kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2016年06月10日

サッカーEuro 2016開幕と、ステレオタイプと、banterと。

英語圏で、というか英国圏でよく使われる語に、banterというのがある(たぶん、アメリカではさほど使わないと思うが、アイルランドでは英国と同様に使われているし、オーストラリアもそうだと思う)。辞書を参照するとたぶん「冗談」とか「悪ふざけ」といった語義が並んでいると思うが、そういった端正な語は、少し語感が違うように思う。(どの程度広範に通じるかはわからないが)日本語の俗な表現では「調子ぶっこいてる」とかいう感じが近い。ある意味「自己の限界に挑戦する」ような態度なのだが、トライアスロンのようにストイックな感じではなく、基本が「ウェ〜〜イ」系で、(多くの場合)独身の20代の男性("lad" と称される人々)が(多くの場合意図的に)ハメを外して、自分で手に負えないほど挑発的になったり、とんでもない結果を招きかねないことになるのもいとわずに何かをするが、それでいて「冗談」、「悪ふざけ」にすぎない、というのがbanterである。

そんなふうだから、元より下品だし、抑制はきいていない。やっちゃいけないところで尻を出す(ムーニングする)とか、パーティ用の仮装セットで尼僧になってどんちゃん騒ぎをするとかいうのもあるし、もっと日常的なことなら、「パブでざぶざぶ飲んで、道路脇で酔いつぶれて寝込む」という、20年前はほとんど見られなかったような(←これほんと。いろいろ理由というか今との違いはあるのだけど)ことも、banter(の初歩の初歩)に入るだろう。女性に対する性暴力をはたらいておいて「あれはbanterだ」と開き直るとかいう悪質なのもあるが、からっと笑える「痛快」なbanterももちろんある。ケン・ローチの映画『天使の分け前』での主人公たちの行動は、(フィクションだからという要素も作用しているが)そういう「笑えるbanter」の例と言えるだろう。

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さて、そのbanter, 複数形でbantersとなるが、それをbantzと表記すると、より「ウェ〜〜イ」系というか、lad系の色が濃くなる。

vivlabantz.pngそれを今回のEuro 2016(サッカーの欧州選手権)に際してのキャッチフレーズに使っているのが、賭け屋大手のPaddy Powerである。フランス・サッカーのシンボルである雄鶏とサッカーボールをあしらったロゴで、"Vive la bantz" ("vive le/la 〜" は、フランス語で「〜万歳」を表す)とうたいあげている。

この賭け屋が稼ぎ時(ビッグな国際大会)になるとbantzを広告として展開するのはいつものことだ。前回、2014年のサッカー・ワールドカップのときのこの賭け屋のbantzには私も見事に釣られた。このときは手の込んだ「釣り」をしていたが、今回、Euro 2016は「釣る」とかなんとかじゃなくもっとストレートに「ばかげた大言壮語」をやってる。それもEuroというわりと狭い地域内のことで、昔っから(数百年前から)のつきあいのある相手との間のことだから、ポリティカリー・コレクトであるかどうかは極めて怪しいステレオタイプ・ジョークが全開だ。

Paddy Powerというのは、名前を見れば分かるとおり、アイルランドの企業だ。そして(というか「しかし」というか)、「アイルランドとブリテンの違い」が重要であるときは別として、基本的に、アイルランドは英国の文化圏だし、Paddy Powerが支店網を展開してるのもアイルランドとブリテンだ。(さらに2016年2月には、ロンドンが拠点のBetfairを合併している。)

そして、欧州から見るとブリテンというのは、「やたらとステレオタイプを振り回してbanterを仕掛ける」というステレオタイプがある。下記の映画は、「イギリス人は欧州各国に関するステレオタイプを『笑える』と思ってやたらと振り回す」というステレオタイプをうまく使っていた上に、「イギリス人の男はゲイ」というステレオタイプを上手く絡めてあった(映画の本筋は極めてどうでもよくて、そこだけおもしろかった)。

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その「英国に関するステレオタイプ」がまさにぴったり当てはまっているのが、今回、Euro 2016でのPaddy Powerの宣伝だ。




この「フランス人」の描き方が、実にひどいので、フランス人やフランス好きの方は不快に感じると思う。だが、英国での「フランス人のステレオタイプ」を知ってる人には、爆笑ものだ。私も、かつてイングランドからフランスに海路渡ったときに(ユーロトンネル開通前で、フェリーやホバークラフトで海峡を行き来していた時代)、イングランド側の拠点であるドーヴァーで、「フランス人がストをしているので、ダイヤが乱れています」的に「フランス人がストをしているので」だけをやけに強調した告知ボードを見たことがある。しかも現在、冗談ではなくリアルに、フランスはストが…… (^^;)

そして、Paddy Powerのbantzではもうひとつ、これ。



今回のEuro 2016には、イングランド、ウェールズ、北アイルランドが出場権を獲得し、スコットランドだけお留守番である。「それでしおれてると思ったら大間違いだ」という内容のビデオなのだが、元ネタのあるパロディである(その「元ネタ」自体もパロディなので、もうなんていうのかな、シュークリームの中身がカスタードとホイップとチョコクリームみたいなことになってるんだ)。






ちなみにPaddy Powerの今回の「スコットランド」のビデオは、YouTubeのコメント欄に、「イングランド人の俺が見てもワロタwww」といった発言がいくつかある。ラグビーの6 Nationsのときに同趣旨のCM映像をBBCがお蔵入りにしたことがあるのだが、それはたぶん、過剰反応だろう。

お蔵入りになったラグビーのビデオ。



ともあれ、このスポーツの国別対抗のお祭りが何事もなく、「スポーツの国別対抗のお祭り」として始まり、進行し、終わってくれることを、心から祈っている。

そして、#COYBIG!! (Come On You Boys In Green)



パディ・パワーのステレオタイプ・ジョークにはこんなのもある。




ウェールズのサポが、水仙(ウェールズのシンボル)のシャンプーハットみたいなのを着用しているのは写真・映像で見たことがあるが、イングランドのサポが「紳士」っぽくしてるのは見たことがない。北アイルランドに至ってはレプラコーンにされている。かわいいからいいけど。

※この記事は

2016年06月10日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼