「アミナ・アラフ」のことを思い出すが、「アミナ」を軽く超える詐欺だ。アミナは、プロフィール写真などは全然関係のない人がFacebookにアップしていた写真をパクってはいたが、基本的に、テキストベースで、「創作」を「事実」として、個人ブログやネット上の掲示板、Facebookのような場で語っているだけだった。しかし今回発覚したのは、架空の「戦争写真家」が、どこかからパクってきた写真を左右反転するなど加工して自分の写真として大手に売り込み、採用されていたという事案である。「アミナ」の実在を疑わなかった大手メディアも問題だが、実在しない「戦争写真家」の写真を配信・掲載した大手メディアはもっと問題だ。

他人の写真をパクって加工して自分の写真と偽っていただけではない。その架空の「戦争写真家」は、自分の顔(&ボディ)写真として、全然関係のないイケメンの写真をパクってきて、それを別のところからパクってきた戦地の写真と合成して「取材中の僕」を捏造してさえいた。それだけでも呆れて物も言えなくなる話だが、「若い頃に白血病にかかって生還した」とか、「フォトグラファーであると同時にサーファーで、世界を回っている」とか、「国連機関で人道支援をしている」とか、全てが嘘。バファリンの半分はやさしさでできているかもしれないが、このオンラインの人格の半分は虚偽、半分は捏造だ。そしてその「自分自身の悲劇を乗り越え、他者の悲劇を記録し、人々に伝えているヒロイックな人道主義者♂(しかもイケメン)」というペルソナで、オンラインで女性をたらしこんで、自分に都合のよい環境づくりをしていたらしい。それも複数。

「アミナ」は正体がばれてさらし者になったが、この「戦争写真家」は詐欺がばれれば話は終わりで、「中の人」は名乗り出ることもなく、Instagramの彼のアカウントが消えたように、ただ消えてしまうだけだろう。



この話を知ったのは、いつも巡回しているガーディアンで見た記事だった。

War photographer who survived leukaemia exposed as a fake
Dom Phillips in Rio de Janeiro
Tuesday 5 September 2017 19.04 BST
https://www.theguardian.com/world/2017/sep/05/war-photographer-eduardo-martins-survived-leukaemia-exposed-fake?CMP=share_btn_tw

問題の人物は「Eduardo Martinsという32歳のブラジル人フォトグラファー」を名乗っており、シリアのアレッポやイラクのモスル、ソマリアのモガディシオに取材に入っていると語って/騙っていた。