kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2017年01月26日

北部(北アイルランド)のシン・フェイン、マーティン・マクギネスに代わる新たなリーダーは40歳の女性だ。

moneilltwt.png北アイルランド紛争(1969〜1998)を生きてきた元「IRA司令官」、マーティン・マクギネスの後任は、1977年生まれの若い政治家……シン・フェインはピンチをチャンスに変える技能のワールドカップがあったら優勝候補と呼ばれることは間違いないだろうと思われるような政党だが、今回もまた「これまでずっと頼ってきた屋台骨が第一線を退く」というピンチをチャンスに変えることができるのだろうか。

1月23日(火、現地時間)、北部のシン・フェイン(彼らは「北アイルランド」という言い方をしない)が、マーティン・マクギネスに代わるリーダー(「党首」ではない)として、現在の自治政府で保健大臣を務めるミシェル・オニールを選んだと告知した。詳細は下記。

Northern Ireland: Michelle O'Neill named Sinn Fein's new northern leader
https://chirpstory.com/li/344753


特に党内で選挙のようなものが行なわれたという話は見かけていないのだが、シン・フェインなりのやり方で選ばれたのだろう。前週後半にマクギネスが第一線を退くことを明かしてからの数日の間だったか、あるいはマクギネスが自治政府の副ファースト・ミニスターを辞してからの2週間の間だったかははっきり覚えていないが、その間にマクギネスやジェリー・アダムズと同世代でばりっばりの「元IRA」の大物政治家が「私はリーダーにはならない」とメディアで発言するなどしていたので、世代交代するんだろうなと思ってはいたが、それにしても現在40歳の人をトップに持ってくるとは、ずいぶん思い切ったものだと思う。

シン・フェイン全体のトップはジェリー・アダムズだが(実に30年以上、このポストにある)、2009年、アダムズの実の弟が実の娘に対し性虐待を加えていたということが虐待被害者本人によって明かされたあと、いろいろとしどろもどろな応対をしたりしたが、結果的には生まれてこの方ずっと拠点としてきた西ベルファストを離れることにし、2010年に「翌年(2011年)のアイルランド共和国総選挙に出馬する」と表明してそのときに保持していたウエストミンスター(英国下院)の議席(議席は持っていても、シン・フェインなので出席はしない。その点の詳細はこちら参照。「英国政府への抗議」云々とはちょっと違う)を返上、選挙区をボーダーの向こう側のラウスに移し、相変わらずなぜか余裕で当選した。そのあとのアイルランド共和国の総選挙でも議席を落としていないので、アダムズは現在「ジェリー・アダムズTD」(TDはアイルランド共和国下院の議員のこと)であり、シン・フェインの党首(プレジデント)である。そういうことができるのも、シン・フェインはアイルランド島全域の政党だからだ。

で、そのアダムズのもと、共和国のシン・フェインは何人かの副党首を置いている。そのひとりで最も重要な役を務めているのがメアリ・ルー・マクドナルド。1969年、ダブリンの生まれで、北アイルランドとは特に関係はない(元々はFFのメンバーだった)。現在ダブリン・セントラル選挙区選出の下院議員である彼女は、党大会はもとより、党主催のイベントの数々(「歴史を振り返る」系のとか、「政府の政策に抗議する」系のとかいろいろ)でスピーチなどを行なっており、共和国の報道で顔写真を見ることもとても多い。

というわけで、シン・フェインは南(共和国)も北も、「女性政治家」の存在感がぐっと増してきているのだが、視野を広げるとより壮観である。まず、今日解散した北アイルランド自治議会のエクゼクティヴ(自治政府)のトップ(ファースト・ミニスター)が女性(DUPのアーリーン・フォスター)。北アイルランド自治議会では閣僚を出す主要5政党のひとつであるアライアンス党もトップは女性だ(ナオミ・ロング)。かくして、北アイルランドは主要5政党のうち3政党が「トップが女性」ということになっている。(時間軸をさかのぼると、SDLPもマーガレット・リッチーが党首だったことがあり、主要5政党で女性をトップにしたことがないのはUUPだけとなる。)

さらに広い範囲を見ると、英国首相が女性(保守党、テリーザ・メイ)、スコットランド自治政府のファースト・ミニスターが女性(SNPのニコラ・スタージョン)となっており、仮に3月の選挙後も北アイルランドの2トップが現状のままだとすると、British-Irish Councilの主要メンバー(英国・英国内自治政府とアイルランド共和国政府)は女性の方が2:1の比率で多くなる。

……という話で盛り上がっているのをちょっと見かけたのだが、個人的にはもはや「女性だから」と珍しがっている時代でもあるまい、と思っている。それよりも、北アイルランドという文脈では、世代だ。

ミシェル・オニールが選ばれたのは北アイルランドの政治筋では完全に予想されていたことのようだったが、彼女の前に「後継者」のひとりとして有力視されていた政治家は、今燃えに燃えているRHIスキャンダルの前に燃えに燃えていたNAMAスキャンダルに関し、あのジェイミー・ブライソンとつながっていたことがばれて政治家をやめ、党から去らざるを得なかったダーヒー・マッケイだった。彼はオニールよりさらに若く、1980年代生まれだ。(マッケイは党を辞めたあと、政治コメンテーターになっている。)

シン・フェインの中でのそのような思い切った「世代交代」への意思は、「紛争後」の社会において「ふつうの政党」となっていくため、「紛争」を過去のものとしていくための固い決意を示すものと解釈されえた。

そして現実に、シン・フェインは "No turning back" というメッセージをはっきり示すことに、政治的にも活路を見出していくだろう。

一方のDUPは(北アイルランド自治政府は、現行の制度では「与党」「野党」の制度ではないから「一方の」という表現はおかしいのだが、便宜上)、シン・フェインを見ると「IRAがー」と叫びだすという旧世代の価値観にアピールすることに活路を見出したようで、後ろ向き真っ只中だ。アーリーン・フォスターがアピールしようとしているのは、「あれほどまでに悪罵していたIRAと手を組んだ」(とみなされている)故イアン・ペイズリーや、「ペイズリーの右腕で過激派活動にいそしんでいたのに政治的権力を手にしてひよった」(とみなされている)ピーター・ロビンソンによって「裏切られた」「幻滅させられた」と感じているが、他に投票する党もないし、いつかは自分たちの意見が通ると信じてDUPに投票しているような有権者、いまだに『反IRA』を掲げ続けているような有権者たちだ。マクギネス引退のときに例示したが、グレゴリー・キャンベル(デリー、いや「ロンドンデリー」のDUP所属MLA)のような人が今のDUPの「主流」なのだ。(社会全体では「恐竜」と呼ばれているが。)

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アーリーン・フォスターも、彼女自身は「紛争」における武装組織での活動歴はない。ただし父親がリパブリカンの暴力の標的にされ、殺されかけたことがある。

ミシェル・オニールはIRAとは無縁だが、父親が英当局によって投獄されたことがある。

何とか接点を見つけてくれないだろうか、と思っている。Brexitという現実が迫る中、今のこのムードのまま、「対立を煽る」方向に針がふれてしまうことは、今は「ないない、そんなことありえない」と笑い飛ばせているあるひとつの可能性に現実味を与えてしまう。








via: https://chirpstory.com/li/344753
See also: http://twilog.org/nofrills/date-170124/asc

どうでもいいけど、この写真↓、両サイド怖い。(^^;)


今までこういう写真は真ん中がマクギネスだったので、怖さが均等配分されてて全体的には薄く見えていたのだけど、こうなると「うを」と……たとえていえば、身長180センチくらいの人が3人並んでいるところのバストショットの写真では背の高さはあまり感じないけど、真ん中のひとりが身長160センチだと、両端の背の高さが際立つ……って、この写真、ほぼそういう感じでもありますが。

それから、Brexitの件。












ア〜ンド:






そして、さらにドン!:







※この記事は

2017年01月26日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼