kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2015年11月20日

ピーター・ロビンソンが新年をめどに政界を引退する。

表題の件。

【北アイルランド】ピーター・ロビンソンが政界引退を表明した。
http://matome.naver.jp/odai/2144799904623571601


ピーターの引退後、DUPは「党首」と「北アイルランド自治政府トップ」を別々の人に任せるようになるかもしれない。それをピーターは「シン・フェインが党首はアダムズ、NI自治政府はマクギネスと分担しているように」と述べているが、シン・フェインは「全アイルランドの政党」としては党のトップが北アイルランド行政のトップであっては困るという事情があるわけで、いろいろと、いいのだろうか、と思う。

ともあれ、ニューズクリップは:
http://b.hatena.ne.jp/nofrills/20151120【続きを読む】
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テロリズムと暴力の中で少年時代を送ったベルファストのバンドが、パリでのライヴをキャンセルしなかった理由。「普通」にしていることの価値。

……というわけで、U2が、「パリの混乱から、ベルファストの平和へと」やってきて、18日と19日に、かつて「紛争地」だったこの地でがっつりメッセージぶちかまして、心の白旗をぶん回していったことを1つ前のエントリに書いた。アリーナに来ていた人たちの多くがにやにやさせられただろう。決してパリをバカにするのではなく、ついにこのベルファストが「平和」の地になったか、という笑いを誘う一言だ。

1970年代、80年代と、西欧でも各都市で「テロ」は起きていた。ETAのような民族主義の組織も、極左組織も極右組織も活発だった。しかし、「普通の」都市であることを、「テロ、暴力、紛争」によって阻まれた都市は、西欧では(←重要。ここを無視して読んで、文句つけてきたりしないでください)北アイルランドの都市だけだっただろう。「紛争のとき、ベルファストにはバンドが来なかった」(SLFのジェイク・バーンズ)のだ。その時代を記録した貴重な資料としては、ドキュメンタリー映画、Shellshock Rockがある。

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キングレコード 2014-09-10

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この辺のことをあんまり詳しく書いてるとまた終わらなくなるので先を急ごう。

1977年10月、The Clashのベルファスト(アルスター・ホール)でのライヴが中止になったときのことが、2014年に社会学の研究テーマとしてシンポジウムで取り上げられた際のBBC記事に、次のような一節がある。
http://www.bbc.com/news/uk-northern-ireland-27864602
Street violence and bombings as the Troubles raged in Northern Ireland meant bands mostly shunned Belfast.

While punk was often cited by bands as a reaction to overwhelming boredom, in Belfast young people were starved of anything approaching normality.


ベルファストは、バンドがライヴをしに来てくれるような「普通の街」ではなかった。Stiff Little Fingers (SLF) は、そのことが人々にもたらす影響を、まさに自分の物語として知っている。彼らはその「異常性」の中を生きてきた。

週末から週明けにかけて、U2やFoo FightersやMotorhead(ウムラウト省略)といったバンドがパリでの公演を中止し、ジャイルズ・ピーターソンのクラブでのレジデンシーも取りやめとなったが、SLFは予定通りに火曜日のパリでのライヴを行なった。

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posted by nofrills at 13:45 | TrackBack(0) | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「私たちは憎悪することを拒否します」……同時多発テロのあおりでパリでの日程がつぶれたU2が、ベルファストで「平和」「犠牲者」の物語を共有する。

「U2が18年ぶりにベルファストでコンサートするってよ」というニュースが流れたのは夏だった(正確なタイミングの確認は省略)。続いて「チケットが発売されて即時完売」というニュースがあったが、私は「そりゃそうだろうな」と思ったくらいで、特に気に留めなかった。観客が撮影したビデオが公開の場にあれば、少なくとも「あの曲」のは見るだろうと思ったし、ベルファストだから「この曲」はやるのかなあ、どうなのかなあと思いはしたが、そもそもここ20年近くのU2のアルバムは、まともに聞いたことがない(自分で買ってない)。

ただ、ベルファストが「U2のようなビッグなバンドがコンサートを行なうといえば、チケットが即時完売するような、普通の都市」になっているというニュースは、私がネット上で見ている殺伐としきった流血と暴力の世界の中では喜ばしい、歓迎すべきニュースのひとつではあった。というか、「ベルファストは普通の都市になりました」がニュースになる時代でももうないのだが、最近は日本を含めほかが殺伐としすぎていて、北アイルランドのニュースで日常感覚を取り戻すということになっている。

……という次第だが、今の私がさほど関心を持っていないビッグなバンドが、「普通の都市」になったベルファストでコンサートを行なう、というあんまり目立たないニュースのことは、私はすっかり忘れていた。

昔、試験勉強をしながらつけていたFMラジオで、U2の「あの曲」がかかっていなかったら、北アイルランドについて知ることもなかったかもしれないというのに。

しかし、その「今の私がさほど関心を持っていないビッグなバンド」は、11月半ば、思わぬ形で私が関心を持って見ているニュースに出てきた。

11月14日、U2はパリでコンサートをすることになっていた(4日間連続の日程で2日を終えたところだったそうだ)。この日はTwitterでQ&Aのイベントが予定され、ステージの模様はHBOが全米に生中継することにもなっていたという。

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2015年10月31日

ハロウィンの北アイルランド

https://twitter.com/nofrills/listsUKでのトレンドの1位が「ハッピー・ハロウィン」になって数時間になる(キャプチャ via kwout)が、Twitterのトレンドは、地域に関してはイマイチ甘いので(英国からのツイートがほとんどないような米国内のスポーツの話題などについても、なぜかUKでトレンドしていることがある。あと、UKのトレンドにはなぜかナイジェリアのトピックが混入していることが頻繁にある。ニュース的なことならわからなくもないのだが、ナイジェリアの芸能人がどうしたとかこうしたといったことがUKで大きな話題になるはずもない。プロクシか何かかな、とは思うが)、正確に「英国での」トレンドなのかどうかはちょっとわからない。

いずれにせよ、今年は土曜日に重なっているので、みなさんゆるゆるまったりしながら、「日没が早くなったなあ」などと語り合っているのではないかと思う。

さて、日本でも定着してきたこのハロウィンという行事について、アイルランド共和国大使館のプレスリリースが出ていた。日本語の対訳あり(ページの上半分が英語、下半分が日本語の対訳)。

Ambassador of Ireland delighted to see Ireland-origin festival, Halloween a huge hit in Japan!
https://www.dfa.ie/irish-embassy/japan/news-and-events/2015/embassy-of-ireland-press-release/


日本語の対訳から、ハロウィンのいわれについての部分を抜粋すると:
数千年前、ケルト人は収穫期の終わりを祝っていました。この時期は死者の魂がよみがえり、地方をさまよって生家に戻ると信じられていました。死者の魂は幽霊や妖精、ゴブリン、悪魔の姿をしており、彼らが家に戻ってきた時に機嫌を損ねないよう、人々は食べ物や飲み物を出しておきました。また、自らも悪魔の仮装をして、彼らに気づかれないようにしていました。

このケルト人の慣習であるハロウィーンは現在もアイルランドで祝われており、アイルランド語で『サワン(Samhain)』の名で知られています。キリスト教が伝えられた際、その教えは幽霊や妖精、悪魔に対する信仰を否定しようとしましたが、完全には成功しませんでした。そして、19世紀半ばに多くのアイルランド人が海外へ移民した時に、ハロウィーンがアメリカに伝えられたのです。


現地で午後2時(日本との時差9時間)を過ぎ、「北アイルランドのリスト」でもそろそろハロウィン関係の実況のツイートが増えてきた。

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2015年10月26日

だじゃれをいうのはだれじゃ(豆系)

peace = peas (音的に)

というわけで……

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2015年10月22日

存在していて存在していないIRAは、IRA以外の武装組織同様やはり今も存在しているんだけど、IRAの存在は許せんと自治政府から抜けたDUPは戻ってくる。

もうね、意味をわかろうとしないほうがいいです。起きていることをただ淡々と受け止めるだけ。高校のときに「現代文の受験テクニック」って習った人が多いと思うんですが(そしてこのテクニックはとても大事なものなんですが)、あの感覚ですね。自分では意見を抱くことなく、ただ「読み取る」ことに集中する。

ただ、ロジックがないと「読み取る」ことも実は人間にはできないんだけど、そこを諦めることができるかどうか。(きっとこの件の理路がわかるのは、何年か経過して状況が変わったあとなんですよ。)

現地時間で10月20日午後の早い時間帯(日本時間で同日夜)、北アイルランドの武装組織に関する活動状況報告(警察とMI5、3人のメンバーからなるパネルによるアセスメント)をまとめた文書が、英国下院でテレサ・ヴィラーズ大臣によって発表されました。その結論は、「IRAもUDAもUVFもINLAも、みんな相変わらず存在している」、「IRAのアーミー・カウンシルも存在している」。大臣(つまり政権)の考えとしては「紛争の最終局面からもう20年になるのに、なぜまだ残っているのか」、「解散すべきである」。

で、それは誰にとっても「知ってた」っていうことなんだけど、そもそもそんなわかりきったことをわざわざ英国の国会の議事録に残るような形で公式にまとめて資料にしたかというと、「IRAの存在」をめぐって北アイルランドの政治(自治政府)が紛糾しているから。具体的には、UUPが(1人しかいない)自治政府の閣僚を引き上げ、DUPも奇策を講じつつ閣僚を引き上げてDUP党首はファースト・ミニスターの座を一時退いているから。

そして、普通に考えたら、「IRAが存在しているという疑惑があり、そのために自治政府が混乱しているのですが、調べてみたら、やはりIRAは存在はしていないと結論されます」という話になって、DUPが自治政府に戻るというのがまともなことで、「IRAが存在しているという疑惑があり、そのために自治政府が混乱しているのですが、調べてみたら、やはりIRAは存在していると結論されます」という話になって、DUPが自治政府に戻るというのだから意味不明で、もう「意味」を追究するのはやめたまえ、むわはははは。

というわけで、ヴィラーズ大臣の議会での報告(オーラル・ステートメント)とその後の質疑の間のNIのリストのログ。ステートメントそのものはNIOのサイトで読めます

Northern Ireland: the police and intelligence's assessment on paramilitary orgs
http://chirpstory.com/li/289574


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2015年10月09日

アイルランド(全島)がフットボール・フィーバー

欧州のサッカーは、現在、Euro 2016(2016年欧州選手権、フランスで開催される)の予選の終盤だ。ラグビーのワールドカップも開催中で、スポーツニュースがやけに熱いのだが、今日はアイルランドが大騒ぎだ。それも全島規模で。

いや、ラグビーのことなら全島規模で大騒ぎになるのは既に普通だが(ラグビーはアイルランド全島でひとつの代表)、サッカーで北アイルランドもアイルランド共和国もどっちも大騒ぎ、お祭り騒ぎである。

北アイルランドがギリシャを3-1で下して本大会出場を決めた。

アイルランド共和国は世界チャンピオンのドイツを1-0で下して、出場権獲得に望みをつないだ。

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2015年09月30日

北アイルランド、ジーン・マコンヴィルさん殺害事件に関し、ジェリー・アダムズ、ボビー・ストーリーら6人のリパブリカンを不起訴に。

昨年4月末、ジェリー・アダムズが逮捕されたことをご記憶だろうか。日本語でもいくらかは報道されていたと思う。逮捕に至った容疑は、40年以上前の1972年にIRAによってスパイであると断定され、拉致され、拷問・殺害されて人知れず埋められたジーン・マコンヴィルさんの殺害に関与していたというものである。具体的には、当時のIRAの指導者として、マコンヴィルさん殺害の指示(指令)を出した容疑がかかっていた。

しかしながら、アダムズはIRAの指導者だったことを否定している。それどころか、「自分がIRAにいたことはない」と主張している。

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というわけで、こういう結論が正式に出されたとしても、誰も驚いていない。

Jean McConville murder: Sinn Féin leader Gerry Adams will not face Disappeared charges
http://www.bbc.com/news/uk-northern-ireland-34391198


Sinn Féin leader Gerry Adams will not face charges in connection with the IRA murder of Jean McConville, the Public Prosecution Service has confirmed.

Six other people, including Bobby Storey, Sinn Féin's northern chairman, will also not face charges linked to the 1972 killing.

Jean McConville, 37, a widow, was abducted from her west Belfast home, shot and secretly buried.

Mr Adams said the decision was "long overdue".

"There was never any real basis for questioning me in respect of this case. I played no act or part in Jean McConville's death," he said.


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2015年09月22日

北アイルランド、IMC状の武装勢力監視機関のメンバーが告知された。

はてなブックマークの「コメント一覧」を非表示にしているだけで「誤訳が〜」とか「誘導が〜」とか「罪深い」とか言われてて、極めてばかばかしい状況だが、北アイルランドでのこの動きについては日本語で少し書いておこうと思う。あとから自分で検索できるようにしておくことが目的であり、別に誰かを「誘導」したいわけではないし、「誘導」などという高度なことをする技量も知識も私にはないことをお断りしておく。

5月と8月の2件の殺人事件で、「IRAがまだ存在している」ことが(今更のように)問題視され、UUPがストーモントの自治政府から大臣を引き上げ、特に英国政府に対してあれこれ交渉をした末に、DUPも財務ポストを除外して大臣は引き上げ、ファースト・ミニスターはピーター・ロビンソンが一時引っ込んで (step aside) 財務大臣が代行として兼任するというかなりアクロバティックなことをやるという形で、ストーモントの自治政府は「生命維持装置につながれている状態」にある。

この局面を打開するために、2004年から2011年まで北アイルランドの武装組織の活動を監視していたthe Independent Monitoring Commission (IMC) のような独立監視組織を新たに立ち上げようということで話がまとまったようで、先ほど、英国政府のテレサ・ヴィラーズ北アイルランド担当大臣によってそのメンツが告知された。

英国政府のページ:
https://www.gov.uk/government/news/villiers-announces-names-of-independent-reviewers

報道各社:
http://www.belfasttelegraph.co.uk/news/northern-ireland/northern-ireland-paramilitary-organisations-independent-review-panel-named-31548875.html
http://www.u.tv/News/2015/09/22/Panel-appointed-to-review-NI-paramilitaries-45418
http://www.bbc.com/news/uk-34323374


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2015年09月20日

ピーター・ロビンソンがまた入院した。(翌日には退院)

5月におそらく心臓発作を起こして倒れ、ベルファストで一番設備の整った病院に搬送されて手術を受け、4日間入院していたピーター・ロビンソンが、土曜日(9月19日)、また病院に搬送され、日曜日(20日)は病院で過ごしているそうだ。

今度は「薬の副作用で、大事(だいじ)をとって入院」と病院は説明しているが、明日月曜日(21日)から国技「エクストリーム交渉」が始まるというときに、大丈夫なのだろうか(5月の入院もタイミング的に似ていたが)。

公にされている情報は、少ない。UTVもベルファスト・テレグラフもBBCも、情報としてはどこも同じである。



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2015年09月15日

「アイリッシュ・ニュースの記者が脅迫されている」って……

さて、北アイルランドは地味にエクストリームな状態が続いている。そもそも今回のこのごたごたを引き起こしたのは「存在していて、なおかつ消えてしまったIRA」(プロヴィジョナルIRA)だが、最終的には、(「Real IRA改め自称IRA」などではなく)その「IRA」を含めたパラミリタリー組織の監視を行なう機関を設置するというのが落としどころになりそうな気配はする。ただし、「気配」にすぎないし、何がどうなるかは全然わからない。

そんな中で、アイリッシュ・ニュースの記者が脅迫されているというニュースが来た。

'Chilling' death threat against Belfast journalist
http://www.u.tv/News/2015/09/14/Chilling-death-threat-against-Belfast-journalist-44911


北アイルランドでは、武装組織が「殺す」という脅迫を出すと、たいていは警察から「標的」に連絡がある。そういった脅迫のケースの中にはニュースになるものもある。シン・フェインの政治家が脅迫されると、よく、「シン・フェインのだれそれが脅迫された」という見出しでBBC Newsの記事になっている。記事の中身は「脅迫には屈さない」とか「ああいうことをするのは犯罪者だ」とかいった脅迫対象の人のコメントがメインだ。

ジャーナリストが脅迫されてニュースになることもないわけではないが、政治家に対する脅迫に比べたら件数はずっと少ないし、脅迫対象の人の名前も出されない。マジで危ないからだ。

今回の脅迫事例でも、脅迫されているジャーナリストの名前は明らかにされていない。でも、所属媒体だけでも充分に衝撃的だろう。

アイリッシュ・ニュースはベルファストを拠点とする新聞のひとつで、ナショナリストを主要な読者としている(ベルファスト拠点でユニオニストを読者とする新聞がニューズレター、ユニオニズム寄りではあるかもしれないがより総合的なのがベルファスト・テレグラフ)。

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2015年09月11日

奇策・「歴史は繰り返す」(ただし変奏し、巻き込みながら)

Triple-Spiral-Symbol-heavystroked.pngケルトのぐるぐる渦巻き模様。どこから始まっていてどこで終わるのか、どうつながっているのか、確かめようとしてじっと見ると目が回る。

北アイルランドについてのニュースをネットでフォローするようになって約15年になる。当初は「さっぱりわからないのは、私に前提となる予備知識がないから」だったのだが、ある程度の予備知識が備わってくるうちに、知識があれば何が何なのかがわかる部分と、そうでない部分とがはっきり見えてくる。ほどなく、「これはあのぐるぐる模様みたいなものなんだ」という気持ちになる。そうすると、全体はよりはっきり見えてくる。

やや逆説的かもしれないが、そういうことはある。そしてそこでは、ぐるぐるは相互に影響しながらぐるぐるしている。

さっきまで、IRAについて用いられていたフレーズが、今はユニオニストについて用いられる。それで何の不思議もない。私が「これが人の世の営み、ザッツ・ライフ!」などとモニターの前でニヤニヤしているのは、アイルランド成分の大量補給のせいだ。

というわけで、「ストーモント危機」に対し、DUPが奇策を繰り出した。私はモニターの前で、「眉間にシワ」⇒「ハラハラ、ドキドキ」で見ていたのだが、最終的には大爆笑している。



ピーター・ロビンソン、この人はおもしろすぎる。いろいろ「黒い」部分もあるはずだけどね(特に不動産関連)。

というわけで、DUPが最後通牒をした翌日、9月10日の「ストーモントの危機」の大きな局面の顛末は、下記を参照。まさかのDUPの奇策でみなさん大爆笑(つっても北アイルランドなので、シニカルだよ)。

Northern Ireland: Stormont crisis, or is it circus?
http://chirpstory.com/li/284318


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2015年09月10日

「彼が真実を認めるかどうかです」とUUPに言われた「彼」は……

1つ前のエントリ、「北アイルランド、ストーモント体制は、本当に、もちこたえられないかもしれない」の件、象徴的なのは、これだと思うんですよ。昨日、ボビー・ストーリーの逮捕の報道があり、マーティン・マクギネスのコメントが出て、騒然としていたときの実際のタイムラインより(via https://twitter.com/nofrills/lists/ni )。



パロディ・アカウントとかじゃないですよ。本人ですよ。

本人がどういうつもりであれ(あの人は「変人」なので、どういうつもりなのかは余人にははかりしれない)、見ている立場からいえばこれは、「この事態をまじめに受け取ってません」という意思表示以外の何ものでもないわけで、私が側近や党幹部だったら「もういいから、ひっこんでてください」と言ってスマフォやPCを取り上げてたと思う。

しかもこの「でっかい羊さん(原文ママ)」のツイートの次に何をしているかというと……

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北アイルランド、ストーモント体制は、本当に、もちこたえられないかもしれない。

さて、前項でみた「人名 (はぁと)」などのTwitterスパムは、ボビー・ストーリーの逮捕についてのツイートを見ていたときにあまりに目障りだったので記録しておくことにしたものだが(以前のTwitterスパムについてのエントリも多く見てもらえているようだし、スパムの傾向は書いておけばきっとどこかで役立つ)、重要なのは本題である。

主にニュース系のあれこれをアーカイヴしておいた。
Northern Ireland: Senior republicans including Bobby Storey arrested
http://chirpstory.com/li/284111


ボビー・ストーリーはシン・フェインの幹部だが(議席は持っていない)、「政党幹部」というより「ポスト紛争社会のコワモテの顔役」で、ナショナリスト・コミュニティの若いのが暴れればニラミをきかせて説教するとか、ミルタウン墓地のリパブリカンの墓がロイヤリストのバカ者に荒らされたときには新聞記事にニラミをきかせて出てきたりとかしている。1998年ベルファスト合意(グッドフライデー合意)での早期釈放規定により釈放されたが、16歳のときからIRAで活動している筋金入りのIRAメンバーである。1983年の「ロング・ケッシュ/メイズ大脱獄」のメンバーの一人でもあり、この人の「紛争後」の変遷は、「テロリストと話をする」という英国政府の(当時の)方針を象徴的に表していたと言ってもよい(そういう変遷を見せた人は、この人だけではないのだが)。
https://en.wikipedia.org/wiki/Bobby_Storey

その人が、「IRAの内部での争いごと」による殺人事件に関連して警察に逮捕された。英国での「逮捕 arrest」は、日本でいう「重要参考人」についても行なわれることがあるし、この事件での逮捕者(既に何人か出ている)はこれまでのところ無条件で釈放されているし、ボビー・ストーリーも地域の顔役として「参考人」的な立場での逮捕なのではと考えられもするのだが、逮捕というのはそれ相応の手続きにのっとって行なわれるものであり、そんなにすっと「流せる」ことではない。しかもシン・フェインの幹部を逮捕するということは、PSNI(警察)としてもそう気軽には(=ヒラのIRAメンバーを逮捕するときのようには)やらない。

で、今日のこの展開は重要なのだが、これが一筋縄でいく話ではない。そんなときには北アイルランドのベテランのジャーナリストの解説が出てくるのを待つのが定石で、今日も待ってたら、もうブライアン・ロウアンの解説が出ている(このエントリを書いてからアップするまでの間に別の人の分析も出てるかもしれない)。気分が重くなる話なので、そのつもりでどうぞ。

Stormont’s warning signs...
09 Sep 2015
http://www.u.tv/Blogs/2015/09/09/Stormonts-warning-signs-44687
Inside the Stormont building there were warning signs - pointing to a wet surface.



Politics is slipping and sliding.

Martin McGuinness talked of "a very serious moment" and said what is needed is "a period of reflection".

There may not be time for that.

This time, Stormont really is in trouble - with one source predicting "endgame".


(´・_・`)

……というわけです。

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2015年09月05日

「ボビー・サンズのハンスト」を「海外では〜」と語るな。

昨日(4日)にTwitterで連続投稿した件。何か気の利いた地の文を書こうとしてみたが、特に思いつかないので、ただツイートを貼り付ける。

「北アイルランド(特にベルファスト)での毎年夏の騒動」の文脈にあることを、勝手に「2011年の夏の英国での暴動」の一部だと解釈してそのように書いたり、「欧州ではこれが標準」とかいった無知に基づいたトンデモ語りを展開したりしてた例もあったよな、と思いつつ、「ボビー・サンズのハンスト」のような特異例を、「海外ではハンストはこうやる」みたいにして広めるなよ、アホ、とくだをまいている、という話だ。



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2015年08月31日

「テレビ番組名をなんとかランド化する」ハッシュタグ(英語圏……というよりなんとかランド圏)

わけのわかんないことになってるなんとかランド、週末はいつも通り、スポーツ(ゲーリック・フットボールなど)で盛り上がっていますが、ハッシュタグも盛況のようです。

(・_・)

少しこういう成分を補給しないと、いろいろと無理目なので、補給しておきましょう。まだ先は長いですよ、きっと。ひょっとしたら、ここからエクストリーム交渉が始まるかもしれないし。。。

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2015年08月30日

「IRA内部での殺し合い」が、ストーモントの自治政府を機能停止させそうな件。

北アイルランド政治が、「なぜそんなことで膠着状態に陥るのか」ということで膠着状態に陥るのは単に「デフォ」だが、今また味わい深いことになっているのは「いつものこと」とはちょっと違う。「いつも」とは違う結果になる可能性が高い。つまり「ただの膠着状態」では終わらなさそうだ。

存在していて、同時に存在していないあの組織が存在していることが、あったりまえだのくらっかー的なことというか、「部屋の中の象」的なものではなく、(紛糾している状態を維持することは得意な政治家たちによって)「何か明確な反応を示すべき問題」となっている。UUPがストーモントの自治政府から離脱するのだ。(といっても、UUPは閣僚ポストは1つしか持っていない。)

党としての意思は既に決定されているが、正式な手続きが済むのは土曜日(8月29日)の予定で、そのための会合がもうすぐという段階のBBC News NIのトップページはこうなっている。(下記画像はクリッカブル。記事が上書きされると思うので現時点のもの→ https://archive.is/Wofs3



UUP党首、マイク・ネスビットの舵取りについて、アレックス・ケインさんがBTに書いている記事が非常に興味深い。(記事自体はネスビットの人となりを説明する部分がとても長いので、読むのには時間がかかるかもしれない。お茶いれてどうぞ)
http://www.belfasttelegraph.co.uk/opinion/debateni/uup-leader-mike-nesbitt-is-taking-his-biggest-gamble-yet-31486114.html
Removing the UUP from the Executive is the biggest risk he has taken. It will, almost certainly, lead to the collapse of the Executive in the next couple of weeks and nobody can be sure what happens afterwards. He is clearly up for an early election, reckoning that Robinson and the DUP are weaker than they were, yet not so weak that Sinn Fein could sneak into the First Minister's Office - an outcome that would damage Nesbitt.

But if there isn't an early election and if the DUP decides to play rough with him - and it's worth remembering that the DUP is at its most ruthlessly effective when its back is to the wall - then there could be a very unpleasant war between the two big unionist brands.

Nesbitt is also going to need to nail down a coherent, credible response to the question, "under what conditions would you return to an Executive that includes Sinn Fein"? He cannot go into an election without that answer.

The next election will be the most important election for the UUP since the 1998 Assembly election: which is when the first signs of decline were obvious. Nesbitt has raised the stakes by setting an agenda the DUP is not comfortable with. There are enormous risks for him, of course, but also enormous possible rewards. ...


ネスビットは元々政治畑の人ではなかった。リネン工場を経営する実業家の家に生まれたが、工場が1973年にボムられて家業が途絶え、ケンブリッジ大を経てベルファストのクイーンズ大学の修士課程にいるときにスポーツ・ニュースの分野でBBCで仕事を始め、その後UTVに移ってニュースキャスターとして活躍し、Victims Commissionを2年ほど率いたあと、2010年にUUPで政治活動を開始。そして、早くも2012年にUUP党首となって以降は、2000年代に一度は溶け去ってしまったかに見えたUUPが党勢を回復しつつある(と見られている)。そこで思い切った策に出た、というのがケインさんの解説だ。

そんなUUPの態度に、当初は否定的なことを発言していたDUPも、結局はUUPと同じように行動するしかないらしく、今度こそは本当に「あなた、ストーモントちゃんが、息をしていないの!」だ。

そのへんの流れは、タイムラインにて。
http://www.bbc.com/news/uk-northern-ireland-34083430

このあとがどうなるかはわからない。

これを引き起こしたきっかけというのが、IRA内部での殺し合いの発生と「IRA (Provisional IRA) がまだ存在している」ということで、そんなわかりきった、あったりまえのことで、今更何を……と思うのだが、そこはそれ、ほれ、例の「政治的駆け引き」ってことのようで、正直、何が何やら。

おかげでジェリー・アダムズの「根拠のよくわからない全否定」がまた見られるなど、マニアにはたまらない展開ではあるんですけどね。。。

というわけで、今回のこの事態の発端となった「IRA内部での殺し合い」について、少し書いておきます。

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2015年08月23日

ついにプロヴィジョナルIRAが「例の猫」状態にありながら、その状態を脱した模様。

今から10年前の2005年7月28日、「IRA指導部は正式に武装キャンペーン終結を命令した」というステートメントが出た(→ステートメントの映像)。

この時点で話題になっていたのが、「で、IRAは解散するのか、しないのか」だった。というより、「やっぱり組織解体はしないよね」ということだった。ステートメントの文面でも、そこは曖昧(解釈次第)だった。というより、"The IRA is fully committed to the goals of Irish unity and independence and to building the Republic outlined in the 1916 Proclamation. We call for maximum unity and effort by Irish republicans everywhere." などという辺りからは、組織が存在しなくなるという解釈はできなかったのだが、「解体」を読み取りたい人は読み取れる文面ではあった。実際の文面より:
The leadership of Óglaigh na hÉireann has formally ordered an end to the armed campaign.

This will take effect from 4pm this afternoon.

All IRA units have been ordered to dump arms.

All volunteers have been instructed to assist the development of purely political and democratic programmes through exclusively peaceful means.

Volunteers must not engage in any other activities whatsoever. ...

IRA (Provisional IRA) は、基本的に、かっちりした指揮系統を有する組織で、その指揮系統がなくなれば組織も存在しなくなるが、指揮系統がなくなったら指導部の方針(武装活動の停止)は徹底されない。それどころか有名無実化する可能性すらある。なので、指揮系統は維持したまま武装活動を停止し、別方向での活動(これが北アイルランドでは「コミュニティ・ワーカー」と呼ばれる活動←ぶっちゃけ)を組織している。IRAという組織を解体してしまうことは、ありていにいえば「権力の空白」を生じさせることになる。これは北アイルランドでの「和平プロセス」というか "peace before justice" のリアルな話で、IRAだけでなくロイヤリストの側にも言えてることだ。

というわけで、組織は存在していないが、同時に存在しているという状態になっていたはずだ。

その「存在していないんだけど、同時に存在している組織」がやはり存在しているということが現在ニュースになっていて、無駄に難解である。「ここらで、めんどくさいので『シュレディンガーIRA』と呼ぶことにすればいいのに」と思う。



Who hasn't been aware of their existence? (・_・)

というか、こんなヘッドラインを見せられた日には次のように反応するしかなく……

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2015年08月15日

いつものことなんですが、ベルファストのパレス・バラックスのことは「MI5の拠点」って言ったらどうなんでしょう。

またパレス・バラックスに爆発物というニュース。この「パレス・バラックス」についてBBCが依然として「アーミーの拠点」と言い張っている件をメモしておく。



Palace Barracksといえば「MI5の拠点」であることは周知で(軍施設の中にMI5の北アイルランドの拠点がある)、5年前の2010年4月にカーボムでの攻撃があったときもBBCなど英メディアは「アーミーの拠点」といい続け、欧州大陸のメディアが遠慮なく「MI5の拠点」と書いていたことがある。

BBCの上記記事も、下のほうで、次のように書いてはいるのだが。
In April 2010, a bomb planted by the Real IRA, a dissident republican group, exploded outside the army base which houses MI5's Northern Ireland headquarters.

http://www.bbc.com/news/uk-northern-ireland-33934215

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2015年07月23日

1989年、英軍に殺されたロイヤリストの武装組織メンバーと、2015年にロイヤリストの掲げる英軍の旗。

北アイルランドからの日々のニュースを見ていると、ときどき、とんでもない「闇」がぱっくりと口を開けていることがある。

これもそのひとつだ。それも、さほど「語られて」はいないと思われる「闇」。

Son of UVF man rips down SAS flag at Twaddell protest camp in Belfast
By Ciaran Barnes
20/07/2015 | 09:27
http://www.belfasttelegraph.co.uk/sunday-life/son-of-uvf-man-rips-down-sas-flag-at-twaddell-protest-camp-in-belfast-31389099.html

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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