kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2016年09月28日

北アイルランドの「パロディ・アカウント」の「中の人」の正体が判明したのだが……(いろいろとすごい)

よく訓練された北アイルランド・ウォッチャーのみなさん、こんばんは。

2012年秋のベルファスト・シティ・カウンシル(市議会)での決定を受けて、シティ・ホール(市役所)での英国旗(ユニオン・フラッグ)の常時掲揚が廃止され、英国旗はメインランド(ブリテン島)の自治体と同じく、特別な日・機会にのみ掲揚することになったあと、2012年末に勃発したflag protests, すなわち「旗騒動」と当ブログで簡略化して呼んでいるもののことは、当然どなたさまもご記憶のことと思います。

市議会でのデモクラティックな決定(普通選挙で選出された議員による議場での議論を経た後の採決での決定)に対し、「俺たちの声を聞け」と、大事な大事なユニオン・フラッグを掲げ(中には上下さかさまに掲げている人もいましたが)、シティ・ホール周辺に連日押しかけたのは、「ロイヤリスト」の人々でした。仕事についていそうにもない若者も大勢、この「抗議行動」に参加していました。

中には建物内に乱入する者が出たりと大変な騒ぎとなりましたし、「騒動」勃発時はクリスマス直前のショッピングの時期であったため、ベルファスト中心部での買い物を控える人が出て(市の人口のほぼ半分を占める「ナショナリスト」のコミュニティの人は、わざわざロイヤリストの集団が大騒ぎしている中には、行きたがりはしませんよね。「ユニオニスト」のコミュニティの人も、「粗暴な若者たち」が大挙してきている場所は、避けようとする人が多いですよね)、商業に顕著な悪影響を及ぼすなどして、連日大ニュースとして扱われていました。「抗議行動」参加者の「エリート」に対する激しい感情は――「感情」だけで内容はないよう、であったにせよ――市の中心部を外れた東ベルファストで、アライアンス党の政治家への言語による攻撃や、その政治家の事務所への攻撃(ペイント・ボムなど)という形でも噴出しました――それらは「旗騒動」が起きていなくっても行なわれていたことであったにせよ。

この「抗議行動」を組織していたのが、悪いことはすべてIRAのせいにしてしまうことで知られる「いつものあの人」的中年の活動家と、2016年9月の現在では「ちょ、おま、なんでシン・フェインと……」ということになってる人なんですが、当時は「ワーキングクラス・プロテスタント/ロイヤリストの若者代表」のようにふるまい、そのようにみなされていた1990年生まれの若き活動家、ジェイミー・ブライソンでした。ジェイミーは「旗騒動」の前から過激な活動(ただし直接的武装闘争ではなかった)を行なっていて、ネットでも積極的に発言してきた人です。その「知る人ぞ知る」活動家がBBCやベルファスト・テレグラフのような大手報道機関に普通に出てくるようになったのは、「旗騒動」とその後の逮捕、およびデモ参加禁止、携帯電話使用禁止などの条件での保釈といった「ニュース」で「時の人」となってからでした。今では、「北アイルランド・ウォッチャーなら顔写真を見るだけでどういう名前のどういう人かがわかる」ような有名人の一人となっていますね。

さて、2012年年末の「旗騒動」のあと、ネット上にひとつのもんのすごい「パロディ」ムーヴメントが誕生しました。デモクラティックな手続きによる決定に反対する「旗騒動」を皮肉ってLoyalists Against Democracy, 略してLAD……彼ら「旗騒動」参加者の多くが "lad" と呼ばれる男性たちであることを踏まえた、完璧すぎるネーミングです。さすが詩人たちの国、言葉の国、とアイルランドのステレオタイプで納得してしまってもゆるされるほど、見事だと思います。Twitterのアカウントは@ladfleg, "fleg" というのは「旗騒動」の参加者たちの発音する "flag" という語を音声的に忠実に再現した表記です。

ladfleg.png
※ケン・ローチのアカウントがフォローしているとは……映画化決定か?(爆笑)


このアカウントは、「婚姻の平等」(つまり「同性カップルも異性カップルと同じように結婚できるようにすること」)の実現を求める運動に参加しているので、現在はアバターがレインボーカラーになっていますが、元々はオレンジ色(ロイヤリストの色)でした。このアカウントがどういうアカウントなのかは、活動開始から1年を迎えた2013年12月にSlugger O'Tooleのライターの一人がアカウントの「中の人」である「ビリー」(笑)に話を聞いて書いた記事があります。

LADのことは、個人的には「パロディ・アカウント」と呼んできたのですが、実際にはオンライン上の北アイルランドには、インターネットが普及したころから常に「パロディ」はありました。「北アイルランド紛争」というシリアスなものとその派生物(「IRAもの」のフィクションの小説や映画など)を通じてしか北アイルランドを知らなかった私には、それら「パロディ」は強烈な存在でした。

最初に接したのは、伝説のThe Portadown Newsです。政治系ブログ(後にグループ・ブログ)のSlugger O'Tooleから知ったサイトですが、この「パロディ」サイトを見ることで、普通にシリアスなニュースだけ見ていたのではわからないようなことも含め、本当に多くを学ぶことができました。リパブリカンもロイヤリストも武装組織も政治家も全部「風刺」の対象としていたこのサイトも、確か最初は「匿名」でした(北アイルランドのようなところで、武装組織をもパロディの対象とすることは、そういうことを意味します)。IRAの武装闘争停止宣言の1ヶ月ほどあと、2005年8月にこのサイトが活動停止を宣言したときには「中の人」は名前を出していますが(彼、ニュートは現在はアイルランドの複数の新聞でコラムを執筆しています。Twitterアカウントもあります)、「匿名」の彼が身バレしたのは2001年。当時のガーディアンの記事が今も普通に読めますが、リパブリカン支持の媒体から「偏向している」と非難されて身元を明かされたため、職場(IT企業)をやめざるを得なくなった、ということです。Portadown Newsは「偏向」どころか、ロイヤリストの「聖地」的な場所(あのポータダウンです)の名前を冠して、ロイヤリストもリパブリカンと同じようにパロディ・ニュースのネタにしていたのですが……。なお、ニュートの身元をアウトした媒体の社主は、後にベルファストのロード・メイヤー(2013〜14)として、自分の体を張り(就任直後、自身リパブリカンでありながら、単身、ロイヤリストのエリアを訪れるという象徴的な行動をとった)、Twitterなども最大限に活用して「和解」を目に見える形にするという活動で目覚しい功績のあったマーティン・オミュラー(マーティン・ミラー)です(現在は北アイルランド自治政府の財務大臣。NAMAの件、どうなったんすかね……)。

そのPortadown Newsが「デコミッション」したあとも、ネット上にはいくつもの「パロディ」が出現しました。時代は「ブログ」全盛期で(あと、BeboっていうSNSがアイルランド島では流行ってましたね。Beboではロイヤリストがものを知らないティーンエイジャーを組織化するためにセクタリアンな言説をばら撒きまくるグループをいくつも作ってて、大手報道機関の記事で問題が指摘されてたこともある)、Bloggerを使ったサイトがいくつかありました。「類型的なロイヤリスト」がリパブリカンを嘲笑するというややこしい形式のパロディ・ブログなどは、実に面白かったなあ。

こんなことを書いていると全然終わらないので先に行きますが、2012年の「旗騒動」後にネット上に出現したLADというパロディ・アカウントは、もちろんもうブログというより、TwitterとFacebookが中心でした(TumblrやBloggerのアカウントもありましたが、それより日常活発なのがTwitterとFB)。そして、Twitterは現代米国的「表現の自由、言論の自由」の運営方針がかなり徹底していたのですが(今もまだ基本的にはそう)、Facebookは「事なかれ主義」的な設計で「このアカウントのしていることはabuseだ」とかなんとかいう「通報」の数が増えたらアカウントが閉鎖されてしまうようになっていて、LADのFBのアカウントは何度か、そういう組織的な「通報」でつぶされています(そのことは、LADがTwitterアカウントで書いていました)。

ここで少し先ほどのThe Portadown Newsの話に少し戻りますが、2001年の時点で、このパロディ・サイトは英国のインターネット・プロバイダー(日本語圏では「サーバ」、「サーバ業者」と呼ばれる)によってサイトを見られない状態にされたことがあると報告されています。
https://www.theguardian.com/uk/2001/dec/30/northernireland

In November The Portadown News was banned by the internet service provider Freeserve after complaints that the site had broken the terms of service because it was either 'abusive or racist or likely to cause offence'.


※なお、「パロディ」が "abusive" だとか、"likely to cause offence" だとかいう性質を帯びたものであることは、異論をまちません。それゆえ、"right to offend" (人の気分を害する権利)などという「権利」の主張を大真面目に行なう子供じみた連中もいますが、人は社会の中において、自分の有する「権利」を常に行使するとは限りません(大人なら誰でも、「権利」を行使しないという判断を場に応じてします。会議中に「歌を歌う権利」を主張する人や、混雑した電車内で「荷物を床に置きたくないので座席に置く権利」を主張する人は、まずいません)。

The Portadown Newsのケースでは、「ネタにされた」ことを「馬鹿にされた」と解釈した武装組織が、発信者(「中の人」)を突き止めて脅すという危険もあった(そして実際、それが報道機関の報道という形で2001年12月に行なわれた)し、サーバ業者を標的にする可能性もあると判断されたのかもしれません。しかし、そうやって武装組織に対しいわば「気を使って」、行動や発言を自粛するというのは、「恐怖」に支配されていることにほかならず、「テロリズム」を成功させることです。そしてそれは、「風刺、パロディ」とは対極的な姿勢です。ニュートの場合、そういうげんなりするような現実をまたネタにして「風刺」の文章を書いてしまうのですが……。

そのような「脅し」がLADのアカウントについて為されたのかどうか、正確なことは私は知りません。The Portadown Newsはまだリアル世界で武装組織が活動停止宣言をしていなかったころのサイトですが、LADは2012年、活動停止宣言どころか、武装解除(武器のデコミッション)も完了した(ことになっている)後のネット上の活動です。なので、両者を取り巻く環境は、同じ北アイルランドとはいえ、かなり違ってきてはいるだろうと思います。つまり、言葉で為される脅しをどのくらい深刻に受け取ろうとしているか、という点において、など。

「旗騒動」のジェイミー・ブライソンは、活動家としては常に顔を出し名前を出してきました。Twitterやブログでも名前と顔を出している彼は、彼の活動のことを「ネタ」にするLADを「俺に粘着している匿名の卑怯者」と非難してきました。上の方に2013年12月のSluggerの記事で「中の人は『ビリー』」となっていることを書いたのですが、ロイヤリストで「ビリー」というのは、現実にあるのですが、同時に「ギャグ」です(マイク・リーの映画を参照)。「名無しさん」とさほど変わりありません。

LADのネット上のアカウントは何人かのグループがコンテンツを作成して運営していた(これまた2013年12月のSlugger記事を参照)そうですが、「中の人たち」に加えて、LADの主旨に賛同した支援者が何人もいたりして、「誰がLADなのか」は傍目からはよくわかりませんでした。ジェイミーがTwitter上で最も激しくやり合ってきたのは、LAD周辺の一員である風刺画家でライターのブライアン・ジョン・スペンサーです。ブライアンは顔も名前も出して活動しており、彼自身が本当に「ワーキング・クラス・プロテスタント」なので、実際には「ワーキング・クラス」ではないジェイミー(彼の家はミドル・クラスです)が、「ワーキング・クラス・プロテスタントの代表」であるかのようにふるまい、過激な言説をまき散らかしているのが我慢できないそうです。

その点はLADの創設者も明確にしていました。単にジェイミーが個人的に気に入らないから批判しているのではなく、ジェイミーの欺瞞をはっきり欺瞞だと暴く必要がある、というわけです。そしてジェイミーはそれについて「匿名のトロール」「サイバーいじめ」と反駁してきたのです。

……と書くと、何かよく聞く話というか、「いずこも同じ秋の夕暮れ」感に包まれますが。 (^^;)

で、「旗騒動」から4年になる2016年9月、なんか、わりと唐突に、LADの創始者、もともとの「中の人」が自分から名乗り出て、ニュースになっています。今回もまた、The Irish Newsです。

アイリッシュ・ニューズのジャーナリストたちのフィード:





Man behind Loyalists Against Democracy social media phenomenon reveals identity
Amanda Ferguson, 27 September, 2016 01:00
http://www.irishnews.com/news/2016/09/27/news/revealed-the-man-behind-loyalists-against-democracy-710477/

THE man behind the 'Loyalists Against Democracy' (LAD) social media phenomenon has finally revealed his identity, ahead of a stand-up show in Belfast.

John-Paul Whearty, a self-confessed 'internet troll and accidental satirist', will be the headline act at the Metropolitan Art Centre (MAC) in Belfast's Cathedral Quarter on October 6.

...

In the beginning it was just John-Paul - known as 'JP' - but over time a "LADmin" team came on board, who wish to remain anonymous.

Their pictures, songs, videos and at times controversial commentary on what is making the headlines have attracted millions of views and the admiration of comedy fans across the north and beyond - although not everyone has appreciated the humour, with threats of violence and death even made.

JP said: "I started to research the flag protests online and was perplexed by the information that was coming out about them that wasn't necessarily true so I started to counteract that.

"I copied the style of language being used by the flag protesters, mimicking them, to highlight how ridiculous it was. It exploded from there."

He added: "In the typical Northern Ireland sense when someone doesn't agree with you there are often threats against your life but I have never taken them seriously because I just thought it was people being blowhards and taking nonsense.

"What were they going to do, give you a beating because you said something that was factually accurate that they didn't agree with? I would be prepared to take that beating just for the craic."

JP refutes accusations that LAD is like a middle-class bully mocking the working class.

"That amuses me as I come from Ballyfermot in Dublin," he said.

"We had poor people and people with money so we didn't have that class system that exists in the UK.

"When I moved to east Belfast I had an affiliation with the people on the streets and could see similarities between their existence and mine in Dublin in an area with a high rate of crime. Educational underachievement was rampant but you can overcome that by pushing yourself.

"I was using humour as a tool to defuse the situation - it was a completely ridiculous period of time."

He says he is not a loyalist or republican - "just Irish" - and that LAD operates on the basis of 'Parody of Esteem', targeting "anybody who holds themselves up as a public figure in Northern Ireland and puts across a point of view not really motivated by the bests of intentions".

"I meet with the team of people in LAD very rarely, if at all - we connect through the internet. They are all from Northern Ireland so it was interesting for me to bring them together.

"Not everybody agrees with the content that we produce. It's vulgar. We swear. We get criticism for some of the language we use, but people swear in life."

...


……と、かなりたっぷりした記事なのだが、LADの「中の人」は10月6日に公演を予定しているスタンダップ・コメディアンだということが明らかにされた。

ジェイミーがRTしている(笑)Sluggerのミックのツイート:




LADの「中の人」の正体判明直後のジェイミー自身のツイート:




ジェイミー、ブログ書いたってよ:



そしたらまた別のパロディ・アカウント(Ulster Fry)の中の人がすかさず反応…… (・_・):




ジェイミーの激怒っぷりがすごいのであとはキャプチャ:

twttrjb.png

彼がpinしてるツイートはこれ。The Irish NewsにLADについての見解を書いたというフィード。






なお、ジェイミーに限らず、LADに「ネタ」にされた側から、「あのアカウントのやってることは笑えない(おもしろくない)」とか「ただのサイバーいじめだ」といった反応はもちろんたくさん出ているのですが、「ヘイト・スピーチだ」とか「違法だから規制しろ」といった反応は、私は1つも見てないです。

で、けっこうな反響を引き起こしているのがこの点。
Born in Dundalk, before moving to Dublin, JP has been living in Belfast for the last six years.

http://www.irishnews.com/news/2016/09/27/news/revealed-the-man-behind-loyalists-against-democracy-710477/








2016年にFree Staterと言われても……って思うかもしれませんが、「俗語」では全然、現役で使われてます。言語がこんなふうなところでの歴史観って、どうなってるんでしょうね。いや、これが「アイルランド」なのですが。


この点、ご本人:






ようやく「中の人」ではないことがはっきりした形のブライアン・ジョン・スペンサー:




ブライアンのほかにも「LADの中の人だろう」と思い込まれ、脅された人はいます:




あと「ランディ」ていうのもいくつかあるんですが:




オチは新規のパロディ・アカウントで(このツイートが最初のツイート)。




(^^;)

※この記事は

2016年09月28日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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