13日、「今日はTwitterボイコットだ」というハッシュタグが流行り、14日、TwitterのCEOであるジャック・ドーシーが反応したということが、早くもIT Mediaの記事になっている。13日のボイコットは女性たちが主導したもので(賛同した男性たちも多い)、長い話を短くすれば、Twitterのダブル・スタンダード(だとユーザーには見えるもの)についての抗議行動。14日のジャックの反応は、その点についての取り組みを行っていくとする見解の表明。

こういう流れを短期間でオープンな場に生じさせた #WomenBoycottTwitter のハッシュタグについて、少し見てみたので、以下はその記録。ベースにあるのは今月に入ってから米芸能界(映画界)をがんがん揺さぶっているあの「大物のセクハラ・強要」のニュースだ。

10月上旬、米映画界の大物が、自分が大物であることを利用して、映画界を職場とする女性たちに「ひとりの男」というか「一匹のオス」として迫りまくっていたということが暴露された。すぐに、その大物が仕事をクビになったことがニュースになった。それから1週間の間に、何が起きたのかに関して非常に下品で下世話なディテール(日本語圏でニュース的な要素のある記事になっているものには含まれていないような下品で下世話なディテール)に、ネット上を歩いていれば犬が棒に当たるレベルで遭遇してしまうような状況になっている。

何があったのかというとこういうことだ。
「英国王のスピーチ」や「恋に落ちたシェイクスピア」など数々のヒット映画を手がけてきたハリウッドの超有名プロデューサーが、何十年にもわたって女優やスタッフに性的嫌がらせをしてきたことが明らかになり、大きな波紋を呼んでいる。

問題になっているのは、映画会社「ミラマックス」を設立したプロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン。

……

ワインスタインのターゲットになった人たちのほとんどは、若い女優や映画業界で仕事が欲しい人など、弱い立場にある人たちだった。

被害にあった女性のひとりは「私は28歳。生活費をかせぎ、キャリアを築こうとしていた。ハーヴィー・ワインスタインは(当時)64歳。世界的に有名な男であり、私は彼の会社で働いていた。パワーバランスは私が0、ハーヴィー・ワインスタインは10だった」と綴っている

--- 全米が怒っている。ハリウッド大物プロデューサーが女優たちにセクハラをしていた。アンジェリーナ・ジョリーも被害に。
2017年10月11日
http://www.huffingtonpost.jp/2017/10/11/harvey-weinstein_a_23239499/


この「大物プロデューサーのセクハラ」が世界的なニュースになっているのは、上に引用したハフポJPの記事見出しにあるとおり、最初にメディア(NYT)が報じて数日後には世界的な大スターたちが被害を告白するようになっていたからだが、最初期に被害にあったことが明らかになっていたのはアンジェリーナ・ジョリーやグウィネス・パルトロウのような大スターたちではなかった。

10月5日付のNYT記事には何人かの被害者の実名が出ているが、その中で、今からさかのぼること20年前の1997年にワインスタインの性犯罪行為の被害者となり、和解に応じた女優として名前が挙がっているのが、当時23歳だったRose McGowan(ローズ・マッゴーワン、ローズ・マクガワンなどカナ表記は複数ある)だ。

彼女は米国では『スクリーム』など数多くの映画・テレビ作品に出演しており、決して「無名女優」ではないが、アンジーのような、世界的にだれもが顔と名前が一致するような大スターではない。個人的にホラー映画見ないし、アメリカの映画・テレビドラマには疎いので私の感覚は当てにならないのだが、この人どんな女優だっけとウィキペディアを確認して、ああ、あの人かとわかったのは、Fifty Dead Men Walking(邦題は『インファナル・ミッション』)という実在のIRA潜入スパイの手記をかなりがっさりと映画化した作品に出演したときに「もし自分がベルファストで育っていたら、確実にIRAに入ってたと思う」と発言して物議をかもしたということを読んだときだ(その発言自体、何も物議をかもすようなものではないと個人的には思う。そのくらい北アイルランドの状況はひどく、IRAのプロパガンダは強力だったのだし)。あと、昔マリリン・マンソンと婚約してたことがあるとかいうのも聞いたことがあるような気はする。

そのくらいうっすらとしか知らなくても、23歳という若さで力関係を前提にした性暴力の被害にあい、法的には和解という道をとった(というより、とるよりなかったのだろう)ということだけ把握できれば、ワインスタインの件についての記事は読める。