kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2007年07月21日

マニアの出来心で名だたる出版社赤っ恥

昔、おんなありけり。
ジェーン・オースティン(Jane Austen、1775年12月16日 - 1817年7月18日)は、イギリスの小説家。ハンプシャーのスティーブントン生れ。

その代表作である『高慢と偏見 (Pride and Prejudice)』は英国では大人気で、何度も映画化・ドラマ化されており、数年前にBBCが行なった「一番好きな本」調査では『指輪物語』に次いで2位に入っていたというほどの「国民的文学」、となれば日本人が「吾輩は」と聞いたら、漱石のあの小説を読んだことがない人でも、何となく「猫である。名前はまだない」と続けたくなるとかいった存在だと思っていたのだが、そうでもないらしい。

http://nofrills.seesaa.net/article/48600388.html?1463701918

マニアの出来心で名だたる出版社赤っ恥: tnfuk [today's news from uk ] via kwout
[コード消去・代替画面挿入/2016年5月]



↑AFPさんの日本語記事では「盗作」とあるので誤解を招きやすいかと思いますが、オースティンは200年前の人なので著作権は存続していません。念のため。(著作権存続の有無にかかわらず、「剽窃」「盗作」はもちろんダメです。)

AFPさんの元記事はガーディアンなので、ガーディアンで。

The author and the Austen plot that exposed publishers' pride and prejudice
Steven Morris
Thursday July 19, 2007
http://books.guardian.co.uk/news/articles/0,,2129738,00.html

ことの次第は次の通り・・・

ジェイン・オースティンが大好きで、「オースティン・フェスティヴァル」の事務局長をやっているデイヴィッド・ラスマンさんは売れない小説家。ギリシア神話を下敷きにした小説を書いて出版社に送っているものの、原稿を見せても色よい返事はさっぱり返ってこない――友人に愚痴をこぼし、「これではまるでジェーン・オースティン」とか「オースティンが現代の作家だったら出版社は見つかってたんだろうか」と盛り上がった。そのとき、ラスマンさんの頭にひらめくものがあった。

マニアがこういう着想を得ると、えてしてものすごいことになるもので、それが特に英国での話となれば野次馬の期待も高まろうというもの。

はたして、ラスマンさんのプランはその期待を裏切らないものとなる。

ジェーン・オースティンは当初「ある女 A Lady」との筆名(つまり匿名)で書いていた。ラスマンさんはそれにちなんでAlison Laydeeという筆名で、作戦を開始した。

かくしていくつかの出版社に、Alison Laydee著、 "Susan" が送られた。その中身は、オースティンの "Northanger Abbey" (初期草稿でのタイトルはSusan)の最初の数章。ただし主人公の名前は、Catherine MorlandからSusan Maldornに変更。

ラスマンさんは出版社から「悪質ないたずら」という反応が返ってくるものと待ち構えていた(ヒマですね・・・)。しかるに、誰も気づかない! 例えば、ハリー・ポッターの版元であるBloomsbury(<ハリポがあろうとなかろうと、名門の出版社)は「大変興味深く拝読いたしましたが、弊社から出すには少し」とのレターを同封して原稿を送り返してきた。

こんなはずでは、と失笑したラスマンさんは、「"Northanger Abbey" はオースティンの代表作というわけじゃないからな!」と考え、今度はそれよりも有名な、"Persuasion" という作品を "The Watsons" というタイトルにしたものを複数の出版社に送った。今度は気づくだろう・・・。

しかし、またもや「残念ですが」の返事の山。ハリー・ポッターの作者のエージェントは、売り出せるかどうか「自信がない」とのレターをつけてきた! ジェーン・オースティンの作品に!

業を煮やした(あるいはますます楽しくなってきた)ラスマンさんは、ついに最強のカードを切った――オースティンといえば、"Pride and Prejudice"!

こうして、Alison Laydee著、"First Impressions"(Pride and Prejudiceの初期タイトル)が出版社に送りつけられた。例によって人名などは変更され、Mr BennetはMr Barnettとなり、物語の舞台であるNetherfieldは、テレビドラマ『コロネーション・ストリート』の舞台である架空の地名、Weatherfieldになっていた。しかしラスマンさんは、何度も映像化されたこの作品の広く知られている書き出しの1文はそのままにしておいた。
"It is a truth universally acknowledged, that a single man in possession of a good fortune must be in want of a wife."

さすがに気づかれないはずがないと思っていたラスマンさんだが、名門中の名門、Penguin社からは「原稿を拝読いたしました。たいへんに独創的で興味深いものとお見受けしますが」と書かれた「残念ですが」レターが返ってきた。

ちなみに、オースティンは何作かPenguin Classics Seriesに入っている。もちろん『高慢と偏見』も入っている。
Pride and Prejudice (Penguin Popular Classics)Pride and Prejudice (Penguin Popular Classics)
Jane Austen

by G-Tools


ラスマンさん、唖然。

しかし、唯一気づいた出版社があった。それはイアン・フレミングの例のシリーズの版元であるJonathan Cape。さすが、見る目が確かなようで。

というわけで、売れない小説家が引き起こしたマニアックな騒動は、英国の名だたる出版社のメンツを総当りでぶちぶちとつぶしてしまうという予想外の悲惨な結果を生じさせた。

さらに後日談。

「売り出せるかどうか自信がない」と返信してきたJ. K. ローリングのエージェントは、「既存の作品との類似点には気づいており、盗作ではないかとの議論もあった」と弁明した。名門中の名門でオースティンの著作を今でも出しているPenguinは、「おもしろそうに『見える seem』といったまでで、おそらく中身は読んでいない」と弁明している。(「見える」って・・・文字の羅列は見て判断するんですかね(^^;)




追記:
英国の出版界に必要なのは、このマンガの右端の人。
http://horror.g.hatena.ne.jp/COCO/20070720#p1

なお、私はオースティンの書いたものはちらっと見たことがあるだけで、作品はろくに知りません。『高慢と偏見』は筋は知っていますが、昔ちょこっと読んで「70年代の少女漫画みたいだ」と思ってそのまま。『ブリジット・ジョーンズ』の元ネタだとか。

※この記事は

2007年07月21日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 12:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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