kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2006年11月22日

Wee man!という言葉。

Champions League, Celtic - Manchester United ――せっかくのbig matchで、北アイルランドからもサポご一行様がグラスゴウに行く予定だったのに、船がキャンセルされてしまって、北アイルランドのセルティック・サポのみなさんは大変だったそうですが……。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/6169512.stm

というわけで、試合結果をまだ知りたくない人は、この先「ネタバレ」とある行の後は、読まないでおいてください。(サポさんたちのコメントなどから判断するに、全体的には「いやぁ、ほんとに何が起こるかわかりませんねぇ!」という試合内容らしいです。)

ただ、セルティックのサポさんがwee manという言葉を使って喜んでいるのが非常に感慨深いんで、そこだけは詳しくメモ。
weeman.png
※画像クリックでBBC記事に飛びますが、試合結果をまだ知りたくない人はクリックしないでください。

weeという言葉は、この場合pissの意味ではなく、スコットランド英語(スコットランド方言)で次のような意味。
http://dictionary.cambridge.org/define.asp?key=89618&dict=CALD
wee
adjective [before noun] SCOTTISH ENGLISH OR INFORMAL
small; little:
There's a wee cottage inside the grounds.
Would you care for a wee bit more to eat?


つまり、weeというのはスコットランド英語で、"small, little" の意味。単に「小さい」というのではなく、愛着の持てるものや愛着があるもの、愛情を抱けるものについて用いる語。

で、このweeという語、北アイルランドのあれこれを見ていると、圧倒的に、プロテスタント/ユニオニスト/ロイヤリスト側の言語なんですね。それも当然のことで、北アイルランドのプロテスタントは基本的にUlster Scots。だから北アイルランドでは「スコットランド」に関するものは、ユニオニズムの記号として作用している。

しかし同時に、アイルランドからブリテン島に移り住んだ人たちも多く、スコットランドにはアイルランド系のスコットランド人(「〜人」という日本語のタームだとわかりづらくなるのだが)のコミュニティがある。それらのコミュニティとスコットランド系のスコットランド人たちは、時に「統一アイルランド」をめぐって対立し(「アイルランド問題」や「北アイルランド紛争」はこういうかたちで「飛び火」している)、sectarianismをベースとした考え方や行動を見せる。そのsectarianismの最たるものが、グラスゴーの2つのフットボール・チームをめぐる様相、つまり「カトリック」(=アイリッシュ)のセルティックと、「プロテスタント」(=スコティッシュ、ブリティッシュ)のレンジャーズという図式。

http://en.wikipedia.org/wiki/Celtic_F.C.
The term sectarian refers to a group who belongs to a religious and cultural sect, and display contempt, hatred or dislike of all others, not belonging to their sect.

Celtic have had a historic association with the peoples of Ireland. As a consequence, the club and its supporters have been embroiled in issues surrounding sectarianism. At its worst extreme this sectarianism has manifested itself in sectarian violence; the reproduction of cultural prejudices; and a perceived anti-Celtic bias (see History of Celtic F.C.), which some fans believe to be a part of a wider anti-Catholic bias in Scotland (see Irish-Scots).

In the context of Scottish football, sectarianism is beyond the control of any individual football club. It is a much wider issue, rooted in social, cultural, historical and religious circumstances. Nevertheless, both Celtic and Rangers accept that they have a problem with sectarianism. Both Celtic and Rangers admit that a proportion of their supporters have been, and continue to be, guilty of perpetuating sectarian beliefs and cultural intolerance.

Some Celtic fans with Republican sympathies sing IRA songs at games, and some Rangers fans, who are traditionally Loyalist, sing songs such as Billy Boys. ...

グラスゴーのこの「宗派対立」は、“本場”の北アイルランドにも記号として入り込んでいる。詳細は下記の過去記事参照。
http://nofrills.seesaa.net/article/22305830.html

てなわけで、パターン思考にはまったままで"wee" という「スコットランド英語」を見ると、「プロテスタント側の用語だね、レンジャーズでしょ」とかいうふうに思ってしまいかねないのだが、今回、セルティックについてその語が用いられているということは、セルティックもまた、スコットランドの言葉で語られるスコットランドのチームであるということを、はっきり示している。

これはすっごい当たり前のことなんだけど、セルティックの主将、ニール・レノンが北アイルランドの人で(名前からわかるようにアイリッシュだ)、2002年に「南北統一アイルランド代表」ができたらいいなという内容の発言をしたことでプロテスタント側から「殺す」と脅迫されて北アイルランド代表を引退した人で、グラスゴーのセルティック・パークでも対戦チームのサポから数々のいやがらせを受けてきた人だということを思うと、感慨深い。




以下、試合結果「ネタバレ」の記事リンクなど。




Celtic 1-0 Man Utd
http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/football/europe/6160910.stm

これでセルティックはグループF勝ち抜け決定。セルティックの1点は81分、中村俊輔。というわけで、中村が「この試合のシンボル」待遇。まず、上記BBC記事の写真参照。それから、606(スポーツニュース専門)のトップページの写真も中村。
http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/606/default.stm
(→1日もすれば画像が変わると思うんで、22日時点のものの魚拓をどうぞ。)

BBC SportのPhil McNultyの記事:
http://www.bbc.co.uk/dna/606/A17580468

606のこの試合についてのスレ:
http://www.bbc.co.uk/dna/606/A17537754
マンUがよほど調子悪かったようで、マンUサポさんの怒号が鳴り響いているという感じでしょうか。「だからファン・ニステルローイは売るなとあれほど」みたいな。というか、イングランドとスコットランドで「どっちが上」とかいう話になってる面もありそう。何ページかざっと見ただけですが。

セルティックの監督(ゴードン・ストラカン)もマンUの監督(サー・アレックス・ファーガソン)もスコットランド人だから「同郷対決」!……とかいう話になっていたりはしません。たぶん。日本での放送だと実況担当の人が何か言うかしらん。わくわく。(<違)

スコットランドのニュースなのでScotsmanも:
http://sport.scotsman.com/index.cfm?id=1728452006
読者コメントが熱い!(「これでイングランドのメディアの鼻をあかしてやれた」が基本。)

あと、ヒナキさんのところにBBC SPORTのトップページの記念撮影あり。
http://hinakiuk.sakura.ne.jp/blog/2006/11/22_0842.php

なお、セルティックには関係ありませんけどグループG:
Arsenal 3-1 Hamburg
http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/football/europe/6160894.stm
The Gunners now head to Porto in the final Group G game in two weeks knowing a draw will be enough to take them through - but they will have to secure their qualification without their skipper Henry.

原因はbookedでございます。

CLまとめ@BBC:
http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/football/europe/6100418.stm

※この記事は

2006年11月22日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 15:37 | Comment(3) | TrackBack(0) | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご明察。「師弟対決を制したストラッカン」と言われてました。
Posted by ヒナキ at 2006年11月22日 21:02
>ヒナキさん
タレコミどうも〜。「師弟対決」ときましたか。
根本的なところで、「物語」が過剰ですよね。
Posted by nofrills at 2006年11月23日 16:24
いまちょうど、フジテレビでの再放送(地上波アナログ)が始まったんですが、
セルティック・パーク、すげーー。
ベルファストで足止め食らった人たち、かわいそすぎる。

あと実況、選手入場のところで「英国対決」って言ってますね。
フットボールでそう言われると、なんか違和感。。。
個人的なものかな。

【10分くらい後の追記】
を。トニーさんはさすがに
「ファーガソンは元レンジャーズだから」
と的確な薀蓄を垂れてますな。

と思ったら実況の「師弟対決」出たー。
「師弟」だったのはアバディーン時代です。一応ウィキペディア。
http://en.wikipedia.org/wiki/Aberdeen_F.C.#The_Glory_Years_.281980_-_1986.29
Posted by nofrills at 2006年11月24日 01:25

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼