kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2007年06月25日

アラン・ジョンストン記者、新たなビデオ(ビデオそのものは確認できず)

■追記@6月26日朝:
BBCがビデオの一部を公開しました。ビデオの全体は公開されていないので「ビデオそのものは確認できず」という状態に変わりはありませんが、公開された部分について、エントリ本文の適切な箇所に「アップデート」として追記を差し込みます。



Alan Johnston banner
※この↑バナーをクリックすると、BBCのサイト内、ジョンストン記者拉致事件の特集ページに飛びます。
当ウェブログでのジョンストン記者関連の過去記事(タグつけてあります)。

3月にガザで拉致され、Army of Islamを名乗る集団に拘束されているBBCのガザ特派員、アラン・ジョンストン記者の新たなビデオが、拘束から104日目に、明らかになった。ビデオの長さは1分42秒。前回(6月初め)と同じスタイルの画面だ。



AFPさんの記事についている写真は、「米情報収集企業インテルセンター」(<記事より)が公開しているものだそうだが、今回はおなかの周りに爆発物をつけさせられているようであり、また、写真で見る限り、前より少しやせてやつれてしまったようにも見え、顔が青ざめて見える。がこういったことは写り方の角度の問題もあるし、色調が全体的に青っぽいという可能性もあるし、どこまでが「真実」で、どこまでが「ビデオ撮影者の演出効果によるもの」なのか、あるいは「キャプチャのタイミングによるもの」なのか、まったくわからない。

また、AFPさんの記事では「ハニヤ首相がそのビデオを見た」とあるが、BBC記事(下記)によると、「武装勢力が利用しているウェブサイトに投稿された」のだそうだ。前回、6月はじめに拉致後はじめてビデオが出たときも「ウェブサイトに投稿」だったので、少なくともそういう環境は変わっていないということだけは「事実」として確実にわかる。(そんなことわかっても、だから何・・・だが。)

Johnston in new 'bomb vest' video
Last Updated: Monday, 25 June 2007, 00:56 GMT 01:56 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/6235754.stm

▼アップデート@6月26日朝:
このBBCの記事が、先ほど確認した
Last Updated: Monday, 25 June 2007, 11:49 GMT 12:49 UK
の時点で、「New Johnston video」へのリンクを追加したものとなっていますので、それを見てみました。前回(6月初め)のときとは異なり、ビデオそのものをすべてアップする形ではなく、BBCがニュースとして流した映像(犯行グループがウェブサイトにポストしたビデオの一部を含む)がアップされています。(アップデートはまだ続きます。)

今回は、BBCはビデオ全体を公表せず、BBC側で編集した形でのみ公開することにした、ということでしょう。公開されていない部分でどのようなことが語られていたかはまったく不明です。

BBC Newsのサイトにあるビデオは全部で2分14秒。犯行グループが出したビデオにBBCの男性アナウンサーの解説が重なる形で始まります。この部分では、ジョンストン記者は、BBC記事にあるように(後述)「このように私は爆発物のベルトを着けさせられています。武力が用いられればこれを爆発させると彼らは言っています」といったことを言っています。それが30秒くらいで、次のパートは「拉致から16週間」となることでの解放の呼びかけの集会(BBCの施設における)の模様、その次は「拉致から100日」のときのスコットランドでのご家族のvigilの模様、その次、1:04くらいからパレスチナの最新情勢でハマスがガザ地区を制圧したときの映像(だと思う)、1:14くらいでハマスのスポークスマンのコメント(「強硬な手段は取らない方向で」という内容)で、それについてBBCのアナウンサーは「今回のビデオの最後のセクション(つまり、「ハマスも英国政府も、強硬な策は取らないでいただきたい」というジョンストン記者の請願)に対するハマスの反応である」とのコメントを読んでいます。ニューズフィルムではそこで、ビデオから「強硬な策はとらないでいただきたい」の部分の映像と音声が入り(1:30くらいから)、最後の10秒くらいは拉致される前、取材中のジョンストン記者の姿。

YouTubeのBBC World Newsのチャンネルにもニューズフィルムはありますが、こちらはBBC国内版(サイトにあるもの)よりずっと短く全体で1:14。内容は犯行グループのビデオの抜粋が中心です。
http://uk.youtube.com/watch?v=C8ckIMHWQzU

BBCが公開した犯行グループのビデオの一部を見る限り、ジョンストンさんは6月初めのときと比べても少しやつれているように見えます。6月初めのときは「ほかの誰かが用意した声明を読まされている」という感じもしたのですが、今回は、印象としてはそういう感じはあまりしません。

▲アップデートここまで。以下、25日にポストしたエントリ本文です。

拉致後最初のビデオだった6月はじめのビデオのときは、記者の生存を広く示す目的もあったのかもしれないが、BBCはそのビデオをBBC Newsにアップしていたが、今回はBBC記事には静止画像すら掲示されていない。

静止画像はAFPの記事にはあるのでそれを見る限り、ジョンストン記者は胃からウエストにかけての部分を覆うように、ちょうど「腹巻」みたいな感じで何か「板みたいなもの」を着けさせられていて、それには肩からのストラップがついている、というところだ。その「板みたいなもの」はチェック柄になっていて、もうちょっとはっきりした画像を見ないとわからないのだけれど、タータンに見えるんだよね。ジョンストン記者はスコットランド人ということをついつい考えてしまうのだが、うがちすぎだろうね。(ちなみにジョンストン・クランのタータンとは色が違う。)「板みたいなもの」、つまり爆発物の外側のタータンみたいな模様の色は、AFPさんの写真ではグレーと白のように見えるけれども、タイムズやAPの記事(後述)では「青と白」とのこと。

という次第で、ビデオそのものを見ることができないからその内容については十分にはわからないのだが(6月初めのビデオみたいに「言わされてる」感じがするのかどうかすらも)、BBC記事によると、ビデオの中でジョンストン記者は次のようなことをしゃべっている。
"The situation now is very serious. As you can see I have been dressed in what is an explosive belt, which the kidnappers say will be detonated if there was any attempt to storm this area."
「現在、状況は非常に深刻です。ご覧になっているとおり、私が着用させられているこれは爆発物のベルトです。誘拐犯らは、この地域を急襲しようという動きがあればこれを爆発させると言っています」

"Captors tell me that very promising negotiations were ruined when the Hamas movement and the British government decided to press for a military solution to this kidnapping."
「私を拘束している人たちは、交渉が非常にうまく運んでいたのに、ハマスと英国政府が軍事的解決という線で進めると決断したために、その交渉がだめになった、と私に語っています」

あー、なるほど、これはたしかに微妙な話で、BBCとしても何をどこまで書くか慎重になって当然だろう。BBC記事では、BBCとしてのステートメントとご家族のコメントのほか、ハマスのハニヤ首相(PA議長から解任されたが)が支持者らに「この事態はこのままにはしておけない」と演説したこと(ただし具体的な話はなかったっぽい?)、英外務省が「このようなビデオを出し、ご家族の心配をさらに増すような行為を、われわれは非難する」と述べたことが書かれているが、ビデオそのものについてはBBCが現時点で明らかにするとは考えにくい。

というわけで他のメディアの報道を見てみる。

■タイムズ:
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/middle_east/article1865056.ece

やはりこのビデオは、数日前にハマスがDagmoushクランの勢力に対して武力での攻撃をほのめかしていたことに対する返答、と受け取るべきなのかな。BBCの記事にないジョンストン記者の言葉としては:
"I do appeal to the Hamas movement and the British Government not to resort to the tactics of force in an effort to end this," Johnston said. "I would ask the BBC and anyone in Britain who wishes me well to support me in that appeal. It seems the answer is to return to negotiations, which I'm told are very close to achieving a deal."
「ハマスと英国政府には、どうか、武力での事態解決という手段を取らないようにとお願いします。またBBCと、私の無事を祈ってくださる英国のみなさんには、武力での解決をはからないようにとの私の請願を支持していただけるよう、お願いします。事態解決のためには、交渉に戻るしかないように思われます。私が聞いたところでは、交渉は身を結ぶ寸前まで行っているそうです」

それから、「もし軍事的な動きがあれば爆発させると彼らは言っている」という部分(BBCの記事にある)の直後に:
"They say they are ready to turn the hideout into what they describe as a death zone if there's an attempt to free me by force."
「武力で私を解放しようという動きがあれば、彼らは、隠れ家を彼らの言う死の地帯に変える覚悟はあると言っています」


■AP通信の配信記事(掲載はガーディアン):
http://www.guardian.co.uk/worldlatest/story/0,,-6733595,00.html

ビデオの冒頭部分には英語とアラビア語で "Alan's Appeal" というテロップ(「アランからのお願い」という内容)。

それと、ハマス側の動きは:
Mahmoud Zahar, a hardline Hamas leader, said Saturday that Johnston's captors were hesitant to release him, fearing retaliation after he is freed. He said Hamas is trying to convince the group that it would not be targeted if Johnston is handed over, even providing "written guarantees."

Asked more than a week ago whether force could be used to free Johnston, Hamas spokesman Abu Obeida said all options were open but stressed Hamas wants to resolve the case "in a way that protects the safety and security of the kidnapped journalist."


■ガーディアン:
http://media.guardian.co.uk/site/story/0,,2110734,00.html

ビデオの存在が明らかになったのはハニヤ首相が演説のなかで触れたためである、などの記述があり、AFPの記事の内容に近い。

■南アフリカのインディペンデント (英インディペンデントとは関係なし):
http://www.iol.co.za/index.php?set_id=1&click_id=3&art_id=nw20070624101835468C300552

ハマスは「解放をブロックしているのはファタハ」と言っているらしい。
"Efforts are being made to torpedo the great achievements of Hamas in restoring calm to the streets of Gaza and this has repercussions for efforts to free the journalist Johnston," Hamas spokesperson Sami Abu Zuhri said in a statement.

"Some people are trying to block this issue despite the fact that we were on the point of resolving it," he said.

...

Abu Zuhri accused unidentified senior officials from the Palestinian Authority headed by president Mahmud Abbas of Fatah of working for the continuation of Johnston's captivity from their base in the West Bank city of Ramallah.

"There have been contacts though special channels from Ramallah with the kidnappers that we have been able to intercept to prevent the release," he said.

この言説にはいわゆる「陰謀論」のかおりを嗅ぎ取ることができるが、ハマスはファタハとがちがちやりながら、解放を確実にするために誘拐犯とがちがちやっているわけで、こういうふうに報じられてもイマイチ何が何やらわからない。

■英インディペンデント:
http://news.independent.co.uk/world/middle_east/article2705535.ece

「連中は、記者を解放されたら自分たちは攻撃されると怖がっているから、記者を解放しようとしないのだ」というハマスのレクチャーを紹介している。後半は、ジョンストン記者とは別件の、イスラエルの兵士の拉致・拘束事件(ハマスが主要プレイヤー)についての話になっている。
The kidnappers of BBC reporter Alan Johnston fear they will be harmed if they release him now that Hamas is in control of Gaza, a senior Hamas official said.

Mahmoud Zahar, a hardline Hamas leader, has been overseeing negotiations with The Army of Islam, which claims to hold the correspondent. Johnston was snatched from a Gaza City street on March 12.

"The kidnappers are afraid, afraid," Zahar said in a lecture at a Gaza mosque.

...

Hamas is still trying to convince the group - believed to have some links to Hamas - that it would not be targeted if Johnston is handed over, even providing "written guarantees," Zahar said. But the group also fears other factions will attack it, he said.

The Army of Islam is dominated by the Doghmush family, a powerful Gaza clan with its own large militia. Although the group participated in a Hamas-backed operation to kidnap Israeli Cpl Gilad Shalit last year, its relations with the militant Muslim group have since soured.

Hamas had vowed last week to use all means to release the Briton. But Zahar's comments indicated Hamas may be taking a softer line toward the kidnappers.

Johnston had reported from Gaza since 2005 and was the only foreign journalist to remain based there after Palestinian infighting erupted last year. There has been a series of kidnappings of foreign journalists in Gaza in the past two years, but Johnston's captivity has been the longest.

Regarding Shalit's capture, Zahar said Hamas is willing to renew negotiations over his release in exchange for an Israeli release of Palestinian prisoners.

Shalit was seized in a cross-border raid by Hamas and two smaller militant groups on June 25 last year. So far, Egyptian mediation attempts to exchange Shalit for Palestinian prisoners have failed.

"If Israel wants to begin at the point where we stopped, there is a possibility to complete the exchange deal," Zahar said.

# インディペンデント記事はたいがいが署名記事だが、この記事には署名がない。かといって通信社配信というわけでもない。

※この記事は

2007年06月25日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 14:04 | Comment(3) | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アップデート。犯行グループが「そちらがこちらの要求通り囚人を解放しないならば、こちらとしては殺すしかない」というステートメントを出していたらしい。

英BBC記者拉致事件、犯行グループから再度脅迫
2007年06月27日 03:55 発信地:ガザ市/パレスチナ自治区
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2245076/1724297

[blockquote]
 武装勢力「Army of Islam」はAFPに電子メールで声明を送り、ヨルダンで囚人となっているイラク人女性Sajida al-Rishawi死刑囚の解放を要求。同死刑囚は、アンマンの3つのホテルで自爆テロを起こし60人の死者を出したとされる。

 その他、ヨルダンで2005年より拘束されているAbu Mohammed Maqdissi容疑者、英国で拘束されているパレスチナ出身のアブ・カタダ(Abu Qatada)容疑者ら2人の解放を要求した。

「われわれの要求は3人の解放で、どのような妥協も許さない。(ジョンストン記者は)1000日捕らわれるか、子羊のように殺されるかのどちらかだ」と同グループは述べる。
[/blockquote]
Posted by nofrills at 2007年06月30日 07:25
事件に関連して、ハマスの治安部隊が犯行グループのメンバーを逮捕したとのこと。BBC記事(下記)が、ハマスと犯行グループとの関係についての説明もしています。

Hamas arrests over BBC reporter
Last Updated: Monday, 2 July 2007, 13:26 GMT 14:26 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/6260970.stm

[blockquote]
Among the arrested was Khattab al-Maqdisi, a spokesman of the Army of Islam group, Hamas said.

"The arrests were carried out after all negotiation attempts... failed to free the abducted journalist," the Hamas-run interior ministry said in a statement.

...

"The arrests are targeting figures who were involved in the abduction of the journalist," the interior ministry statement said.

It said Hamas acted after "the use of peaceful means failed to free" the British reporter.

Earlier, Hamas spokesman Sami Abu Zuhri said Mr Maqdisi was detained after he opened fire on members of Hamas's security forces in Gaza City.

He said Hamas would investigate claims by the Army of Islam - a small armed group - that Mr Maqdisi was injured during the arrest.

Mr Abu Zuhri also accused the clan which allegedly controls the Army of Islam of abducting 10 Hamas students.
[/blockquote]
Posted by nofrills at 2007年07月03日 00:09
4日早朝(GMT)、アラン・ジョンストン記者が無事に解放されました。
http://nofrills.seesaa.net/article/46634551.html
Posted by nofrills at 2007年07月04日 13:52

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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