kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2010年12月03日

イングランドから、お通夜の様子をお伝えします(ワールドカップ開催地決定)

昨晩遅く(日本時間)、2018年と2022年のワールドカップ開催地が決定・発表された。2018年の大会開催地候補は、イングランド、ロシア、ポルトガル&スペイン(共催)、オランダ&ベルギー(共催)、2022年は、米国、オーストラリア、日本、韓国、カタールで、英メディアでは、18年はロシアかイングランドだろう(共催は避けたい)と言われていた。2022年のほうは注目されていなかった。(カタール陣営にジネディーヌ・ジダンがいる、ということくらいしか伝えられてなかったような気がする。→あと、スタジアム建設が「これはドバい」状態になるのではという点も。BBC

というわけで、BBCではスイスのチューリヒの会場からのレポートと、イングランド各地を結んでの中継で特番を編成し、オンラインでも生で配信していた。

もう結果は大きく報じられているから経緯は飛ばして先に書くが、イングランドは「お通夜」になった。私がTwitterでフォローしているイングランドのみなさんは、自分で、または他人のTweetのRTで、それを詳しく伝えてくれた。そこらへんのことを、Togetterでまとめてある。

2018年、サッカー・ワールドカップ開催地決定。(イングランドのお通夜実況)
http://togetter.com/li/74914


以下、駄話的に、背景解説も含め。

昨晩は同じ時間帯にDommuneFour Tetがやっていたので(持ってくるネタが幅広すぎて「テクノちんどん屋」状態w)、BBCの特番は音声をミュートにしてときどき画面を見ているだけだったが、ミルトン・キーンズなど地方都市の屋外大型スクリーンの様子も紹介された。まだ12月だというのにガトウィック空港が閉鎖されるほどの悪天候と寒さのなか、がっつり防寒した人々が、イングランド旗やユニオン・フラッグ(←これ、ちょっと意外だった)を持つなどして集まっていた。とっぷりと日が暮れたモスクワからも特派員が現地の様子を伝えていたが、完全防備で屋外にいる特派員は単に寒そうで(見た目がちょっとプーチンに似ている人なのが可笑しい)、周囲に「期待に胸を弾ませて集まっている人々」がいるわけでもなく、なぜこんなに寒そうなところで街頭に出てるんだろう、的な……きっと人々は屋内でパーティしているのだろうに。

ともあれ、そんなこんなしているうちに、Four TetのDJがかっこよく終わったのでBBCに切り替えたら、ちょうど発表が始まりそうというタイミングで、カメラはイングランドの代表団の顔を映していた。その前の列に日本の代表団が座っていたのも見えた。会場のレポーターは「まだどの候補にもチャンスがあります」みたいなことを早口で述べていた。

「イングランドらしい typical England」ここでトイレ行って、祝杯か涙酒か、どちらになるかわかんないけどとりあえずビールを取って戻ってきたら、画面内に非常に「イングランドらしい typical England」展開がwww(右の画像、クリックでフルサイズで見られます)

いわく、「イングランドは第一回投票で落ちた」。しかも、情報源がリネカーってwww しゃべりすぎwwwww

ここでTwitterを見ると、私のタイムライン(イングランドのメディアやジャーナリストを多くフォローしている)は、他の話題がほとんどない。ウィキリークスについてのニュースフィードが1件と、日本語話者の普通のツイートが2件くらいあるのだが、それ以外はすべて、イングランドからも北アイルランド(!)からも「イングランド落選との情報」の話。

ということはロシアで決定か、と、Four Tet見始める前まで読んでたページ(ウィキリークスの「ロシアはマフィア国家」)を思い出すなどしているうちに、FIFAのブラッターが出てきて、クソ長いスピーチをおっぱじめやがったんだぜちくしょう。「フットボールは中国で発祥しました(以下長い)。そして、『アソシエーション・フットボール』としてルールが整備され、イングランドでですね、そして(以下、だらだらだらだらといつまでも続く)」(ほんとに話が長いので、ジャーナリストのポール・ウォーさんはカメラがとらえた会場の席にいるハリポタ映画のハグリッドのそっくりさんが気になるとか、どうでもいいことをtweetしているありさま。)

しかしさ、イングランドの王子と首相が目の前にいるときに、「アソシエーション・フットボール」の世界的な協会のトップが、「フットボールの発祥は中国」ですか。ビールあけてなくてよかった。あけてたら、モニタにふきかけてた。

そして、お通夜決定。その瞬間の屋外スクリーン前の様子が、BBCの写真集にも。みなさん、一斉に "TYPICAL ENGLAND" って思ってますね、この顔は。(この写真集、2枚目にアンディ・コールとジョン・バーンズがいます。べかむさんがブリーフィングしている。)
http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/football/9246517.stm


結果に対する反応、ボリス・ジョンソン(ロンドン市長):


同、サミュエル・ジョンソン博士(え:


同、エド・ミリバンド(労働党党首):


LibDemsのニック・クレッグは上流階級なのでサッカーには興味はないのだろう。無理にサッカーサッカーとはしゃいでみせた様子はなく、それならそれで正直でよいと思う。キャメロンのように立場上サッカーサッカーとはしゃがなければならない(でも本当はクリケットを見ていたい)のも気の毒っちゃー気の毒だが、それ以前に、ほんとにサッカーが好きな政治家(労働党のアンディ・バーナムとか……この人、エヴァートンの熱いサポで、党首選に立候補したときにインタビューで「労働党党首として首相になるか、エヴァートンの主将としてピッチに立つか、どっち」というくだらない質問をされ、よりによって「エヴァートン」と即答し、秘書にお茶ふかせたことがある)としては、わかっていてもイラっとするだろうな、あのキャメロンの態度には、と思う。それも議会での与野党の論戦の原動力になるのだろうけど。

で、2022年がカタールに決定して、みなさん口々に「ロシアの次がカタール」で「酷寒の地の次が酷暑の地ですか」とか、「大酒飲みの国の次が、お酒禁止の国ですか」とか(カタールはイスラム教の国なのでアルコール禁止)、「ていうかワールドカップで酒がのめないとかどんだけ」とか。ははは。

そして、お約束の陰謀論。「FIFAはイングランドのサッカーが嫌いだから」とかいういつもの陰謀論だけでなく、今回は報道機関が絡んでいる。

ワールドカップ開催地決定の直前といえる時期の11月、BBCはPanoramaという調査報道番組で、「FIFAの腐敗」を詳細に暴いた (FIFA's Dirty Secrets)。BBCの番組の前に、Sunday Timesが同じテーマで調査報道をしているとのこと。検索してみたら、「スポルティーバ」さんのサイトに詳しく内容&文脈の説明がある。

【イングランド】FIFAにさらなるスキャンダル発覚でW杯開催地は?(東本貢司●文)
http://blog.shueisha.net/sportiva/wfootball/index.php?ID=178

一言で言えば、FIFAのお偉いさんがいろいろと賄賂受け取ってます、ということを検証した番組で(こんな内容の番組でも「ひどい言葉が使われていた」といって苦情を入れる人がいっぱいいるというのには心底笑ったが)、まあこれもウィキリークスで暴露された資料が物語ることそのものは別に新しくはないというのと同じで、「ああ、やっぱり」でしかないのだが、それでも、FIFAの神経をさかなでするのには十分だろう。立場上、招致活動の先頭に立っているキャメロン首相もこの番組の放映にはいい顔をしなかったらしい。それで黙るようなBBCではなく、粛々と放映したのだけど、もしほんとに大きな圧力がかけられたら、「この国はいつからロシアになったのか」みたいな大々的なキャンペーンを、たぶんガーディアンと組んで(笑)展開したことだろう。その際には保守党系の人たちも「言論の自由」という点で論戦を張ってくれただろう。それはそれで見てみたいのだが、そういうのを見ることがないということ自体が祝福すべきことである、といわざるを得ない。「ロシア」が相手では。

(^^;)

ただ、Twitter上では、サンデー・タイムズの報道とBBCの番組が原因で落選したのではないかとの声がたくさんある。そして「てめーらのせいでワールドカップが」などと、感情でBBCやSTを激しく非難するという動きも(嘆かわしい)。こういうのは一時的な反応としてはありがちなんだけど、それを言ってるアバターが「BBC嫌い」系の「自称リバタリアン」の表象があったりするとどうもね。

あと、「ロシアにサッカーなんて存在しないだろ」的な視野の狭さ・心の狭さも。私だってレフ・ヤシンくらい知ってるのに、「サッカーの母国」の「サッカーファン」がそれを知らないということはないので、おそらくただの「ロシア嫌い」で、サッカーなんか実は興味もないような人だろうと思うけど。

でも、「もし本当に報道が原因でワールドカップが取れなかったのなら、名誉なことだ」といった声もある。「BBCはこれからどんどんがんばってくれ」的な声も。

それを面白く書いているのが、保守党サポの政治系ブロガーとして最も有名な一人、イアン・デイル:


そして、BBCスポーツのジェイムズ・ピアス記者は:

「FIFAは先日、BBCのおかげでひどい目にあったとでも思ってるのかな。まだまだこんなもんじゃないんですけどね」という内容。

ワクテカして待とう。

なお、ワールドカップ開催地決定のニュースの後、英国の民放ITVの映画のお時間が、007の『ロシアより愛をこめて』だったというのが、誰が脚本を書いてるんだ、べたべたな……という展開である。

あと、Twitterでのみなさんのお通夜に出てくるのは……Eurovision Song Contestは「国別代表歌合戦」なのだが、西洋のリッチな国の代表は真っ先に落選し、東欧の小国が最後まで残る、というのがお約束。

ウィキリークスで「ロシアはマフィア国家」と伝えられたというのは、昨日(12月2日)のガーディアンなどの特集の中心。イングランドは(というか英国は)、ロシアから亡命し英国の市民権を取っていたアレクサンドル・リトビネンコがロンドンで毒殺される(それもポロニウムという珍しい毒物を使って)ということがあって、外交関係としても一時極度に悪化した(今も、経済関係優先の方針から回復してはいるが、根本的にはどうなのだろう)。

あ、「ポロニウム」ネタもありますね。さすが。(^^;)

あと、アバターで右下にイングランドの旗(セント・ジョージ・クロス)をつけているのは、今行なわれているクリケットの大会、The Ashesのイングランド応援リボン。
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Ashes

あと、「あー、イングランドだめだったかー、残念!(招致活動楽しかった)でもロシア大会では」と来て「イングランドはきっと結果を残してくれる!」と来るかと思いきや、「アイルランドがんばれ」って、オイ、というツイートはロンドン在住のフィッツジェラルドさん(アイリッシュにしかない名字)。

あと、労働党の議員(日本で言うと田中真紀子的なキャラだと思う)が「(成功したロシアの首相)プーチンは招致活動には入ってなかった。一方(失敗した英国の首相)キャメロンは招致活動の先頭に立った。さて、何を読み取るべきか」みたいなことをジョークとして書いていて、これがけっこうじわじわくる。(笑)

最後に、リオ・ファーディナンド宛てのtweetで文句言ってる人がけっこう多いのには笑った。リオに言ってもしょうがない。

ああそうそう、ロシアの招致活動に加わって壇上に立っていたアルシャビンは、「先輩に囲まれた高校生」みたいで、上下関係とかかなりあるんだろうな、と私は見た。「ウェールズのスコットランド人審判」さんが「アーセナル的にはびみょうな状況」って書いてるんだけどね。EuroとかWCでうち(おフランス軍団)がびみょうなのはこの10年以上ずっとそうですから!

プレゼンでは、オランダとベルギー(中身はオランダ)のがおもしろかったです。ガーディアンのサイトにダイジェストで出てたんだけど、ルート・フリットとヨハン・クライフが主導で、戦後すぐくらいの、家の前でボールを蹴る子供たち(みんな、ものすごく痩せている)の映像とかあって。



お通夜後のBBC記事、「さあ、涙をふいて」:
England World Cup bid: 10 ways fans can console themselves
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-11902051

抄訳:
心の慰めになる、10のポイント:
1. 騒音公害がない(ブブゼラの……音が……すごく……遠くに……)

2. ロシアでやってくれるので、イングランドがダメダメなときに、例え話として「シベリア送りにしろ」とヤジを飛ばす必要がない。ほんとにシベリアに行かされるかもしれないので。

3. David Baddiel and Frank Skinnerが、新バージョンの「スリー・ライオンズ」を録音、とかいうことにならない。(歌詞がFootball is coming homeなので)

4. 土木工学系の学生さんに朗報。気温が40度になるカタールで、暑くない屋外スタジアムの設計のお仕事が待ってます。ブレスト参加してください。

5. タブロイドが見出しに困らない。「ロシアより、手袋にこめて」とか「戦争とへー、いいわ」とか。

6. 1966年大会を記念する電話番号やアドレスを使っているFAには朗報

7. スコットランドでは(以下略

8. ホッケー・ファンと悲しみを分かち合おう。ホッケーは2014年ワールドカップ開催地に立候補していたが、オランダに負けた。

9. イングランドのチームはプレッシャーに負けた、ということがよく取り沙汰されるが、万が一自国開催などということになってみなさい、どれほどのプレッシャーがありうるか。ハート、ギブズ、ウィルシャーらの黄金世代、結果を出すにはモスクワでやるほうがいいに決まってる。そうに決まってるんだってば。な。

10. ジェフ・ハーストの1966年のあのゴールの賞味期限延長のおしらせ。




追記:
イングランドのみなさんの「お通夜」ツイートに出てくるものでもうひとつバックグラウンドの説明をしようと思って忘れていた件。

「バーミンガムのせいだ」というのがいくつかある。これは、開催地決定の数日前に行なわれたカーリングカップの準々決勝がバーミンガム・ダービーとなり(バーミンガム対アストン・ヴィラ)、サポが暴れた、という件を受けてのものだ。
http://www.guardian.co.uk/football/2010/dec/01/violence-aston-villa-birmingham

ダービーには、マンチェスター(シティとユナイテッド)やリヴァプール(リヴァプールFCとエヴァートン)、北ロンドン(うちとスパーズ)のように熱くなるものが多くあるが、現在のイングランドにおいて、暴れが発生するほどになるのは実に珍しい。そして、バーミンガムのこれがかなり悪い知らせであるのは、昨年本格的に活動を開始したEDL (English Defence League) という排外主義(反移民、反イスラム)の暴力的極右団体(右手を挙げるナチス式敬礼をしているスキンヘッド連中がいたりする)の拠点のひとつがバーミンガムである、という点。

EDLについては:
http://news.bbc.co.uk/2/hi/8250017.stm

この記事で「スポークスマン」として話をしている「トミー」が実はリーダーで、年齢は私は正確には知らないけれど40歳くらい(=ワールドカップのイタリア大会で、フーリガン暴れすぎでイングランドが島流しになったときに10代終わりから20代初めだった世代)だろう。この「トミー」の名乗るフルネームは仮名であるとか、彼は「今まで一度も政治活動したことない俺が、目を覚まされた」とか言ってEDLを始めたことになっているが、実はそれは大嘘で、元々BNPの党員だったとか、まあいろいろ。
タグ:Football twitter

※この記事は

2010年12月03日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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Excerpt: 1 :お歳暮はウンコ100トンφ ★:2012/05/04(金) 16:18:38.51 ID:???i オランダのレジェンドであるルート・フリット氏は、ドイツとイングランドには、スペインのサッカー界..
Weblog: 【豆β】芸スポ速報+
Tracked: 2012-05-05 08:04





【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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