kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2008年05月21日

イラン人19歳男性について、朗報

今年の2月に当ブログで、「英国での難民申請が通らなくて大陸に渡った19歳イラン人男性」についての「オンライン署名」(というかサポート声明かな?)を日本語化した。
http://nofrills.seesaa.net/article/85771146.html

その後、彼については何度かエントリを書いているが:
http://nofrills.seesaa.net/article/88870126.html
http://nofrills.seesaa.net/article/89321259.html
http://nofrills.seesaa.net/article/89499338.html

上のURLの最期の記事は、今年3月に「一応の朗報」が出た(イミグレが再検討を行なうと言明した)ときのものだが、5月20日、今度は「一応の」ではない「朗報」が出た。英内務省が、彼に在留許可(日本の制度でいえば「特別在留許可」に相当するものだと思う)を出した。(といってもこの在留許可は期限付きなので、強制送還におびえて日々を過ごすよりは何万倍もいいかもしれないが、手放しで喜べるものではない。詳細後述。)

Gay Iranian granted asylum in UK
Page last updated at 22:41 GMT, Tuesday, 20 May 2008 23:41 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/7411706.stm

A gay Iranian teenager who said he could be executed if he was sent home has been given asylum in Britain.

... in March the home secretary agreed to reconsider his situation after his first asylum bid failed.

The UK Border Agency now says it will allow him asylum after reviewing his case.

A spokesman said: "The UK Border Agency considers each case on its individual merits and will continue to provide refuge for those asylum seekers with a genuine need for protection.

"We keep cases under review where circumstances have changed and it has been decided that Mr Kazemi should be granted leave to remain in the UK based on the particular facts of this case."


この件でがんばって動いたLibDemのサイモン・ヒューズ議員は次のようにコメントしている。
Liberal Democrat MP Simon Hughes, who led the campaign to get Mr Kazemi granted asylum, said: "Like Mehdi and his family in Britain, I am delighted to hear of the Home Office decision to let him stay in this country. This is great news for a very decent man.

"As I have argued over the last 18 months, the Home Office should not send gay and lesbian people back to countries where they will be at risk of persecution, torture or death."


同じBBC記事には、対人地雷を埋めることを拒んで脱走したイラン軍兵士(38歳)にも在留権が認められたと報道されている。

心配なのは、40歳のイラン人女性についてはまったく言及がない点だが、ひとまず、「19歳イラン人男性」ことメフディ・カゼミさんには「よかったね」と言うことができる。ほんと、よかった。

19歳という年齢で精神的にきつい状況で長く過ごさざるを得なかっただけでなく、英国から逃げ出したり、オランダでハンストをしたりで身体的にもいろいろときつかっただろう。今はとにかく、信頼できる人たちと一緒に、ゆっくりしてもらいたい。

BBC以外の記事 (via http://madikazemi.blogspot.com/2008/05/news-reports-updates.html ):
http://www.iht.com/articles/ap/2008/05/20/europe/EU-GEN-Britain-Iranian-teenager.php
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/uk/article3972630.ece

BBCが最もしっかり書いています。IHTもタイムズも短信。



日本時間21日午前9時ごろ、Google News UKで確認したところ、CNN, FOX Newsなどを含め、続々と記事が上がってきています。以下、記事のURLを羅列だけしておきます(Tiny URLをかけてますが、それぞれ上の行にあるメディアのサイトの記事です)。

the Independent:
http://tinyurl.com/5y9j5h

CNN:
http://tinyurl.com/3ma4ls

FOX News:
http://tinyurl.com/5oyuaz

インディペンデントによると、メフディ・カゼミさんは現在は20歳になられているとのこと。つらい状況で20歳の誕生日を迎えたんですね。。。

CNNによると、月曜日(米国時間かな?)におじさんのところにホームオフィスからのレターが届いたとのこと。また、在留許可は5年とのこと。この点について、ピーター・タッチェルが「期限付きの在留許可だから全面的勝利とはいえない。5年が経過したら、また同じ手続を繰り返さなければならない」とコメントしている。確かに、5年ではイランの状況が変わることは、ほとんど期待できない。それと、「彼のケースはさかんに取り上げられたので在留許可が下りたのだろう。イランへの送還が予定されている同性愛者イラン人の難民申請者は、ほかにも多くいる」とも。(うーん、CNNがどうしてこんなにしっかり報道してんだろう。BBCより濃いのはまだわかるのだけど、「LibDem新聞」ことインディペンデントよりしっかりしてる……インディはまだ記事準備中なのかもしれないけど。いつも更新遅いから。)

FOX NewsはAPの短信を載せているだけ(IHTと同じかも)。

お、10分前のタイムスタンプで、テレグラフきた。
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/middleeast/iran/1997602/Gay-Iranian-teenager-wins-right-to-stay-in-UK.html
BBC記事から「地雷を埋めるのを拒否した兵士」についての記述を削除しただけ、みたいな記事。

ガーディアンが遅い。この件ではほんっと鈍いんだけど、この新聞。

※この記事は

2008年05月21日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 09:10 | Comment(4) | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
現時点で確認できた新記事(ガーディアンは記事出てないっぽい):

AFP:
http://afp.google.com/article/ALeqM5iJIcKkNe1yIN93aFeOnE5goO3qAA

上に羅列した各メディアの記事にないのは、
[quote]
EU lawmakers at the European Parliament in Strasbourg called on Britain in March to look favourably on Kazemi's attempts to secure asylum, saying he would be executed if he were deported to Iran.

The Iranian authorities "routinely imprison, torture and execute homosexuals," the lawmakers said in a resolution.
[/quote]

EU議会が決議出してたんだ。これは最強。「5年の在留許可」は、「英国内務省はEU議会決議をしぶしぶ飲んだ」って雰囲気だなあ。ただ、AFPの記事にある範囲では、これはイランの状況を根拠に「同性愛者をイランに送還すべきではない」とする内容の決議なので、難民申請をしているほかのイラン人同性愛者にも影響はありそうな気がする。(ただ、内務省の思考パターンからは、イラン以外の国から逃げてきた同性愛者には影響しない、ということになるのではないかと。)

欧州人権規約などとあわせて考えると、非常に複雑な気分になる。
Posted by nofrills at 2008年05月21日 22:39
EU議会決議は下記に:
http://www.ilga-europe.org/europe/news/european_parliament_adopts_urgency_resolution_regarding_gay_iranian_asylum_seeker

[quote]
13/03/2008

Today the European Parliament with 46 votes in favour, 2 votes against and 12 abstentions adopted urgency resolution regarding a case of of Mehdi Kazemi, gay Iranian asylum seeker.
[/quote]

決議本文でhaving regard toになっているのが、
- the European Convention on Human Rights (ECHR), and in particular to Article 3 thereof
- the Charter of Fundamental Rights, and in particular to Articles 18 and 19 thereof
- the Geneva Convention of 28 July 1951 and the Protocol of 31 January 1967
- Council Directive 2004/83/EC and Council Regulation (EC) No 343/2003 (後者はDublin Regulationらしい)
- Rule 115(5) of its Rules of Procedure

これらに加え、
- the letter of 10 September 2007 from its President to the UK Prime Minister on the case of Pegah Emambakhsh, an Iranian lesbian who risked being sent back to Iran after her request for asylum was turned down

……これで、彼女自身の難民申請が通らない、なおかつ/あるいは期限付き在留許可も出されないのは、筋が通らないのだけど、実際に彼女は二審でも通らなかった。意味がわからないというか、この数ヶ月で何かさらにEUからのプレッシャーがあったのかもしれないけど、うーむ。
Posted by nofrills at 2008年05月21日 22:50
nofrillsさん、こんばんは。

カゼミさんの在留許可、本当によかったですね。
わざわざ拙ブログにまでお知らせくださり、ありがとうございました。恐縮です。
早速、拙ブログでリンク・引用させていただきましたので、ご報告します。

>EU議会が決議出してたんだ。これは最強。「5年の在留許可」は、「英国内務省はEU議会決議をしぶしぶ飲んだ」って雰囲気だなあ。

これは興味深いですね。
EU議会決議が目覚ましい効力を持ちうることに安堵する反面、決議に対して「しぶしぶ」とは、欧州人権規約が機能していないということなのかと、複雑な気がしますが。

とにかく、5年が長いのか短いのか何とも言えませんが、ずっと厳しいストレスの下にいたであろうカゼミさんが息をつけるのは、良かったと思います。元気と落ち着いた生活を取り戻せるよう、願っています。
Posted by Ry0TA at 2008年05月21日 23:17
Ry0TAさん、どうもです。先ほどブログ、拝読しました。

英国内務省では、これとは別にもうひとつ大きな「人権」関連の話が出ていて(個人の「通信の秘密」に関する非常にまずい動きが、次の国会に提出される法案に確認されている)、その点からも英内務省はECHRより優先されるべきことがあると考えているのではないかと思われます。

で、そっちはそっちでうーむな感じなのですが、個人的にもっと心配なのは、いわゆる「リベラル」層の間にも、「人権」を焦点にして「イスラモフォビア」が浸透していくことだったりします。コソボ紛争のときにブレアとクリントンが「人道的軍事介入」という言葉である種コペルニクス的転回を示し、誰も反論できないに等しい状況が引き起こされたことを、どうしても思い出してしまう。

メフディ・カゼミさんについての内務省の判断が、「難民認定」ではなく「在留許可」だったことは、いろいろと含みが大きいですね。
Posted by nofrills at 2008年05月22日 01:55

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼