kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2017年04月20日

(続)英テリーザ・メイ首相は、なぜ「解散総選挙」を行なうのか、それによって何がしたいのか。

1つ前のエントリの続き。

本文の前にまず、「解散総選挙」についてのまとめのようなチャンネル4ニュースの映像クリップ。


※メイ首相のスピーチの文字起こし:
http://www.telegraph.co.uk/news/2017/04/18/theresa-mays-early-general-election-speech-full/

このスピーチについては、「その目的ならArticle 50発動前にやる(英国民が納得した上でArt 50を発動する)のが筋では……」というのが私の個人的感想。あと、「野党がー」がやたらと多いので、本当の目的はここで語っていることよりむしろ、「自身の足元固め」と「野党つぶし」、「長期安定政権」だろうなと思う(Brexitは交渉だけでは終わらない。その後、軌道に乗せるところまでやらねばならない。何年ものスパンで見ていかねばならない)。

さて、メイ首相が「抵抗勢力」に退場してもらう機会を欲しているということをよりはっきりさせるもう1つの事例が、ハートルプール選挙区のイアン・ライト議員の不出馬表明である。ライト議員は保守党ではなく労働党の人だが、この選挙区で起きていることは、Brexitというものが英国の政治にとってどういうものかをわかりやすく示す一例だと思う。








ハートルプールなどという地名を私が覚えたのは、スキャンダルまみれの「暗黒王子」ことピーター・マンデルソンの選挙区だったからだが、ライト議員は2004年にマンデルソンが下院議員を辞したあとを受けた労働党の候補者で、以降2005年、10年、15年と3度の選挙で議席を獲得してきた。また、このイングランド北東部の重工業&原発に支えられた都市の議席は、1974年にこの選挙区が創設されて以来ずっと労働党が保持してきた(1974年の区割り変更前も、1945年以降は、200票あまりの差で議席が保守党に行った1959〜64年の1期を除いてずっと労働党である)。

この選挙区の2005年以降の数値を見てみると:

General Election 2005: ※イラク戦争後、トニー・ブレア労働党の最後の選挙
Labour (Iain Wright)......18,251 (51.5%)
Liberal Democrat (Jody Dunn)......10,773 (30.4%)
Conservative (Amanda Vigar)......4,058 (11.5%)

General Election 2010: ※ゴードン・ブラウンの労働党が勝てなかったが単独過半数の政党も出ず、保守党とLDの連立政権が誕生した選挙
Labour (Iain Wright)......16,267 (42.5%)
Conservative (Alan Wright)......10,758 (28.1%)
Liberal Democrat (Reg Clark)......6,533 (17.1%)
ちなみに、このときに全英規模で注目されていた「極右旋風」の中心、BNPは2,002票(5.2%)で5位、主要3政党とBNPの間に割り込んで4位となったのが2,682票(7.0%)を獲得したUKIPだった。

General Election 2015:
Labour (Iain Wright)......14,076 (35.6%)
UKIP (Phillip Broughton)......11,052 (28.0%) ←大躍進
Conservative (Richard Royal)......8,256 (20.9%)
この選挙では、福祉切り捨てと緊縮財政を進めてきたデイヴィッド・キャメロンの保守党が「労働党はカオスをもたらす」というキャンペーンを行ない、予想に反してバカ勝ちしたのだが、選挙戦で最もメディアの注目を集めたのはUKIPだった。UKIPは元からの右翼だけでなく、「保守党には反対だし、LDは信用できないが、イラク戦争を引き起こしサッチャリズムを受け入れた労働党にも入れられない」という左翼の間にも支持者を得ているという事実が、遅まきながらようやく労働党のやんごとなき界隈(フェイビアン・ソサイアティ筋)にも認識されたのは、ハートルプールのような選挙区が実際にあったからだろう。

この選挙のあと、労働党は「ブレアの労働党」という夢を見続けている人々と、「ブレアが壊した労働党を取り戻す」という夢を信じている人々との争いの場となり、議員たちの多くが何か機会があるたびにジェレミー・コービン党首を退陣させようと発言したり画策したりするばかりで、より大きな敵である保守党に対する有効な批判などは二の次になってしまった。そういう中で迎えたのが2016年6月のEUレファレンダムで(この時点で、EU離脱・残留という議題とは別に、「労働党には完全にうんざりだ」と思っていた人々は、具体的な数値などを見たわけではないからはっきり言えるわけではないが、少なくはないだろう)、ハートルプールは次のような結果を出した。

Hartlepool
Voter turnout eligible: 65.5%
Remain: 14,029 (30.4%)
Leave: 32,071 (69.6%)

つまり、ダブルスコア以上で、「離脱」が「残留」を上回った。

しかしこの地区選出の国会議員、イアン・ライトは、ウエストミンスターで「残留」の立場をとっている。

これは、ハートルプールの人々から見れば、「選挙区の有権者のマジョリティの考えを、政治家が反映していない(反映しようとしない)」ということになる。この状態では、現職のライト議員が今度の選挙に出馬したところで、当選は至難の業だろう。




そしてライト議員の引退を受けて、労働党としては、党執行部にまともに思考する能力があってなおかつ適切な候補者がいればだが、Brexit支持でなおかつ(コービンの)労働党への支持を呼び込める候補者を立てて選挙に臨む(臨みたい)ところだろう。

実際にはどうなるか……この選挙区では、前回(2015年)に支持を大きく伸ばしたUKIPの候補者が、いち早く出馬を表明しているようだ。

UKIPは、(英国の小選挙区という原始的な制度のもとでのことだが)元々2015年総選挙でもまともに議席が獲得できておらず、2016年EUレファレンダム後にずるずると崩れてきて、現在は「所属する国会議員がひとりもいない政党」になっている。



























UKIPも、今回の解散総選挙でどうなるかわからなくなってきた。

なお、ブレアの労働党がイラク戦争という愚かな違法行為で支持者をなくしたように、キャメロンの保守党もまた福祉削減・緊縮財政・銀行&大企業の優遇という政策で支持者をなくしている。EUレファレンダムは、英国とEUの関係についてだけでなく、キャメロンのリーダーシップを問うものでもあった。で、そのキャメロンの保守党で「ナンバー2」だったジョージ・オズボーン(前財務大臣)は、先日、現職の国会議員でありながらロンドンの『イヴニング・スタンダード』紙(歴史ある新聞だが、現在は無料で配っている)の編集長になっており――ちなみに、英国の政治家にはジャーナリストの経験者がけっこういるが、オズボーンにはジャーナリストとしての経験はない――、今回の解散総選挙で政治家としては引退するのではないかと見られている。

……って書いてるうちに「引退」確定報道があった。




キッパーのジョーンズ氏が大喜びしている。




2015年の総選挙で極右に屈して「EUレファレンダムの実施」を約束し、その後UKをカオスに叩き込んだデイヴィッド・キャメロンは、もうとっくに政界を引退して「公人」ではなくなっている。彼の2015年の発言は、「ねこのラリー」さん(パロディ)が言う通り、年月が経つほど味わい深くなっている。




「カオス」を作り出すはずだったエド・ミリバンドは、「1人ミリ・バンド」を結成したようだ。








※ログは http://twilog.org/nofrills/date-170408 を参照。

ところで水曜日は下院でのPMQs(首相討論)の日で、19日は当然、解散総選挙が議題となっているようだが、メイ首相は投票日前の「各党党首によるテレビ討論」はやらないそうだ。「私はポピュリストではない」という態度表明かもしれないが、ここまで時代に逆行するのは、有権者をなめてるんじゃないかというようにも見える。元々、この人に「討論が上手」という印象はないし(キャメロンのディベートは、言ってることに賛成できない人も自然と耳を傾けてしまうという技術の高さがあったが、メイは……)












1つ前のエントリの投稿(アップロード)がうまく行かなかったのは文字数がオーバーしていたのだろうと思っていたが、そうではなかったようだ。このエントリも、ここまで全文を一度に投稿しようとしたらうまく行かなかった(これまでseesaaの投稿画面では見たことのない「アップロード中…80%」みたいな表示が出た状態で止まっていた)。そこで、全文を一度にではなくいくつかに分割して少しずつアップしてみたら、問題なくできた。何だろう……ブラウザ(普段はFirefoxだが今Chromeを使っている)のせいか、こちらのPCの問題か。
(?_?)

※この記事は

2017年04月20日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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