kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2019年01月15日

英国会、Brexitに関するテリーザ・メイの合意を支持するかどうかの採決が、今日行なわれる。 #MeaningfulVote

先日、立ち寄った書店で、「マンスプレイン」という行為への欲求とはこういうものか、と思い知らされた。Twitterに書いたが、「時事問題」の棚の前で真剣な面持ちで『ブレグジット秘録』(著者のクレイグ・オリヴァーはデイヴィッド・キャメロンの側近で、2016年のレファレンダムの際に「EU残留派」の広報を担った人物だが、その活動は、先日Channel 4で放映されたTVドラマ――「表面的で無責任」と酷評されているし、「離脱派」の不正を追求してきた調査報道ジャーナリストのCarole Cadwalladrは「事実とあまりにかけ離れている」と厳しく批判しているのだが、ドラマの主役となった「離脱派」のストラテジストをベネディクト・カンバーバッチが演じていたので、日本でも何らかの形で見る機会があるかもしれない――でも描かれていたようだ)のページを開いている人に、「Brexitが今ああなってるのは、アイリッシュ・クエスチョンが原因ですと」と教えてあげたいという気持ちになったのだ。もちろん、書店の店頭でそんなことをしてするほど私はエキセントリックではないからそんなことはしなかったが、仕事でその方面の知識が必要な勤め人というよりは、卒論を書く準備をしている大学生か、論文準備中の大学院生のように見えたその人が、私なんかよりもずっと一連の事情に詳しいという可能性もあったにもかかわらず、「教えてあげたい」という善意そのもののような気持ちを抱いたのだ。実際、これがパブか何かで、隣に座った人があの本のページを開いてため息をつくなどしていたら、雑談が始まっていたかもしれない。私自身、あのくらいの年齢のときに、そのようにして見知らぬ人に話しかけられて、それまで知らずにいた知識を得たこともあったのだ(ただし書店の店頭でではなく、パブで、あるいは飛行機や列車のコンパートメントの座席で)。

ブレグジット秘録 英国がEU離脱という「悪魔」を解き放つまで
ブレグジット秘録 英国がEU離脱という「悪魔」を解き放つまで

ともあれ、クレイブ・オリヴァーの『ブレグジット秘録』は、日本語版は2017年9月に出ているが、原著が出たのも2017年6月と、EUレファレンダムから1年ほども経過したあとのことで、そのころには私の関心は「なぜBrexitなどということになったのか」ということからは離れていたため、この本は書店で中をぱらぱらと見た程度で未読である。読めばおもしろいに違いないが、正直、現に毎日目の前に流れてくる「最新のニュース」の前では、「キャメロン政権の内幕」はかなりどうでもよかった。

それら「最新のニュース」は、大きく分けて、4つの要素に分類されえた。1つはメイ政権とEU27カ国の交渉、およびメイ首相のEU離脱の手続き。2つ目は2016年6月のレファレンダム実施に至るまでの「離脱派」のキャンペーンにおいてどのような不正がおこなわれたかという調査報道(これは、ドナルド・トランプが米大統領に選ばれたとんでもない選挙の経緯とともに、主に「Facebookは何をしたのか」「Cambridge Analyticaという企業の果たした役割は」といった観点からなされていたが、2018年を終えた今、わかっている「離脱派」の不正はそれだけではない)。3つ目は、ニュースとしての重要度がぐっと下がるのだが(BBCに至ってはほぼシカトしてるし)EU離脱への抵抗の動き。そして4つ目が、アイルランドだ――「アイルランド」というか、英語での報道でいう「メイのbackstop」だ。

私の関心をひきつけてきたのは、この4つ目である。「アイルランド」だけど、中身は「北アイルランド」のことだ。もっと詳しく言えば「北アイルランドのユニオニスト」だ。北アイルランド自体は、2016年6月にレファレンダムで「残留」が過半数となったが、このとき「離脱」を支持したのがユニオニストの強硬派(つまり、「アイルランド共和国とのつながり」を全力で否定しようとする人々)だった。そして、さらに悪いことに、テリーザ・メイが党内をまとめようとして愚かにも行なった2017年解散総選挙で保守党が単独過半数を割り込んでしまったため、議会での数を維持するために保守党が頼らなければならなくなってしまった相手が、この「北アイルランドのユニオニスト強硬派」、つまりDUPだった。

この事態、決して「ニヤニヤしながらヲチできる」ようなものではない。

第一、北アイルランドは全体としては「EU残留」が過半数だったのに、北アイルランドを代表して下院に議席を得ているのは「EU離脱」の強硬派のDUPだけである。なぜこうなっているかというと、2017年の総選挙で北アイルランドの議席は(元北アイルランド警察トップの夫人で、元UUPで現在は無所属であるシルヴィア・ハーモンの1議席を除いては)DUPとシン・フェインに二分されており、シン・フェインは100年以上続く「議会非出席主義」のため、ウエストミンスターの議席を取っても議会には出席しない。北アイルランドの政党で「EU残留」のスタンスだったUUP(ユニオニスト)もSDLP(ナショナリスト)も、アライアンス(そういう枠組みの外)も、2017年の総選挙では議席数がゼロになってしまい、したがって北アイルランドで「EU残留派」の英議会議員は、ウエストミンスターの議場にいない。そればかりか、「EU離脱派」のDUPの10議員は、キャスティング・ヴォートを握る存在として、保守党メイ政権に協力する立場にある。逆に言えば、DUPの発言権はとても大きい。

北アイルランドはアイルランド共和国とつながっている。かつて「北アイルランド紛争」の時代には、両者の間のボーダー(境界線)に検問が置かれるなどしていたが、「紛争」が終わったあとはシームレスに行き来できる。そのこと自体は、アイルランド島の問題というか、北アイルランドというエンティティの帰属の問題(コンスティテューショナルな問題)でしかなく、つまり、たぶん永遠に解決しないけど、別に解決しなくても曖昧なままそこに置いておいて、解釈次第でどうとでも見えるというふうにしておけばよいというものだったのだが、「人によっては存在しない境界線で、人によっては国境線である」という曖昧な存在のままでいることは、Brexitによって、できなくなってしまった。北アイルランドは英国の一部なのでEUの外、アイルランド共和国はEU加盟国なのでEU内になるからだ。その2つの地域をシームレスに行き来することができたら、「EUから離脱した英国」は、北アイルランドといういわば「裏口」を使って、EUにシームレスにアクセスできることになってしまう。

その「境界線」の問題が、ずーっとひっかかってここまで来ているわけである。途中で「95%はカタがついていて、残るは5%」などと言われていたが、その「残る5%」が(申し訳ないけど)事実上解決不能な「アイリッシュ・クエスチョン」なのだから、もう真顔。その真顔を維持したまま、月日は経過し、今日2019年1月15日はいよいよ、テリーザ・メイがEUと交渉して英国に持ち帰ってきた合意について、英国会下院で採決が行なわれる当日だ。

その採決は、「意義ある採決 Meaningful Vote」と呼ばれているのだが(まるで「明治 おいしい牛乳」のようなセンスである。いや、むしろ「骨太の方針」ってのがあるから、そっちか……)、要するに、「議会で形式的な採決を取り手続きだけを整えるつもりではなく、本気で採決します」ということが表明されている。にもかかわらず、政府 (the Government) に対して議会 (the Parliament) が主導権をとるという(民主主義としては正常な)状態が「英国的なクーデター British coup」と呼ばれるなどし、当然それに対する反論もなされ、めっちゃカオスになってるのが現時点の最新ニュース。

そういうことについてブログに書こうとしていたのだけど実現できぬまま、1月15日の採決当日になってしまった。Twitterではちょこちょこ書いているので、Twilogを参照されたい。
https://twilog.org/nofrills


現在のガーディアン(UK版)トップページ。

guardian15jan2019.jpg




ガーディアンで一番上にある記事にあるように、メイの案(EUとの間で取り付けた合意)は否決される可能性が極めて高い。その票の内訳として、14日に報道されていた数字がある。

まず、inewsの調査結果。



それからSky News。



inewsで「意思表示していない」とされている票が、Sky Newsでは「反対」に入っているようだが、inewsの数値を元に「賛成」を最大限に見積もっても賛否が同数になるわけで、否決となることは確定的といってよいだろう。

ここまで、ガーディアンでの日々のニュースは、国会での日々の出来事(そのなかには歴史的、画期的なものも含まれる)を報じるのがメインだったが、採決前日になってようやく、「これからどうなる(可能性があるのか)」をわかりやすくまとめた記事が出ていた。ご一読をおすすめしたい。




議会での討論・採決の様子は、英国会のサイトでネットで中継されるから、そちらも要チェック。14日の時点ではまだタイムテーブルが出ていなかったが、日本時間で15日深夜から16日早朝の時間帯だろう。





※この記事は

2019年01月15日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 16:52 | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする





【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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