Banksyが有名になる前にブリストルの街のあちこちに残したグラフィティは、市民の投票の結果、ブリストル市当局によって保護されている。しかし今回、グラフィティの除去を請け負った業者が、Banksyの「初期の作品」を、誤って真っ黒に塗りつぶしてしまうという事件が発生した。
Banksy work painted over in error
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/bristol/somerset/6444501.stm
なんでも、この業者が本来除去すべきだったグラフィティは、Banksyの「作品」が描かれていた建物の隣の建物の壁のグラフィティだったとのことである。ブリストル市当局はこの件について正式な調査をするとのこと。
業者が誤って消してしまった「作品」は、上記BBC記事の中ほどの画像の下(Enlarge Imageのボタン)で見られる。(「劇的ビフォーアフター」な写真はMetroのサイトとかThe Sunとかに。)いかにもBanksyらしいステンシルではないからこういうことが起きたのかもしれないが(市は詳しい指示書を渡しているそうであるけれども)、それにしてもアートとして値段がつくようになっている「落書き」は市が保護をして、その隣の「落書き」は市が業者を雇って消しているとは、強烈にばかばかしい。
業者はノーコメント。Banksy本人もノーコメントだそうだが、本人はたぶんひとしきり爆笑していると思う。基本的には「苦笑」で。
インディによると、消されたグラフィティは10年前のものだそうだ。
http://news.independent.co.uk/uk/this_britain/article2355955.ece
Banksyの「作品」の除去をめぐるドタバタは下記記事にも。"Graffiti removal - see it, report it, stop it" と書かれている車が、保護されているBanskyの「作品」に横付けしていたから、住人たちが「ちょっと、それBanksyですけど」と騒ぎになりかけたそうだ。実はストリート・ネームのプレートの交換の作業をする人たちだったらしいが、紛らわしいことすな、という感じではある。
http://www.24dash.com/communities/17581.htm
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/bristol/somerset/6423423.stm
にしても、「落書き除去車――落書きを見たら通報を。ストップ・ザ・落書き」みたいなキャッチコピー。「アート」として認知されているBanksyなら保存するけどほかのは消すって、軽いブラックジョーク。(確かデミアン・ハーストが灰皿にブチこんだゴミの山が本当にゴミとして処分された、という珍事件も以前にあったような気がする。ハーストじゃなくてトレイシー・アミンかもしれないが。)
Banksyの「ゲリラ活動」は、こういう結果を求めてのものではなかったはずだ。というわけで、彼の非暴力の「テロ」活動は、目標達成までまだまだというところか。
個人的には、今回の業者の「誤って」は、どっかの軍隊の「誤って」と違って人間の生命を犠牲にしていない分平和的(ピースフル)だ、というあたりから、Banksyの次回作にひそかに期待したい。
JVC: 「ガザ地区への緊急医療支援」←JVCさんのサイトへリンク
2007年03月14日
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