kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2012年03月08日

とあるオンライン・キャンペーン(アメリカの「プログレッシブ」陣営の反知性主義)

【追記】一連の経緯は、BBCの記事がすっきり整理してくれています。
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-17295078



8日早朝、#StopKonyというハッシュタグやKony2012という文字列が、Twitterの画面内で唐突にバイラルしていた。最初、私は(Konyという名前は記憶の彼方でピンとこなかったので)「どうせまた英語圏のティーンエイジャーの女子が、オーディション番組に出ているグループについて騒いでいるのだろう」と思ったのだが、パレスチナ筋でいつもがっつりしたことを書いている姐さんがびしっとクギを刺している。どうやらタレントの話ではなさそうだと少し見てみた。すると……その過程はTwitterに放り込んである(Twilogでも見られる)。最初の部分。



要するに、"Kony2012" というのは、"ウガンダのLRA" (久しぶりに聞くな、この名前)について、「コーニーはヒットラーだ」、「その蛮行(特に子供兵士を大量に使っていること)を止めなければならない」というキャンペーン(#StopKony) で、そのキャンペーンを行っているのはInvisible ChildrenというNGOである、ということ。彼らの作ったビデオのURLが何度も何度も、多くの人によってポストされている、ということ。
The maker of the video, Invisible Children co-founder Jason Russell, has grand ambitions for the campaign. He insists that the power of celebrity endorsements and youth awareness – including the distribution of thousands of posters, stickers, bracelets and “action kits” to young Americans – can lead to the arrest of the LRA leader by the end of this year.

“If we succeed, we change the course of human history,” he proclaims in the video. “We are going to make Joseph Kony a household name. We are making Kony world news.”

He succeeded in that.
http://www.theglobeandmail.com/news/world/invisible-children-in-the-spotlight/article2362416/singlepage/


しかしこのInvisible ChildrenというNGOはきわめて胡散臭い、という指摘がTwitterには相次いでいた。そういった指摘を見てみると、いずれも妥当なものであると私には判断された。それが下記。




で、今日の夕方、ガーディアンを見てみたら、ページ真ん中のカラム(写真が並んでいるところ)に、「Kony 2012というのがウェブでバイラルしたが、それによってキャンペーンをやってる組織についての疑問が噴出した」という主旨のリード文を伴った記事が出ていた。

それを見て、私は何もひっかかりを感じなかった。「だよねー」としか言いようがない。記事を見ることすらしなかった。

それで終わるだろうと思っていた。しかし、夜11時ごろにガーディアンを見てみると:



( ゚д゚) ・・・
 
(つд⊂)ゴシゴシ
 
(;゚д゚) ・・・


このキャプチャの、London Mayor云々のカラムに、「Kony 2012というのがウェブでバイラルしたが、それによってキャンペーンをやってる組織についての疑問が噴出した」という主旨のリード文を伴った記事があったんですよ、夕方は。

それが消えて、「Kony 2012のキャンペーンが大きな関心を集めている」という見出しで、でっかい記事扱い? よく見れば「嫌疑を示している記事」があることがわかるけれども、メインの記事はそうじゃない。「キャンペーン大成功」の記事だ。

昨日の「Twitterのハイジャック」とも言えるほどのバイラルっぷりといい、どんだけ何が動いてるんだろう。

ウガンダについて、昨年の米軍の支援決定のときの「まとめ」(米国内の専門家のツイート。かなり勉強になりました)。
http://storify.com/nofrills/the-us-sends-military-advisors-to-uganda-to-go-aft



追記:9日午前3時ごろ、ガーディアンがますますアレなことに……今日はTwitter見てないんだけど、何がおきてるんだろ。

メインの記事はこれ。「ウガンダが特に専門というわけではない記者」によるライヴ・ブログの形式で、次から次へと入ってくる情報を整理して見せてくれる。これは見ごたえはある。
http://www.guardian.co.uk/politics/reality-check-with-polly-curtis/2012/mar/08/kony-2012-what-s-the-story



Children's viewなるページがあるが、「ティーンエイジャーがビデオを見てどう思うか」なんてことにニュースバリューはないんだけど。検討されるべきは、ビデオで語られていることが事実かどうか、またその語り方(ナラティヴ)が目的(紛争解決)に妥当なものであるかどうかだ(それが一番大きな写真のところで記事=少し上で短く説明した「ライヴ・ブログ」の形式の記事になっている)。

むろん、LRAの行為の最大の問題点である「子供兵士」について、同世代の意見を聞くという記事は重要なのだとしても、今回のこのキャンペーンに乗っけてそれをやるか?

ちょっと大袈裟なたとえだけど、例の偽ブログ、「ゲイ・ガール・イン・ダマスカス」について真相を暴露しながら、「"彼女" のブログに書かれていたシリアの同性愛者の置かれている状況について、英国で意見を聞いてみました」という特集記事を立てるみたいなことになってないか? つまり、アウェアネス(関心を持つこと)に貢献していさえすれば、根本的にflawedなものでも構わない、ということなのか?(「ゲイ・ガール・イン・ダマスカス」のときにガーディアンに対する批判で最も多かったのは、そういうおざなりな、「結果がよければいいんじゃない」的な態度だったはずだが。)

……って書いてるうちに、うげ。これマジで気持ち悪い。「子供の意見を聞いてみました」が一番大きな扱いになっている。





LRAのジョウゼフ・コニーは、ICCに起訴されている。
http://en.wikipedia.org/wiki/Joseph_Kony#Indictment

で、これらのアメリカ人(Invisible Children)の今回のTwitterでのキャンペーンは、ICCに起訴されているということは重視していない(重視しているのは「逮捕すること」だ。どういう法的根拠で「逮捕する」のかは重視されていない)。ツイートしているアメリカ人は、自国政府に対して、ICCに関するプレッシャーをかけているわけではない。そういう方向付けのされたツイートは、あんだけバイラルしている中で、まったく見なかった(といっても私が見たのは200程度だが……一番多かったのが「ジョウゼフ・コニーはアドルフ・ヒトラーだ」云々の定型文と「このビデオは必見」っていうメッセージでそれが体感で7割くらい、次が「このビデオはひどい」、「このNGOは信用するな」系)。30分もあるビデオの中で「ICCに送れ」という主張がされているにしても、Twitterで「今まで知らなかった」的なことを言ってる一般の人たちで何人が、「ICC」という存在を意識しただろう。自国がその「ICC」に対してどうふるまっているか、考えただろう。

……ああ、そこわかってないみたい、このNGOの人(バイラルしている30分のビデオの制作者)。LRAのコニーだけではなく、例えばスーダンの大統領はなぜICCに送られてないのかとか、少しでも考えればいいのに(あるいはスーダンのことを知らないという可能性もある):
http://globalvoicesonline.org/2012/03/08/uganda-can-a-viral-video-really-stopkony/
Russell directs viewers to “go after” celebrities and policymakers to help spread awareness and encourage the United States government to ensure Kony's arrest in 2012. Viewers are asked to purchase an “action kit” containing bracelets and posters and to “Cover the Night” on April 20 by hanging these posters up in their communities. Russell warns:
In order for Kony to be arrested this year, the Ugandan military has to find him. In order to find him, they need the technology and training to track him in the vast jungle. That's where the American advisors come in. But in order for American advisors to be there, the US government has to deploy them. They've done that, but if the government doesn't believe that the people care about arresting Kony, the mission will be canceled. In order for the people to care, they have to know. And they will only know if Kony's name is everywhere.

※ここにあるように、結局は「うちのアクションキットを買ってください。ストップ・コニー!」ていう活動みたいです。何年も前の現地映像を使って、それが「今」であるかのように演出して感情をあおり……反知性主義ここにきわまれり。

「その映像、何年も前のものですよ」ということを知らされて「それがどうした」って開き直ってる人もいる。





うわ、すげーっすな、これ。シングル・イッシュー(Stop Kony)のNGOでウィキペディアの英語版にえらく長く詳細なエントリがあって、ソースがほとんど全部「ワシがそう言った」。



東大にもぐりこんでたトルコ人の偽宇宙飛行士(名前忘れた)みたい。。。全部、「ただしソースは俺」。

ウィキペディアのノート:
http://en.wikipedia.org/wiki/Talk:Invisible_Children_Inc



ガーディアンが、Action Aidのウガンダのディレクター、Arthur Larokさんと話をしている。空港にいるところを電話でインタビューしたそうで、ラロックさんは問題のヴィデオを見ていない状態だが、内容の説明は受けている。その上で彼はこう反応している。
http://www.guardian.co.uk/politics/reality-check-with-polly-curtis/2012/mar/08/kony-2012-what-s-the-story#block-4
Six or 10 years ago, this would have been a really effective campaign strategy to get international campaigning. But today, years after Kony has moved away from Uganda, I think campaigning that appeals to these emotions … I'm not sure that's effective for now. The circumstances in the north have changed.
(大意:6年か10年前だったら効果的なやり方だったかもしれないが、既にコーニーがウガンダから出て行っている現在では、感情に訴えるキャンペーンでは実効性はないと思う。ウガンダ北部の状況は変化している。)

Many NGOs and the government, especially local government in the north, are about rebuilding and securing lives for children, in education, sanitation, health and livelihoods. International campaigning that doesn't support this agenda is not so useful at this point. We have moved beyond that.
(大意:北部では、多くのNGOや行政、特に地方自治体が、子供たちの生活再建に取り組んでいる。教育、衛生などの分野だ。この点についてスルーするような国際キャンペーンは、今の時点では、あまり意味がない。)

There are conflicts in the north – several small conflicts over natural resources. Land is the major issue: after many years of displacement, there is quite a bit of land-related conflict.
(大意:北部では紛争は確かにある。天然資源をめぐる小さな争いがいくつかある。土地については、けっこう大きな問題となっている。)

But many organisations and governments are focusing on this. We need to secure social stability, health and education. These are the priorities. This is what we're trying to focus on. Poverty is high compared to the rest of the country. That's the practical issue that needs to be addressed.
(大意:しかし、NGOや行政が本腰を入れている優先事項は、社会の安定、保健、教育についての取り組みだ。北部では貧困の問題が深刻で、それに注目することが必要だ。)

I don't think this is the best way. It might be an appeal that makes sense in America. But there are more fundamental challenges. ...
(大意:Invisible Childrenのやり方がベストとは思わない。アメリカでは、まあ意味はあるのかもしれないが、こちらにはもっと重要な課題がある。)


そして、アメリカの「進歩派」のサイト、Think Progressにこんな一文が。(私このサイト、ものっすごい嫌いなので、必要以上にharshかもしれません。)
http://thinkprogress.org/security/2012/03/08/440851/defense-kony-invisible-children/
To be clear, factual ambiguity, exaggeration or oversimplification is an unacceptable practice. It doesn't help the cause and in some cases can actually cause harm to those we're trying to help as advocates are ill-informed and/or confused.
(大意:念のためはっきり書いておくと、事実関係がおかしかったり、誇張されていたり、過度に単純化されていたりするのはやっちゃダメなことだ。……以下退屈なので日本語化は割愛……)

Nonetheless, over the last few years we've seen a number of self-declared policy experts eager to attack advocacy efforts of any stripe whether it relates to Sudan, the LRA, or any other pressing international issue. The idea that Americans can only speak out if they have 20 years of experience on the ground is as silly as it is undemocratic. Citizens have every right to express concerns about a tragedy far from our shores while expecting that appropriate expertise will be brought to bear by their elected officials.
(大意:それでも、この数年の間、スーダンやLRAや、あるいは他の差し迫った国際=外国の問題についてのアドヴォカシー活動に対しては、何かちょっと動きがあろうものなら専門家気取りの連中がこぞってたたきに来るということが多くあった。アメリカ人は、現地で20年の経験がない限りは、意見してはならないなどという考えは、ばかばかしいものだし、非民主的だ。市民には遠く離れた外国のことでも、懸念を覚えたらそれを表明する権利がある。)

Invisible Children have never been cut from the traditional Washington cloth − their advocacy is designed to appeal to young Americans. ...
(大意:インヴィジブル・チルドレンはワシントンの伝統から成り立った組織ではない。彼らのアドボカシーは、若いアメリカ人の関心を買うように意図されている。……

というわけで、ああこれはアメリカ人が「何かをした気になる」というニーズを満たすからこそ、バイラルしているんだな、ということで納得。

この「今まで知らなかったことに "気づき" を与えてくれてありがとう」的な、ある意味ニューエイジがかった(「良いことをみんなで考えれば世界は良くなる」的な思想が根本にある)ゆるふわTrutherみたいなの(「なぜメディアは報じないのか」が根底にある)が、こういう「一般」の世界に出てきたのは、2011年のOccupy以降のことかもしれない。

その他、いくつか必読の記事:
-Invisible Childrenに対する、ウガンダの人たちの反論:
http://globalvoicesonline.org/2012/03/08/uganda-can-a-viral-video-really-stopkony/
どこか少しだけ抜き書きするということができない(どれも重要なので)。全文をぜひ。

紹介されているウガンダのジャーナリストのビデオ・メッセージ:

「ICのヴィデオの最初の5分は、何の話なのかわかりませんでした」というのは、やっぱりそうですよね、としか言いようがない。それから「こんなことをだらだらと続けさせている連中には何もできないに違いない」という植民地主義の上から目線についての指摘は、聞いていて悔しくなる。(北アイルランドについても「だからアイルランド人は」と言われていたし、イラクとかパレスチナについても「民族性」で片付けようとする意見は非常に多かった。「2011年エジプト」での「武装した治安当局に、単身で丸腰で向かい合う人」のような写真ががんがん配信された後では、しばらくは「連中には何もできないので我々が行かねば」というアメリカ人の頭のアレな主張は見られなかったが、自分たちでNo foreign interventionと言っていたのに次の週にはNFZ pleaseと言い出したリビアがあり……という感じ。)

-Global Voicesで紹介されている人の1人(ウガンダのNGOの人)の声(カンボジアの戦犯裁判での「今さらほじくりかえすな」論のようになりかねないけれども):


彼(TMS Ruge)のブログ:
http://projectdiaspora.org/2012/03/08/respect-my-agency-2012/
... “Raising awareness” (as vapid an exercise as it is) on the level that IC does, costs money. Loads and loads of money. Someone has to pay for the executive staff, fancy offices, and well, that 30-minute grand-savior, self-crowning exercise in ego stroking−in HD−wasn’t free. In all this kerfuffle, I am afraid everyone is missing the true aim of IC’s brilliant marketing strategy. They are not selling justice, democracy, or restoration of anyone’s dignity. This is a self-aware machine that must continually find a reason to be relevant. They are, in actuality, selling themselves as the issue, as the subject, as the panacea for everything that ails me as the agency-devoid African. All I have to do is show up in my broken English, look pathetic and wanting. You, my dear social media savvy click-activist, will shed a tear, exhaust Facebook’s like button, mobilize your cadre of equally ill-uninformed netizens to throw money at the problem....


-ウガンダで支援活動をしていたことのあるアメリカ人のブログ(とても読みやすいし、内容もよい):
http://teabagsinfusion.blogspot.com/2012/03/why-i-dont-support-invisible-children.html
自身で現地のInvisible Childrenの事務所を見たときの体験談(酷評のバイアスがかかっているにしても、現場がかなりひどい)、ウェブ上の意見の紹介(ここにもリンクしているような)、自身がビデオを見たあとの分析(「我々が行って決着をつけてやる」という救いがたい精神性の指摘など)、ビデオのつっこみどころ、以上4点がまとめられている。

-非常にまっとうな、事実の説明とICのこの活動への批判 By Joshua Keating:
http://blog.foreignpolicy.com/posts/2012/03/07/guest_post_joseph_kony_is_not_in_uganda_and_other_complicated_things
... let's get two things straight: 1) Joseph Kony is not in Uganda and hasn't been for 6 years; 2) the LRA now numbers at most in the hundreds, and while it is still causing immense suffering, it is unclear how millions of well-meaning but misinformed people are going to help deal with the more complicated reality.

First, the facts. Following a successful campaign by the Ugandan military and failed peace talks in 2006, the LRA was pushed out of Uganda and has been operating in extremely remote areas of the DRC, South Sudan, and the Central African Republic -- where Kony himself is believed to be now. The Ugandan military has been pursuing the LRA since then but had little success (and several big screw-ups). In October last year, President Obama authorized the deployment of 100 U.S. Army advisors to help the Ugandan military track down Kony, with no results disclosed to date.

Additionally, the LRA (thankfully!) does not have 30,000 mindless child soldiers. This grim figure, cited by Invisible Children in the film (and by others) refers to the total number of kids abducted by the LRA over nearly 30 years. Eerily, it is also the same number estimated for the total killed in the more than 20 years of conflict in Northern Uganda.

つまり、問題のビデオでいわれている状況は何年も前のものである(しかもその状況はそれまで20年以上も続いていた)ということと、ビデオで提示されている子供兵士の人数は、そのときだけのものではなく、20年以上にわたる紛争での合計数であるということが、地域情勢やアメリカの絡みも含めて、指摘されている。

Award-winning Ugandan journalist Angelo Izama is among those not thrilled:
http://thisisafrica.wordpress.com/2012/03/07/acholi-street-stop-kony2012-invisible-childrens-campaign-of-infamy/
"To call the campaign a misrepresentation is an understatement. ...its portrayal of [Kony's] alleged crimes in Northern Uganda are from a bygone era. At the height of the war between especially 1999 and 2004, large hordes of children took refuge on the streets of Gulu town to escape the horrors of abduction and brutal conscription to the ranks of the LRA. Today most of these children are semi-adults. Many are still on the streets unemployed. Gulu has the highest numbers of child prostitutes in Uganda. It also has one of the highest rates of HIV/AIDS and Hepatitis.

If six years ago children in Uganda would have feared the hell of being part of the LRA, a well documented reality already, today the real invisible children are those suffering from "Nodding Disease". Over 4000 children are victims of this incurable debilitating condition. It's a neurological disease that has baffled world scientists and attacks mainly children from the most war affected districts of Kitgum, Pader and Gulu."

つまり、「今はウガンダ北部では、LRAのことなど心配していない。問題は失業と治療法のない病気だ」という指摘がウガンダの人からなされている、と。

こういうのがあっても、(既にウガンダ北部を離れている)LRAのことについて「意識を高めた」といって喜んでいるのが、このインヴィジブル・チルドレンというNGOを(積極的にであれ消極的にであれ)支持している人々の言い分。いったん支持して人にも薦めちゃったから、ひっこみつかなくなって、「支持」したことの弁解をしていると思われるケースもあるのだが(「だってこの騒ぎがなかったらみんなウガンダなんて知らなかったでしょう?」というような)。

さっきの女性ジャーナリストのビデオのコメント欄に、こんなのがあった。(太字強調は引用者)
http://youtu.be/KLVY5jBnD-E
It was not just an effort to stop only Joseph Kony. Of course he is the main person because the only way you are going to take down a power is to get the leader.. and it does not only lay with Americans to help the Ugandan people that’s not what he was saying! He was trying to encourage Americans to get involved and motivate them to take advantage of our democracy so our leaders will take action. Also the video was meant to "simplify" Kony so it could appeal to everyone!!

aaaahhh09

「アメリカの指導者たちが行動を起こすよう、アメリカの民主主義を活用するようにとアメリカ人にハッパをかけたい」のなら、ウガンダをダシにせず、自国内のことでやれよ、と。挙句、「過度な単純化」を「単純化」と言いかえて、「みんなにわかりやすくするためだ」と正当化。(ほんとに子供ならまだしも、ティーンエイジャーと呼ばれる年齢になっても Who is the bad guy? まで単純化されないとわからないのだとしたら、非常に問題だ。といってもあの国はそういう奴が8年間も大統領だったわけで……。)

そんなこんなで、このキャンペーンから思い出すのはこれですね。
http://www.webhistory.jpn.org/archives/52
最初に「ホワイトバンド」なるものの説明から。これは日本独自のものではなく、世界各地で貧困をなくすべきキャンペーンとして、「お金ではなく、あなたの声をください。その声をあらわすホワイトバンドを身につけてください。」という共通テーマに基づき行われていた運動です。その運動が日本に来た、ということです。

これは日本ではまた独自のというかおかしな展開をしたけど(ほとんど-phobiaで語りたくなるような「NGO嫌い」がベースにあるので)、Make Poverty History運動の発祥の地の英国でもサミットが「終わった」らそれきりなような……。Make Poverty Historyでも「アクセサリーを身につけても意味ない」という批判があり、それに対し「関心を抱くだけでも」という反応があり……。ただ、そこで問題意識を抱いた人たちが、米国のOccupyに触発されてOccupy LSX(先日排除された)などをしていた、という可能性もかなり高いけれども。

上記のほかの記事は、Twitter&はてブに。他の話題も混ざっているので適宜検索してください。
http://twilog.org/nofrills/date-120308/asc
http://twilog.org/nofrills/date-120309/asc



GVのジリアンがすごく重要なことを言っている。太字強調は引用者による。
http://www.theglobeandmail.com/news/world/invisible-children-in-the-spotlight/article2362416/singlepage/
Jillian York, a director at the Electronic Frontier Foundation, argues social media campaigns engineered by activist groups have agendas that aren't always apparent to those that are quick to click.

"A lot of this kind of activism reminds me of some of the tactics used by the Syrian opposition activists where there is sometimes a manipulation of facts and an exaggeration of scale, and questionable numbers." Ms. York says. "The intention are good, but ... when you don't have a lot of objective or investigative reporting, these really slick campaigns become the reporting." she said.

Syria and Congo are both difficult places for journalists to access, she points out.

「手際の良いキャンペーンが報道になりかわってしまう」のは、現在進行形のシリアは別とすれば、一番近いところではリビアがあった(「外国人傭兵は1人殺すごとにいくらと支払いを受けている」、「カダフィの軍勢はバイアグラを支給されており、それを服用して集団レイプをおこなっている」など。結局何が何だったのかよくわからない「レイプ被害者の米国への亡命」もあった)。もう少し前では、2009年のイランだ。これも現地にメディアが入れていなかった。

(現地にメディアが入れていなければ必ずそうなるかというと、そうではないが。)

※この記事は

2012年03月08日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:43 | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼