kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2010年12月19日

続き:ジュリアン・アサンジは男として最低である(たぶん)。その場合も、ウィキリークスの仕事の意味は変わらない。そして、WLを守ろうとして「セカンドレイプ」を発生させてはならない。

前記事:
2010年12月19日 ジュリアン・アサンジは男として最低である(たぶん)。その場合も、ウィキリークスの仕事の意味は変わらない。そして、WLを守ろうとして「セカンドレイプ」を発生させてはならない。
http://nofrills.seesaa.net/article/174138118.html

↑この記事が長くなったので続きはページを改める。




……そしてその晩、「女性2人がアサンジを訴えた」ことが、スウェーデンのタブロイド、Expressenにリークされた、と。

21日(土曜日)の朝までには、取材陣がアサンジに問い合わせを行なっており、Twitterのwikileaksのアカウントでアサンジは次のように述べた。(@wikileaksは、何人かが運営しているアカウントのようだが、ガーディアン記事によると投稿者はアサンジ本人だそうだ。)



この時点で既にアサンジは怒り狂っていたようで、最初にリーク情報を掲載したのとは別のスウェーデンのタブロイド、Aftonbladetが「あなたを訴えている2人の女性と寝たのか」と質問したときに返ってきた答えが、法的には申し分のないもの……つまり「(スウェーデンの法律で性犯罪については匿名化されるので)私を訴えているのが誰なのかわからない」だったのだが、それで話は終わっていなかった。アサンジは「私たちには既に警告があった。例えばペンタゴンが私たちをダメにするために汚い手を使うことを検討していると」という持論を展開している。

「背後にペンタゴンが」というこの陰謀論は、陰謀論の域を出ていない。ただ、WLの今年の三大暴露(イラク戦争で民間人を殺している光景を撮影していた軍の映像「コラテラル・マーダー」、アフガニスタン戦争での機密文書「アフガン戦争ログ」、イラク戦争での機密文書「イラク戦争ログ」……文書はいずれも、機密度は最高ランクではない。例えばファルージャは入っていない)が、ペンタゴンを敵に回すものである以上、ペンタゴンを警戒しておくのは当たり前のことで、根拠のない妄想とはいえない。

それにしても、自分が寝た女について「匿名化されちゃうと誰かわかりません」と述べる冷静さを持っている人が、それと抱き合わせるように「米国の手先にやられた」という陰謀論を展開しているあたり、胃もたれしますね。寝た相手のことはある程度は把握しているだろうし(仲間内で食事行ったりしてるんだから)、そんなところにまで「敵のスパイに入り込まれている」とか本気で思ってるとしたら、WLなどという大きな仕事の指揮を取らせておくのはどうかという……。

ともあれ。

アサンジのスウェーデンの弁護士は、Miss Wのテキストメッセージ(ガーディアンはそれは見ていない)には、(最初にこの件をスクープした)Expressenというタブロイドに連絡を取ろうとしていたことが示されている、としている。Miss Wが「友人」に、その話ならタブロイドに売れんじゃね?と言われたらしい。しかしこの「友人」は、警察の調書ではもっとイノセントな感じらしい。つまり、Miss WとMiss Aが警察に届けを出した数日後にメッセージをやり取りしたが、それは外国の新聞から取材を受けたあとで、冗談を意図していたのだ、と。

ガーディアンがそのメッセージを見たという担保がないところで判断するのは危険だが、疑えるのはそこだろう。一般論として、あるスターが女好きのヤリチンで、グルーピーみたいなのが群がってくる状態なら、グルーピーをそそのかしてタブロイド(日本なら週刊誌)がスクープをゲット、みたいなことは普通にある。下品だが、よくあることだ。そしてそういうことを教唆しておいて「本気じゃなかった」と弁解することは、誰にでもできる。

まあ、ここらへんのことは、検証可能な「法的手続き」とは別のことなので、ほんとに話半分で。

アサンジと関係を持った女性2人がどういう人か、みたいなことも、ほんとどうでもいいです。私は8月の時点ですぐに流れてきたURLで、2人のうちの1人の写真と名前も見てるけど(短縮URLで、普通に文字の記事かと思ったら顔写真が出てきてびっくりした)、それが「本物」なのかどうかもわかんないし(極端な話、誰かがイタズラで芸能人のポートレイトに「被害者」とキャプションつけてても判断できんのですよ、基礎知識がないし、非公開情報なので)、仮に「本物」だとして、性暴力事件では被害者の匿名の権利は保証されているスウェーデン(これはイングランドなどでも同じ)の人について、そんなふうに「さらす」ことは、強姦の事実の有無にかかわらず明らかに「セカンドレイプ」で、不快感をしか覚えない。

いずれにせよ、Miss Aが本気で性暴力被害を訴えたいのなら、Miss Wと組んだ理由がわからないんだよな。まさか女子高生的「一緒にトイレいこー」の連帯感じゃあるまいし。

さて、ガーディアンの17日記事はまだ続いている(本当に長い)。そして、重要なのはこの先である。(え
http://www.guardian.co.uk/media/2010/dec/17/julian-assange-sweden

ここにたどり着くまでにこちとらへとへとである。

The Guardian understands that the recent Swedish decision to apply for an international arrest warrant followed a decision by Assange to leave Sweden in late September and not return for a scheduled meeting when he was due to be interviewed by the prosecutor. Assange's supporters have denied this, but Assange himself told friends in London that he was supposed to return to Stockholm for a police interview during the week beginning 11 October, and that he had decided to stay away. Prosecution documents seen by the Guardian record that he was due to be interviewed on 14 October.

つまり、ガーディアンの把握では、今回スウェーデンが国際逮捕状を申請することを決定したのは、アサンジが9月末にスウェーデンを離れ、検察による尋問が行なわれることになっていた日にスウェーデンには戻らない、ということを決めたのを受けてのものだ。アサンジの支援者はこれを否定しているが、アサンジ自身がロンドンの友人たちに、10月11日の週に本当はストックホルムで警察の聴取を受けることになっているのだが(ガーディアンが入手した検察資料では、10月14日に尋問が行なわれることになっていた)、行かないことにしたと語っていた。(その背景には、ガーディアンの記事には書かれていないが、スウェーデンから米国に身柄の引き渡しが行なわれることへの警戒があった。)10月半ばといえば、「イラク戦争ログ」大公開の2週間くらい前だが、そんなタイミングで身柄を拘束されたら、見る目も当てられないという判断だろう。

そしてこのあと、また別のスウェーデン人が匿名で出てくる。「ハロルド」と似た肩書き&境遇だが、ハロルドならそうと書くだろうから、ハロルドではないのだろう。ていうか、これがもし「ハロルド」なら、最もうさんくさいのは「ハロルド」だ。
The co-ordinator of the WikiLeaks group in Stockholm, who is a close colleague of Assange and who also knows both women, told the Guardian: "This is a normal police investigation. Let the police find out what actually happened. Of course, the enemies of WikiLeaks may try to use this, but it begins with the two women and Julian. It is not the CIA sending a woman in a short skirt."

ストックホルムのウィキリークス・グループのコーディネーターで、アサンジの近しい同僚であり、またアサンジを訴えた女性2人の両方を知る人物は、ガーディアンに次のように語った。「これは通常の警察の捜査です。実際に何が起きたのか、解明するのは警察に任せておきましょう。むろんウィキリークスの敵がこれを利用しようとする可能性はありますが、元々女性2人とジュリアンの間の話です。CIAがミニスカートの女性を送り込んだのではありません」


記事の残りの部分は、主に、弁護士の言い分。(水曜日にガーディアンはこの警察文書にもとづいてジュリアン・アサンジ側に事実確認の問い合わせをしていたが、金曜日の夜になってもアサンジ側は弁護士が本人に連絡がつかない、と返事している、とのこと。)

ここで弁護士は、職能をたぶん超えて、アサンジを訴えた人たちを盛大にdisっている。スウェーデンで正式に起訴されていないので、弁護士に開示されている証拠は少なく、相手が何を根拠に性暴力を主張しているのかがわからない、というのが弁護士の言い分だ。実際、これはガーディアンの記事では明示されていなくて、弁護士の言い分を紹介するところで遠回しに言及されているだけだが、この騒動の間に私が英文で見た誰かのブログの記事(だから完全には信頼できないよ)には、Miss Aはアサンジと寝たことを自慢するような文面の投稿をTwitterでしていた、という。

そして、この記事の最後にあるアサンジ弁護士(マーク・スティーヴンス)の言い分が本当にひどいのだが(口汚い憶測。法曹としていかがなものか、という域):
"Both complainants say they did not report him to the police for prosecution but only to require him to have an STD test. However, his Swedish lawyer has been shown evidence of their text messages which indicate that they were concerned to obtain money by going to a tabloid newspaper and were motivated by other matters including a desire for revenge."


マーク・スティーヴンス弁護士(ソリシター:バリスターではなく)はメディア法の専門で、メディア対応には長けているのだそうだ。テレビカメラの前で見せる「トレードマークの変なネクタイ」などはまさに「道化キャラ(個性派とも言う)」の王道だ。ただこの人の顔を見たのは私は今回が初めてだし、まあ、よくわかりません、と言うべきか。

そして、17日付のこの記事はとにかく、「なんでそんな資料をガーディアンは持ってるの」という内容で――記事中の記述から、水曜日、つまり高等法院でのジュリアン・アサンジ保釈審問の前日には既に、この資料を得ていたことは確かで……かんべんしてくださいこの策士新聞。策略が見えない(イスラエルとか中国とかは策略が見え透いているし、米国は事例が豊富なので策略が類推できるからたいがいは読めるのだが、この新聞はねー、ほんとにねー、一筋縄ではいかない。そして私は踊らされ続ける。何しろ編集長が「困ったなあ、書きたいことがあるのに書けない事情があって、書けないんだよなあ」とかいうtweetをして大騒ぎを引き起こし、英国の司法を向こうに回して自分たちの周りに防護壁を築かせ、涼しい顔をしてものすごい調査報道 feat. Wikileaks をどかーんと出す新聞……あ、あれっ? ジュリアンのやってることと似すぎてないか?!)。(←妄想)

実際、タイムズで書いている人が「あんな細かい情報、ガーディアンはいつ手に入れてたんだ」とか、「もしも何ヶ月も前に入手していたのなら、今まで報じなかった理由は何だろう」とか(後者はただの憶測だが)いう感想をtweetしている。それに対し、フォロワーから「デイリー・フェイルも同じようなこと書いてたよね」(※デイリー・フェイルは何をやってもガンになると騒ぎ立てる例のタブロイドの俗称のひとつ)と反応があり、タイムズの人は「だけどあそこまで詳しくはなかった」と反応している。

そんなこんなで世間がざわざわしているときに追って出した記事がこれだ。

Julian Assange furore deepens as new details emerge of sex crime allegations
Tracy McVeigh and Mark Townsend
guardian.co.uk, Saturday 18 December 2010 21.30 GMT
http://www.guardian.co.uk/media/2010/dec/18/julian-assange-allegations-wikileaks-cables

ほぼ完全に「ゴシップ」と「本紙の昨日のスクープの自賛」で、極めてどうでもいい記事だが、ページビューは稼げるのだろう。

ジュリアン・アサンジについては、レイプしたのしてないの以前に、「真剣に交際」する気もない女の人と簡単に寝て、しかもコンドームをつけようともしない最低男だということは本人も反論していない、つまり事実として確定しているので、英国では認められるのがデフォの「起訴前の保釈」が認められている現段階では、すぐに関心は薄れるだろう。

同時に、ウィキリークスの今回の暴露文書(米外交公電)は、機密の程度も低いし、内容もなんかすっとぼけたような、nothing newなことばかりで(それでも史料/資料としては一級品、研究者とオタクは歓喜するのだが、「ニュース」は「ニューな話ばかり」と思っている一般の人たちは、そろそろ飽きてきているはずだ)、まあ要するに全体にオナカイッパイ感が横溢している。それに、クリスマス休暇直前だし。

そんなときにこういうゴシップねたを本気で書いてくるんだから、この新聞は……。

でも、スウェーデン当局の身柄引き渡し要求(というか欧州逮捕状)の件について、さすがにこれほど何度も重ねて書かれていると、経緯説明のところは記述が整理されてきてとてもわかりやすくなっている。

それと、この記事の主眼の部分だが:
Dismissed by his supporters as a smear campaign, the case against Assange now threatens to move from a sideshow to overwhelm the main act – the work he has done in his public life as editor of WikiLeaks. In part, Assange, 39, who has become a figurehead for whistleblowers, can blame this on supporters who have pressed accolades on the man rather than the cause, and who range from left wing historians, feminists and human rights campaigners to misogynist right wing bloggers and a porn baron.


……にやにやしすぎである。

あとはもうゴシップ記事的な記述が大半。ラリー・フリントとか、ジェマイマ・カーンとか(ジェマイマは保守系の上流階級富豪のお嬢さんで兄弟は保守党の政治家で、本人は若い頃に親子ほど年齢の離れたパキスタンのクリケッター、イムラン・カーンと結婚し、数年前に離婚……という経歴の人。肩書きは「社交界の人」的な扱いをされているけれど、ご本人は「社会活動家」のつもりだし、実際にその側面は侮れない)、ビアンカ・ジャガーとか(この方も元モデル、元ミック・ジャガー夫人で社会活動家)。

ビアンカ・ジャガーは、ご本人は大真面目なのだろうけれども、どこか浮世離れした「セレブの社会活動」の雰囲気(アンジェリーナ・ジョリーやマドンナと通じるものがある)を漂わせつつ、「今回ジュリアンを訴えた女性の一人は、キューバの反カストロ勢力と関係があり……」とか言ってるし、そのうちに「友達の友達がアルカイダ」とか言い出すんじゃないかと心配になってくる。

あとはいろいろと、17日のあれを掲載した言い訳のようなこともしつつ、まともに読む価値があるのはタリク・アリのところくらいか。(保釈決定以後、ケン・ローチが静かだね。何か思うところがあるのか、仕事か……。)
Others showed similar reservations. WikiLeaks supporter, the historian Tariq Ali, said that it was possible to separate Assange the man and the allegations from the cables. "WikiLeaks is an organisation and he [Julian] is one of them. So I am very glad he is out and all that, but WikiLeaks would go on even without him and that is important to stress." Investigative journalist John Pilger believes it is necessary to defend Assange. "He is an innocent man until proven otherwise," he said. "It is clear that in Sweden the presumption of innocence has been publicly torn up by those whose duty was to safeguard it. This has encouraged a vicious campaign in the US, including incitement to murder Assange, and secret planning to stitch him up as some sort of terrorist."

Such views are being rejected in Sweden, where a counter campaign is now building among those who don't see the US hand in these allegations.

Claus Borgström, the lawyer for the two women, is calling on Assange to return to answer the allegations. Now it is for a fresh prosecutor, Marianne Nye, a specialist in sex crime, to decide if the evidence would stand in court, and for that she wants to question Assange.

A Swedish senior civil servant, who asked not to be named, dismissed allegations of a plot and insisted that Swedes are capable of seeing the advantages of WikiLeaks, in terms of debate about freedom of expression, while conceding that Assange may have unsavoury morals between the sheets.

But like many, he conceded that the case has been handled clumsily.


つまり、スウェーデン側には「やり方がまずかった」というか「段取りがひどかった」という意見がある、と。

そういう問題なのかな。検察官によっていったん取り下げられた逮捕状が、主任検察官(性犯罪専門)によって復活するとか、「被害女性2名」が同じ時に被害を受けたわけでもないのに一緒くたに扱われているとか。

まあ、いずれにせよあとはデイリー・フェイルあたりで延々とやってればいいんじゃないかという域である。

ジュリアンの次の英国での出廷は1月11日なので、クリスマスをはさんでその頃にはもう冷めているだろう。

いずれにせよ、キャラ濃いよね、この人。

おわり。

※この記事は

2010年12月19日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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