kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2006年09月18日

無料翻訳比較〜2006年9月版(2)

先日(13日)の記事では、パラグラフまる1個をサンプルとしたため、同じ翻訳エンジンでもセンテンスごとによかったり悪かったりで、「どのエンジンがいいです」ということが言えない結果となった。記事自体もそれぞれの翻訳エンジンの特徴みたいなのがわかる人にはわかるという程度にしかまとめられていない。

というわけでパート2。例によってはてなダイアリとのダブルポスト。

サンプル文:
http://media.guardian.co.uk/site/story/0,,1874584,00.html
Barbara Bodine, the US ambassador to Yemen, said claims she blocked a FBI investigation into the al-Qaida attack on the USS Cole in 2000 were "false".

この文で最も重要なのは、「バーバラ・ボーディンは言った」+「主張(claims)は『誤り』であると」という構造(上記の太字部分)。そして「主張」に〈同格〉のthat節が、thatが省略されたかたちでくっついているという構造。(文の構造の分析については、はてなダイアリでのメモ参照。ある程度詳しく書いてあります。)

というように、文構造はそんなに複雑でもないが、単純でもないというこの文を、例によってCross Translationさんで串刺し翻訳。

【Yahoo】
バーバラボディーン(米国イエメン大使)は、彼女が2000年にUSSコールへのアルカイダ攻撃のFBI調査を妨害したという主張が「間違っている」と言いました。

「Yahoo!翻訳」Cross Languageの翻訳エンジン)は文構造の把握に強いという特徴があるが(ただし前置詞句の連続には弱い)、語の単位で見れば名詞かもしれないし動詞かもしれないという語がいくつかあって、しかも〈同格〉のthatが省略されていることでいかにも構造がとりづらそうなこの例文でも完璧だ。訳語もまったく問題なし(助詞を工夫すればもっとわかりやすい文になるという余地はあるが)。the al-Qaida attack on the USS Cole in 2000の部分がshe blocked a FBI investigation ... in 2000として訳出されている点は、人間が翻訳するときにもコールへの爆弾攻撃について調べ、クリントン政権の任期を調べ……というように進めるので(しかもそれらを調べても、「2000年に捜査を妨害した」とするか「2000年の攻撃についての捜査を妨害した」とするかは微妙。攻撃も捜査もどちらも2000年に行なわれているので)、これ以上を自動翻訳に望むことはできない。

【Excite】 
バーバラBodine(イエメンの米国大使)は、彼女が2000年に米駆逐艦コールへのアルカイダ攻撃にFBIの調査を妨げたというクレームが「誤っている」と言いました。

「Excite翻訳」(翻訳エンジンはBizLingo)も文構造の把握に強いという特徴があり、〈同格〉のthatが省略されているといういかにもめんどくさそうなこの例文でも、全体の構造の把握はまったく問題がない。ただし日本語の助詞の選択がイマイチなので、Yahoo!ほどの精度が感じられない。この例文では「アルカイダ攻撃にFBIの調査を妨げた」の「に」は(原文ではinto)、「の」でなければ日本語として意味がわからない。claimsを「クレーム」という日本語として吐き出すのもあまりよくない。

【livedoor】 
バーバラBodine(イエメン駐在の米国の大使)は、彼女がFBIの調査を阻��セクレームと言いました、2000年のUSSコールに対するal-Qaida攻撃「誤りだった。」

「livedoor翻訳」(翻訳エンジンはAmikai)は、2000年ごろの自動翻訳を今もなおかたくなに守り続けるこだわりを見せてくれる。ところで「阻��セ」の文字化けは何でしょうか。(私はWin XPにFirefoxですが、IEなら化けないとかもあるみたいだからよくわかりません。)

【fresh-EYE】 
バーバラBodine(イエメン駐在の米国の大使)は、彼女がFBIの調査を阻んだクレームと言いました、2000年のUSSコールに対するal-Qaida攻撃「誤りだった。」

「fresh-EYE翻訳」(翻訳エンジンはThe翻訳)は、いつもAmikaiの(つまりlivedoor翻訳)と同じような結果を返してくれるのだが、やはりこだわりの翻訳と言えるだろう。

【Applied Language】 
彼女が2000のUSS ColeのAlQaidaの攻撃にfbiの調査を妨げた要求が「偽」だったことを、バーバラBodineはイエメンへの米国の大使言った。

Applied Languageは、実は文構造の把握はかなりがんばっているということは今回よくわかった。「バーバラは言った」と「要求[ママ]は『偽』だった」の構造は取れている。ただしclaimsの同格節はボロボロである。

【Dictionary.com】
、バーバラBodine はイエメンへの米国の大使彼女が2000 のUSS Cole のAl Qaida の攻撃にFBI の調査を妨げた言われた要求"偽" だった。

Dictionary.comは、単に英英辞典としての機能を使うだけにすべきだ。文頭の「、」がナゾで楽しいけど。

【MAGICAL GATE】
バーバラBodine、イエメン駐在のUS大使、彼女が米国艦船菜に対するアルカイダ攻撃へFBI調査を妨害したという主張が2000年に「間違っていた」と言いました。

どうしたんだ、MAGICAL GATE! 「バーバラが言った」+「主張が『間違っていた』と」の構造と、「〜という主張」の把握はまったく問題ないのに・・・。なお「菜」はcole(アブラナ科の植物のこと)を日本語にしたもの。どうも「訳しすぎ」の傾向があるのかもしれない。Nat King Coleを翻訳させたらおもしろいことになるかも。(さすがにこれは固有名登録されていると思いますが。)

【ブラザー TransLand】
イエメンへの合衆国大使【Barbara Bodine、言われた要求】【2000年のUSS Coleへのal-Qaidaの攻撃にFBI調査があった】彼女はふさがれました。「間違っています」

「ブラザーTransland」はたいてい「を!」と思わせる結果を返してくれるのだが、今回は何が問題なのか・・・これは処理途中でしょう。たぶん〈同格〉のthatの省略が響いているような気がするので、それを原文に補って再度翻訳させてみたが、
イエメンへの合衆国大使、Barbara Bodine要求言われた彼女FBI調査al-QaidaUSS Cole2000年はありました。「間違っています」

と「1対1の訳語のあてはめ」だけになるので、何か処理できない要素があるのだろうとしかいえない。


ついでなので、Cross Translationさんに入っていない「訳してねっと」さんでも翻訳してみよう。
http://www.yakushite.net/
バーバラBodine、合衆国駐イエメン大使は彼女が2000年米駆逐艦コールでアルカイダ攻撃のFBI調査をブロックしたという主張が「誤りだった」と言いました。

「バーバラが言った」+「主張が『誤りだった』」の構造の把握はできているし、「〜という主張」も把握できているけれど、日本語の助詞がめちゃくちゃなので(「米駆逐艦コールで」の「で」、「アルカイダ攻撃のFBI調査」の「の」)、結果としてはまったく不十分だ。

なお、私の人力翻訳(文構造の解説につけてあるものなので、ものすごく直訳)は:
駐イエメン大使のバーバラ・ボーディンは、2000年の駆逐艦コールへのアルカーイダの攻撃についてのFBIの捜査を彼女(=ボーディン)が妨害したという主張は、「誤ったもの」であると述べた。


なお、サンプル文を含む元記事
http://media.guardian.co.uk/site/story/0,,1874584,00.html
は、9-11から5周年の今年9月10日と11日に米ABCテレビで放映されたドキュドラマ、The Path to 9/11についての民主党側の反応などを伝えるもの。このドキュドラマ、要約すれば「9-11の責任はクリントン政権にあり」という内容で、したがって「ブッシュ政権は悪くない」というプロパガンダであるという反応があちこちから上がっているようです。ABCでも当初は「the 9/11 Commission Reportに基づいて」と説明していたのが、「ドキュメンタリーではなくドラマ化したもの」という説明に変わったとのことで。

制作チームが保守派とのことで、共和党が組織的に関わっていなかったとしても、共和党支持の考えの人たちが11月の中間選挙を見越して制作したものであることは確実であろうと思います。

バックグラウンドのひとつとしては、例の「9-11は共和党政権の陰謀」という説(→参考:「ほぼ日」の鈴木すずきちさんの連載の2006年9月分)に傾く人たちが最近やたらと増えてきていることがあると私は思います。で、陰謀論を否定したいんなら、例えば「あのビルの崩れ方は爆薬だ」という主張に対し、それがいかに非現実的であるかをデータを挙げるなどして反証するなどすべきなのではと思うんですが、ABCという大メディアがそういう方向ではなく「みなさん、9-11は民主党が悪いんですよ」とアナウンスするような番組を5周年のその日に放映するという選択をしたことは、笑えないギャグだと思います。

しかしこの番組が放映されたそのとき、多くの視聴者はアメフトの試合を見ることを選択したとのことで、それは笑える現実だと思います。

※この記事は

2006年09月18日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 12:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 英語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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