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2007年10月29日

日本国法務大臣、「友人の友人はアルカイダ」と発言

「友人の友人はアルカイダ」=面識はないと釈明−鳩山法相
10月29日17時20分配信 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071029-00000081-jij-pol
 鳩山邦夫法相は29日午後、日本外国特派員協会で記者会見し、改正出入国管理・難民認定法が11月施行されることに関し、「わたしの友人の友人が(国際テロ組織の)アルカイダだ。会ったことはないが、2、3年前は何度も日本に来ていたようだ」などと語った。

えええええーーーーーー。
お茶吹いた〜〜。
椅子から落ちた〜〜〜。
ぶっ転がされた〜〜〜〜。

ということは、日本国の法務大臣は、友達の輪で、バリ島の事件に絡んでる人物と間接的につながってるってこと? 

お昼休みのテレビ番組でも「友達の友達はみんな友達、みんなで広げよう、友達の輪」ってあるよねー。

もし発言主が南アジア系か西アジア系(中央アジアのイスラム主義があるので、もうちょっと範囲広げて「アジア系全般」としてもいいくらいだが)の一般人で、在英、在米、在アフガン etcだったら、かなり高い確率でグアンタナモ送り。。。(^^;)  映画『グアンタナモ』ティプトン・スリーこと相当おマヌケな英国人の若者たちは、そういう感じで「アルカイダ戦闘員」と断定されてしまい、グアンタナモに送られた(あの映画は実話)。

で、Gizmoでは「はいそうです、私の友人の友人がアルカイダです、その人の名はほにゃららです、私も計画を知っていました」etcと言うまでホワイトノイズとか超低温とかで手厚くもてなされるという話なのだけど。

それ以前に、「2,3年前は何度も日本に来ていた」のに、日本国は取り逃してました、ってこんなカジュアルに宣言しちゃっていいんだろーか。(^^;)

記事の続きの部分:
日本に入国する16歳以上の外国人に指紋採取などを義務付けた同法の意義を強調する中で飛び出した。
 法相は「(友人の友人は)毎回いろんなパスポートとヒゲで(変装するので)分からないらしい。そういう人が日本に平気で入って来られるのは安全上好ましくない」と強調。「彼は(2002年の)バリ島の爆破事件に絡んでいるが、バリ島中心部は爆破するから近づかないようにというアドバイスを(友人が)受けていた」とも述べた。
 ……

それってさー、その「友人」さんの話ってさー、「爆破するから近づかないようにと忠告されていた」って、9-11直後に世界中で流れた「都市伝説」じゃないの? あまりにそっくりなんだけど。「ロンドンで/ニューヨークで/東京で/シカゴで etc、道に迷って/駅の券売機の使い方がわからなくて etc、困っている中東系の人を助けたら、『あなたはいい人だから教えてあげるけど、○月○日にランドマークとなる建物/地下鉄の大きな駅/アメリカ系のテーマパーク etcを爆破する計画だから、そのときはそこにいないほうがいい』と言われた人がいるらしい」って。
具体的にこれを調査なさった方の記録をはてブ経由で知りました。(鳩山氏くらいになると、こういう「世間」とはかけ離れたところにおられるのかもね。)

しかもあとからなされた鳩山氏の弁解のコメント(?)が、「同好の士である友人から聞いたことがある」話だとした上で、「わたし自身は(テロ)組織の者と思われる者と友人でもなければ、面識を有するものではない。友人の話の真偽は確認していない」。

・・・そんな、真偽を確認してもいない、おそらくはただの噂話でしかないものを根拠に「法律」を語られても困るんですが。

大丈夫なのか、日本国は、こんな「法務大臣」で。

死刑についての「ベルトコンベア」発言とか、外国人差別(この人の場合はあからさまな「ゼノフォビア」の域に達していると私は思うが)とか、うはぁ、と思うことはいろいろあったけれど、これが一番スゴい。

何がスゴいって、外国人を一律で「差別的に/区別して」扱う法律(指紋押捺)について「日本外国特派員協会で記者会見」しているときに、これが言えちゃうのがスゴい。世界各国のジャーナリストを前にこう発言しちゃう法務大臣。ああ、その場の空気が知りたい。通訳者さんの間合いとか呼吸とかも含めて。

はぁ、お茶でも飲もう……一息入れないと無理。

……ぷはー。

なんだか、うちら、ビルマの軍政の脳内お花畑っぷりを笑えないよーな気がしてきた。

っていうか、明日の英各紙の東京特派員記事が楽しみ、ということにしておいたほうが、精神衛生上よろしいかもしれない。まったく、こんな法務大臣、モンティ・パイソンで一番性格の悪い奴がでっち上げたキャラだとでも思ってないとやってられない。

ところでさ、バリ島では2002年と2005年の2度爆破事件があったのだけれど、事件を起こしたジェマア・イスラミアのアルカイダとのリンクって、結局、裁判で立証されたんだっけ?

「テロとの戦い」ってのは「なむあみだぶつ」みたいに唱えていればいいということばじゃなくて、事実を把握し(事実と事実でないこと、およびグレーのエリアの区別をつけるのは当たり前の前提)、その意味を理解してこそ使えることばだと思うんだけど(あるいは、理解しようとする過程で用いられることば、というべきかもしれない、英国の事例を見ていると)、「なんかとりあえずそう言っておけば何となく説得力が出る」という程度のことばになっている、というのがほんとのところだろう。まあ、元々ブッシュ政権でもそういうふうに使っているのだろうけれども。

でも、とりあえず、絶望するしかない。orz (←崩れ落ちてみる。)



追記:
朝日新聞の記事。時事通信の記事とびみょーに違う(太字部分)。
http://www.asahi.com/politics/update/1029/TKY200710290288.html
鳩山法相は29日午後、東京都内での講演でインドネシア・バリ島の爆破テロ事件に言及し、「私の友人の友人がアルカイダだ。バリ島中心部の爆破事件に絡んでおり、私は中心部は爆破するから近づかないようにとアドバイスを受けていた」と発言した。200人以上が犠牲になった02年10月の事件を事前に知っていたとも取れる内容だったが、講演後に「友人に聞いた話で、私が発生前に爆破計画を知っていたということではない」などと発言内容を訂正した。

対照表:
【時事】=鳩山邦夫法相は29日午後、日本外国特派員協会で記者会見し、……「わたしの友人の友人が……」などと語った。
【朝日】=鳩山法相は29日午後、東京都内での講演で……「私の友人の友人が……」と発言した。

【時事】= バリ島中心部は爆破するから近づかないようにというアドバイスを(友人が)受けていた
【朝日】=私は中心部は爆破するから近づかないようにとアドバイスを受けていた

どっちなんだ! こんな単純なことで「藪の中」が発生されても困るのだが。

全体的には、朝日の記事のほうが文脈がわかりやすい。特に次の記述はとても明確だ。
 講演は日本外国特派員協会の主催で、約100人の外国人記者らが参加。日本政府が16歳以上の外国人から日本入国の際に指紋を採る制度を11月20日に導入することに関し、記者側からその必要性を問われた際、制度の意義を強調する例として事件に触れた。

なお、時事の記事で「同好の士」とあるのは、朝日の記事によると、「チョウの研究をしている人」のことで、「友人」の参加しているチョウチョ研究のグループに「アルカイダと思われる者がいて日本にも入ってきていた。爆破事件にも関与していた」という趣旨の話を聞かされたのだそうだ。そして、「アルカイダと思われる者
はそのチョウチョ研究グループの一員で、グループのメンバーに「爆破事件があるかもしれない」と連絡をしたらしいと自分(=鳩山氏)は聞いている、ということだそうだ。

私が聞いた「都市伝説」そっくり。私が聞いたのは、「職場の上司Aさんのゴルフ仲間Bさんが、別のゴルフ仲間Cさんから『アラブ人を助けたら、○月○日は危ないからと言われた』という話を聞いたんだって」というようなものだったが。

さらに朝日記事の末尾:
 法務省での釈明会見では「舌足らずで誤解を生む部分があったので明確に訂正したい」と述べた。人物が所属する組織についても「アルカイダと聞いているが、いわば過激派グループに協力をしている人という意味かもしれない。断定的に言える状況にはなかった」と修正した。

言ってから訂正する前に、確認してから言えっての。社会人なら当たり前でしょうに。で、この発言から読み解くに、鳩山氏の頭の中では、「アルカイダ」なのか「JI」なのかはどっちでもいいってことですよね。えらく粗雑。「アルカイダ」は「テロリスト」の代名詞ではありません。ジェイソン・バークでも読んどけ。



追記2:
これ、広まったら日本人として超恥ずかしい、と思ってたんですが、遅かった……ロイターがさっそく記事にしている。

Japan justice minister claims al Qaeda connection
Mon Oct 29, 2007 9:30am GMT
http://uk.reuters.com/article/worldNews/idUKT16908520071029
By Isabel Reynolds

TOKYO (Reuters) - Japan's justice minister said on Monday that a friend of a friend was a member of al Qaeda and had entered the country on various fake passports -- justifying a new system for fingerprinting foreigners on entry to the country.

Kunio Hatoyama said the man had been involved in a bomb attack on Bali and that he personally had received a warning to stay away from the island for safety reasons.

It was not clear which bombing he was referring to. An attack in 2002 killed 202 people, most of them foreign tourists, while another series of bombings in 2005 killed 20 people.

"My friend's friend is a member of al Qaeda," Hatoyama told a news conference on Monday. "I have never met him, but I heard that two or three years ago he came to Japan several times," he added.

Hatoyama said the man had entered the country on various passports, an example that he said showed the need for a new system for fingerprinting foreigners at immigration set to start on November 20.

"Each time he used different passports and was able to disguise himself with different beards so that he could not be recognised among all the foreigners," Hatoyama said of the al Qaeda member.

...

これを書いた記者さんはおそらくその場におられたのではないかと思うのだけれども、「いつのどの事件のことかがわからない」など、混乱ぶりが伝わってくる。っていうかこの英文だけならカテゴリはoddly enoughです。情けない。

抜粋した部分のあとは、ずーっと長く続くのだけれども、指紋押捺制度のスタートについての話の詳細。

その中でものすごく重要な部分:
The Japanese government plans to check foreigners' fingerprints against international databases to seek out potential terrorists, Hatoyama said.

The U.S. terrorist watch list contains about 755,000 records, a government report said last week, sparking criticism that it is too unwieldy to be useful.

"It is a joke," Barry Steinhardt of the American Civil Liberties Union told reporters in Tokyo on Monday.

"It is full of mistakes, it is easily confused, it is nearly useless."

つまり、日本が使おうとしている国際データベース(米国作成)は、間違いだらけで使い物にならない(ACLU談)。これってひょっとして、ジェリー・アダムズがいまだに「テロリスト」にされているリストだったりして。というのは措くとしても、潜入取材をしたRFE/RL系契約ジャーナリストまでも「テロリスト」として載ってる(USのインテリジェンス機関の間で情報が共有されていないことが原因)というとんでもないリストだったりして。

あと、記事の最後からゼノフォビア発言の部分:
Japan is not a country that can become a 'melting pot', he said, arguing that allowing more foreign labourers into the country would lead to a rise in crime.

これ、明確に抗議しないと、うちら日本人がまとめて「アホ」だと思われるかもしれん。。。



追記3:
BBCにも出てる。もう笑うしかない。Chris Hoggさんの仕事。

Japan minister in al-Qaeda claim
By Chris Hogg
BBC News, Tokyo
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/7067450.stm
A Japanese politician has attempted to justify plans to fingerprint foreigners by saying he knows an al-Qaeda member who entered the country illegally.

Justice minister Kunio Hatoyama said a friend of a friend, who was involved in a bombing in Bali, had entered Japan using fake passports several years ago.

It was an odd claim to make without producing any evidence to back it up.

...

Mr Hatoyama said he had never met the man, but he had heard that two or three years ago he had come to Japan several times.

Each time he had used a different passport and disguised himself with a fake beard, Mr Hatoyama said.

He claimed the man had been involved in a bomb attack on Bali but it was not clear which bombing he was referring to.

Mr Hatoyama was trying to justify Japan's plans to fingerprint and photograph almost all foreigners arriving in the country from next month.

...

第3パラグラフ、強烈だなあ。この人の書く記事でこういう「評価」がストレートに表現されるのは珍しい。地震での柏崎刈羽原発の件でもこういう書き方はしていなかったよ、この人。

ガーディアンが怖い。。。タイムズも怖い。。。

あと、BBC記事で、今日の会見での本題、指紋押捺制度についての部分、これもまたきついな。
The government says it is a necessary step to prevent terrorism.

The minister said the measure was also designed to reduce crime.

UKは「テロリズム」と「犯罪」を明確に区別する方向でいろいろ変更している。日本はグダグダだ。そういうのが前提にあるのかもしれないが。

っていうか英国がどうのとかいうの抜きにしても、この大臣様は鳩山邦夫という個人の考えでしゃべってるのか、法務大臣としてしゃべってるのか、この人そもそも何も考えてないんじゃないだろうか。というか、その両者を区別する必要性も感じていない可能性もある。

BBC記事は、旅行などで渡航してくる人だけでなく、日本に住んでいる外国人も指紋押捺させられることについて、さらっとツッコミを入れている。
Only the United States currently fingerprints and photographs visitors.

Japan plans to subject foreigners who live here, not just visitors, to the same scrutiny.

Some critics have complained that the new policy is discriminatory and will put people off visiting or settling in Japan.

「ゆーせーみんえーか」で「数の力」を得た自民党がこういうことをしている、というところまで書いてもらえていれば、私は泣いたのだが。(仮定法)
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oddly enoughですか…。
ある意味そうであって欲しいですが。
Posted by shu at 2007年10月29日 22:39
>shuさん、
記事中に I'm buffled. という文が出てこないのが不思議な気がするほど、oddly enoughな感じがします。

BBC記事にある「その男は偽造パスポートや付け髭を利用して日本に入国していた」のくだりとか、「ひょっとしてOBLか? こないだ付け髭で出てきたっけかな、ゲラゲラ」という息遣いが聞こえてきそうです。
Posted by nofrills at 2007年10月29日 22:55
「友人の友人はアルカイダ」発言について、続報は下記にブクマしてあります。
http://b.hatena.ne.jp/nofrills/immigration/Japan/

31日の衆議院法務委員会でも釈明というか発言があったようです。「衆議院TV」でそのビデオを見ることができますが、「4時間21分」です。(私は見ていません。)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib2.cfm?u_day=20071031
Posted by nofrills at 2007年11月01日 13:33
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_11/t2007110101_all.html
によると、10月31日の衆院法務委員会(上のコメント参照)で鳩山氏は、東大卒業後、田中角栄の私設秘書をしていたときに、「米国防総省(ペンタゴン)から、毎月のように接待を受けていたことを明らかにした」のだそうです。日本の情報収集についての民主党の河村たかし議員の質問中に、「鳩山氏は指名もされていないのに突然、『委員長!』と手を挙げて立ち上がり、河村氏が『大臣、何ですか?』と驚いている間に」しゃべり出したそうです。

しゃべった内容は:
「思い出を話させてほしい。私が田中角栄先生の私設秘書になったとき、毎月のように、ペンタゴンがやってきて食事をごちそうしてくれた。当時、私は金がありませんから『ウナギが良い』とか『天ぷらだ』などと言ってた。私は1円も払っていない」

・・・「私企業のゴルフ接待」の右斜め上。

さらに記事から:
[quote]
 鳩山氏は発言後、「ペンタゴンは情報収集にお金をかけている。日本の外交や防衛も情報収集には(お金を)潤沢に回した方がいい」と真意を語ったが、国防総省のヒューミント(人間による情報収集)で、自分が協力者(スパイ)だったことを事実上認めたもので、お金うんぬんといったレベルの話ではない。

 政治評論家の森田実氏は「欧米では即刻更迭される発言だ。鳩山氏自ら職を辞するか、福田康夫首相が更迭すべきだ。これを放置すれば、日本政府に対する国内外の信用を失墜しかねない。先日の『私の友人の友人はアル・カイーダ』という発言もそうだが、鳩山氏は常軌を逸している。法相のような要職に就けるべき人間ではない」と語っている。
[/quote]

鳩山氏は、「あたし、口が軽いんです」って言いたいのかなあ? 

ともあれ、こんなのを読まされた日には頭の中をぐるぐるするのは:
http://youtube.com/watch?v=Ku4rrtKo31U
♪テンプラ、テンプラ、テンプラ、おまえだ、テンプラ、テンプラ、テンプラ、・・・
Posted by nofrills at 2007年11月01日 21:12
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