kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2008年04月10日

和平合意からぴったり10年。でもとても静か。

北アイルランドの和平合意(ベルファスト合意、またはグッドフライデー合意。以下、「GFA」)の署名から、日付上、ぴったり10年になる。(GFAは1998年4月10日にベルファストで署名された。)

BBCのOn This Day(今日は何の日)ではGFAが4月10日のトップ項目になっている。他の項目は、「1972年4月10日、イランで大地震、数千人が死亡」、「1968年4月10日、ニュージーランドでフェリー事故、死者多数」、「1981年4月10日、獄中でハンスト中のIRAメンバー、ボビー・サンズが下院議員に当選」、「2000年4月10日、HIV陽性を理由の解雇は不当であるとして賠償命令」。

【画像:BBC On This Dayの「4月10日」のトップページ(キャプチャ)】
onthisday10april.png

BBC On This DayでのGFAについての記事:
http://news.bbc.co.uk/onthisday/hi/dates/stories/april/10/newsid_2450000/2450823.stm

協議がずれこんで、夜中も夜中、すごい時間帯にBBCがレポートしている映像を最近どこかで見たのだが、どこで見たんだっけか。上記URLから見ることができるビデオは、夕方のニュースでの要点解説と、主要プレイヤーの会見のまとめだ。(これ聞いてると、文字で読むのと内容は同じなのに、妙に「来る」んだよなぁ。10年前か、って。)

で、10年目の今日なのだが、ベルファストで記念のイベントが行なわれたにも関わらず、英メディアは静かだ。今年のイースター(3月後半)のときにあれこれ特集を出していたのだが――北アイルランド担当のブレア側近としてあんなことやこんなことを知っているジョナサン・パウエルの「暴露本」の出版記念特集も込みで。

GFAの内容は、ウィキペディア英語版によくまとまっている。(基本的な部分についての「語る者」による偏りがなく、淡々とまとめられている。)
http://en.wikipedia.org/wiki/Belfast_Agreement

バックグラウンドとコンテクストについて詳しいのは、BBCのまとめ。
http://news.bbc.co.uk/hi/english/static/northern_ireland/understanding/events/good_friday.stm

GFAは、英国政府、アイルランド共和国政府の間での合意で、英国側はトニー・ブレア、アイルランド共和国側はバーティー・アハーンが首相だった。ブレアは昨年首相を辞し、アハーンもつい先日、この5月に退くことを表明した。

GFAは北アイルランドの当時のNI政党の2トップ(ユニオニストのUUP、ナショナリストのSDLP)と「IRAの政治的ウィング」、つまりシン・フェインが、その実現にメイン・プレイヤーとして関わった。むろん、ロイヤリスト武装組織UVFの政治的ウィングであるPUPも関わったし、NI唯一の非宗派的政党であるアライアンスも関わった。(これらの人々は、全員、上記BBC On This Dayの記事についているビデオのニュース映像に出てくる。)しかし、2003年以降NIで最大政党となっているDUPは、GFAに対し強硬に反対した。

そして、UUPのデイヴィッド・トリンブル、SDLPのジョン・ヒュームはとっくにNI政治の第一線を退き(両者はGFAでノーベル平和賞を受賞)、アライアンスのJohn Alderdiceも、政治家としては今は北アイルランドとの関わりを薄めている(上院議員になっている)。PUPのデイヴィッド・アーヴァインは昨年1月に急死した。GFA署名に関わったNIの政治家たちのなかで、今も10年前と同じような位置にいるのは、シン・フェインのジェリー・アダムズだけだ。

あとはアメリカ合衆国の政治家たちの関わりも大きい。当時大統領だったビル・クリントン、JFKの弟で、ものすごい反英主義者だったジョン・ケネディの息子であるテッド・ケネディ(セネター)、米国のNI特使だったジョージ・ミッチェル(元セネター)など。

で、2008年4月10日に、ベルファストで記念のイベントがあったのだけれども、これが何とも淋しいものだった、というBBCの報道:
Leading figures mark NI Agreement
Page last updated at 09:40 GMT, Thursday, 10 April 2008 10:40 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/7339265.stm

記事のライティングが淋しい感にあふれているのだが、内容を箇条書きにすると:
-ビル・クリントン米大統領(当時)=欠席。おそらくヒラリーの選挙戦のため。
-トニー・ブレア英首相(当時)=欠席。家族の誕生日のため。(なんじゃそりゃ)
-マーティン・マクギネス(現在、NI自治政府の副首相)=欠席。訪米中のため。
-イアン・ペイズリー(現在、NI自治政府の首相)=欠席。所属政党DUPがイベントをボイコットしているので。(ははは)
-バーティー・アハーン首相(アイルランド共和国)=出席。辞任前最後のNI訪問になる。
-ジョージ・ミッチェル元米上院議員=出席。
-ジョン・ド・シャステラン将軍(国際武装解除委員会委員長)=出席。
-テッド・ケネディ米上院議員=記事は明示的ではないけど多分出席。

そして、今週金曜日に記念晩餐会がダブリンで開かれることになっていて、それにはブレアも出席、とのこと。(クリントンは欠席を表明している。)その話はこのブログでも前に書いたかな。



日本時間11日午前2時過ぎ、ベルファストでの記念行事が終了したもよう。

上掲のBBCの記事がアップデートされて内容がまるで別のものになっとる。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/7339265.stm

ベル・テレさんの記事:
Architects of the Agreement gather to mark deal
Thursday, April 10, 2008
By Noel McAdam
http://www.belfasttelegraph.co.uk/news/local-national/article3598209.ece

# ベルテレさんには、「マーティン・マクギネス出席」とあって、BBCの「訪米のため欠席」と噛み合わない。ガーディアン(後述)でも「訪米のため欠席」とあるので、ベルテレの間違いだろう。

ベル・テレさんにある出席者情報を箇条書きで。
-Taoiseach Bertie Ahern
-former American senator George Mitchell
-Deputy First Minister Martin McGuinness ←ベルテレの間違いらしい。
-SDLP leader Mark Durkan
-ex-Ulster Democratic Party councillor David Adams
-former Assembly speaker and now International Monitoring Commission member Lord Alderdice (of the Alliance Party of NI)
-decommissioning body boss General John de Chastelain
-former SDLP leader John Hume
-Sinn Fein President Gerry Adams
-former Irish Minister Liz O'Donnell
-Womens Coalition leader Monica McWilliams
-Progressive Unionist leader Dawn Purvis
-Sir Reg Empey, the Ulster Unionists chief negotiator during the talks which lead to the 1998 Agreement

あ、モニカ・マクウィリアムズの名前がある。

で、Ulster Democratic Party (UDP) がまた恐怖のアルファベット・スープで、えーとなんだっけとちょっとモニタから目を離して、そーだそーだ、UDAのポリティカル・ウィングで今のUPRGだ、というのを思い出して、確認しよーと思ったら過去に自分でそう書いていた件。
http://ch00917.kitaguni.tv/e147584.html

それと:
BBC presenter Noel Thompson was due to act as 'moderator' for the two-hour discussion this afternoon at Blackstaff studios.

ああ、じゃBBC NIですわね。

また:
Trina Vargo, president of the US-Ireland Alliance organisation, which organised the event, said: ...

See also:
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/7171787.stm
(January 2008)

And:
http://www.us-irelandalliance.org/
the George J Mitchell Scholarshipをやってるところです。ベルテレさんの記事にもそう書いてあるけど。

欠席者としては、デイヴィッド・トリンブル、ビル・クリントン、トニー・ブレア、の名前があるのだけれど(ブレアについては非明示的に)、DUPの件はスルー。これがベルテレ・クオリティか。

また:
A dinner following the event, will include performances by singers Duke Special and Maura O'Connell, as well as a reading by Michael Longley.

ってことはコンファレンスがあって、ディナーがあって、そこでデューク・スペシャルの演奏とかがあるのね。

それと:
Anniversary events were already due to get under way in New York last night at a dinner organised by the Emerald Isle Immigration Centre which Mr Clinton was expected to attend.

Also today, a three-day European Mediation Conference, organised by Mediation Northern Ireland and the Scottish Mediation Network, is due to get under way at the Waterfront Hall.

On Friday, it is due to discuss developments in the practice of mediation across Europe and half-day training workshops on Saturday.


次。ガーディアン。UK国内ニューストップページになんか違う写真がある。
gfa10anni-guar1.png

記事に添えられている写真も、10周年イベント@ベルファストとは関係がない。ストーモント城での英愛両首脳とペイズリーとマクギネスの写真だが、この中で今日のイベントに出ているのはアハーンだけだ。
gfa10anni-guar2.png

(推測だが、写真を選ぶ担当者が、記事の中身を知らされず、適当にストック・フォトから選んだのだろう。「NI和平」、「リーダー」を意味する写真を。そうであるとしたら、その担当者はあまりに無知がすぎる。イアン・ペイズリーはGFAとは関係がない。むしろGFAをつぶそうと積極的に動いていた人物で、GFAについてセレブレイトするときに彼の写真を持ち出すなど、ブラックジョークにしてもレベルが低すぎる。)

記事:
11.15am BST
Key players reunite for Good Friday agreement anniversary
Rosalind Ryan and agencies
guardian.co.uk, Thursday April 10 2008
http://www.guardian.co.uk/politics/2008/apr/10/northernireland.northernireland

抜き出しておきたいところ:
Jim Allister, a DUP MEP, said yesterday that there was nothing for him to celebrate 10 years on.

"Why? Because it was the Belfast agreement which rewarded 30 years of terrorism in Northern Ireland by undermining both justice and democracy," he said.

But his claims were refuted by the US-Ireland Alliance, which is hosting today's event.

よりによってジム・アリスターに取材したものを「ユニオニスト側の代表的な声」として扱うか。アホかこの記者は。

そもそもジム・アリスターは「DUP所属のMEP」ではない。離党して、別の政党を立ち上げている。
http://en.wikipedia.org/wiki/Jim_Allister

私が知りたいのは、
-DUPはなぜこのイベントをボイコットしたのか(たぶん、有権者に対するポーズだ。イアン&マーティンの「チャックル・ブラザーズ」のイメージの氾濫にウンザリした有権者に対し、今のDUPは硬派なところを見せたいんだ。そもそもUS-Ireland AllianceとDUPは水と油だが。Divideなんか埋まっちゃいないんだって、やっぱ)

-デイヴィー・アダムズ(UDA側の人)が何をしゃべったのか

ってなところなのだが、そのへんはスルーされてる。

スラオさんに行ってきます・・・。



で、スラオさんに行ってきたらほんとに心底どっと疲れてしまったのですが、メモだけ。

まず、ガーディアンで記者がいいかげんなことを書いているジム・アリスターMEPですが、ブリュッセルで「GFAなどなんでもない」という演説をぶちかまし:
Allister blasts Belfast Agreement in Brussels
09 April 2008
http://www.jimallister.org/default.asp?blogID=981

ガーディアンの適当な記事に引用されている言葉は、ここから取られたもの。つまりガーディアンは取材もしてないし、ジム・アリスターという人がDUPに愛想をつかして離党し、「伝統的ユニオニストの声」という新党を立ち上げた超強硬派であることすらも把握せず、「ユニオニスト」の意見として、アリスターの意見を掲載している。もううんざりです。ガーディアンのNI報道は、しばらく前に記者が異動になってからは実にひどい。個人的には、NI報道で読むべきUKのナショナル・ペーパーがなくて困ります。何が困るかっていうと、「GBおよびNI連合王国」という枠組で考えるべきという基本的な足場が崩れてしまうので。(ガーディアンも、Comment is FreeのNI関連記事はいいものがいろいろあるのだけれど、あれは論説であって報道ではないので。)

で、ジム・アリスターが、「10年前と今」のDUPのスタンスを細かく比較検討した文書が下記。かなり長いので読みきれていないのですが、「政治」のことばについての検討という点において、非常に興味深いものです。というか、シン・フェインのステートメントよりずっと中身がある。(そして、シン・フェインの場合、そのステートメントですら英国政府が書いていたというひどさ。もう何なの〜。)
Then and now: 10 years on from the Belfast Agreement
09 April 2008
http://www.jimallister.org/default.asp?blogID=981

で、10日のベルファストでのイベントについてですが、スラオさんでは:
"a clash of dates.."
http://sluggerotoole.com/index.php/weblog/comments/a-clash-of-dates/
# ブレアの欠席についてなど、揶揄的なまとめ。

Northern Ireland has somewhere else to be ...
http://sluggerotoole.com/index.php/weblog/comments/northern-ireland-has-somewhere-else-to-be/
# これはMick Fealtyのポスト。マクギネスの訪米はやや唐突なものだったらしい。

辛辣なのが:
Thus the great plans for the tenth anniversary of the Belfast (or Good Friday) are to be celebrated today with a small, rather unrepresentative gathering of leaders from the past, or as in Bertie's case, one that is about to join them in the past.


あと、「目に見える終わり」として「ピースライン」を取り壊してはどうかという意見もあるが、住民はそれを望んでいないということが皮肉な筆致で書かれ、"Northern Ireland has had a bellyful of false historical moments." とか、"The friendliness and warmth of the Paisley/McGuinness Chuckle Brothers act (now closed after a short unpopular season) has helped extract the contentious tribalism from public life in Northern Ireland." とか、うはあ、この人の書く文はなぜこんなにすてきなのだろう。って言ってる場合じゃない。

びっくりしたのは:
Last night on Channel 4 news, UDA leader Jackie McDonald declared the police unfit to police and argued (amongst other things, like the need to hold territory) that his organisation would be holding on to their guns for the purposes of policing their own areas.

BBCとかでは「IRAがどーのこーの」はふつうに報道されるのだが、UDAのこれは、BBC NIで見た記憶がない。見逃していただけかもしれないから検索してみたけど、該当なし(笑)。IRAは形式的には武装解除を完了してて、UDAは武装解除する見込みもないってのが現実で、UDAのこれがBBCのニュース記事にならず、IRAのほうはニュースになるってのは、まったく意味がわからない。(IRAの武装解除がホンモノかどうかはとりあえず度外視して、形式的にそれを終えている側が「危険な連中」として注目され続け、そのポーズすら取っていない危険な連中はスルーというのは、本当に意味がわからないのだ。)

で、Mick Fealtyの文章にあるIHT記事:
Arguments continue about the quality of the Agreement. Geoffrey Wheatcroft believes there is nothing much to crow about. He compares it to "the Munich Agreement of 1938, at best a tactical concession to force".

http://www.iht.com/articles/2008/04/09/opinion/edwheatcroft.php?page=2
これがまた強烈っぽい。頭がついていかないから、ざっと単語を拾っただけで読むのをやめているんですが。

そして、スラオさんのMickの記事の結びは、まさにこういうのが読みたかったという文なのだけど:
Nothing may have been quite as inevitable as it has been spun by the various governments and political parties. One advantage ... of having the formerly 'radical' parties at the centre of the new dispensation may be that they can bring vigour and committment to the business of government.

The concern is that they may not be able to break with their own, sometimes apocalyptical, culture of the past. Somewhere, they will need to find the courage to speak tough truths to their own people, if the working class Augean stables of Belfast, Derry, Armagh and elsewhere are not to fester and rot.

Northern Ireland certainly has somewhere else to be. Let's hope it doesn't take another ten procrastinating years to get there...


ガーディアンの報道記者にこういう視点がありさえすればね……こないだまではあったんだけど。(しつこい)

こういう視点は、ピーター・テイラーのようなジャーナリストの仕事には常にあったのだけど、テイラーについてはつい先日、ジョナサン・パウエル本のときに怒涛のように流れたニュース記事のなかで、「事態に関係のない外部の者」と言える立場ではなかったことがわかった。それが個人的に「きっつー」って感じでね。。。

最後に、BBC NIから、10日の記念行事での集合写真:
http://news.bbc.co.uk/1/shared/spl/hi/pop_ups/08/uk_enl_1207902618/html/1.stm


前列はモニカ・マクウィリアムズ、ジョージ・ミッチェル、バーティー・アハーン、ジョン・ヒュームで特に意外性はないのだけど、後列、左端からいきなり濃すぎ(笑)。ジェリー・アダムズ(リパブリカン最凶武装組織の政治的ウィングのトップ)の隣がデイヴィ・アダムズ(ロイヤリスト最大武装組織、つまりUDAの政治的ウィングの人)。その次の赤いネクタイの人はDavid Andrewsで、知らん名前だと思ったらRoIの政治家、次の青い服の女性がPUPのドーン・パーヴィス、その右のにこやかな校長先生みたいなのがUUPのサー・レジー・エンピー、次が武装解除委員会のシャステラン将軍、次の赤い服の女性はリズ・オドネルでRoIの政治家、あとはSDLPのマーク・ダーカン、UKの元NI担当大臣のポール・マーフィー、右端が(元)アライアンスのロード・アルダーダイス。とざっと眺めて、そしてどうしても後列左端に目が行く。この並び。(笑)

※この記事は

2008年04月10日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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