kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2015年07月23日

1989年、英軍に殺されたロイヤリストの武装組織メンバーと、2015年にロイヤリストの掲げる英軍の旗。

北アイルランドからの日々のニュースを見ていると、ときどき、とんでもない「闇」がぱっくりと口を開けていることがある。

これもそのひとつだ。それも、さほど「語られて」はいないと思われる「闇」。

Son of UVF man rips down SAS flag at Twaddell protest camp in Belfast
By Ciaran Barnes
20/07/2015 | 09:27
http://www.belfasttelegraph.co.uk/sunday-life/son-of-uvf-man-rips-down-sas-flag-at-twaddell-protest-camp-in-belfast-31389099.html

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2015年07月21日

2015年の12thのパレードについて。

さて、前項の続き。11thのボンファイア(前夜祭)が11日(土)の夜に行なわれ、12日は日曜日で安息日、続く13日の月曜日に、毎年恒例の12thのパレードが行なわれた。

欧州の日付で13日は、ギリシャに対する金融支援についてEUで合意がみられたことや、任天堂の岩田社長の死去、そしてイラン核協議での合意とめまぐるしかった。そんな中、北アイルランドのパレードのニュースは、気をつけて見ている人でなければ目に止まらない程度だった。例年通り、「行きはよいよい、帰りは怖い」という展開だ。(「行き」=のぼり、「帰り」=くだり、というイメージで。)





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2015年07月20日

2015年の7月11日(イレヴンス)のボンファイアについて。

july2015.jpg今年の7月のカレンダーはこうなっている(写真参照。これはうちの壁に貼ってあるみずほ銀行のカレンダーで、色が「レッド・ホワイト&ブルー」なのは偶然である)。11日が土曜日、12日が日曜日だ。プロテスタントの原理主義では日曜日は休まなければならない日(活動を禁止される日)で、北アイルランドで毎年7月12日に「トゥウェルフス 12th」のパレードを行なうオレンジのサッシュを着けた人たちも、日曜日は休む。7月12日が日曜日に重なった場合は、パレードは13日に行なう。(「イレヴンス 11th」のボンファイアは変更なし。)

今年は、かなり緊張感が高い感じがしていた。11thのボンファイアも12thのパレードも緊張感が高いのも、「毎年のこと」ではあるのだが、設営中のボンファイアが放火されたり、南部連合の旗だの、ナチス・ドイツのSSの旗だの、「北アイルランドのプロテスタンティズム」とは直接関係しない旗が掲揚されたり、カトリックに対する暴力を煽る言葉が交通量の多い道路脇に出現したりと、「緊張感が高い」というより「やばい」感じ、いやむしろ「ヤヴァイ」感じが、がんがん漂っていた。

で、どうなったかというと……というのが本エントリの主旨である。1週間も間があいてしまったが、書かないよりはましだろう(ほっとくとほんとに書かないからね……プリンス・オヴ・ウェールズとジェリー・アダムズの握手ですらスルーしているのが最近の私だ)。

今年は、12日の日曜日が「スレブレニツァの虐殺」から20年の式典で、12日は個人的にはそちらに意識を向け、時間を割いていたが、並行して11th/12thも見てはいた。

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2015年07月19日

【アイルランド成分】「大学院生でメガネ男子のヘンダーソンくん」宛ての郵便物が、無事に届けられた件。

東京はむちゃくちゃ暑い(気温も湿度もものすごい。夜9時に扇風機のない屋外に出るのと、使い終わって換気扇を回して2分くらいのお風呂場に入るのと、同じくらいの感覚)ので、アイルランド成分をネットに補給して癒しの天使になろうと思う。

といっても、いつものようなこういう成分では癒しにも何もならない。

こういう成分だ:






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9年前にバーベキューの人たちを襲撃した約15人の集団の1人だけ、傷害に続いて殺人でも起訴された。

先行する記事の件、詳細がわかった。フィヌケン・センターが述べていた通り、2006年7月のデリーでのバーベキュー襲撃事件でのポール・マコーレーさん(2015年6月6日死亡)の殺人容疑で起訴されたパイパー・ジョン・マックレメンツは、既に同じ事件で傷害の容疑で有罪判決を受け服役していたダリル・プロクターの別名だ。北アイルランドではこのような事例は初めてだという。

Man charged with Paul McCauley murder
11:41 Saturday 18 July 2015
http://www.derryjournal.com/news/man-charged-with-paul-mccauley-murder-1-6857344
A 24-year-old man has appeared in court charged with the murder of Paul McCauley.

Piper John McClements, formerly known as Daryl Proctor, appeared at a special sitting of Derry Magistrate’s Court on Saturday.

McClements, of The Fountain, is charged with the murder of Mr McCauley on June 6, 2015.

...

McClements was previously convicted of causing grievous bodily harm with intent to Mr McCauley and served a prison sentence for this.

The court heard this is the first case of its kind in Northern Ireland where a person has been convicted of an assault and then charged with murder after the victims death.


Daryl Proctor charged with Paul McCauley murder
By Donna Deeney
17/07/2015 | 16:50
http://www.belfasttelegraph.co.uk/news/northern-ireland/daryl-proctor-charged-with-paul-mccauley-murder-31383276.html

The 24-year-old who was arrested yesterday morning is Daryl Proctor.

...

Proctor, also known as John McClements, was arrested on the anniversary of the brutal attack.

Detectives made the arrest in the Fountain Estate in Derry and took Proctor to Strand Road police station for questioning.


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2015年07月18日

9年前、デリーでモブに襲撃されて脳に傷害を負わされた人が亡くなり、新たに「殺人」の容疑者が起訴された。

2015年6月初旬、北アイルランドのデリーから、ある男性の死亡が伝えられた。ポール・マコーリーさん。9年前の2006年7月に理不尽な暴力を受けて以来、意識を取り戻すことなく、彼は死んでしまった。襲われたとき29歳で、子供がひとりいた。仕事は公務員。

Paul McCauley dies after being beaten in 2006 attack
7 June 2015
http://www.bbc.com/news/uk-northern-ireland-33034023

Senior Investigating Officer DCI Michael Harvey said: "On behalf of the entire police family, I want to extend our deepest sympathies to the McCauley family following Paul's death.

"They have conducted themselves with great dignity over the past almost nine years since the vicious attack on Paul and his friends. The love and care they gave to Paul have been a beacon of light in a tragically dark set of circumstances."


この襲撃事件は、当時、大きなニュースになった。私もBBC Newsの記事とSlugger O'Tooleのエントリを元にブログを書いている。ちょうど、ぴったり9年前だ。

2006年07月18日 バーベキューしてたら襲撃された――デリー(北アイルランド)
http://nofrills.seesaa.net/article/21688298.html


Man 'critical' after gang attack
http://news.bbc.co.uk/1/hi/northern_ireland/5186604.stm

デリー(ロンドンデリー)のWaterside areaのChapel Roadのある家の裏で、先週末、ある男性の送別会が開かれていた。まもなくアゼルバイジャンで教職に就くその男性を送り出すために、カトリックもプロテスタントも含む友人たち(その中にはイングランド人、ルーマニア人、ポーランド人もいた)が集まって、バーベキューをしていた。20人ほどが集まり、和気藹々と過ごしたあと、何人かが残ってゴミを燃やすなど後片付けをしていた。時間は午前3:40ごろ。

そこをthugsが襲撃した。3人の男性が暴行を受け、1人(29歳)は頭部に重傷を負い、ベルファストの大病院に搬送されたが重態、1人は顎を砕かれ、1人はあざだらけ。警察ではこの襲撃を殺人未遂事件として扱っている。


この時点ではまだ、「頭部に重傷」の男性がその後意識を取り戻すことがないなどということになるとは私も思っておらず、ブログのトーンは恥ずかしいほど楽観的で、遠慮なく「外部の観察者」の野次馬の視線で、「そこで何が語られているか」をじろじろと見ている。当時はまだ「ソーシャル・メディア」と呼ばれるものは(少なくともうちら一般人の手の届くところには)なく、北アイルランドに関してはSlugger O'Tooleのコメント欄が最も「リアル」な発言の場だったのだが(あのころのあのサイトにどれだけ学ばせてもらったことか)、私のブログでは事件そのものより、それをめぐって人々がSOのコメント欄で何を話しているかを詳しく観察・記録している。

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2015年07月17日

デリーで「軍葬」で送られた「ハンガーストライカーの母」。

現在に至る北アイルランドの自治議会(Assembly)と自治政府(Exective)の体制を固めたのは2006年のセント・アンドルーズ合意で、ここでDUPがシン・フェインとの権限の分担(パワー・シェアリング)を受け入れた(「イアン・ペイズリーがYesと言った」)ことで北アイルランドの政治は動いた。当時はまさに「ありえないことが起きた」と言われたし、実際にそうだった。

合意の翌年、2007年1月にもうひとつ「ありえないことが起きた」。シン・フェインが党大会で「警察支持」を決めたのだった。

北アイルランドの「民意が問われた」のは、そういう大きな「ありえない」意思決定がなされた直後の2007年3月だった。結果は、DUPの方針転換も、シン・フェインの方針転換も、「有権者によって支持された」。どちらも、それぞれの陣営での第一党の地位を確保、というよりしっかり固めた。そして2007年5月にはイアン・ペイズリーとマーティン・マクギネスが「チャックル・ブラザーズ」と呼ばれるほど和気藹々とした雰囲気の中、ストーモントが再起動した。

その2007年3月の自治議会選挙の直前、私はある候補者についての記事を読んでいる。

2007年03月07日 「私の目の前で死んだ息子のために」
http://nofrills.seesaa.net/article/35396797.html

ペギー・オハラは、卒中から回復しつつある過程にある。「息子のため。パッツィのためにやっているんです。私はあの子が死ぬのをベッドの傍らで見取ったんですから」

シン・フェインは体制側に「身売り」したのだと彼女は言い切る。「闘争の結末が警察の支持だなんて、あの子たちが知っていたら、くだらない、意味がないと思ったでしょうね」


ペギーの息子のパッツイは、1981年5月21日に23歳の若さで死んだ。ロングケッシュ(メイズ)刑務所でのハンガー・ストライキでの4人目の死者(このときのINLAのハンガーストライカーとしては最初の死者)となったのだ。(このハンストは、ボビー・サンズだけが有名になっているが、合計で10人が死んでいるということは、忘れてはならない。)

ペギー・オハラは、がっちがちのリパブリカンだった。シン・フェイン(Provisional IRA)とは別の組織で活動していた。

そのペギー・オハラが亡くなったことを、私は意外な形で知った。

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2015年07月08日

南部連合旗が掲げられて騒動になっている北アイルランド、今度はカリックファーガスにナチス・ドイツの旗が掲げられた

朝イチで見るニュースが「ナチの旗」だったりする今日この頃、夏ですね。今年は11日が土曜日、12日は日曜日で完璧ですね。というわけでそろそろ夏の民族大移動が始まりそうな北アイルランドからの今朝(日本時間)最初のニュースがこれですよ、これ。




変な検索履歴をまた付け足しつつ調べてみると、これはSS-Heimwehr Danzigの旗だということがわかりました。
https://commons.wikimedia.org/wiki/Flaggen_Nazi-Deutschlands

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2015年06月26日

サンディ・ロウでボンファイアが早くも燃やされた件。

こないだ書いたこれの続報。

【北アイルランド】サンディ・ロウで準備中の巨大ボンファイアが早くも燃やされた。
http://matome.naver.jp/odai/2143523144188150901


Sandy Rowについてけっこうがっつり目に(かつ短く)解説書いたので、ボンファイアがどうだろうとロイヤリストの喧嘩がどうだろうと興味はない、という方も、ぜひご参照ください。

2002年ごろの北アイルランドのニュースが「ロイヤリストの内紛」で埋め尽くされていたのをちょっと思い出してたりもします。あの内紛のおかげで、UDAとUVFとUFFとLVFとRHCの区別がつくようになった(区別しなければならないものだということがよくわかった)んですけど。

【※この件、アップデートあり】
http://matome.naver.jp/odai/2143523144188150901?page=3 の後半に書いてあります。以後、この件のアップデートはNaverのページで行ないます。

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2015年06月19日

そこでそのスペルミスは、ちょっとありえないのではないか。(「自作自演」疑惑?)

いちいち書くことではないのかもしれないが、「夏が来ましたねぇ」ということで。

北アイルランド、ベルファストの北東側、カリックファーガスに行く途中にグレンゴームリー (Glengormley) という街がある。行政区分としてはニュータウンアビーの一部だ。
https://en.wikipedia.org/wiki/Glengormley

北アイルランドの海岸側はだいたいざっくりと「プロテスタントが断然多い」のだが、調べてみるとここはそうでもない。"43.78% belong to or were brought up in the Catholic religion and 47.89% belong to or were brought up in a 'Protestant and Other Christian (including Christian related)'" だそうだ。総人口2500人ほどという小さな規模の街で、プロテスタントの側から「そのほかのキリスト教」(ものみの塔のような新興宗派や、キリスト教関連の新宗教も含む)を除外してもそう変わりはないだろうが、カトリックとプロテスタントの人口に占める割合はほぼ半々だ。

ただし、何かのイベントでもあれば、街の外からも人がやってくるので、この「半々」というバランスは崩れるだろう。そして北アイルランドでそういう「イベント」があるのが、そう、夏! ついに到来する夏の例のシーズン!




というかここ、4月に鼓笛隊(バンド)のパレードが予定されたのがパレード委員会によって止められてて(そのときのシン・フェインの担当者、ケリーさんのコメント)、今回は「ミニ12th」と呼ばれるパレードをする側(つまりロイヤリスト)が「ばっちこい!」な体制だったと思われるのだが、ここで、BBC News NIなどがスルーして、Twitter上(やFBでもたぶん)のそちら界隈だけで出回っている「リパブリカンによる嫌がらせ」の写真がある。

これについて、本稿ではメモっておきたい。なぜなら……

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2015年06月11日

【まるでピラミッド】また今年もでかいです(例の夏祭りのボンファイア)

北アイルランドの毎年のあれ、ええ、7月12日の前夜祭、7月11日のあれ、あれが自然に生えてくるわけではないというのはわかってたんですが、これは(笑)




ここ、2007年はこんな感じだったということが検索してわかりました。2013年のも十分にでかいけど、今年はそんなもんじゃない。でも、2014年のと同じくらいかな(2014年はヘイトスピーチがひどかった……)。

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2015年06月10日

あの「紛争」は、誰が何のために、何をしていたのか。



つい先日(5月下旬)、BBCがPanoramaで北アイルランド紛争の闇の奥の奥に踏み込む報道をしたばかりだが、そのさらに奥というかピンポイントの1点を、BBC Northern IrelandのSpotlightという時事報道番組が扱った。担当のジャーナリストは2番組とも同じ、ダラー・マッキンタイア(「チェルシー・ヘッドハンターズ」への潜入取材などで知られるドナル・マッキンタイアと兄弟)である。

「ステーキナイフ Stakeknife」は、今から10年ほど前、北アイルランドのニュースを賑わせていた人名だ。正確に言えば「人名」ではなく、「コードネーム」。英当局がIRAに入れていたスパイのコードネームだ。IRAの中でも最も凶悪な「懲罰班」の仕切り人だった。つまり、IRAの中で「当局のスパイではないか」と疑われた人々の「面倒を見る」役目の人物で、そういう人物が「当局のスパイ」だったという、すさまじい話。

今回のSpotlightはその「ステーキナイフ」と、IRAに「処刑」されたある女性(3人の子供を1人で育てていたお母さん)についての調査報道で、これがもう、記事を読んだだけで、くらくらする。
http://www.bbc.com/news/uk-northern-ireland-33069102

本エントリ冒頭の画像は、その番組についてのやり取りだ(IRAの暴力に耐えてきて、今それを告発して、当人たちに完全に無視されているカーヒルさんにこれは酷、と思うのだけど)。

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2015年05月28日

北アイルランド自治議会が、機能不全を起こしている。「またか」と言うなかれ。今回は深刻だ。

人間が考えるたいがいのシステムは、いつかは古くなって、実用に耐えなくなるか、実態にそぐわなくなるのが当たり前かもしれない。何らかの問題を解消・解決するために、いろいろな要素がある中で何かを優先して考案されるシステムは、時代の流れ、状況・環境の変化、人々の考え方の変化によって、だんだん齟齬が生じてくるものだろう。

1998年のグッドフライデー合意 (GFA) でスタートした現在の北アイルランドの「自治」は、通常の「与党と野党」というシステムではなく、「パワー・シェアリング(権限の分担) power sharing」という形で機能するシステムだ。通常は議会で過半数を持った政党が組閣するが、北アイルランドでは獲得議席数に応じて閣僚ポストが各政党に割り当てられている。なので北アイルランドには「与党」もなければ「野党」もない。

しかしGFAでの自治議会は、2002年の「スパイ騒動」(その事実はなかったことがあとで確定されたが)でサスペンドされてしまった。さらに2003年の自治議会選挙でGFAに反対していたDUPが最大政党となった。どうすれば北アイルランド自治議会を機能させることができるかが模索され、交渉交渉また交渉の末、シン・フェインによる警察の支持という歴史的な転換点を経てDUPの支持を取り付けることで実現されたのが、2006年のセント・アンドルーズ合意に基づく現在の自治政府だ。これにより、ユニオニスト側のDUP、ナショナリスト側のシン・フェインをそれぞれ最大政党とし、両党から正副ファースト・ミニスターを出し、UUPとSDLPとアライアンスも閣僚を出すという形が実現された。この合意で、司法 (justice) の権限が英国の直轄統治から北アイルランドの自治に戻されることとなり(具体的に実現したのはさらにその数年後だったが)、ストーモントの自治議会は2007年5月8日に心あたたまるようなセレモニーで再起動された。現在の自治議会はそのときに再起動された自治議会である。
https://en.wikipedia.org/wiki/Northern_Ireland_Assembly#Current_assembly_and_suspensions

……というわけで、(DUPは全力で否定するが)元々は1998年のGFAで形になった自治議会のシステムが、そのときそのときに修正されつつ、何年もかけてまともに機能するようになって今日がある……というだけなら美しいのだが、これが機能しない。

システムの(今から見れば)原型といえるものが作られた1998年までの時点では、解決・解消されるべき問題は「宗派間対立」だった。というか、より正確には「50%以上の "プロテスタント" が、50%未満の "カトリック" を二級市民扱いしてきたことから、武力紛争になった」ということを踏まえ、(大まかに政治的に「ユニオニスト」と「ナショナリスト」に対応する)これら2つの宗派の一方だけに偏って有利な政治を行わないようにしなければならないということが、「ポスト紛争」のシステムの最優先事項だった。「クロス・コミュニティな/双方のコミュニティ間で隔たりなく cross-community」という形容詞が、とても重要なキーワードだった。

しかし、である。

With the first minister Peter Robinson in hospital recovering from a heart attack and unable to take part in the debate, his DUP attempted to introduce a bill that would have led to reforms of the benefits system locally and manage redundancies in the civil service.

But Sinn Féin and the SDLP exercised a veto known as the “petition of concern” where bills can be defeated if one side of the sectarian/political divide claims there is insufficient cross-community support for the law.

--- Northern Ireland power sharing in crisis as welfare bill fails
Tuesday 26 May 2015 22.54 BST
http://www.theguardian.com/politics/2015/may/26/northern-ireland-power-sharing-in-crisis-as-welfare-bill-fails


阻止された法案はウエストミンスターの緊縮財政方針にともなう福祉削減に関するもので、2014年12月のストーモント・ハウス合意(「エクストリーム交渉」の末、結ばれた合意)に含まれていたのだが、この3月、突然シン・フェインが支持を撤回した(「エクストリームUターン」)。既にEUの予算もとりつけていたメイズ/ロングケッシュ刑務所跡地再開発計画への支持を、DUPがいきなり撤回したことを思わせるようなUターンだった(あのころから、「ピース・プロセス」の行き詰まり感ははっきりとわかるほどになった)。

ここでシン・フェインとSDLP(ナショナリスト/カトリックの側)が、「福祉の削減」というクロス・コミュニティ云々(つまりセクタリアン・ディヴァイド……今はこの言葉はあまり使うべきではないのだが)の問題ではないものについて「一方の側での説明・議論・理解・支持が不十分な場合の拒否権」を使うのは、「法案成立を阻止するために、使えるものは何でも使っている」状態だろう。

しかし、これは本質的にとても危ういことだ。この法案は、「ナショナリスト/カトリックは承服できないが、ユニオニスト/プロテスタントは支持している」などというものではないからだ。

実際、ユニオニストの側からこんな声が上がっている。

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英政府当局は何をしていたのか……今日のBBC Panoramaで北アイルランドの「闇」を特集

今日28日(木)のBBC Panoramaがすごい内容。予告編(冒頭部分)の紹介。




北アイルランド紛争で唯一、取材・執筆活動ゆえにターゲットとされ殺されたジャーナリストのマーティン・オヘイガン(2001年9月、ロイヤリストに襲われ射殺された。当時のブレア政権は事件の捜査・真相究明にどのくらい本気で取り組んだのだろうか)が、今日のPanoramaの映像の最初に出てくる。

Britain's Secret Terror Deals

British security forces have been accused of involvement in dozens of murders during the Troubles in Northern Ireland. Reporter Darragh MacIntyre investigates allegations that the state colluded with paramilitary killers and covered up their crimes. He meets the families who have been fighting for decades to uncover the government's darkest secrets and he confronts some of those believed to be complicit.
http://www.bbc.co.uk/programmes/b05x8gzs


このPanoramaの取材を行ったダラー・マッキンタイアは、潜入取材を得意とするドナル・マッキンタイアと兄弟で、BBC NIのベテランのジャーナリストだ。2012年にはアイルランドのカトリック教会の児童虐待について優れた仕事をしている

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2015年05月26日

ピーター・ロビンソンが倒れた件と北アイルランドの政治ニュース、続報(退院まで追記)

現地月曜の朝、ピーター・ロビンソンが倒れて病院に搬送されたこと、心臓発作と思われるということは既に書いたとおり。

その後、ロビンソンは心臓手術を行い (underwent a procedure)、そのままロイヤル・ヴィクトリア病院(RVH)にいる。手術の内容は、病院は「プライバシーの尊重」と言うのみだが、ステントを入れたのではないかという話。となるとしばらくは休養が必要になるが、その間のファーストミニスター代行については、当初、前回2010年1月のロビンソンの一時離脱時(自身の不動産疑惑と妻の口利き疑惑……というより妻が19歳の愛人を囲ってた騒動+彼に便宜を図っていたのではという疑惑)に代行をつとめたアーリーン・フォスター(まだ40代の女性政治家でなかなかのやり手のよう)が立つという話もあったものの、ナイジェル・ドッズが出てきて「決まってません」ときっぱり

本当に何の前触れもなく「大一番」(ストーモントの議会での福祉法案の審議)の直前にリーダーが倒れたので、DUPがしっちゃかめっちゃかになっている様子だ。うっかりするとシン・フェインの策に……あ、ええと、「そういうこと」が言いたいんじゃないですが (^^;)

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アイルランド共和国における「婚姻の平等」の実現について、現地のことばとハッシュタグ、写真など。

25日付で急遽「アイルランド共和国」と「北アイルランド」は別で、ましてや「アイルランド共和国」と「英国」とはまったく別で、そして「北アイルランドでは何も進展なんかしていませんよ」ということをざっと書いたために遅くなってしまったが、アイルランド共和国における婚姻の平等(同性結婚合法化)のレファレンダムについて、現地のことばとハッシュタグ、写真などをまとめておいた。

アイルランド共和国の同性結婚合法化…「他の誰かの幸せ」と「国の制度」と「価値観」と。
http://matome.naver.jp/odai/2143256986079242401


相当本気で作ってあるんで、読んでみていただきたい。

アイルランド共和国での同性愛者への差別撤廃(1993年までは「犯罪者」だった)の最大の功労者のひとりであるデイヴィッド・ノリス上院議員のことば。レファレンダムの最終結果が出る少し前のインタビューでの発言だ。

この国で同性愛者が平等になるときがついにすぐそこまで来ているのです。ただ私には少々遅すぎました。先日もお話ししましたが、私は何とか船を押し出そうと一生懸命になっていて、自分でその船に飛び乗ることを忘れてしまっていた。今やその船は港を出て、大海原に乗り出してしまいました。でも、そういう光景を眺めているのは、とてもよい気分です。

http://matome.naver.jp/odai/2143256986079242401/2143259824791425003


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2015年05月25日

北アイルランド自治政府ファーストミニスター、ピーター・ロビンソンが倒れた。

アイルランド島で立て続けにあれこれ起こりすぎていて全然追いつけないのだが、北アイルランドでファースト・ミニスター(自治政府首相)のピーター・ロビンソン(66歳)が倒れた。月曜の朝、自宅で具合が悪くなって病院に搬送され、さらにベルファストで最も設備の整った病院(ロイヤル・ヴィクトリア病院: RVH)に移って検査を受けているとの由。おそらく心臓発作。



報道関係のツイートや政界からのお見舞いの言葉は下記にアーカイヴした。

#NorthernIreland: First Minister Peter Robinson hospitalised (25 May 2015)
http://chirpstory.com/li/268239


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アイルランド共和国と北アイルランドは別。「アイルランド全体」、「イギリス全体」が「同性結婚を導入」というのは、誤情報。

取り急ぎ。アイルランド共和国と北アイルランドは別で、北アイルランドは英国の一部である。「アイルランド全体」、「イギリス全体」が「同性結婚を導入」というのは、誤情報である。

2014年5月24日付、Japan in Depth掲載の下記の記事を見た。
http://japan-indepth.jp/?p=18460



この記事には、論点とか視点とかいうこと以前の重大な事実誤認が含まれている。「アイルランド共和国」での政治的な意思決定は、「イギリス」とは関係ないという点についての事実誤認である。

当該記事の見出しには
【アイルランド、国民投票で同性婚合法に】〜イギリス全土で合法化〜

とあり、また本文には
今回アイルランドで行われた国民投票の結果を受け、イギリス全土において同性婚が解禁されることとなった。

とある。これが著しい事実誤認である。

その点について、取り急ぎ、ものすごく大雑把に書いておく。(あまり厳密な記述にはしないので、読むだけ読んで終わりにして、引用とかはしないでいただけるとうれしい。)


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2015年05月19日

「歴史」は、動くときは一気に動く。ついに、ジェリー・アダムズが英王室メンバーと直接顔を合わせる。

シン・フェインの警察支持とは異なり、これにはシンボリックな意味しかない。しかしそのシンボリックな意味は、とても大きい。だからたぶん、世界的に報じられるだろうし、おそらく日本語でも記事になるだろう。

ついにジェリー・アダムズが、英王室メンバーと直接対面する。

#Ireland: Sinn Fein leaders, incl. Gerry Adams, to meet Prince Charles
http://chirpstory.com/li/266968




May 18

Speaking tonight, Cathaoirleach Náisiúnta Sinn Féin, Declan Kearney said:

“On Saturday an Ard Chomhairle decided that representatives of Sinn Féin would attend events as part of the visit of Prince Charles to Ireland.

“This was agreed to promote the process of resolving past injustices and promoting reconciliation and healing.

“Sinn Féin representatives have received a number of invites including the Party President Gerry Adams and deputy First Minister Martin McGuiness. In line with the Ard Chomhairle decision both will meet with Prince Charles.”


このシン・フェインのリリースは、党幹事長(チェアマン)のデクラン・キアニーの言葉として、「土曜日(5月16日)、党幹事会 (Ard Chomhairle) が、シン・フェインの代表団が英チャールズ皇太子のアイルランド訪問で行われる行事に出席することを決定した。これは、過去の不正義を解決し、和解と癒しを促進するプロセスを促進する(言葉のダブリは原文ママ)ために決定された。党首ジェリー・アダムズ、(北部/北アイルランド自治政府の)副首相マーティン・マクギネスをはじめ、党の代表者たちは招待を受けている。党幹事会の決定に沿う形で、アダムズ、マクギネス両名はチャールズ皇太子と対面する」と党員および一般の人々に告知している。

これが可能になる筋道は、4年前の今頃からつけられ始めた(といっても、シン・フェイン目線を離れれば、今回のことより4年前の出来事のほうがずっと重要でずっと大きいのだが。つまり、今回の出来事は4年前の出来事の結果のひとつなのだが)。

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2015年05月10日

北アイルランド総選挙結果についてはこちら。

北アイルランドについてはこちら:

2015年英総選挙: 北アイルランド全18選挙区の結果(付: BBC記者のネクタイ選び)
http://matome.naver.jp/odai/2143116928203956601


「なぜこんなに狭くて人口も少ないところで18議席もあって、議席を取るだけ取って議会に出席しないことを政策の柱としている政党が強いのか」など、深い話はしていません。単に、選挙速報のログ。

今回のメインはUUPの復活。それも、前回シン・フェインを相手に4票差だった選挙区で奪還したばかりか、あのウィリー・マクレエ(DUP)から奪ってる。ユニオニストでぐだぐだになって議席を失ってフェードアウトした政党はいくつかあるけれど、議席を失って復活したのはUUPだけじゃないかなと思います。ま、UUPは何があってもUUPなので、底力(バックについてる組織を含め)が違うんですが。

にしても、DUPが8議席で、ウエストミンスターでLDと同じ議席数ですよ。わけがわからない。

でもブリテン島(思慮のない人、口の悪い人は「メインランド」と平気で言うけど)では北アイルランドのことなんか、誰も、気にしてない。世論調査機関ですら、埒外においてたりするくらい。

でもウエストミンスターとホワイトホールにとって、北アイルランドは簡単に切り離せる存在ではないので。アイリッシュ海(の一部)を「自国の海」として持っているのと持っていないのとでは、大違いですよ。(スコットランドは対ノルウェー、対アイスランドの「領海」の問題。)
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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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