kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2007年02月28日

「元BNPのテロ計画」はあったのかなかったのか。

昨年秋、イングランド北西部ランカシャーで、BNPの議員候補だったことのある男と歯科医が逮捕・起訴された。逮捕・起訴の根拠となった法律はthe Explosive Substances Act 1883、つまり爆発物法である。

そのときの地方メディアの報道(BBCは報道していなかった)では、警察の捜査で押収された物質(爆発物製造に用いられる化学物質だと思われる)の量は英国で過去最大だとのことだった。また、起訴のときに、検察側は、ジャクソンの家を捜索したところ、ロケット・ランチャーや化学物質や、BNPの書き物や防護服が見つかった、と述べた。

つまり、極右のテロ計画の可能性。それが組織的なものであるにせよ、個人が勝手にやろうとしていたものであるにせよ。(組織的で政治目的でなければ「テロ」とは呼べないかもしれないが。)

この事件、今月に公判が開かれた。

逮捕・起訴されたのは、元BNP議員候補の男(バス運転手をしていたらしい)と、歯科医の男。歯科医はBNP党員ではないが、集会などには参加しており「移民がこの国を悪くしている」説と「政府はヌケサク」説を唱えていた。(報道記事にはそのものズバリの言葉は出てきませんが、「政府が云々」というのはそのものズバリの言葉で語られるべきことだと思います。)

BBCのニュース検索で被告の1人(歯科医ではないほう:バス運転手らしい)の名前を入れて検索すると、現時点で8件の記事がヒットする。

Ex-BNP man 'wanted to shoot PM'
13 Feb 2007
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/lancashire/6357261.stm

Chemical traces in bomb plot home
14 Feb 2007
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/lancashire/6361763.stm

Bomb plot accused 'had targets'
16 Feb 2007
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/lancashire/6369953.stm

Ex-BNP man 'was prepared for war'
19 Feb 2007
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/lancashire/6376955.stm

Bomb plot accused 'sad' over UK
20 Feb 2007
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/lancashire/6379299.stm

この5件のほかは、陪審団についての記事だ――結論を言うと、陪審団は何ら結論を出せなかった。有罪とも無罪とも判断ができなかったというのだ。その理由などは明らかにされないので正確にはわからないが、男が本当に「テロ」(と日本で一般的に呼ばれるような事態)を計画していたのかどうか、陪審団には判断ができなかったということだ。というわけで、事件は再審されることになりそうである。

で、法廷で被告(歯科医ではないほう、つまり元BNP)が述べたことによると、彼は英国が内戦状態に陥ると考え、自衛のために食料や燃料を蓄え、火薬(gunpowder)を作るための化学物質をネットで注文して買い込んだ。その火薬は、家に侵入してくる連中を爆音と閃光で追い払うためのもので、人を殺すためのものではなかった。彼は爆発物の所持については容疑を認めているが、爆発を起こす共謀(conspiracy to cause an explosion <英国では刑法上のもの)については否認した。

もうひとりの被告(歯科医)もまた、両被告が誰かの生命を危うくしそうな爆発を起こす共謀はない、と述べた。また彼は爆発物の所持についても容疑を否認している。

元BNPの被告の妻は、法廷で、夫がクロスボウやら化学物質やらを家に貯めこんでいるとソーシャル・ワーカーに打ち明けたということを語り、また、夫はブレア首相と地域の政治家を撃ちたいと言っていた、とも述べた。

検察側によると、2006年9月28日に警察が踏み込んだ時に発見された物の中には、正しく調合すれば爆発物になる化学物質21種類と、爆発物の作り方を説明した文書(the Anarchy Cookbook;)もあった。このほかエアガンとかベアリング(ネイルボムの中身にもなる)とか、放射能防護服2着とかが発見されている。

(以上、2月13日のBBC記事を元にした。)

法廷で、歯科医は元BNPの考えについて、「確かに過激な考えだ。彼は終末論的世界観を持っていて、本気で、街で血が流されなければわれわれは負けてしまうと考えていた。だからベアリングがあった」と語った。("Yes, they were extreme. He was apocalyptic who really thought that if there was not blood in the streets we were absolutely lost, which is the reason of these ball bearings.")

うーん。ワタシ的には、そろそろついていくのがきつくなってきました。

なお、この元BNPは3度出馬して3度落選している(地方選挙だと思うけど)。「なぜ俺が落選するんだ」で「内戦」に飛躍してしまうというのは・・・厳しくなってきたのでここで打ち止め。



でね、クックブックをDLして化学物質を揃えてベアリングまで用意しておいて、「殺傷の意図はなかった」と言うのがどういう意味なのかはまったくわからないのだけど、もしもこれが「イっちゃった極右」ではなく、「モスク通いに熱心なパキスタン系英国人」だったらこんな規模の報道では済んでいないということは、推測というか推定ではあるのだけど、火を見るより明らかと言っていいと思う。法廷での判断はそれとは別の話であるにせよ。

※この記事は

2007年02月28日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:17 | Comment(2) | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
日本には白人至上主義にあこがれているパンクが大勢いるみたいですね。
Posted by 吉川 at 2007年03月03日 15:27
そもそも「わが民族の優位性」な欧州の人々の音楽事情には私は明るいとはいえないので、そういうのがどういう形で「影響を与えている」のかわかりませんし、どのくらいで「大勢」と言ってよいのかわかりませんが、いますよね。

白人至上主義といえば、現在北アイルランド担当大臣とウェールズ担当大臣を兼任しているピーター・ヘイン(ケニア生まれ)は、Anti Nazi Leagueの創設者のひとりです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Peter_Hain
Posted by nofrills at 2007年03月03日 19:24

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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