Iconic Banksy image painted over
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/6575345.stm
塗りつぶされたのは、映画『パルプ・フィクション』の一場面をおちょくり風味で描いたもので、トラボルタとサミュエル・L・ジャクソンが、銃の代わりにバナナを構えているもの。
といってもこの「作品」が塗りつぶされたのはこれが初めてではない。
FlickrのBansky groupでのスレッドによると、2005年9月には誰かが「アルカイダ逝ってよし」のグラフィティを上書きしており:

* a CC Attribution-NonCommercial-ShareAlike 2.0 photo by christophe dune
その後も上書き上書きが繰り返され、2006年6月にはトラボルタとジャクソンの2人が「バナナの着ぐるみ」で復活、しかし2006年10月には「形あるものいつかは壊れる」との文言に消されていた。今回塗りつぶされた壁には、誰かがCome Backと書いている。
ロイター記事ではTfLの言い分を次のように紹介している。
"We recognise that there are those who view Banksy's work as legitimate art, but sadly our graffiti removal teams are staffed by professional cleaners not professional art critics," it said in a statement.
「バンクシーのものを正当な芸術作品と見なす向きがあることは重々承知していますが、残念ながら当方の落書き除去部は、プロの落書き除去技術者で構成されており、プロの美術評論家で構成されているものではありません」
つまり、「バンクシーの作品といえば美術市場ではやたらと高値がつけられているが、当方はあのようなものは芸術とは認めていない。いくら積まれようとも落書きは落書きである」というマッチョな宣言である。TfLはどっかのト知事と気が合いそうだな。いや、ト知事はお芸術にはお甘いようなので(ご自身もちょっとした絵をお描きになるはず。若いころは確実に書いていた)あんまり気が合わないのかな。
ともあれ、TfLはtough on graffittiなマッチョイズムを誇示したいようだが、地元の人の反応は「落書き」の除去を歓迎するトーンとはいえないようだ。BBC記事から:
George Thomas, who owns a barber's shop near the site, told the Independent the image was a "real draw" to the area.
"People used to come from all over to see it and photograph it," he said.
"There is no way it could have been mistaken for graffiti. Whoever destroyed it is an idiot."
「作品」があった壁のある建物で(BBC記事では「近くで」とあるが正確にはあの壁の建物の1階が床屋らしい)床屋を経営するジョージ・トマスさんは、インディペンデントの取材に答え、あの絵はこの地域にとって「人を呼ぶ何か」になっていたと語った。「あれを見るためにわざわざやってきては写真を撮っていく人が多くいましたよ。あれが『落書き』ですかね、まったくもう。あれを消すなんて、阿呆のすることです」
いずれにせよ、バンクシーのやっていることは「ゲリラ」活動だ。その目的は、TfLのいうような「社会の崩壊を可視化する」ようなこと(to create an atmosphere of "neglect and social decay)ではない。そこを通る人なら誰でも見ることができる徹底的な「おちょくり」と「諷刺」だ。
というか、TfLはバンクシーの「作品」についてcreate an atmosphere of "neglect and social decayと断じることによって、自分たちがジョン・ラスキンばりのcriticとなっていることに気づかないのだろうか。(^^;) 冗談がわからないのか冗談がきつすぎるのか、さっぱりわからない。>TfL。まあ、権威ってのはそんなもんさ。(遠い目)
私がTfLのそれなりの立場の人なら、ロンドン五輪に向けてバンクシーとタイアップして「ロンドン」のイメージを作ろうとかいう方向でやってみると思うけどね(「タイアップ」ってのもぞっとしないアイディアだけど)、「落書き」と断罪して塗りつぶすのではなく。Banksyはそのくらいオリジナルなことをしているのだから。
インディ記事:
http://news.independent.co.uk/uk/this_britain/article2465950.ece
テレグラフ記事:
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2007/04/20/nbanksy20.xml
This is London記事:
http://www.thisislondon.co.uk/news/article-23393309-details/Why%20Banksy's%20fans%20are%20going%20bananas/article.do
3月26日にはこんな記事も出ていた。
Banksy work stolen piece by piece
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/london/6495727.stm
ブリック・レインの文字だけのBanksy作品@板に書き付けてあるものが持ち去られているという報道。結果として、メッセージが半分以上消えてしまった。毎日そこを通る人は「毎日あれを見てニヤニヤできてたのに、残念」「ここは『バンクシー橋』と呼ばれていたのに」などとコメント。Flickrでのスレはこちら。
Banksyの「作品」の画像、彼のサイトで高解像度で無料ダウンロード可能です。何でも、彼の作品を高解像度で印刷してeBayで高値で売るという行為が横行しているらしい。
http://www.banksy.co.uk/shop/
![]() | Wall and Piece Banksy Century 2006-11 by G-Tools |
![]() | Cut It Out Banksy Weapons Of Mass Disruption 2004-12-14 by G-Tools |
![]() | Banksy Locations and Tours Martin R. Bull Shell Shock Publishing by G-Tools |
追記。AFPさん記事
この記事については、この下のコメントの2つめを参照。



















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Who blacked out Banksy's mural?
By Marie Woolf
Published: 22 April 2007
http://news.independent.co.uk/uk/this_britain/article2472178.ece
[quote]
Transport for London confessed to having covered the mural in thick black paint last week, but after re-interviewing its anti-graffiti teams, it found they were not responsible. It said it suspected someone was "out-Banksying Banksy", and now there is a suspicion that rival artists may have painted over the mural.
[/quote]
つまり、当初「私どもの落書き除去作業チームが消した」といっていたTfLで作業チームに再確認したところ、自分たちはその作業は行なっていないとの話だった。
TfLは自分たちがやってもいないことで「市場で高値がつくBanksyであろうが、落書きは落書きであってアートではない」とかステートメント出してたんですか。呆。
で、TfLでは「真犯人」はバンクシー的手法でバンクシー超えを狙うアーティストなのではないかと考えている。
ひょっとして「賠償」とかいう話になりかけたから逃げたのかとも思ったんですが、no clue。(あの壁画があった建物のオーナーは損害賠償請求できそうな気がする。)
あと別件でレスターのパブの壁にBanksyサイン入りの「作品」があるそうです。
http://www.thisisleicestershire.co.uk/displayNode.jsp?nodeId=132935&command=displayContent&sourceNode=132702&contentPK=17151102&folderPk=77465&pNodeId=132393
http://nofrills.seesaa.net/article/35940029.html
※どうせトラバくださるならこの記事にくださったほうがよかったかも。>トラバ主さん(私はどっちでもいいですけど)
AFPではOld StreetのPulp Fictionの件も「誤って消される」と報じていますね。
http://www.afpbb.com/article/1530482
[quote]
ロンドン市内で20日、世界的なグラフィティ・アーティスト、バンクシー(Banksy)が壁に描いた作品を、ロンドン交通局が誤って塗りつぶしてしまう事件が発生した。
[/quote]
でもAFPさんの同じ記事には
[quote]
デイリー・テレグラフ(The Daily Telegraph)紙によると、ロンドン交通局の落書き対策チームがこの壁画を黒ペンキで塗りつぶしたというのだ。
ロンドン交通局の広報担当者は、「落書き対策チームは、プロの清掃業者で構成されている。彼らはプロの美術評論家ではない」と「間違い」の原因を説明した。
[/quote]
とあり、となると見出しの「誤って」というのは誤りだと思うんですが。
また同じAFPの記事の最後のほうに
[quote]
バンクシーの友人のアーティストは、市役所に対する抗議のメッセージを込めて、塗りつぶされた壁にペンキで「come back(戻ってきて)」と巨大な文字を描いた。
[/quote]
とあるのは、元の記事では
In its place another graffiti artist has paid tribute to Banksy by spraying-on the words "come back".
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2007/04/20/nbanksy20.xml
で、なぜこれが「バンクシーの友人のアーティスト」というふうに変換されてしまうのか、私にはわかりません。(テレグラフの伝えている内容は「別のアーティストがBanksyに賛辞」ということであって、そのアーティストがBanksyの友人だなどとはどこにも書かれていない。)
いずれにせよ、TfLでは「うちらの業者はやってないと言っている」と前言を訂正しているので、事件は迷宮入りかと思われます。