kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2016年10月28日

LとRとHi-NRG/ユーロビート(訃報: ピート・バーンズ)

英語のLとRの聞き分けは難しかった。今でも難しい。語頭にある場合は文脈なくても聞き分けられると思うが (lidとrid, lightとrightなど)、語中にあるときは文脈を頼って判断していると思う(flyとfryなど)。でもずっと以前は、語頭にあるときも聞き分けなんてできなかった。聞き分けができないから書くときも間違えた。テストでくだらないところで失点する原因になると言われ、「受験地獄」の時代、私はあせった。スペルミスは1箇所で-1点なので、1点を争う入試などでは致命傷になりかねない。

今のように「ネイティヴがしゃべる英語」へのアクセスがほとんど無尽蔵にある時代とは違う。聞き取りの練習には、基本、英語教材か、ラジオの英語講座か、英語の映画(もちろん吹き替えではなく字幕)しかなかった。ただし、地理的条件が合えば、米軍のラジオ放送を「英語のシャワー」的にかけっぱなしにしておくという荒技も使えた。当時のFEN (the Far East Network: 現在はAFN, the American Forces Network) である。

FENは基本、DJがおしゃべりしながら音楽を流している局で、定時にはニュースがあり、大相撲の中継などもあったが(力士の名前が英語訛りで読まれ、"Push, push, push" などと絶叫で中継されるのは、おもしろかった)、基本的には「そのときどきのヒット曲や、オールディーズと呼ばれる曲が延々と流れている局」だ。実際には音楽目当てでかけっぱなしにしていても、「英語の聞き取りに役立つから」という名目があるから、親に「また『ながら勉強』なんかして!」と怒られずに済むという便利な局だった。かかる曲はテレビの「ベストヒットUSA」(これもまた「小林克也の英語が勉強になるから」という名目が立ち、「親に怒られずに毎週見ることができる番組」だった)と大差なかった。1980年代、商店街の店の多くは店頭でラジオか有線放送かカセットテープを流していて(今のように、著作権管理団体がうるさくなかった)、そこでもヒット曲が常に流れていた。八百屋ではおやじさんが「さかなはあぶったイカでいい」と有線に合わせて鼻歌を歌っていたし、こじゃれた雑貨屋はFENだったり「海外チャートもの」の有線放送で「洋楽」を流していた。もっと本格的に「音楽好き」の人は、それなりのリソースやアクセスがあれば、チャートもの以外の音楽を聞いていただろうが、「チャートもの」の音楽は、どこにいても必ず耳にした。

LとRの壁にぶち当たっていた私に光を投げかけてくれたのは、そういう「チャートもの」の曲のひとつだった。

You spin me right round, baby, right round
Like a record, baby, right round round round


発音記号もどきで書くと、 [rai], [rau], [lai], [re], [rai], [rau], [rau], [rau]. これだけのバリエーションが間髪いれずに流れてくる。それも、ものすごい美声で、しかもLとRの違いがはっきりわかる。


※全体の歌詞はこちら: http://www.metrolyrics.com/you-spin-me-round-lyrics-dead-or-alive.html

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2016年10月26日

英デイリー・テレグラフが伝えた言語的に意味不明の域に達するWHOの新方針+「またスプートニク(元ロシアの声)の誤訳か」=カオス

「ねとらぼ」さんの下記の記事。「なんぞこれは」としか言いようがない。

「性的パートナーがいない人は障がい者?」誤訳を元に波紋広がる 元記事は不妊の定義変更を取り上げたもの
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1610/22/news041.html

ざっと見て、なるほど、また例のメディアがデタラメを書いて、それを真に受けた日本語圏のネット界隈が盛り上がっちゃったんですね、という話ではあるようだが、この記事を読んでも意味がよくわからない。報じられている「不妊の定義変更」(WHOの基準が更新される)というものが、内容面で、言語的に意味不明の域に達しているからだ。かつて、知人が「メールマガジンの無料購読という日本語がわからない」と言っていたことがある。「購読」の「購」の貝へんは「貨幣」を表し、「購読」という漢字はすなわち「対価を払って読むこと」を意味しているはずだから、「無料で購読する」というのは意味不明のオキシモロンだ、というのだ。確かに言われてみればそうかもしれないが、実際には「言葉は生き物」であり、「購読」はメールマガジン以前から、有償・無償を問わず用いられていた(無料で配布されている企業のPR誌についても「定期購読」という言い方はなされていた。「本誌は無料配布ですが、定期購読をご希望の方は郵送代金分の切手を添えてお申し込みください」といった形で)。今回のWHOの「不妊 infertile」の定義変更には、「お金を払わないのに*購読*って言うのはおかしい」という感覚に近い違和感を覚える。数十年後の植物の研究者などは、一般人との感覚のずれに頭を悩ませることになるのではないか。

ともあれ、「ねとらぼ」さんの記事を、まずは参照しよう。この記事は、日本語圏でこの話題が(例によって)「まとめサイト」のセンセーショナリズムによって、間違った、歪んだ形でバイラルしたことを中心のトピックとしている。

では、その「まとめサイト」の曲解はどこから生じたのか、という点について、「騒動の発端は海外紙を引用して報じられた『性的パートナーを見つけることができない人は障害者扱いに』とするSputnikの誤訳記事」と述べ、「スプートニク」(旧称「ロシアの声」)の記事のスクリーンショットを掲載している。そのスプートニクの記事は:
Sputnikの記事は海外紙「The Telegraph」の記事をもとに、“世界保健機関(WHO)が不妊を障害とみなしつつ、性的パートナーを見つけられない人を障がい者と同一視することになった”とする内容となっていますが、元記事の「disability」を狭義での「障害」としているなど、正確な翻訳とはいえないものとなっています。


……ええと、「ねとらぼ」さんの地の文の意味がわからない。「保健 health」という文脈におけるdisabilityの「障害」という語義に、狭義も広義もないのでは。
http://www.dictionary.com/browse/disability

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2016年10月25日

ホメオパシーがまた話題になったので、「英国でのホメオパシー」について約6年前のことを振り返り、最新状況も見てみよう。

「ホメオパシー」がまた「ネットで話題」になっている。というか、「はてブを使っている人と、それを見ている人の間で話題になり、機動力に優れたBuzzFeed Japanが記事にしたことで、さらに話題になっている」。ただしここで「話題」にしている人々は、かなりの程度まで、同じ人々だろう。ホメオパシー(およびそれを含む「ニセ科学」)については、「新しくネタが出ると話題にする界隈」があり、基本、その界隈の外では話はほとんど広がらないか、一過性で終わってしまう。ざっくり言えば、ホメオパシーについて頻繁に話題にしているのは、信奉者か批判者のいずれかということになるだろう。

ホメオパシーについては、大手一般紙が記事にし、広く人々の目にその「話題」が触れることもときどきある。前回ホメオパシーが広範囲で「話題になった」のは、記録を見返すと2010年のことだ。前年の2009年に、ある助産師が乳児に必要なビタミンKの代わりにホメオパシーの「レメディ」を与え、乳児が死んでしまうというあまりにひどいことが起こっており、その件での裁判について大手新聞が報道を行なったときである。(その後、同年8月には「日本学術会議の金沢一郎会長が『ホメオパシー』と呼ばれる代替医療の効果を否定する談話を発表」し、「代替医療推進」の立場だった当時の鈴木寛副文部科学相もその談話を受け入れるという形で、ホメオパシーの効果は公的に否定されている。このときの顛末は、「碧猫」さん [RIP] の当時のブクマに詳しい)。

報道がなされた場合、この問題にある程度の関心を払ってきた人は注目し、話題にもするだろうが、そうではない多くの人々、とりわけそれまで「ホメオパシー」なるものを知らなかった人は、ニュースを見て、「ホメオパシーっていうのがあるらしいけど、何か怪しいっぽい」という漠然とした印象を抱いて、次の話題に関心を移してしまうだろう。その「何か怪しいっぽい」という印象が残っていれば、誰かから薦められることがあってもその人は手を出さずにいるだろうということを期待したいし、それが期待されて然るべきだが、もしも私がホメオパシー商材の販売を仕事にしていたら(&売れればいいというスタンスだったら)確実に、その「何か怪しいっぽい」という漠然とした印象を利用するだろう。「何か怪しいっぽいっていう印象があるじゃないですかー。私もそう思っていたんですよ。でも……」という話法でターゲットを説き伏せるのだ。

この話法は、「ニセ科学」に限らず詐欺商法でもカルトでもよく使われる。「怪しいという印象がありますよね」と語りかけられたターゲットが「そうですね」と反応すると、薦める人は言葉巧みに(というか、「人と人の会話として極めて自然な流れを作って」)ターゲットが何をどの程度知っていて、どう考えているのかを探る。そして、「私がこれからあなたに紹介する "これ" は、あなたがネガティヴな印象を抱いている "それ" とは同じでありながら別のものだ」という誘導を行なう。例えば、「○○商法って、昔ニュースになって、逮捕者が出たじゃないですか。今はその時代とは違って、あのときのことを十分に反省して、システムを変えたので……」云々というふうに話を進めるわけだ(←今書いているこの例は架空のもの。私がこれを書きながら適当にでっちあげたものであり、万が一現実と呼応したりしていても、それはただの偶然である)。あるいは、「私も怪しいと思ってたんですよ。でも怪しいと言い切るのもおかしいかなと思って、いろいろ勉強して、自分なりに納得できたんです。そして、やってみたらとてもよいものだったので、多くの人にそのよさを知ってもらいたくて……」云々。

「私も、かつてはあなたと同じように、『それ』についてこういう態度だった(が、今はそうではない)」というのは、英語圏で「ex-なんとか」を冠した運動(という日本語は変かも。movement)などで使われる定番の話法である。根本的には「同性愛は治療できるので治療すべき」という主張である「ex-gay」ムーヴメント(2013年に中心的団体が欺瞞を謝罪し、崩壊)はかなり組織的にそういう話法を使っていた。そこまで組織的でなくより個人的な語りとしても、「ex-信仰者」(信仰にはイスラム教、キリスト教などがあり、「無神論者」になった人もいれば「改宗者」となった人もいる)などは、そういう語りを完全に組み込んでいる(興味のある方はアヤーン・ヒルシ・アリなどを見てみるとよい)。

そういう語りが広く採用されるのは、それが効果的だからだ。うちらの日常にも(無害な)例はたくさんある。「銀杏は食わず嫌いだったが、食べてみたらおいしかった」とかいう類のものだ。また、そういうのが、物を売ろうとするときの広告に使われることもある。「クセの強さに苦手意識を抱いている人が多いパクチー。実はこんなうまみ成分があって、それを適切に引き出す調理法が……」(←適当に考えた架空の例です。パクチーにうまみ成分があるのかどうか、私は知りません)とか、「ばい菌に雑菌……『菌』にはネガティヴなイメージがありますね。しかし古来日本人は……」(←同上)とかいった語り口は、いかにも広告くさく聞こえるだろう。

話が広がってしまったが、今回、2016年10月に、またぞろホメオパシーが「ネットで話題」になったのは、ある有名ブロガーが、上記のような「○○には、ネガティブなイメージがあるが……」の系統の語り口を使って、ホメオパシーについてブログに書いたことが発端だった。(ただしその「有名ブロガー」が話題になっているのは、私は全く関心を持っていない界隈で、私はその人の名前と漠然とした風貌と、東京からどこかに移住したという程度のことしか知らない。彼の書いたものを読んだこともほとんどなく、何を書いてるのかも知らないし、どのくらい「ビッグな」存在なのかもわからない。)

【魚拓】【ホメオパシー】ムカデや蜂に刺されたときは「エイピス」を飲むと治るらしい。 : まだ東京で消耗してるの?
http://b.hatena.ne.jp/entry/megalodon.jp/2016-1011-1430-25/www.ikedahayato.com/20161011/66275429.html

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2016年10月10日

#CableStreet80: 1936年の「奴らを通すな (They Shall Not Pass)」と、街と人々の「歴史」

cablestreet80.png10月9日は、「アイルランドの息子」でもある革命家、チェ・ゲバラが処刑された日(1967年なので、来年は「没後50年」)だが、ロンドンでは#cablestreet80が上位に来ている。1936年10月4日に、「イーストエンドの移民たち」(すなわちジューイッシュとアイリッシュ)と左翼の人々を中心として行なわれた反ファシスト運動の大規模な、今で言う「カウンター・デモ」から80年となることを記念する行事が行なわれている。このような行事は週末に行なわれるのが常だが(そして、この件では主要な参加者の多くがユダヤ人なので、安息日の土曜日は避けて日曜日となったのだろう)、カレンダーを見ると10月4日に一番近い日曜日は2日。何らかの都合・事情で、2日ではなく9日になったのだろうが、どういう事情なのかはわからない。

ともあれ、80年前のその「カウンター・デモ」は、Battle of Cable Street (ケーブル・ストリートの闘い)と呼ばれるものである。当時のニュース映像がYouTubeにアップされている。ここに集まっている大勢の人々は、この地域に暮らすジューイッシュやアイリッシュ、また左翼活動家に加え(イーストエンドは貧民街であったがゆえに救貧活動も活発な土地柄で、またテムズ川のドックで働く肉体労働者の組合活動も活発という文脈がある)、「奴らを通すな (!No pasarán!: They Shall Not Pass)」のスローガンのもと、各地から参集した人々だ。



ケーブル・ストリートは、ロンドン塔のから少し東に行ったところ(ホワイトチャペルの南の端)からまっすぐ東へと伸びる長い通りだ。現在はDLRの高架がかかっており、通りの全長はDLRでほぼ2駅分となっている。Google Street Viewで見ると、この一帯は「真新しい」と呼んでよいような建物がかなり多くあり、21世紀になってからずいぶん再開発が進んだことが一目でわかる(むろん、ドックランズの再開発にともなうものだ)。そのような中にも、ヴィクトリアンの一般的なレンガの建物が残っていたりもする。このトピックとは関係ないが、ケーブル・ストリートの西の端の区画には、「切り裂きジャック博物館」もある。

1936年10月4日、そういうエリアに、「ファシスト」たちが示威・挑発を目的として乗り込もうとしていた(「ファシズム」は大陸仕込みで「非英国的」というイメージがあるかもしれないが、それは誤ったイメージである。またナチスの人種主義・反ユダヤ主義はドイツに移住した英国人思想家の影響を強く受けている)。それに反対する人々が「奴らを通すな」と集結し、ホワイトチャペルのハイ・ストリートにバリケードと「人間の壁」を築き、道をふさいだ。ロンドン警察は、ファシストのデモ隊をケーブル・ストリートへと通そうとし、カウンター・デモの人々もそちらへ移動。そこで警察がカウンター・デモを散らそうとしたことで大勢の負傷者が出たが、ファシストのデモ隊はUターンした(以上、参考記事に基づく)。その一連の経緯の記録映像を短くまとめて解説をつけたものが、上にエンベッドしたニュース映像だ。(当時はこのようなニュース映像は映画館で作品の上映の前に流していた。この映像はどこの映画館で、どんな映画と一緒に人々に見せられたのだろう。「あ、あれ俺! 俺!」なんてこともあったに違いない。事実の細部への興味は尽きない。)

デモを行なったのは、1936年当時、政治的に意味のある勢力になろうとあがいていた「英ファシスト連合」である。1930年代を通じて「第三極」的な期待を集めた大衆政党からいわゆる「泡沫政党」的レベルにまで落ち込んでいたファシスト連合は、リーダーのオズワルド・モズレー(モズリー)を先頭に、軍服的制服に身を包んで「ユダヤ人の街」に乗り込んでやる、と鼻息を荒くしていた。予定では、制服姿の「リーダー」はイーストエンドを練り歩き、そのまま飛行機に乗ってドイツに向かい、ゲッベルスの家で、ヒトラーを来賓に迎え、当時話題の女性セレブ、「ミットフォード姉妹」のひとりのダイアナと結婚式を執り行う、という大掛かりなパフォーマンスを決行するはずだったという(参考記事。なお、「ロンドンを練り歩いて飛行機で……」は失敗してパフォーマンスは出鼻を叩き潰されてザマァ、ということになったものの、結婚のイベントは予定通りに行なわれている)。

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2016年09月25日

テリー・ジョーンズが言葉を失いつつあるという。

モンティ・パイソンの一員、「裸のオルガン弾き」、「スパム」スケッチのウェイトレス、「哲学的フットボール」のカール・マルクス、「ザ・ビショップ」の町でブイブイ言わしてる司教、「スペインの異端審問」の大ボケ枢機卿…… Er, nobody, er, expects, er...



そのテリー・ジョーンズが「もうインタビューには応じることができない」状態であることが、BAFTAカムリ(ウェールズ)の特別貢献賞受賞という機会に明かされた。認知症の診断を受けているという。最初の告知はモンティ・パイソンのサイトで行われたようだが、その後、各報道機関がどっと報じている。そのうちのひとつ、ガーディアン掲載のPA記事。

Monty Python star Terry Jones reveals dementia diagnosis
Friday 23 September 2016 12.05 BST
https://www.theguardian.com/culture/2016/sep/23/terry-jones-monty-python-star-dementia-diagnosis-bafta-cymru

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2016年09月01日

それは、ハッシュタグになりすらしない〜ハーロウ、少年グループによる「東欧人狩り」事件

夕刻、Yahoo! Japanのトップページを見たら、「英の少年6人が移民殺害 逮捕」というヘッドラインが「ニュース」のところに来ていた。


※キャプチャは18:30ごろ取得。Kwout.comに直接Yahoo! JapanのURLを打ち込んで取得したため、実際にブラウザでアクセスしたのとは見た目が異なっている。

「ニュース」のところだけのキャプチャ。



Yahoo! Japanで配信されているのは、毎日新聞の下記記事である。

<英国>少年6人、移民殺害 東欧出身者へ攻撃増
毎日新聞 9月1日(木)11時43分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160901-00000034-mai-int
※毎日新聞のサイトで読むにはこちら。(→アーカイヴ

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2016年08月31日

今日でreported.lyが終わる。

https://reported.ly/

Twitterをはじめとするソーシャル・メディアに投稿された情報を「ソース」としたニュース・サイト、という取り組み、Reported.ly が、8月31日で終了する。Reported.ly は、「ジャーナリズムにおけるTwitterの活用」という点で誰よりも早く真剣な試みをおこなった(そして「ジャーナリズムとは何か」をめぐる熱い議論を引き起こした)アンディ・カーヴィン(当時はNPR所属のジャーナリスト)を中心に、ギリシャ、イタリアなど英語以外の言語が使われているところで起きていることをTwitterで英語で書き、また翻訳し、報告しているジャーナリスト数人のチームで運営されてきた。多くの信頼できるソースをフォローし、必要に応じてRTという形で情報を「まとめ」つつ「拡散」するというスタイルで、毎日のニュースを伝えていた。いわゆる「キュレーション・メディア」として、ここは最もhigh profileなオンライン媒体だったのではないかと思う。

その取り組みが終わる(可能性が極めて高い)ということがアンディ・カーヴィンによって告知されたのは、今月8日のことだ。なぜそういうことになったのかは、ご本人の告知でご確認いただきたい。ちなみに彼の説明文にあるFirst Look Media (FL) というのは、「ウィキリークス」や「アラブの春」などに刺激を受けた大富豪、ピエール・オミダイアが出資してネット上に立ち上げたメディア企業で、グレン・グリーンウォルドとジェレミー・スケイヒルらのThe InterceptもFL傘下である。そのFLが、立ち上げから何年もしないうちにアレなことになっている事情は、ウェブ検索すればわかるので(英語でね)、興味のある方は各自検索していただきたい(キーワードは「マット・タイッビ」)。

A note to our readers
Reported.ly to suspend operations August 31
https://medium.com/reportedly/a-note-to-our-readers-18786235f29#.sf57n9j0d

そして今日がその「最後の」日である。今日を迎えるまでは「ひょっとしたら存続の可能性もあるのでは」と思ってはいたし、「新しいオーナーが決まりました」という告知が出るのではないかとも思っていたが、そうはならなかった。
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2016年08月20日

ロンドン、地下鉄24時間運行開始(ただし部分的なおかつ段階的に)

8月19日(金)、ロンドン地下鉄の金曜・土曜の24時間運行が開始された。ロンドン地下鉄の愛称 "Tube" に「夜」をつけて、The Night Tubeと呼ばれるこの新たな取り組みについての詳細は、ロンドン交通 (Transport for London: TfL) のサイトに詳しく出ている。
https://tfl.gov.uk/campaign/tube-improvements/what-we-are-doing/night-tube

導入当夜の様子をAFPがまとめた映像。オックスフォード・サーカス駅が、駅名表示も「ナイト」仕様になっている。(ほかの駅でもこうなっているそうだが。)



「労働者」の発想とは思いがたいこのプランは、前の市長(保守党のボリス・ジョンソン)のもとで計画され、本来は2015年(昨年)開始の予定だった(が、結局ジョンソンは、ぶち上げるだけぶち上げておいて、最後までやり通さなかった。尻拭いをさせられるのは周囲と後継者である)。結局は開始予定は1年ずれ込み、導入も全部で11ある路線のうち2路線(東西を結ぶセントラル・ラインと南北を結ぶヴィクトリア・ライン)のみとなった。(Source: the Guardian)

サービス開始告知アナウンスを吹き込むサディク・カーン市長(労働党)。




「ナイト・チューブ(テューブ)」は、既発表分では、運行間隔は10〜15分と昼間並み。今はセントラルとヴィクトリアの2路線のみだが、この秋にはジュビリー・ライン、ノーザン・ライン、ピカディリー・ラインに拡大され、その後は「(設備の)現代化計画が完了し次第」環状線を走る複数の路線(サークル・ラインなど)も24時間化される予定。ロンドン地下鉄は路線の枝分かれ(支線)が複雑なので例外はあるようだが、ロンドン交通のゾーン1〜6全体が、金曜・土曜は「眠らない都市」になることになる。運賃も、「夜なので倍額」といったことはなく、通常のオフ・ピークの運賃 (standard off-peak fares) が適用される。トラヴェルカードももちろんそのまま使えるが、旅行者が使うことが多いと思われるワン・デイのカードは、買った日の翌日の朝4:29に出発する旅程までしか使えないことに注意。つまり、1日有効のデイ・トラヴェルカードで金曜日の昼間に観光して、夜にブリクストンのクラブに遊びに行った場合、翌朝4:29までにヴィクトリア・ラインの地下鉄に乗ればOK、それより遅くなるならまた買いなおさなければならないということになる。

TfLのサイトにも書いてあるが、ロンドンはもうずっと前から「24時間化」されていた。ゾーン1にあるクラブに行ってても、ゾーン6にある友人の家に遊びに行ってても、夜中の3時にゾーン3にある自宅に帰れるのが「眠らない都市、ロンドン」ではデフォだ。ナイト・バス (Night bus) があるからだ。なんと1913年にはもう開始されていたというこのサービスは、第二次世界大戦中こそ休止したものの、常にロンドンの活動の一部となっていた。1980年代に適用路線が拡大されて以降、ナイト・バスはどんどん導入が進められ、1990年代には、市内に細かく張り巡らされたバス路線網は、郊外部に行けば別だが、夜間でも昼間とほとんど変わりなく機能していた(夜間は本数は断然少ないとはいえ、昼間もどうせ、バスは「10分ごとに1台」のはずが「30分ごとに3台団子になってやって来る」ものだし)。普段地下鉄で移動している経路をバスで行くと時間はかかるが、少なくとも動きは取れる。列車で30分の距離を移動するために、始発まで2時間待つより、ナイト・バスで1時間かけて帰ってくればいい、というのは、もうとっくに当たり前になっている。

それに加えて、週末は地下鉄も「10〜15分に1本」の頻度で運行されるということになったわけだ。

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2016年08月17日

英国で何人も「感化」したイスラム過激派の活動家、アンジェム・チョーダリーに有罪判決

"About time!" と反応している人がいるとおり、「今更」感のあるニュースだ。アンジェム・チョーダリー(チョードリ、チャウダリなどカナ表記はいろいろある)がようやく、有罪判決を受けた。「2000年テロリズム法(テロ法)」に基づき、「イスイス団へのサポート」で有罪だ。

ガーディアンとBBCとでは、見出しのトーンが少し違うように見えるが、厳密性が高いのはBBCである。

Anjem Choudary convicted of supporting Islamic State
Jamie Grierson, Vikram Dodd and Jason Rodrigues
Tuesday 16 August 2016 15.32 BST
https://www.theguardian.com/uk-news/2016/aug/16/anjem-choudary-convicted-of-supporting-islamic-state

Radical cleric Anjem Choudary guilty of inviting IS support
16 August 2016
http://www.bbc.com/news/uk-37098751

判決(陪審団による評決)は7月28日に出ていたが、関連する別の裁判の進行に影響を与えないよう(陪審団が影響を受けないよう)、それが結審する8月16日までチョーダリーらの裁判は、判決を含む詳細の公表・報道が差し止められていたそうだ。量刑の言い渡しは9月6日。

The verdict on the two defendants was delivered on 28 July, but can only be reported now, following the conclusion of a separate trial at the Old Bailey of another group of men for a similar offence.

...

Choudary currently has more than 32,000 followers on Twitter and his account can still be viewed online, despite requests for its removal in August last year and the following March.

He and Rahman will be sentenced at the Old Bailey on 6 September.

http://www.bbc.com/news/uk-37098751

Choudary and Rahman face up to 10 years in jail for inviting support for a proscribed organisation. They will be sentenced on 6 September at the Old Bailey.

https://www.theguardian.com/uk-news/2016/aug/16/anjem-choudary-convicted-of-supporting-islamic-state


こうなると、「アルカイダへのサポートで有罪にならなかったのはなぜか」などとして「陰謀論」思考の言説がまた脚光を浴びるかもしれないが(英国内での影響力が極めて大きな人物であるゆえ)、そういうのはまた、見逃せないようなものを見かけたときに書くとして(「いつもの人たちが言ってる」程度のは、そもそも私には見えないのだが)、「報道解禁」の時点で出た記事をいくつか読んでおこう。報道機関では8月16日に報じるまでの間、取材・執筆などする時間がたっぷりあったわけで、なかなか、分厚い記事が並んでいる(といっても、BBC Newsのウェブ版って、昔はこういうクオリティが当たり前だったよね、っていう気が……)。

なお、当ブログでは既に、アンジェム・チョーダリーについて何度か書いているので、それらも参照されたい。

2015年01月22日 NHKのニュースに出てきたらしい英国のその人物は、「イスラム教を代表する人物」などでは全然ないのでご注意を。
http://nofrills.seesaa.net/article/412746762.html


2015年08月06日 ようやくアンジェム・チョーダリー起訴。容疑は「イスイス団支持」関連(後藤さん拘束時にNHKが「指導者」として紹介していたイングランドのイスラム過激派活動家)
http://nofrills.seesaa.net/article/423660363.html


今回、有罪判決となったのは、↑↑このとき(2015年8月)の裁判である。アンジェム・チョーダリとミザヌル・ラフマンの2人が一緒に、「2000年テロ法」のセクション12違反で起訴されていた。

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2016年08月14日

The Sunの煽動がものすごくて、Twitterがブーメラン・ストリートになっている。

ふと見たらScotland YardがTrendsに入っていたので見てみたら、すごい光景だった。

Trends入りする程度にツイート数が増えているのは、スコットランド・ヤード(つまりロンドン警察。ざっくりと、日本でいう「警視庁」に相当)が新たに、「インターネット・トロール」取り締まり部門を設ける、という方針を出した、とかいう話があるためだ。

というか、この方針が本当なら、「トロール」として「取り締まり」の対象になる可能性が高い側の人々が、感情的にわめきたて、扇情的な発言を投下している。つまり、ブーメラン・ストリート化していて、きっとあなたは戻ってくるだろう。

と、最初からわかったかのように書いているが、Trendsから入った画面を見たときには、何が原因でTrendsに入っているのか、わからなかった。スティーヴン・ローレンス殺害事件についての9日付のガーディアンのフィードがあるが、こんな「数日前のニュース」でTrends入りしたわけではないし、その上にある「トップ・ニュース」のところは、明らかに「まともなニュース」のフィードではない。だって添えられている画像のサディク・カーン市長は、警察とは直接は関係ないのだから。それに、「思想警察」なんて強烈な言葉を、わざわざ引用符でくくって「いわば思想警察」的にヘッドラインに持ってくるなんて、「まともなニュース」ではない。

sydtw.png


この「トップニュース」の投稿者情報を表示させるとこうなる:

sydtw2.png


プロフィール欄は空白、被フォロー数もフォロワー数も40にも満たず、ツイート数は膨大。古くからのユーザーなのだろう。で、そういう人がツイートしているよっていうことで「トップニュース」に表示されてしまう理由はわからない(右隣に大手メディアであるEvening Standardがあるのに)。Twitterの謎のアルゴリズムである。

ともあれ、この人のタイムラインを見て、どういうことなのかを確認してみた。「思想警察」云々のヘッドラインは、どうせデイリー・エクスプレスだろうと思ったが、もっとひどかった。

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2016年07月30日

飲食店従業員が「研修」のために呼び出されたら、イミグレが待ち構えていて……ということがあったあとの波紋

今週半ば、Twitterで #BoycottByron というハッシュタグがUKのTrendsに入っていたことがあった。何気なく見てみると、「バイロン」というのはチェーン展開している高級ハンバーガー・レストランで、そこで働いている「移民」たちが「研修」と称して声をかけられ、指定の場所に行ってみたらイミグレ(出入国管理当局)に捕まえられた、ということが起きていた。

おそらくそのようなことはしょっちゅう起きていて、ニュースにもならないし、それどころか人々の話題にもなることはない(「明日は自分かも」という立場の人々を除いては)。今回「バイロン」の件が話題になったのは、Twitterを見てわかった限りでは、「イミグレに捕まえられた『移民』は南米から来た人々で、そのためスペイン語のメディアで報道があり、そこから英語圏に入って、"No one is illegal" のスローガンに共鳴する人々によって、『どうせ、就労許可がない人々の足元を見て安い賃金で使ってきたのだろうに、イミグレと手を組んで従業員をわなにかけるなど、言語道断』ということで『バイロンをボイコットせよ』というハッシュタグができた」という経緯のようだった。つまり、スペイン語の報道がなければ英語圏に情報は流れていかなかっただろうと思われる。英国内で、英国政府によって行なわれていることであっても。

これはもちろん、日本でも同じことが言える。よほどひどいこと……本当に、ものすごくひどいことでも起きない限り、うちらの投票で決められた議会から選ばれた大臣が責任者となって、うちらの税金で運営されている政府(法務省)が管理・運営している牛久などの施設でどんなことが起きているかは、支援者のブログなどをチェックしている人たちはある程度は知っていても、日本国民の多くは知ることすらない。芥川賞候補者ともなった在日イラン人作家(もちろん、最初から日本語で書いている)、シリン・ネザマフィの小説『サラム』(留学生文学賞受賞)に、通訳者として難民申請に関わった人の視点で詳細が描かれているが、この小説だって「誰もが読んでいる」とはいえない。
4163284109白い紙/サラム
シリン・ネザマフィ
文藝春秋 2009-08-07

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ともあれ、英国での「バイロン」レストラン・チェーンの件は、そのように、スペイン語圏の報道から英語圏Twitterに入ったあとで、報道機関が取り上げ始めたようだった。スペイン語メディアの編集長にインタビューなどした映像報告もある:



そして、今週半ばのこのニュースのあとでどうなったかが、金曜日の晩(現地時間)に出たガーディアンの記事で報じられていた。

Most of those arrested at Byron burger chain have been removed from UK
Lisa O'Carroll, Friday 29 July 2016 17.33 BST
https://www.theguardian.com/uk-news/2016/jul/29/most-of-those-arrested-at-byron-burger-chain-have-been-removed-from-uk

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2016年07月20日

ロンドンが、変なふうにヒートアップしている……ということでなければよいのだけど。

19日から20日、ロンドンが東京より暑くなって(といっても、数日前の東京と同じくらいだったのだが……)、夜間も「暑すぎて眠れない」と言う人が続出してTwitterに#toohottosleepという《too ... to 〜構文》の練習によさそうなハッシュタグがぼんぼん流れてくる(といっても、23度だったそうだが……涼しいじゃん! )一方で、ハイド・パークやその周辺でひと騒動あったそうだ。

若者が集まってわいわいやっているうちに喧嘩になり、刃物が持ち出されたとのことで、どうやら「よくある騒ぎ」のようだが、違っていたのはそこで事態の収拾のために現場に入った警官に対し、Black Lives Matterと叫んで瓶などを投げつけた人たちが大勢いたということだ。

ただの「流行のキャッチフレーズ」として何も考えてない子たちが叫んでいるだけなら、米国のBLM運動の人たちに失礼ではあるけれど、まあ、「何も考えていないのだな」で済む話だろう。

だが、「警察に対する戦い」のスローガンとして、あるいは「戦い」のために感情を奮い立たせる言葉として、組織的に使われているとしたら……2011年夏のことを思い出すと、心穏やかではいられない。あの夏の「暴動」のきっかけは、警察に射殺された「黒人」青年の件で、トッテナム警察署に対する正当な抗議行動が行なわれていたのに便乗した犯罪者集団がトッテナムで暴れだしたことだった。

ともあれ、アメリカでのBLMのことも含め、いろいろと一箇所で読めるようにしてある。

ロンドンで、なぜか「Black Lives Matter」と叫びながら集団が大暴れ。3人負傷
http://matome.naver.jp/odai/2146899945819320801


本当に文字通り、Black lives matterだし、All lives matterなので、変なふうにエスカレートしないでほしいと心から願う。

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2016年07月19日

米ルイジアナ州バトンルージュの警官銃撃容疑者は、自分は「集団ストーカー」の被害者だと信じていたようだ。

「反撃だ」とか言ってた、なんてのは当たり前すぎてニュースにもならないと思うんだけど、それでいいらしい。

米ルイジアナ州バトンルージュで警官が銃撃を受けて3人が殺された事件で、現場で射殺された容疑者は、イラク帰りの、29歳の退役軍人だった。

先日のダラスでの警官銃撃事件も、アフガニスタン帰りの元軍人だった。どちらも「黒人」で、ブッシュ政権の推進した軍事行動を経験していて、さらに最近(ファーガソン以降)の米国での「人種問題」を、おそらく当事者として間近に見ている。何か共通する点があるのだろうか(そういう「物語」がこれから語られるのだろうか)と思いながら、バトンルージュの事件の容疑者、ギャヴィン・ロングについての報道記事を読んでいたのだが、読んでいるうちにとんでもないところまで連れて行かれてしまっていた。

それを記録したのが下記。

海兵隊を名誉除隊、大学進学、スピリチュアルな目覚め……バトンルージュで警官を銃撃した容疑者の人物像
http://matome.naver.jp/odai/2146881291849406101


「NAVERまとめ」の見出しは最大文字数が50字で、そこに入れようとするとあまりに「トンデモ」に見えてしまうと思ったので入れていないが、私が「とんでもないところまで連れて行かれてしまっていた」と感じているのは、この容疑者が、いわゆる「(政府による)集団ストーカー」論を信じており、自分がその被害者だと考えていたという点。

「ブラック・パワー」の武装主義とか、連邦政府への反対とかいった背景だけだったら、「やはり」と思いこそすれ、さほど驚きはしなかっただろう。しかし……である。


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2016年07月18日

大衆紙The Sunは、買ってはいけない。人種偏見の拡散・煽動に加担したくないならば。

dontbuythesun.jpg"Don't Buy the Sun" ――写真は、リヴァプールFCのサポーター96人もが声明を奪われた群集事故、「ヒルズバラ(ヒルズボロ)の悲劇」について、「サポが暴れたから」的な嘘八百を並べ立てたこの大衆紙に対するリヴァプールの人々のステッカー(写真: CC BY-ND 2.0, by (Mick Baker)rooster)だが、リヴァプールFCのサポでなくても、より広く「サッカーの試合を見に行って帰らぬ人となるなんてことがあってはならない」と考えるサッカー・ファンのひとりでなくても、人種偏見の拡散・煽動に加担したくない人は、ルパート・マードックの企業グループNews Corp傘下にあるこの大衆紙は、買ってはならない。

ネットでも、この大衆紙のサイトで記事を閲覧するなどして、view数を増やすことに貢献してはならない。(マードックのNews Corp系列の媒体は、一時期はすべて、The Timesと同じように「ネットでは、お金を払って購読していないと記事が読めない」ようにされていたが、現在はThe Sunは何もしてなくても記事は読めるようになってるらしい。私はサイトに近づかないようにしているのでよく知らないが。)

それを改めて知らせることが、今日(7月18日)、あった。

twtr18july2016.pngTwitterのTrendsが、「キム・カーダシアンにキム・カーダシアンにキム・カーダシアンにテイラー・スウィフトに、月曜日になったねって話と天候と、核抑止力(トライデント)と、ReclaimTheInternet(ネット上の嫌がらせや脅迫をなくし、まともな発言の場としてのインターネットを回復しようという運動)」みたいになってて、かなりどうでもいい話が半分以上だな……という中に、The Sunも入っていた。

どうせまた芸能ネタか、テレビ番組ネタか、スポーツ関連か何かで、派手な1面を作って話題になっているのだろう……と思ったら、違っていた。

フランスのニースで発生したトラックによる群集に対する無差別攻撃について報じるチャンネル4のニュース・キャスターが、「ヘジャブを着用した若い女性 (a young lady wearing a hijab)」だったことについて、「適切なことなのだろうか」と述べている記事がThe Sunに出ていて、そのTwitterフィードが、一度流されたのに削除された、ということで騒ぎになっていたのだ。

The Sunのその記事を書いたのは、「ヒルズバラの悲劇」の初期報道で、「観客が暴れた、観客が悪い」という虚偽の情報を "THE TRUTH" と銘打って喧伝するという判断をしたケルヴィン・マッケンジーだそうだ。この人物は、アリステア・キャンベル(「ブレアのスピンドクター」だった人物)などよりさらに危険だし、有毒・有害なことを平気で垂れ流す。

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2016年07月14日

テリーザ・メイ政権発足。私の閣僚人事の予想が的中した。



13日(水)、月曜日に保守党の党首となっていたテリーザ・メイが首相就任の手続き(国家元首による任命という形式をとる)をした。

メイさん、のっけからぶっとばしていた。

Brexitを支持した大衆紙The Sunが、Brexitに反対していたメイを最大限にdisるつもりだったのだろうと思うが、12日にこういう1面を作ってきた。




そして13日、女王のもとに赴き、首相として任命されるという儀式的な手続きに臨んだとき、メイの履いていた靴が……ぶほっ。




姐さん、パネェっす。(^^;)

日本時間で14日午前3時半ごろのBBC Newsのキャプチャ。


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2016年07月12日

英国、次の首相がテリーザ・メイに決まった顛末(レドサムの撤退について)

日曜日にブログを書いて
レドサムのことを説明した
テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャ
テュリャテュリャテュリャテューリャーリャー
月曜日にレドサム降りた
あたしの作業は無駄だった
テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャ
テュリャテュリャテュリャテューリャーリャー

「政治においては、24時間はとても長い時間である 24 hours is a long time in politics」ってよく言うんですけど、この決まり文句の元って労働党のハロルド・ウィルソンなんですよねー。ただし元ネタは "24 hours" ではなく "A week" だったけど。情報化社会が進展して、通信・伝達の速度が速くなって、かつて「1週間」が単位だったものが「24時間(1日)」になり、「リアルタイム・ニュース」が普及した最近では「数時間」になりつつある。

……という、私が高校生のころに「現代文」の問題集などでたんまりと読んだ「現代社会を憂える論説文」のような話なのかどうかは知らないが、えらく古風(←婉曲表現)な思想を持ち、「草の根保守」の支持を集めていた保守党党首候補のアンドレア・レドサム議員が、当方が「この人、こんな人なんですよ」ということを書いてから24時間たたないうちに、党首選から撤退した。

EUレファレンダムでの「EU離脱」という結果を受けて辞任することになったデイヴィッド・キャメロンの後をうける保守党党首(&自動的に英国首相)を決める保守党内での党首選は、10日ほど前に立候補届けが締め切られ、1週間前、先週の火曜日(5日)に最初の投票で5人の立候補者の1人が脱落し、もう1人が撤退を表明、続いて木曜日(7日)に2度目の投票が行われてさらに1人(ボリス・ジョンソンを「背中から刺した」マイケル・ゴーヴ)が脱落し、アンドレア・レドサムとテリーザ(テリーサ、テレサ)・メイの決選投票になるということが確定していた。最終的な投票は夏休みを挟んで9月上旬に締め切られ、「新首相」が確定するのは9月上旬という予定だった。
https://en.wikipedia.org/wiki/Conservative_Party_%28UK%29_leadership_election,_2016

英国のEU離脱について、EUの側は「とっとと出て行け」という態度を明確にしているのだが、離脱の交渉を率いる首相になる人物を選ぶ保守党の党首選は、ずいぶんとじっくり時間をかけるのだなあ(←婉曲話法)と思っていた矢先に、2人の候補の1人が辞めてしまったので、自動的に(無投票で)次の党首はメイに決定した。

2007年に労働党が同じように、任期途中で首相(党首)が退陣し、それに代わる新党首が自動的に首相になったのだが(トニー・ブレアからゴードン・ブラウンへ)、「選挙で選ばれていない」ゴードン・ブラウン首相への反発はじわじわと増幅されて、ついに2010年に行われた総選挙ではそれが爆発し……という《物語》を描けたら気持ちいいんだけど、そうならなかったんだよね、当時の保守党が弱すぎて。2010年の総選挙は、周知の通り、「だれも勝者(単独過半数)がいない」形で決着し(hung parliament)、一番たくさんの議員を出した保守党と、3番目のLDが連立政権を作った(英国では非常に珍しい)。労働党は少なくとも「信任を得られなかった」ことは動かしがたい事実なのに、なかなかそれを認めようとせず、選挙結果が出て24時間くらいは「うちもLDと連立すれば過半数になるぞ」ということでいろいろと画策していた。そのことは当時のブログに書いているが、英国の有権者が労働党にうんざりしてしまった理由には、そのような、有権者ほったらかしでウエストミンスターだけで数合わせをやっているような態度を党が平気で見せていることも入っているだろう。

ともあれ、保守党は2010年は冴えなかったけれど、2015年はバカ勝ちした。2005年に党首になったときには「線の細いおぼっちゃん」キャラで、エコ・フレンドリーな姿勢をカメラに撮らせるなど「若者にアピールする現代的な保守党」を描いてみせ、「伝統的」なゴリゴリ系保守党員にはイマイチ受けてなかったデイヴィッド・キャメロンは、2010年の選挙では「あの不人気なゴードン・ブラウンが相手でもスッキリ勝てない党首」だったが、その後いろいろあって、2015年にはガッツリと勝ったわけだ。その「いろいろあって」の中に、党内でキャメロンの路線に反発する人々の要求を受け入れる、というのもあった。その最大のものが、「EUメンバーシップについてのレファレンダムを行なう」という公約で、2015年の総選挙で勝利したキャメロンは、そのレファレンダムを実施して、そして、こうなった。もうね、アホかバカかと……ということはあちこちでさんざん書かれている通りだ。

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2016年07月10日

保守党党首選で最後まで残っているアンドレア・レドサム(レッドサム)について

「いずれにせよ、英国の次の首相は女性」という表面的な見方がされているが、男とか女とか、そんなん結局はゴシップにしかならないわけで、その人が女であることより、どういう理念を抱き、思想を持ち、政策を実行していくかのほうが重要なのは、当然のことである。保守党党首選挙の最終ラウンド(2人の候補による1対1の投票)を前に、そういった「理念」「政策」系の話がここ数日増えてきている。

アンドレア・レドサム(レッドサム)という議員は、今回の保守党党首選までは、ほぼ「無名」だった。より厳密にいうと、保守党政権で要職に入ってはいても閣僚ではなく、日々のニュースに出てくるような人ではなかった。
https://en.wikipedia.org/wiki/Andrea_Leadsom

EUレファレンダムの結果が出たあと、デイヴィッド・キャメロンが退陣することになり、ニュースの関心は瞬時に「次は誰になるのか」に集まった。そのときはまだボリス・ジョンソンが最有力と言われていたが、既報の通り、マイケル・ゴーヴに「後ろから刺されて」失脚、そのゴーヴは保守党党首選に立候補はしたものの、最後まで残ることはできなかった。

ジョンソンが消えたあと、一貫して「最有力」と言われているのはテレサ(テリーザ、テリーサ)・メイ内務大臣で、この人は英国ではしょっちゅうニュースに出てくるおなじみの顔だ。

そのメイと、最終的に党首の座を競うことになったのが「無名」のレドサムだが、この人が注目されたのは、Leave陣営の政治家たちが推しまくっていたからだけではなく、無名政治家ゆえの「新鮮味」があったからだ。だが、「テレサ・メイやマイケル・ゴーヴなんかより、まし(まとも)な人かもしれない」という期待を抱いてアンドレア・レドサムについて記事を読む、ググるなどした人々(投票権のある保守党員に限らない)の多くは、ガックリと肩を落とすなり、見なかったことにするなり、乾いた笑いを浮かべるなりすることになっただろう。

ネットでは多くの「まとめ」記事が出ていると思うが、私がたまたま見て「わかりやすい」と思ったのは下記のMetroの記事である。レドサム議員ご本人のブログをいろいろ掘って、まとめたものだ。

Here are some brilliantly bizarre things Andrea Leadsom believes
Thursday 7 Jul 2016 5:31 pm
http://metro.co.uk/2016/07/07/here-are-some-brilliantly-bizarre-things-andrea-leadsom-believes-5993147/

「両親がそろっていない子供は犯罪者になる」とか、「結婚もせずに子供を作る者は、子供を虐待することになる」とか、いわゆる「家族の価値」至上主義者で、ぶっちゃけ、トンデモさんである。同性結婚に反対していることはすでに大きく報じられていたので、この記事では特に取り上げられていない。

英国であれ日本であれ、そこそこ進んでるはずの社会にこういう価値観の人がそれなりに実力のある立場に存在するというと、「いまどき、そんな人が……」という反応が返ってくることがよくある。特に都会の、育ちのよい「リベラル」の人たちはそうだ。周囲にこういう人がいないのだろう。だが、現実に、こういう価値観の人は存在するし、それも決して「広い世間のごく一部」とはいえない。英国でBrexitの結果を得て勢いづいている「草の根保守」は、都会人が都会で作っているメディアが描き出す「モダンでリベラルな価値観を広く共有する社会」に違和感を覚えていた人たちでもあり、レファレンダムの結果が出たときに「自分たちと同じ選択をした人々」が、実は、社会の過半数であることに安心し、喜んでいる人々である。

かつて、イラク戦争反対運動の最盛期に、反戦運動の側のスローガンで We are many. というのがあったが(同名のドキュメンタリーもある)、Leave陣営の「草の根保守」の人々はまさに、We are many. という心境だろう。

アンドレア・レドサムは、そういう人たちの支持を受けている。

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2016年07月07日

2005年7月7日から11年。今日、「テロリズム」について何か1本読むとしたら、まずはこの文だ。

7月7日である。あれから11年が経過した。

昨年、10周年のときに書いたことについて「ああ、言われてみればそういうこともありましたねー」という反応があったし、USA Todayはつい最近のツイートで「あれ」を「近年ヨーロッパで起きたテロ攻撃」に入れていないし(でもスコットランドのロッカビー上空での飛行機爆破は入れている)、きっとロンドン以外では誰も「騒いで」いないのだろう。きっと、多くの人が、米国でのマス・シューティングをいちいち覚えていないのと同じことだろう。昨年、10周年で作成したNAVERまとめのページのview数は、今(2016年7月7日、23時近く)の時点でこんなものである。(何をどこでどう書いたらどう共有されるのか、私にはさっぱりわからないが、これは「誰も関心を持っていない状態」と言ってよいだろう。)



この11年の間に、日本では「海外なんかに行くからテロなんかにあうんだ」という「なんか」的言説が完全にメインストリームになった。うちの祖母が、素朴な感情としてお正月のテレビで雪山で遭難した人がいるというニュースを見ながら言っていた(そして即座に、その場にいた親戚一同に「ほかに休みが取れない」と反駁されていた)「めでたいお正月に雪山なんかに行かんでもいいのにね」に含まれていた「なんか」。

でも、それは、ロンドンの2005年7月7日のそれは、人々が「海外なんかに行くから」被害にあったのではない。それは、そこに暮らして学校に通い、出勤し、面接を受けに行っていた人たちを襲った。1995年3月20日の東京と同様に。

(1995年3月20日についても、きっと、素朴な感情から「東京なんかに行くから」、「東京は怖いねぇ」と言っていた人たちはいただろう。うちはずっと東京暮らしだから、うちの親戚などにはそういうことを言う人はいなかったが、いわば「サイレント・マジョリティー」的な声だったそういう「素朴なつぶやき」が、ネットを介して、その人の直接の人間関係を超えて共有されるようになり、「メインストリーム」に出てきているのが、最近よく見る「海外なんかに行くからテロにあう」という言説なような気がする)

たまたまというべきか、わざわざ7月6日に設定したとかんぐるべきかはわからないが、昨日、2016年7月6日に、イラク戦争に関するトニー・ブレア政権の意思決定の問題点を精査・調査するチルコット委員会(サー・ジョン・チルコットが委員長)の報告書が公表された。それについて、私はまだ書くこともできていない。書くどころか、ろくに読めてもいない。

そして報告書の公表に伴う報道がさかんに行われるなか(といっても、報告書そのものは膨大な文字量で、どんな人でも1日で読むことは不可能であり、これまで書かれた解説などは公表時のチルコット委員長のスピーチと、報告書の要点を抜粋したものに基づいているのだが)、チルコット報告書でめっためたに批判されたトニー・ブレア本人がまた出てきて、要するにこれまで通り「私は悪くない」と言い張っているのが、ブレアのことが大好きなメディアに踊っている。ニュー・レイバー系の有力ブログが「イラク戦争後に起きた悪いことのすべての責任がブレアにあるように言うのは間違っている」と、「まともな人は誰もそんなこと、言ってませんけど?」と指摘してスルーするのが順当と思える見出しを打って記事をフィードしている。

というわけで、今日7日は、ブレアの言い訳や、ブレア支持者のダメージ・コントロールの言説がネットにどっと出ているのだが、今日読むべきものはそんなものではない。

11年前の朝、普通に日常生活をしていて、あの「テロ」に巻き込まれ、人生が変わってしまった人たちの中に、11年という歳月を経て、語り始めた人たちがいる。




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2016年07月04日

Brexitの「立役者」がまたもバックレ

今日の夕方、画面見てるときに、「なんだ、ガーディアン、古いニュースをフィードしてるよ、ははは」と思った。しかしリンク先をクリックしたら「古いニュース」ではなく、今日のニュースだった。UKIPのナイジェル・ファラージが党首を辞めた。2015年の総選挙後に続いて2度目だが、「(すぐに復活した)前回と異なり、今回は戻ってこない」と言っている。



煽るだけ煽って、火をつけて、爆発させといて…ナイジェル、UKIP党首辞めるってよ #Brexit
http://matome.naver.jp/odai/2146762573154992501


一応、全部ここ↑に書いてある。英国では「ボリス・ジョンソンに続き、ナイジェル・ファラージも」ということで呆れ返っている人々の反応が多い。UKIP支持者の間ではファラージは個人崇拝の対象なので(周知の通り、「UKIP支持者」というより「ファラージ信者」といったほうがよいような人が大勢いる)、ショックで呼吸が止まってる人がいなければよいのだがと思う(冗談ではなく。高齢者多いし、「伝統的」な脂っこい食事で動脈とかやばくなってる人も多いだろうし)。

あと、EUレファレンダムの前に「移民ガー」という煽動が行われていたのだが(日本社会で最も的確にそのニュアンスを伝えるためには「外国人ガー」と訳すべきだろう。実際「外国人」の悪魔化による煽動は、石原都知事がやっていた)、それについて誰でもいつでも簡単に一覧できるように、6月11日(土)以降の英国の新聞1面のフィード(BBC記者)も全部アーカイヴしてある(スポーツ面も入れてある)。
http://chirpstory.com/li/321110

印刷メディアがこのようなムードだったときに、ナイジェル・ファラージはテレビやラジオに頻繁に出演し、人々が「これまであまり聞いてこなかったようなこと」を(あの「いい声」で)発言しまくっていた。対するEU残留派は、首相だの財務相だの元首相だのといった「見飽きた顔」ばかりで、しかも話す内容には何も新鮮味はなかった。「残留派」の面々がテレビに映っただけでトイレに立つ人や、テレビを消してしまう人も、きっと多かったに違いない。

これがポピュリズムの実相か、と、私など、あんぐりと口をあけたままになってしまうが。

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2016年07月03日

2003年、英国は「ヨーロッパ」として語ることを拒絶していた。

EURO 2016のベスト16に「アイルランド」が2つも入ってたために空気中にホコリより多くのアイルランド成分が舞っていた日々の余韻も冷めやらぬなか、東京では映画『ブルックリン』の公開が始まった。アイルランド出身で、現在は米コロンビア大学と英マンチェスター大学の教授をつとめるコルム・トビーン (Colm Tóibín) の小説を、サーシャ(シアーシャ)・ローナン主演で映画化した作品で、1950年代にアイルランドの小さな町から米国の大都会、ニューヨークに渡ったひとりの若い女性のドラマである。予告編の開始1秒から成分が漂い出す(日本版のは吐息を響かせる系の甘ったるい女性のナレーションといかにもな映画音楽のせいで元の作品のコアの部分が伝わらないため、英語版のを貼っておく)。



映画の原作の小説は、日本でも翻訳出版されている。
ブルックリン (エクス・リブリス)ブルックリン (エクス・リブリス)
コルム トビーン 栩木 伸明

Brooklyn マリアが語り遺したこと (新潮クレスト・ブックス) 異国の出来事 (ウィリアム・トレヴァー・コレクション) キャロル (河出文庫) ワンダー Wonder

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さて、東京でも35度を超えた日曜日の午後、何気なくamazonのページで「コルム・トビーン」のほかの本を確認してみると、『ブルックリン』と『マリアが語り遺したこと』の2冊しかない。ほかにもあるんじゃないかと図書館横断検索などして見つけたのが、下記の本である。

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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