kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2008年04月02日

ヒースロー空港では、事態は泥沼化している

「えー、ひょっとしてまだエイプリル・フールやってんの?」と思わざるを得ないニュース。

T5 baggage backlog sent to Milan
Page last updated at 23:55 GMT, Tuesday, 1 April 2008 00:55 UK ←日付注目
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/7325723.stm

1日の23:55 GMTということは、サマータイムになった英国では2日の0:55なのですが(実際にそう書いてあるのですが)。

いわく、ヒースローで持ち主とはぐれてしまってそのままになっている乗客の荷物19,000個が、ミラノ(イタリア)に送られる、と。

それだけでも「えええええー」な話なのですが、もっとスゴいのは、この2日前の30日に、当事者の英国航空(BA)は「荷物の混乱ですか? 大丈夫、荷物預かりシステムはちゃんと稼動してます」って言い張ってたことなんですね。

T5 baggage system 'working' - BA
Page last updated at 18:21 GMT, Sunday, 30 March 2008 19:21 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/7321564.stm

イラク戦争について「事態が泥沼化していることをアメリカは認めようとしない」みたいなことが言われたりしているのですが(英国のメディアでも多少は。軍は言ってないかもしれないけれど)、英国のヒースローでも、事態の泥沼化を当局(BA)が認めようとしていないみたいです。

30日の記事で報じられていたのは、BAの最高経営責任者が、「乗客と離れ離れになってしまった荷物15,000個は、ヒースロー空港内で、400人のボランティアの手によって、ちゃんと整理されている」と述べた、ということでした。

それが4月2日には、「荷物19,000個」になり(増えてるじゃん!と思われるでしょうが、31日には「28,000個」だったので減っている。あはは)、しかもヒースローだけじゃいかんともしがたいから、ミラノに送る、と。

ははは。

30日の記事には、「ターミナル5がオープンしてから3日間でキャンセルされた発着便は200便で、31日には54便が欠航の予定、1日も欠航はあると見られる」とかいうことも書かれていて、こういう状態のことを working と言えるBAは、ニュー・レイバー以上だ、という感想しか……。

そして、30日の記事には、BAのCEOが「弊社のサービス水準は十分ではなかった」と述べて乗客に何度も謝罪し、「荷物扱いシステムの問題は、テストの段階ではわからなかったものだった」と述べた、とあるのですが、問題発生当日か翌日のBBC記事に、空港従業員が「テストのときに問題があった」と証言している、ってあったんですけど。

さらに巻き込まれた方々にはお気の毒なことに、いったん持ち主とはぐれてしまった荷物は、「セキュリティ・チェックを入念に行なわなければならない」ため、返却に時間がかかる、とも。

そしてコンピュータ・システムが使えないので、BAが手作業で全部行なっている、と。

そして:
"Both British Airways and BAA have invested an enormous amount of time and effort to create Terminal Five.

"We remain confident that these early difficulties can be overcome, and that the terminal will be highly valued by customers and our staff in the near future and for many years to come."


前のエントリのコメント欄に書いたのですが、英国で仕事をするという経験がある、現地での通称「ケリー」さんという方が、次のようなことを書いておられます。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~keri/bullshit.htm
 ところで、イギリス人は、言い訳がとても好きで、しかもうまい。一日の仕事の半分は、言い訳を言い、聞き、書いて、読む時間に充てられる。……


この文章はとてもおもしろいので(いろいろな意味で)、全文を読んでいただきたいのですが(とても短い文章です)、ともあれ、上に引いたBAのCEOの発言を一言で言い表すなら「言い訳」です。それもこのタイプの「言い訳」。何も言っていない。「とりあえず、やる気がないわけじゃないんです」とだけ言っている。

そして政治家は、まず与党は「いつでもアシストする」と言い(Transport Minister Ruth Kelly)、野党の保守党は「国辱だ a dreadful national embarrassment」と言い(Shadow Home Secretary David Davis)、「この混沌と混乱」についてのインクワイアリをすべき、と主張。LibDemは、BAもBAAも無能だということを述べている。

そして3月31日のBBC記事では:
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/7323198.stm
-持ち主とはぐれた荷物は20,000個以上(BAは「20,000個よりほんの少し多いくらい」と言うが、ミニスターによれば実際には28,000個くらいだろうという話)
-障害が発生して4日目までに250便が欠航、5日目には54便が欠航
といったことが、いろいろな「言い訳」と現状報告の中に書き込まれている。

……という事態になっているので、4月1日には「まだ解決せず」とか、「さらに50便が欠航」というニュースが出てくるくらいは想定していたのですが、まさか荷物がミラノに送られるとは思ってもいなかった!

というのが最初に貼り付けたURLの記事内容です。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/7325723.stm

この「ミラノ送り」についてのBAの「言い訳」が、これまた、コレクションしておきたくなるクオリティの高さ:
"Although the majority of delayed bags will be sorted and reflighted at Heathrow, we can reunite larger numbers of bags with their owners more quickly.

"It is quicker for bags with European mainland addresses to go to Milan for sorting and onward transport than waiting for space to appear on flights leaving Heathrow."


実際、こういう場合にはBAはミラノの業者に仕事を頼んでいるそうで、いろいろトラブルになっていたのは欧州便と英国内便であるのだから、英国内の荷物でないものは大陸で仕分けしたほうが早いのかもしれませんが、だったらもうちょっと早く判断できなかったのかというか、何というか、もうほんとに……。

ここをご閲覧の方やそのお知り合いの方のなかに、春休みの旅行でこれに巻き込まれた方がいらしたら、心からご同情申し上げます。



ヒースロー空港ターミナル5についてのコメントは、次の記事にお願いします。
http://nofrills.seesaa.net/article/92595041.html

※この記事は

2008年04月02日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 16:00 | Comment(8) | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なんか前のエントリのコメントが凄いことに(笑)

いや、私もちっとも驚きませんでした。
このT5のみならず、UKの交通事情についていろいろ地元民とも話しますが、運営がとかコストがという問題というよりも、全体としての職業倫理がなんかもう日本の感覚と違いすぎて、「ここは発展途上国なんだ」と思いながら日々生活するしかないのです。地震や台風と同じようなものなのです、こういったトラブルは。
・・・その一方、1日のBBCのペンギンとか、映画やらドラマを見ながら「おおおーすげーよーなんでこんなにクオリティ高いんだよー」とのけぞりながら、「この国のバランスは何かがかなりおかしい」と考え直すわけです。ものすごくアンビヴァレントな愛憎をUKという国に抱いています、私は。(長文失礼しました)
Posted by ぴこりん at 2008年04月02日 22:36
ははは、ぴこりんさん、ども。私は精神的にPunks Not Deadなので基本的にデースロトーイで、「あいどんわなほりでいいんなっさんにゃっ」なのですが、こういう、日本では「天災」だが英国では「人災」だ、ということが発生しているのをウェブで見ると、いわゆる英国の「コメディ」は、パロディというより、高度なリアリズム(ウィリアム・ホルマン・ハントばりの細密描写)なのではないかと思えてきて、そして今日もお茶を吹くのです。住んでもいない身で生意気なことですが。

マジメな話、「英国のゆとり」っていうのは、あれで社会として大丈夫で、BBCのprankのようなものがあり、しっかり作るものはしっかり作られている、ということだと思っています。「紳士」だの「霧の都」だの「優雅なティータイム」だのではなく。

で、ぴこりんさんとかヒナキさんのように現地生活を実体験としてご存知の方がいっぱいいるのに、なぜか日本で語られる「英国」というものは、UKIP(小金持ち極右)の頭の中にしかない理想郷のようなものだったりする。(「ロンドンに行っても生粋の英国人はいない」とかもそれ。)日本にいると、そのギャップに幻惑されてしまうわけです。

そこにこのニュース、まったくもう、あたくしに爆笑する以外にどうしろと?ってなもんです。ゲラゲラ。
Posted by nofrills at 2008年04月02日 23:18
海外で暮らしたことのある人と話した経験はたくさんありますが、UKほどメチャクチャ言われてるところはない気がします。たぶんそれは、イメージと現実のギャップがこれほど大きい国があまりないからなのでは…だから、「騙された!」と余計腹が立つんだと思います(別に意図的に騙しているわけではないのでしょうが)
私はロンドンにしか住んだことがないので地方都市では少し事情が違うのかもしれませんが、ロンドンでイギリス人と友達になるのは難しいとか英語が聞こえてこないとか、紅茶を出す店は少なくHigh StにはスタバとかCostaばっかりだとか、地下鉄で遅れや運休が発生している状態でも駅の運行状況には「Normal」と表示されるとか、地下鉄止まって代行運転のダブルデッカーに乗ったら乗客多すぎて上り坂の角を曲がれなくなり途中で降ろされたとか(2階が重いので、曲がる時に横倒しになる危険がある)、私の周囲にskyを1度でキャンセルできた人はおらず1度は必ずサポセンに「Are you crazy!?!?」「お前じゃ話にならん。責任者出て来い!!!」と叫ぶことになるとか…そういうことをもっと広めたいです。
これ読んで、驚いた在英経験者は1人もいないはずです。
誰だ! 紳士の国とか言ったのは! あそこはladsの国だ! フーリガンだあ。ということで私は、Stamford Bridgeにいる時こそ「これがイギリスだ…」と一番落ち着くのでありました。
Posted by ヒナキ at 2008年04月03日 11:35
初めてロンドンで英語の個人レッスンを受けた時、最初にやったのが「苦情の言い方/手紙の書き方」でした。「I'd like to complain about...」と言ったら「なんで苦情なのに丁寧な言い方するの! それじゃ聞いてもらえないわよ!」とイギリス人教師に言われ、いかにも怒っていることを強調するために机をドンドン叩いたりする技術を学びました…
どういう国なんだと思いましたが、まさにそういう国でした。
Posted by ヒナキ at 2008年04月03日 11:39
> これ読んで、驚いた在英経験者は1人もいないはずです。

正直なところを言います。私は、驚きませんでした。茶を吹きました。(茶は、今は玄米茶です。どーでもいいけど)

詳細はあとでまた。笑いすぎで何も書けない。ぎゃはははは。

ほんで、在英経験のない人から「他国の悪口など言うものではない」と説教されたりするんだ。あはははは。「悪口」を定義せよ、ってなもんだ。ははは。

ところでStamford Bridgeのみなさまにおかれましては、昨日はイスタンブールでしたね。うちはホームでしたが、監督がまたブチ切れているとの報道で、私は真剣に、監督の血圧が心配になりました。
http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/football/europe/7324934.stm
Posted by nofrills at 2008年04月03日 19:11
あ、ヒナキさん、ご無沙汰してます。

「どうしようもなくダメダメなUK」というのも啓蒙したい一方、底力にあたると部分もまたアクが強くて、日本人には理解してもらいにくくもあるのですよ。この人たちは、言葉遊びや楽屋オチが好きすぎるし。
よく考えると、私は「英国」に過度なファンタジーを抱く人の幻想を砕き、「日本」に同様の感情を抱く外国人の憧れを破壊する、そんなことばかりやっています。
*「UKIP脳内ユートピア」はかなり受けました(笑)
Posted by ぴこりん at 2008年04月03日 19:33
そろそろ酸素が足らないよ。ぎゃはははは。そして、I need some fresh air. といって、寒いのに窓全開にしては「英国式フレッシュ・エア信仰」を思い出す次第。

ときに、UKIPの脳内にしかないような「英国」を「現実の英国」だと思っている人は、英国人と接するとしてもUKIPの人みたいな人としか接さないのかもしれない、と密かに思っていたりもします。私が接する英国人のほとんど全員が「保守党か労働党かという選択では当然労働党」であるのと同じで。(だから、サッチャー政権があんなに長く続いた理由が実感としてはわからない、という話を、オンラインでカナダ人としたことがありますが。)

で、テーマが何であれ、ステレオタイプになっているファンタジーは、ネタとしておもしろがるか、さもなければデーストローイすべき、という二元論でもいいんじゃない?とも思うんですよね。そこで根本的に食い違っていると会話が成立しない。

それと、「国」というものの認識が根本的に食い違っていると、特に「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」については、話ができない。「GBおよびNI連合王国」における「国」ってのは何なのか、ってところで頭を悩ましたことがない人が疑うことなく前提としている「当たり前」の「ネイション」の概念は、これもまたステレオタイプだけれども、「イングランド代表対クロアチア代表の試合ではクロアチアを応援するのが当たり前のスコットランド人」みたいなのを当たり前だと思っている者にとっては、開口一番「いや、それは違う」としか言いようのないもので。そして日本では、「発言」について否定すると、その発言主の「人格」を否定するものだ、という受け取り方が標準で、事態は泥沼化してもしょうがない。(この題材で完成度の高いコメディがあれば最高だと思います。)

あと、日本について「仏教国でパシフィスト・コンスティテューションがあって、当然ピースフル」というようなステレオタイプで見ている人は、イラク人質事件での日本のパブリック(公衆の、および政治家たちの)な反応に、ものすごくショックを受けたみたいです。
Posted by nofrills at 2008年04月03日 21:37
どのへんからファンタジーをdestroyするのがいいのか、いつも考えるのですが、ポイントがありすぎてどこから手をつけていいんだか…
地下鉄がいつも止まってるとか(ロンドン地下鉄の初乗り運賃の話はわりとみんな知っている)クーラーないとか瞬間湯沸かし器珍しいとかパブの床がニチャニチャするとか、そういう瑣末なことを積み上げるのがいいのか、それとも大局から論じるほうがいいのか…
「GBおよびNI連合王国」における国ってものを分かってもらう手始めとしては、いつもサッカーのW杯と五輪の話を持ち出してます。サッカーファンなら少しなりとも、「イギリス」という言葉を使うときに慎重にならなければいけないことや、「イギリス」人とおぼしき人にむやみやたらと「Are you English?」と問いかけるのは命の危険を伴うこととか(笑)をわかってくれていると思ってます。
すぐ忘れちゃうかもしれないが。

ただ、もちろん国別のステレオタイプな見方については当たっている部分もあるわけで。日本についても言えるけど、この国はどんなに「日本精神」を失って変質していっても、根本的なところはシャイだなあと思う。外国人も混じった英会話学校で、日本人のおとなしいことおとなしいこと…これは何十年たってもかわらないのかなあ。

イングランド代表対クロアチア代表、で思い出すのは、こちらでも触れていただいていましたが、前回のW杯のJason Scotland(トリニダード・トバゴ代表)…
http://hinakiuk.sakura.ne.jp/wordpress/?p=452
私は別に、イングランド人てわけじゃないので、イングランドがユーロに出られないならスコットランドを応援してもよかったんですけどね。(もちろんアイルランドでも可)
Posted by ヒナキ at 2008年04月04日 10:57

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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