kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2007年07月24日

「次期首相!それは本当にうちの国歌ですか?」事件@ベルギー

さっぱり意味がわからないのだが、ベルギーで組閣作業中の次期首相がベルギーの国歌を歌うべきところでフランスの国歌を歌ってしまったというハプニングが発生した。

「なるほど、ベルギーはフラマン語圏とフランス語圏で対立してますからな」と納得しかけたそこのあなた! 意味がわからないのは、その次期首相氏がフラマン語圏の人であるという点なのですよ。

Belgian leader makes anthem gaffe
Last Updated: Monday, 23 July 2007, 10:24 GMT 11:24 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/6911509.stm

Yves Leterme, head of the Flemish Christian Democrats, broke into La Marseillaise instead of Belgium's La Brabanconne on the national day.

His gaffe was filmed by Belgian RTBF television, as he was about to attend a church service in Brussels on Saturday.

で、問題のビデオは例によってYouTubeにアップされたとのことで探してみました。
http://youtube.com/watch?v=ABTR2Xe_sGw
※私はフランス語は聞いてもわからないので、「なかなか美声ですな」としかコメントできません。orz

Yves Leterme(イヴ・ルテルム)が党首をつとめるのはthe Flemish Christian Democratsこと、Christen-Democratisch en Vlaams(キリスト教民主党)。2007年の総選挙で第一党となり(この選挙、結果がかなり難しいもので、組閣まで時間がかかっている)、組閣の作業中の土曜日に、教会に入ろうとした党首に突撃インタビューした取材陣が「国歌を歌ってください」と頼んだ(フランス語がわからないので、YouTubeに上がっているビデオを見ても、どのような言葉で頼んだのかはわからない。情けない)。

おおー、IHTに解説がある。やっぱこういうときに頼りになるのはIHTだね。

Top politician forgets Belgian national anthem
http://www.iht.com/articles/2007/07/23/europe/belgium.php
Asked Saturday by a reporter from a state television channel, RTBF, to sing the Belgian national anthem, "La Brabançonne," on the day commemorating the accession of King Leopold I of Belgium to the throne in 1831, Yves Leterme, a Flemish politician who is struggling to form a coalition government, smiled at the camera and blurted out, "Allons enfants de la patrie" - the first words of "La Marseillaise."

Pressed by the reporter as to whether he really thought those were the words, Leterme, the head of the Flemish Christian Democrat party, replied: "Oh, I don't know." Shortly afterward, he was filmed making a telephone call on his cellphone during a religious service, and, in a final gaffe, he proclaimed in an interview at the independence festivities that his countrymen were, in fact, celebrating "the proclamation of the Constitution."

これはひどい。国歌を間違える、お祈りの最中に携帯電話をかける、この日はベルギーのナショナル・デー(国民の日)だったのだが、その日が何の日かについても彼は正しく認識していない(本当は、1831年にレオポルド1世が初代ベルギー国王となった日だが、彼は「憲法発布の日」と答えているそうで)。なおBBCによれば、この日が何の日かを認識しているベルギー国民は5人に1人だそうだ。

ベルギーの英語メディア、エクスパティカ掲載のAP記事も参照。

http://en.wikipedia.org/wiki/Yves_Leterme によると、党首のお父さんはワロン人(フランス語圏)で、ご自身はバイリンガル(フランス語とフラマン語)。昨年の夏にフランスの新聞のインタビューで、ブリュッセル近郊のフラマン語エリアに居住するフランス語話者について「頭が悪いからフラマン語を覚えられない」などと発言(ひどい)、ほかにもかなりひどいgaffeがある。

ベルギーといえば、昨年12月にテレビ局が「フラマン語圏は独立しました」という嘘ニュースを流して騒ぎになったりしているし、フラマン語圏の人種差別主義の極右勢力が黒人を襲撃して殺すという事件もあった。

そういう中、「次期首相が堂々と国歌を間違える」という珍事件に次のような一種「肯定的」な評価があるそうだ。IHTより:
Some Belgian commentators said Leterme's ignorance was a healthy sign of a nation free of nationalism. "I can understand why some people think it is ridiculous," said Bernard Bulcke, the European correspondent for De Standaard, the leading Flemish newspaper. "But one must remember that Belgium was an artificial construction, we have been invaded throughout our history by other powers and created by them. Maybe it is positive that nationalism doesn't exist in Belgium. So we can't sing the national anthem. Who cares?"

うはは、ベルギーという国は元々が人工的なものなのだからこれでいいのだ、って、気持ちのよいことを。しかしだからってフランスの国歌というのも。それが例えばGod Save the Queenだったら「まったく関係ねーよ」で「この政治家はアホ」になっただろうけれど。

悲観的なのが読みたい人は、タイムズにレポートされているベルギーの報道をどうぞ。(記事のライティングの基本は英国流ジョークですが。)

Day La Marseillaise became the new anthem of Belgium
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/europe/article2127100.ece
Known as "Mr Flanders", Mr Leterme won the general election last month on a pledge to devolve more power to the regions. A poll today showed that a quarter of Belgians believe this could lead to the break-up of their country.

"This was no Belgian joke. There is a fear that this was a subliminal message to the French-speakers," said Le Soir newspaper. When he is in Brussels "you could say that Mr Flanders is on a visit to a foreign country".

こんなに堂々としたサブリミナル・メッセージはないと思うが。(^^;) なお、こんなことを言っているのはほんとに一部だけのようで、タイムズのこの記事の下のほうには「全然問題にならない」という論調のベルギーの報道が紹介されています。

それと、ベルギー国歌のややこしさについて:
Mr Leterme could be forgiven for some confusion. The Belgian national anthem, the Brabanconne (song of Brabant) has three versions in the three national languages, French, Flemish and German, which all have different English translations. The Flemish version, for example, opens with a reference to "our holy fathers" while the French extols "our dear mother Belgium".

But the symbolism of his gaffe has not been lost on French-speaking Wallonia. The anthem was written in 1830 by a French-Belgian revolutionary who was later killed in the independence struggle with the Dutch.

なるほど、歌詞がフラマン語、フランス語、ドイツ語の3種類あり、それぞれ内容も違っていて、作曲者はオランダからの独立戦争で死んだフランス系の革命兵士。

※この記事は

2007年07月24日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 09:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼