訳」は「誤訳」ではない。(実例つき)

学生さんが試験に通るための英語のお勉強を見るなどしていると、やたらと「フィーリング」、「意訳」という言葉で言い訳をするという例に遭遇することがある。特に英文和訳について生じることが多い。どうにもこうにも点数をあげることができない答案を書いている学生さんになぜこんな日本語訳になるのかと問うと、「フィーリングで何となく」とか「意訳しました」と弁解するのだが、実は「フィーリング」とか「意訳」とかいうレベルには到底達していない(全然グダグダである)ことが多い。(英語が得点源になるような人は「フィーリング」とか「意訳」とかはあんまり自分からは言わないというのが、個人的観測結果としてあるのだが。)

英文和訳では、元の英文の構造が取れているかどうか、その文の内容(言わんとしていること)が正確に解釈できているかどうかを確認する。それぞれ「1か、0か」の白黒くっきりではなく段階的なトーンがあるが、どちらも完璧にできている答案もあれば、どちらもまるでダメという答案もある。そして、英文の構造は取れていなければ話にならないのだが、文の内容が正確に解釈できているかどうかは多少は幅がある。「フィーリング」とかいう話になるのは後者のほうで、前者についてはそんな甘いものが入る余地はほぼない。

単語単位の誤訳は、基本的に後者の範疇に入り、多くの場合はさほど大きな問題にはならないが、その文の中で中心的な単語を誤訳すれば、意味そのものが取れていないことになり、大きく減点される。He bought an apple. を「彼はパイナップルを買った」としている例は1点減点で済むだろうが、「彼はリンゴを食べた」としていたら文意がまるで違うレベルなので0点になるかもしれない。一方で、He bought a lot of apples. を「彼はいくつかのリンゴを買った」としていようが、「彼はたくさんのパイナップルを買った」としていようが、それぞれ1点減点で済むだろう。

Love Trumps Hate by Diana Robinson, CC BY-NC-ND 2.0さて、あるテレビ番組が、"Love trumps hate." を「トランプは嫌い」としたことが話題になったが、これは文の構造(Loveが主語、trumpsが述語、hateが目的語)が取れていないので、0点。これが試験の答案だったら、何をどうひっくり返しても点数を与えることができない。「試験の答案」ではなく実社会での訳例なのだから、この場合は「0点」ではなく「誤訳」と言う。そして「誤訳」は「意訳」ではない。ましてや「超訳」ではない。原文はそんなこと言ってないというものを、本質的にはまともな「翻訳」の一種である「超訳」として扱うことなど、絶対にできない。2+2=5とすればそれは「計算間違い」であって、「誤差」ではないのと同じだ。

「意訳」においても「超訳」においても、文意そのものは正確に把握されていなければならない。例えば、He bought an apple. を「わざわざ金出して、リンゴをねぇ」とか「あいつ、たかがリンゴに金払ったんだぜ」と訳出することは文脈によっては可能だろう。これが「意訳」、「超訳」の類だ。しかし、「彼のリンゴは買い物に行く」、「リンゴは彼にとっては高いが買いだ」などとしていたら、それは単なる「誤訳」である。その文は、そんなことは言っていない。

Love trumps hate. を「トランプは嫌い(トランプのことが嫌い)」とするのは、He bought an apple. を「彼のリンゴは買い物に行く」とするのと同じく、単なる「誤訳」である。

実際には、これを「誤訳」と扱うことすらできるかどうか、微妙なのだが……trumpという単語に動詞の用法があることを知らず、したがって「3単現のs」にも気がつかない人が、単に字面だけ見て訳語を並べて、日本語が意味が通るように調整したのでなければ、このような日本語が出てくるはずはないからだ。しかも主語のloveがどこかに消えてしまっている。それは「翻訳」ですらない。「作文」だ。だから「誤訳」とも呼べないかもしれない。

そういうものを、擁護のつもりなのか何のつもりなのかわからないが、「意訳」だとか「超訳」だとかいう扱いをして差し上げたがる人々がいるようだ。

日テレ炎上!レディー・ガガ発言を「超訳」してしまう業界構造|情報戦の裏側|ダイヤモンド・オンライン
http://diamond.jp/articles/-/108293

via http://b.hatena.ne.jp/entry/diamond.jp/articles/-/108293

当方のブコメ:
「誤訳」を「超訳」としてかばってさしあげる必要が? 「数字がほしいので過激に」云々以前の問題。あれは掛詞を理解していない(trumpの動詞を知らない)人による中学生レベルの「誤訳」。翻訳をバカにするな。

http://b.hatena.ne.jp/entry/308478746/comment/nofrills


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2016年03月18日

重い話題が続いているので「ダジャレを言うのはだれじゃ」(&文脈とは何か)

今、英語圏で話題になっている(バズっている)ガソリンスタンドの看板。

グレートすぎるガソリンスタンドの看板。
http://matome.naver.jp/odai/2145828577459501201


短い英語の「ジョーク」がいくつか入ってます。

「ダブル・ミーニング」で笑うものが多く、「文脈によって《意味》が決定される」ということがよくわかると思います。「空気・空間博物館」とかね……。高校生くらいのときに、「英単語にはいっぱい意味がある」とパニクった経験がある方は多いと思いますが(私もその1人)、今、リアルに英語のそういうところでパニックになってて「英語嫌い」になりそうな人は、「ネイティブ」でも同じところで混乱する(可能性があるかもしれない)のでジョークになってる、ということを知ると、少しは気持ちが軽くなるかもしれません。


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2016年01月24日

英語圏お名前苦労譚

"Growing up with my name" というハッシュタグがTrendsの上位にあったので、「英語圏にない名前をしたアジア系の人や、変わった名前、流行モノの名前、いわゆる『キラキラネーム』をつけられた人の体験談かな」と思って何となく見てみたら、案外、平凡な名前でも「自分の名前を正しく呼んでもらえない」という体験談も多い。「エレン」という女性が「ヘレン」と間違えられ続けたり、といったものだ。米国では流行のドラマから「ハンナ」という名前が爆発的に流行った時期があったようで(マイリー・サイラスのあれ)、「同じクラスに何人も『ハンナ』がいる」とか、「私の名前は『アンナ』なのに、勝手に『ハンナ』にされている」とかいったものもある。

いくつか、メモっておく。あくまでも「ベースは英語圏」ということは強調しておく(米国の事例が多いと思うが、英国などの事例もある)。

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タグ:名前 実例 英語
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2015年10月19日

"Go west" と "go south"...「西」か「南」か、英語の慣用句は楽しい。

「英語」と一口に言っても世界的にはいろいろな「英語」があり、文法はほとんど違いがないとはいえ単語や熟語、言い回しが異なっていることが多いというのは、語られつくした話である。特にその「異なり」が大きいのがBritish EnglishとAmerican Englishであるというのも、例の「誰が言ったのかは実はよくわからないが、アイルランドの皮肉屋が言いそうなことだ」的な理由でオスカー・ワイルドが最初に言ったことにされてたっぽい、ウィンストン・チャーチルの演説の一節にも登場した「アフォリズム」っぽい一文を参照するまでもなく、語りつくされている。

例えば英国人やオーストラリア人が "She's gone ​outside for a ​quick fag." というと、アメリカ人は目を白黒させるだろう。アイルランドに至っては、 "Can I bum a fag?" などと言うので、アメリカ人は逃げ出すだろう、というのはよくあるベタなジョークだ。

アイルランドは、観察している限り、基本的にBritishだが、ところどころがBritishとは異なる。例えば「サッカー」のことはsoccerと表現することが多いようだが、それはおそらく単にfootballと言ったのではゲーリック・フットボール (GAA) と区別がつかないためだろう。「サッカー協会」はThe Football Association of Ireland (FAI) だ(ちなみに、「英国の一部」である北アイルランドのサッカー協会はThe Irish Football Association (IFA) である)。ゲーリック・フットボールというのは下記の映像の競技で、「サッカー」よりは「ラグビー」に似ている(実際、下記の映像が日本語圏で「ラグビー」と紹介されているのを見たことがある)。



次に示すのはRTEのスポーツ欄の一部だが、右側のカラムに「GAA」に関するニュースでヘッドラインでfootballが用いられている例(一番上)と、「サッカー」に関するニュースで「Soccer」というカテゴリ名が用いられている例(一番下)が確認できる。



……というのが前置きの前置き。

さて、18日の日曜日、ラグビーのワールドカップの準々決勝が行なわれた。一次リーグをプールDのトップで勝ち抜けたアイルランドは、アルゼンチンとの試合だ。

周知の通り、また先日も少し触れた通り、南北に分断されているアイルランドは、ラグビー代表では南(アイルランド共和国)も北(北アイルランド: 英国の一部)もなく、全島でひとつの「アイルランド代表」を組織している。

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2015年10月05日

多読の素材探しに最適なタイミング……ノーベル医学・生理学賞決定のニュース

今年ももうノーベル各賞の発表の季節で、今日は第一弾の「医学・生理学賞」(生理学・医学賞)の受賞者が発表された。今年は2つの研究成果について、3人の科学者が受賞されたが、そのうちの1人が日本人なので、日本語での報道もたっぷりある。

nblomr.png


英語を学習中で、多読のための素材を探している人は、こういうタイミングを狙うとよい。つまり、国際的なニュースで、日本語での報道もたくさんあって、あまり「時事的」でない話題が出ているタイミング。

(「日本人が殺され、武装勢力が犯行声明を出している」といったニュースは、元々何がなにやらわからない状態というか、「戦争の最初の犠牲者は真実」と言われるような状況を想定しておかねばならないので、「英語学習素材を見つける」にはあまり適していないと思う。)

先日の「ラグビーW杯での日本代表の劇的な勝利(南ア戦)」などでもかなりよさそうな英語記事はあったが、やはりある程度の予備知識(南アがどういうチームであるか、この勝利がどのような意味か、「日本代表」がどういうチームか)がないと、すらすら読むのはかなり厳しそうだった。

が、今回のノーベル医学・生理学賞では、「速報」段階でけっこうよさそうな記事が出ている。というのも、いつもの同賞とは若干異なり、今年は「薬の発見」という一般人にもわかりやすい実績での受賞だからだ。ざっくりとした説明の文章を読むだけでも、何がしかの専門知識(例えば「細胞とは何か」とかいったこと)が要求されるのが例年だが、今年はそれは要求されていない。

たまたま私が見た中で「多読用の素材になる」と思ったのが、New Scientistの下記記事だ。

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2015年09月26日

何かを称賛するときの英語の語彙の多さは、実にdopeだ。

ローマ・カトリック教会のフランシス教皇がキューバに続いて米国を訪問中で、カトリックという教派(宗派)を超えて「ロックスターのように歓迎されている」というニュースが英語圏では大きく取り上げられている(日本ではどうなのかは知らない。日本に関係ないどころか、「日本が学ぶべき教訓」云々や「日本は何ができるか」云々もどうがんばっても出てこないので、きっと日本の報道機関ではほとんど扱われていないだろう)。

Pope Francis given rockstar welcome in New York to close historic day in US
http://www.theguardian.com/world/2015/sep/24/pope-francis-new-york-st-patricks-mass


この「ロックスターのような歓迎」は比喩なのだが、実際に「ロックスター」になるということも報道されていて、何なのだろう、このアンストッパブル感は、というところだ。

Pope Francis To Achieve ‘Rock Star’ Status With Release Of Upcoming Album
September 25, 2015 2:13 PM
http://newyork.cbslocal.com/2015/09/25/pope-francis-rock-album/
So you think Pope Francis has already hit rock star status?

Just wait: He’ll be releasing a pop-rock album soon.

Believe Digital, the label releasing the album, announced Friday that “Wake Up!” will be available on Nov. 27. The album will feature extracts from Pope Francis’ speeches in various languages, including English, Italian, Spanish and Portuguese.

Pope Francis premiered the first single called “Wake Up! Go! Go! Forward!” on Rolling Stone’s website on Friday. The album is available for pre-order on iTunes.

http://newyork.cbslocal.com/2015/09/25/pope-francis-rock-album/


というわけで、宗教的な関心はなくても、英語への関心がある人にとっては、今は「人をほめたたえる」表現のバリエーションがたっぷり観察できるすばらしい機会となっている。

英語は、「ほめる」表現はものすごくたくさんある。俗語(スラング)も入れればなおさらだ。たくさんの実例が滝のように流れてくる「インターネットという英語のシャワー」の威力が発揮されるのはこういうときで、せいぜいボキャビルにいそしむがよい、むわはははは、という笑い声さえ聞こえてくる(ような気がする)。

が、そんなときにはまた、「誤解」も生じることがある。

その「誤解」の美しい例が報告されている。

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2015年04月30日

《The + 比較級 …, the + 比較級 〜》の構文のバリエーションで、最上級が用いられている実例(補記:「私はオレンジジュース」式の文について)

こういうものは、「実際にこういう実例がある」ということを知らなければ、そういう例があるのかどうかを探すこともできないし、「こういう実例がある」ということを記録しておかなければ、大量の現物にまぎれて探せなくなってしまうのでメモ。

《The + 比較級 …, the + 比較級 〜》で「…すればするほど〜」という構文は、普通に教育課程で英語を履修していれば、高校で誰でも習っているはずだ(ただし2013年以降の日本の高校英語のことはわからん)。私は高校時代に下記の例文で覚えた。

The more you have, the more you want.
(持っているものが多いほど、ますますほしくなる)

この前半が、比較級ではなく最上級になるパターン。めったに見ないが、ないわけではない。その実例を今読んでたBBC記事から:
We continue to appeal to anyone who may have knowledge of people with similar intentions. The earliest we can intervene to prevent terrorism the better.
http://www.bbc.com/news/uk-32521780


記事の内容は、「学習障害のある少年を標的に定め、友人として近づいた上でそそのかしてテロ行為を行わせようとした18歳男子に有罪判決」というもので、それはそれで別途見ておく必要があると思うが、ここでは英語の例文だけ。

引用したのは警察の人のコメントで、「(有罪になった被告と)同様の意図を持っている人のことを知っている方がいらしたら、ご一報いただきたい。われわれ(警察の対テロ専門部門)が(可能な限り)最も早く介入することができれば、より状況はよくなる」という意味。

"The earlier we can intervene ..." としても、たぶん《意味》は同じだが、この文例での "The earliest" という最上級には、込められている感情がある。ただしこれ、文法としては「間違っている」と扱われる(「間違っている」という扱いの例)。スタンダードな英文法では、この構文は「間違っている」ので、「通例、言わない」とされているはずだ。

同じように、「間違っている」とされているものに、「わたしはオレンジジュースです I am orange juice」がある。言語学ではこういう文を「うなぎ文」と呼ぶ(「ぼくが注文するのはうなぎです」を「ぼくはうなぎだ」と言うことから)。それについて、過日、非常に有益なページを見たので、それについてもついでにメモしておきたい。

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2015年04月01日

辞書に載ってないかもしれませんが、政党の役職のChairmanは「幹事長」です。確認手段など。

はてなのid:miyakichiさんが、ブログで「英国同性婚実現から1年。反対派の予言はこんなに外れてました」という記事を書かれている。「反対派の予言」というか、「宗教右派のホモフォビア言説」で、当方、北アイルランド見てるおかげでそんなのはもう慣れっこっす、問題ないっす、全部スルーするっす(北アイルランドは、プロテスタントの側でトップクラスの政治家がヤングアース論者だったりするので、あえて「程度」と言うけれど「ホモフォビア程度」を気にしていたらニュースが読めない)という態度が身についているのだが、こうして並べていただくと壮観である。

miyakichiさんのブログは、英国のPinkNewsという媒体の記事を紹介していて、言及されているのは英国の人がほとんどだから、「英国の宗教右派」(特に何度か出てくる「スコットランド自由教会」)について何か日本語で参照できるものがあればご紹介したいところだが、あいにく私は日本語でのそういう資料については心当たりがない。日本語圏で「キリスト教は〜〜〜」でひとくくりにしちゃう人があまりにカジュアルに多いこと(それも「知識人」の間でも多いこと)はなんだかねえと思っているのだが、それについて何かを発言することは私がブログという場でできることでもなく、自主的にしたいことでもないし、しなければならないことでもない。

さて、そのPinkNewsの記事で最初に挙げられているのが、保守党の重鎮、ノーマン・テビット(元下院議員。引退後、1992年に一代貴族に叙せられたので今は上院議員)の発言である。この人はIRAのボム(ブライトン爆弾事件)で自身も重傷を負い、夫人を殺されかけたのだが(30年以上経過した今も、夫人はボムで負わされた障碍とともに生きている)、政治的・思想的には、正直ちょっとかんべんしてくださいといいたくなるほどゴリゴリの人で、「英国会議員が国家元首への忠誠を誓うのをやめにして、選挙民に忠誠を誓うべきだ」という主張が出たときに反対論を唱えるうえで「じゃあ何か、これからはEU本部に忠誠を誓うのか」と反駁するなど、なんでもかんでも自分の土俵で極論にして語りたがる傾向があり、私はものすごく苦手だ。余談だが、現在英国は(あまり表舞台ではないところで)1980年代の保守党の大物政治家(たち)による子供に対する性犯罪の横行とその隠蔽というトピックが関心を集めており、ノーマン・テビットはまさにそのときの保守党政権の中にいたのだが、同僚たちが「子供をレイプしていた」ということについて、この人は何と言うのだろうと思っている(その件は進展があるとしたらこの5月の総選挙の結果が出たあとだ)。

で、そのノーマン・テビット、1985年から87年にかけてChairman of the Conservative Partyを務めているのだが、そのchairmanは「党首」ではない。「幹事長」である(ついでに言うと、テビットについて「こういう人」と説明するときに持ち出すべきはChairmanの経歴ではなく、サッチャー政権の閣僚歴任者であること、特に産業貿易大臣の経歴だろう)。

PinkNewsの原文より:
The former Conservative Party chairman Lord Norman Tebbit has discussed...


ウィキペディアより:
A member of the Conservative Party, he served in the Cabinet from 1981 to 1987 as Secretary of State for Employment (1981–83), Secretary of State for Trade and Industry (1983–85), Chancellor of the Duchy of Lancaster (1985–87) and Chairman of the Conservative Party (1985–87). He was a member of parliament (MP) from 1970 to 1992, representing the constituencies of Epping (1970–74) and Chingford (1974–92).


このchairmanが「党首」ではなく「幹事長」であるということは、なぜか英和辞書を見ても載っていない(どころか「総裁」という訳語が多数の中のひとつに表示されていたりする!)のだが、ほかにこの役職を務めたことのある人の経歴説明で確認が取れる。以下、その確認の方法を簡単に書いておく。


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2014年12月20日

英国の「ブラック・フライデー」(ブラック・アイ・フライデー etc)

東京駅で暴動だ、これはひどいみたいな話があっちからもこっちからも回ってきた。「みんなが話題にしている」状態だったからだ。正直、うるさいばかりで、私はモニタの前で香箱を作りたい(そこに「100周年のお祝いだということを忘れている」という言葉が流れてきたのでずいぶん救われた。目の前にあるものとの接触点があった、どうでもいい愚痴を語れる人がいた、という感覚)。

同じようなことが、11月下旬にもあった。「ブラック・フライデー」とやらだ。北米の習慣が、去年か一昨年くらいに、英国にも持ち込まれたらしい。米国の「感謝祭」(11月最後の木曜日)のあとの金曜日が、冬のセールの開始日として「ブラック・フライデー」と呼ばれる。北米でのその表現を知ったのはずいぶん前のことだが、光景の凡庸さと醜さ(かつて日本の民放の夕方のニュースのどうでもいいワイドショー的な時間帯にやっていた「時間限定セールに我先にと群がるおばちゃん」のいかにも「やらせ」くさい映像を思わせた)にげんなりしただけだ。そもそも北米に興味がないから語源とか見る気にもならずにいて、今もウィキペディアを見てみたが「めっちゃ長い」(百科事典とするにはあまりにも「オタク」趣味な記事のひとつだと思う)というだけで読む気にもなれない。語源としても新しい物件で(1960年代、70年代)、興味をひかれない。ともあれ、そういう米国の「消費」の文化(それを「文化」と呼ぶことが妥当かどうかはさておき)が、「感謝祭」をやりもしない英国にも導入された。2003年に既に1つの例が確認されているようだが、大々的にやったのは2013年のASDAだそうだ(ASDAは元々は英企業だが、いろいろあって、今はWalmart系列で、その「アメリカン・ウェイ」を売りのひとつにしているらしい。日本では西友が系列)。そこからスタートした「英国のブラック・フライデー」は、今年2014年に全土的に広まったようで、11月最後の土曜日(日本時間)の英国のニュースサイトは「殺気立った買い物客の行列」だとか「目を血走らせて大きなテレビにつかみかかっている人」のようなセンセーショナルな写真であふれた。英国は、同じようなことをボクシング・デー(クリスマスの翌日、12月26日)にもやるくせに。どんだけ「消費」させたがってるんだか。

ともあれ、その「ブラック・フライデー」と混同しないでね、という注意書きが必要なのではないかと思われるのが、もうひとつの「ブラック・フライデー」だ(英国では既に「ブラック・フライデー」といえばこれ、というものがあったのを、ASDAが破壊したのだ)。
http://en.wikipedia.org/wiki/Black_Friday_%28partying%29
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2014年09月05日

Google翻訳が「簡易的な辞書」として使えるように(ただし日本語圏は蚊帳の外)





というわけで、いちいちFrench-English, Spanish-Englishなどと別々の辞書サイトを立ち上げなくても、簡易的な調べ物ならできるのではないかと思います。
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2013年10月20日

BBCのスタイルガイド(表記基準)が変わったかもしれない。

この5月、BBCのサイトにあった「英文法クイズ」で「???」となった設問があった。関係代名詞の主格についてのものだ。

【英文法】関係代名詞、thatかwhichか?
http://matome.naver.jp/odai/2136850801329862601


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2013年10月07日

英語圏の言葉遊び

「ラム」と日本語で言えば、それは「子羊の肉」のことであり、「ラムウール」のような複合語は別として、単独で使われている「ラム」という語が「子羊」そのものを指すことはまずない。(実際には「ラム酒」と区別するために「ラム肉」と書かれることも多いが。ちなみに前者は "rum", 後者は "lamb" であり、「ルーブル美術館」と「ルーブル紙幣」のようにアルファベットでは混同の余地のない語である。)

外来語を多く取り入れているから語彙が多いというのは英語も同じなのだが(数世紀前に、フランス語から大量に入っている)、それにしても日本語の「カタカナ語」は扱いづらい。「車のドアをロックする」は自然な日本語だが、「カー(ヴィークル)のドアをロックする」ではルー語になってしまうし、「車の扉に鍵をかける」では日常使う乗用車のような感じがしない。「メルトダウンはしないが炉心溶融する可能性がある」論(?)の混乱のときにそういう説明を試みたが、「よくわからないが難しいんだね」的な反応がせいぜいだった。

そんなふうなので、英語と日本語とでは「言葉遊び」の流儀がかなり異なる。ひょっとしたらそれがよくわかるかもしれないTwitterのハッシュタグ大喜利があったので、ほんの一部を拾ってみた。

名作映画を台無しにする! 「映画タイトルに1語加える」の英語圏ハッシュタグが笑える。
http://matome.naver.jp/odai/2138093500518051501


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2013年07月24日

アメリカ人がEnglandというとき、それは「イングランド」ではなく「英国」を意味する(今なお)

さて、次の記述、どこが「間違い」かおわかりになるだろうか。






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2013年03月30日

英語の多読に。(2)

先日、「英語の多読に」という切り口でアップしたいつもとあまり変わらないようなエントリが案外ビュー数などが多いので、きっと春休みで読むものを探している(が、この情報の広大な海でどうしたらよいかわからない)方が多いのだろうということで第2弾。

【春休みだから、英語を多読】イースター・バニーのチョコをめぐる裁判の記事を読む
http://matome.naver.jp/odai/2136462920778881901


200ワード程度の、特に平易ではない普通の報道記事です(でも難しくもない)。
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2013年03月08日

英語での情報収集のために。

ざっくり言って、日本で生活をするのなら、英語はしゃべれなくたって構わないと思う。ただ、英語で書かれたものを見て、必要な情報を得ることができないと、端的に言えば「視野が狭くなる」。

本来、普通に「進学校」と呼ばれるような高校を卒業している程度に英語についての知識があれば(「英語力」じゃないよ。アルファベットの読み方とか基本的な文法とか……最近、ほんとに文法教えないから「文法」という用語が通じるかどうかわからんけど)、英語で情報を得ることはさほど難しくない。でも何か知らないけど、ほんっとに、英語で書かれたものを読むということをするというだけで、異様なものを見るような目で見られることもある。大げさに表記すると、「えーっ、ペーパーバックをすらすら読んじゃうんですかーっ。すごいですねーっ。英語ペラペラなんでしょう」みたいなの。

うんざりです。(笑)

というわけで:

【ケーススタディ】英語圏のニュースをざっくりと追ってみるときの流れ
http://matome.naver.jp/odai/2136261113762953201


あるニュースがたまたま目の前で展開したので、それを書き留めてみた。非常に痛ましいが、非常にわかりやすいニュースだ。特に前提知識などは必要ないし、高校生でも英語は得意科目ですと言えるくらいの人なら、余裕で流れを追っていただけるのではないかと思う。

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2012年12月21日

「先生」性とは何か、「先生の一言」から検討する(笑いながら)

「算数」のできない子供だった。「数学」になって少しはマシになったが、「因数分解」のような「見ればわかるだろう」というものが苦手だった。そんな私を呼び出した数学の先生は(ふざけて間違えて回答しているのではないかと疑われたようだ)、「君には、数学的センスというものがないんだな」と嘆息し、「数学の美しさがわからないなんて」と憐れむような目で私を見た。

あるツイートを見て、世界のどこででも、そういうことは起こりうるのだな、と思った。




ところでお嬢さん、そこはyou'reではなくyourだ、とYour in America Botマンが出てきそうなこのツイートは、インドの人のものだ。

一方で、これはアメリカの人。




正直言うと、これ、私やったことあります。「何のために辞書持ってるんですか」と居丈高に出たら、「スペルわかんないのにどーやって辞書引くんだよ」と反撃され、「はい、その通りですね」と。(笑)

そんな感じで、ゆるく楽しめる感じで。

大切なことはぜんぶ学校で…? 英語Twitterのハッシュタグ「先生の一言」より
http://matome.naver.jp/odai/2135599002029347501


この先生、すばらしいなと思ったのはこれ。

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2012年10月10日

Ew. This is so f**king bad. How can things like these be called "translation"?

英語だからってこんな意味不明なこと書かれてるとか認識されんの、ほんと、よくないんすけど。

以下、「さらす」意図はないので。

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2012年09月21日

かつて、「生きた英語」というのが呪文のように響いた時代があった。今はそんな呪文は簡単に破れる。そう、ネットで調べればね。

今も「生きた英語」っていうセットフレーズは生きているのだろうか。

というか、20年前に「生きた英語」というセットフレーズにつきまとっていた強迫観念は――「おまえが学校で習ったそれは、『生きた英語』ではない」という呪詛か恫喝のような強迫観念は――、今もリアルなものなのだろうか。

そんなことを思わせられたのは、下記のこれを含むツイートがTLに流れてきたときだった。これ、基本的には「生きた英語」信仰の典型。プラス、英語(に限らず外国語)を真剣に学ぶとか、それを使って何かをするということをしていない人の聞きかじりで生じた情報の歪み。


「死語だった!」じゃねーーよ。フカしてんじゃねぇよ、どタコが。

つまり、デタラメもいいところである。

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2012年04月15日

「ゴースト・ステーション (ghost station)」という表現の実例(ビジネスマンの発言)

先日、東日本大震災の津波にさらわれた日本の漁船が北米の沖を漂流しているのが見つかった(後に爆破され沈められた)というニュースのときに、その漁船について「BBCが『幽霊船』と報じている(。日本のレピュテーションを低めようとする策謀だ、きぃきぃ)」という動きが少し観測された。

そのとき私はすかさず、できる範囲でだが、BBCの記事の見出しにある「幽霊船」との表現はカナダの当事者の発言の引用であること(記事の見出しに引用符が用いられているということ)、また「幽霊船 ghost ship」という表現は英語の成句で、現在は「無人であるにもかかわらず動いている船」を指すということを、事実として指摘した

今日、「無人の、見捨てられた」(「ゴーストタウン ghost town」の「ゴースト」)を意味するghostの用例をまた新たに見たので、それのメモをしておく。



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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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