ジェーン・オースティン(Jane Austen、1775年12月16日 - 1817年7月18日)は、イギリスの小説家。ハンプシャーのスティーブントン生れ。
その代表作である『高慢と偏見 (Pride and Prejudice)』は英国では大人気で、何度も映画化・ドラマ化されており、数年前にBBCが行なった「一番好きな本」調査では『指輪物語』に次いで2位に入っていたというほどの「国民的文学」、となれば日本人が「吾輩は」と聞いたら、漱石のあの小説を読んだことがない人でも、何となく「猫である。名前はまだない」と続けたくなるとかいった存在だと思っていたのだが、そうでもないらしい。
↑AFPさんの日本語記事では「盗作」とあるので誤解を招きやすいかと思いますが、オースティンは200年前の人なので著作権は存続していません。念のため。(著作権存続の有無にかかわらず、「剽窃」「盗作」はもちろんダメです。)
AFPさんの元記事はガーディアンなので、ガーディアンで。
The author and the Austen plot that exposed publishers' pride and prejudice
Steven Morris
Thursday July 19, 2007
http://books.guardian.co.uk/news/articles/0,,2129738,00.html
ことの次第は次の通り・・・
ジェイン・オースティンが大好きで、「オースティン・フェスティヴァル」の事務局長をやっているデイヴィッド・ラスマンさんは売れない小説家。ギリシア神話を下敷きにした小説を書いて出版社に送っているものの、原稿を見せても色よい返事はさっぱり返ってこない――友人に愚痴をこぼし、「これではまるでジェーン・オースティン」とか「オースティンが現代の作家だったら出版社は見つかってたんだろうか」と盛り上がった。そのとき、ラスマンさんの頭にひらめくものがあった。
マニアがこういう着想を得ると、えてしてものすごいことになるもので、それが特に英国での話となれば野次馬の期待も高まろうというもの。
はたして、ラスマンさんのプランはその期待を裏切らないものとなる。
ジェーン・オースティンは当初「ある女 A Lady」との筆名(つまり匿名)で書いていた。ラスマンさんはそれにちなんでAlison Laydeeという筆名で、作戦を開始した。
かくしていくつかの出版社に、Alison Laydee著、 "Susan" が送られた。その中身は、オースティンの "Northanger Abbey" (初期草稿でのタイトルはSusan)の最初の数章。ただし主人公の名前は、Catherine MorlandからSusan Maldornに変更。
ラスマンさんは出版社から「悪質ないたずら」という反応が返ってくるものと待ち構えていた(ヒマですね・・・)。しかるに、誰も気づかない! 例えば、ハリー・ポッターの版元であるBloomsbury(<ハリポがあろうとなかろうと、名門の出版社)は「大変興味深く拝読いたしましたが、弊社から出すには少し」とのレターを同封して原稿を送り返してきた。
こんなはずでは、と失笑したラスマンさんは、「"Northanger Abbey" はオースティンの代表作というわけじゃないからな!」と考え、今度はそれよりも有名な、"Persuasion" という作品を "The Watsons" というタイトルにしたものを複数の出版社に送った。今度は気づくだろう・・・。
しかし、またもや「残念ですが」の返事の山。ハリー・ポッターの作者のエージェントは、売り出せるかどうか「自信がない」とのレターをつけてきた! ジェーン・オースティンの作品に!
業を煮やした(あるいはますます楽しくなってきた)ラスマンさんは、ついに最強のカードを切った――オースティンといえば、"Pride and Prejudice"!
こうして、Alison Laydee著、"First Impressions"(Pride and Prejudiceの初期タイトル)が出版社に送りつけられた。例によって人名などは変更され、Mr BennetはMr Barnettとなり、物語の舞台であるNetherfieldは、テレビドラマ『コロネーション・ストリート』の舞台である架空の地名、Weatherfieldになっていた。しかしラスマンさんは、何度も映像化されたこの作品の広く知られている書き出しの1文はそのままにしておいた。
"It is a truth universally acknowledged, that a single man in possession of a good fortune must be in want of a wife."
さすがに気づかれないはずがないと思っていたラスマンさんだが、名門中の名門、Penguin社からは「原稿を拝読いたしました。たいへんに独創的で興味深いものとお見受けしますが」と書かれた「残念ですが」レターが返ってきた。
ちなみに、オースティンは何作かPenguin Classics Seriesに入っている。もちろん『高慢と偏見』も入っている。
![]() | Pride and Prejudice (Penguin Popular Classics) Jane Austen by G-Tools |
ラスマンさん、唖然。
しかし、唯一気づいた出版社があった。それはイアン・フレミングの例のシリーズの版元であるJonathan Cape。さすが、見る目が確かなようで。
というわけで、売れない小説家が引き起こしたマニアックな騒動は、英国の名だたる出版社のメンツを総当りでぶちぶちとつぶしてしまうという予想外の悲惨な結果を生じさせた。
さらに後日談。
「売り出せるかどうか自信がない」と返信してきたJ. K. ローリングのエージェントは、「既存の作品との類似点には気づいており、盗作ではないかとの議論もあった」と弁明した。名門中の名門でオースティンの著作を今でも出しているPenguinは、「おもしろそうに『見える seem』といったまでで、おそらく中身は読んでいない」と弁明している。(「見える」って・・・文字の羅列は見て判断するんですかね(^^;)
追記:
英国の出版界に必要なのは、このマンガの右端の人。
http://horror.g.hatena.ne.jp/COCO/20070720#p1
なお、私はオースティンの書いたものはちらっと見たことがあるだけで、作品はろくに知りません。『高慢と偏見』は筋は知っていますが、昔ちょこっと読んで「70年代の少女漫画みたいだ」と思ってそのまま。『ブリジット・ジョーンズ』の元ネタだとか。

















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