kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2009年10月13日

Twitterと政治――英国で、今さっき起きたことの暫定的なメモ

ブライトン爆弾のことを少し書こうと思っていたのだが中止。目の前で、BBCとガーディアンとTwitterを舞台に、すごいことが起きた。

まず、さっきBBC NewsでUKのセクションを見てみたら、右肩のOther Top Storiesのところに、「newspaperがbanされてなんとか」というヘッドラインがあった。間違えてEuropeのセクションでも見ているのかと思ったのだが(ロシアがEurope面に載るので)確かにUKのセクションで、意味不明、と思ってクリックしてみたら、ガーディアンの編集長の写真があって、「ガーディアンが国会での質問について報じようとしたらそれが禁止された。どのようなテーマで、どの議員の、どの閣僚に対する質問であるかも記事で言及できない(通常はできるのに)」ということが3文か4文くらいにわたって書かれていた。状況は「カフカめいている」とも。

しかし「何も報じることができません」って書かれたって、こっちとしてはわからんのである。

なので、そのときはそのまま別の記事を読みに行った(このときに、元の記事を保存しておけばよかった)。ガーディアンのサイトにもアクセスしてみたが、トップページにはこの件についての記事の見出しらしきものが見当たらず、こちらとしては英国の報道の自由より、インド洋給油活動についてBBCがどう伝えているかのほうが重大な関心事だったのでその記事もざっと目を通して、そして何分か後に、ブラウザの「戻る」で戻ってみたら、記事が更新されていた。

Lib Dems urge press 'gag' debate
Page last updated at 11:33 GMT, Tuesday, 13 October 2009 12:33 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/8304483.stm

いわく、ガーディアンが国会での議事を報じることを差し止められたとの件で、LibDemsが報道の自由についての討論が必要と述べている、と。

保守党が出てくる前に素早く動いたLibDemすてき。

ほんで、この記事の内容はがーっとはしょるけど、ガーディアンに報道が許可されたのは、「問題の議事にはロンドンの弁護士事務所、Carter-Ruckが関係している」ということだけで、これを「報道の自由」の問題とみたLibDemの党首、ニック・クレッグが……
Lib Dem leader Nick Clegg wrote on the social networking website Twitter he was very concerned about the issue.

なんと、Twitterで「この問題について非常に心配している」とつぶやいた!

英国でも米国と同様に、Twitterは政治運動でも利用されている。政治的な組織・団体が活発に利用しているほか、65dosのように政治意識が高いミュージシャンは、ツアー先から「今空港です」などと投稿するほかに、環境問題についてとか市民的自由についてとかいろいろなテーマでつぶやき、また「この記事必読」ってURLを回覧したりしているし、既に広く知られている政治系ブロガーが、ブログの更新を通知するフィードだけでなくちょっとした議論を主導したり、あるいはTwitter上でのハッシュタグを使ったムーヴメントを仕掛けたりしている(右翼ではイアン・デイル、左翼ではティム・アイルランドが活発)。ハッシュタグのでは、今年の欧州議会選挙のときの #theBNParetwatsの例とか、参照。

というわけで、取り急ぎ、ニック・クレッグのTwitterを見てみると:

※なお、彼のブログのサイドバーを見ると、Facebookでも同様の投稿をしていることが確認できる。(Nick Cleggは1967年生まれの42歳、英国の第三党、Liberal Democratsの党首で、Twitter, Facebook, YouTube, Picasaを使っている。)


このクレッグのtweetからハッシュタグの#trafiguraに飛ぶと……既にすごい話題で、Trending Topicsに入ってて、1分間で100とか200とかのオーダーで投稿があって……取り急ぎ、ハッシュタグのページをスキャニングして拾ったURLが下記。

Guardian seeks urgent court hearing over parliament reporting gag
David Leigh
Tuesday 13 October 2009 12.25 BST
http://www.guardian.co.uk/media/2009/oct/13/guardian-court-parliament-reporting-gag

Social media turns toxic avenger for The Guardian (#trafigura)
Posted 13 October 2009 12:02pm by Chris Lake
http://econsultancy.com/blog/4780-social-media-turns-toxic-avenger-for-the-guardian-trafigura-2

そもそもの発端:
Guardian gagged from reporting parliament
David Leigh
Monday 12 October 2009 20.31 BST ※日本時間13日早朝
http://www.guardian.co.uk/media/2009/oct/12/guardian-gagged-from-reporting-parliament

via:
RT @off_the_record: Trafigura – the name that The Guardian dare not say: http://bit.ly/qZCcU http://bit.ly/4fDKNR #trafigura

http://twitter.com/londonleben/statuses/4833040523


現状、#trafiguraは20〜30分の間に4000件を超える投稿がされている。図は、日本時間で13日の午後9時半から10時くらいにかけての時間帯でのTrending Topicsの推移(真ん中の区切り線から上が9時半ごろ、下が10時ごろ)。赤い星印が、この件に関するキーワード。

このキャプチャの下半分の時間帯には既に事態が大きく動いていて、ガーディアン編集長から、"Victory! #CarterRuck caves-in. No #Guardian court hearing. Media can now report Paul Farrelly's PQ about #Trafigura. More soon on Guardian.." (勝利! #CarterRuckが折れました。ガーディアンの法廷審問は行なわれません。メディアは、Trafiguraに関するポール・ファレリー議員の質問について報道することができるようになりました。詳細はガーディアンにて後ほど)という投稿がなされていた。


その後の編集長の投稿:
Thanks to Twitter/all tweeters for fantastic support over past 16 hours! Great victory for free speech. #guardian #trafigura #carterRuck

http://twitter.com/arusbridger/status/4833204949

「Twitter、それからTwitterユーザーのみなさん、この16時間にわたるご支援、ありがとうございました。言論の自由にとって大きな勝利です」という内容。

「議会制民主主義」の国で、議会で行なわれることについて報道しちゃいけないなんてナンセンスを止めたのは、議会の外の民主主義だった……ってことですかね。

(英国では、議場で質問が成される前に、質問主の議員から相手の議員・閣僚に質問内容が知らされ、お互いに準備をして議場で討論するのだが、このときにメディアが「かくかくしかじかの質問が成されることになっている」的な報道をするのが通常。)

と、今気づいたのだけど、BBCの記事(ニック・クレッグがTwitterでつぶやいているとの記事)がURL同じで上書きアップデートされた (Guardian claims victory on 'gag') ので、手元のエディタにコピペってたのを。
The Lib Dems have called for a debate on press freedom after the Guardian said it had been prevented from reporting Parliamentary proceedings.

The newspaper said it had been made subject to "Kafka-esque" restrictions and stopped from mentioning a question to be answered by a minister this week.

Parliamentary proceedings are usually reportable under qualified privilege.

The Lib Dems have urged the Speaker to call Justice Secretary Jack Straw to answer MPs' questions about the case.

The Guardian says it cannot report which MP asked the question, who the minister is, and why the gagging order was imposed.

The only detail it was able to report was that it involved the London solicitors Carter-Ruck.

The Guardian's editor Alan Rusbridger has said the newspaper will fight the case.

He said media laws were "doubly menacing" when applied to reporting of proceedings of Parliament - usually covered by qualified privilege, which gives some legal protection when reporting statements which might otherwise be considered defamatory.

Lib Dem leader Nick Clegg wrote on the social networking website Twitter he was very concerned about the issue.

His party's parliamentary spokesman David Heath tabled an urgent request to Commons Speaker John Bercow to ask Mr Straw for a statement on the prevention of reporting of parliamentary proceedings.

Lib Dem chief whip Paul Burstow also requested, under Commons standing orders, an urgent debate on "the freedom to report on Parliamentary proceedings".


ってさー、ここまで私がほとんどずっと、「Trafiguraって何だっけ?」という状態だったことは秘密だ!(「できごと」として流れを把握するのにいっぱいいっぱいで、記事を読んでいる余裕などない。なお、Twitterで流れてくるURLをクリックして報道記事を見れば、あああの話か、というのはわかる。)

そこらへんの話を、同じURLで上書きアップデートされたBBC記事から。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/8304483.stm
The question from Paul Farrelly was related to an injunction stopping the publication of a report commissioned by Trafigura into "alleged dumping of toxic waste in the Ivory Coast".

Trafiguraは、アイボリーコースト(コートジボワール)に有害物質を大量に含む廃棄物を投棄して、数万人という地域住民の間に大きな健康被害を引き起こしていた企業。日本語で書かれた記事は下記などに。
http://keywalker.afpbb.com/headline/search?q=%22Trafigura%22&sort=date&type=text
http://ameblo.jp/me-wise-magic/entry-10344553562.html
http://ameblo.jp/me-wise-magic/entry-10347543044.html
http://ameblo.jp/me-wise-magic/entry-10349340187.html

英国のメディアでは、特にBBCとガーディアンが継続的に取材と記事の発表を続けてきているが、今年5月14日付の下記の記事に対し、Trafigura社の弁護士事務所からcomplaintが出された。これが今回の一連の事態の発端だ。

Papers prove Trafigura ship dumped toxic waste in Ivory Coast
http://www.guardian.co.uk/environment/2009/may/13/trafigura-ivory-coast-documents-toxic-waste

この記事の報道内容は、上にURLをメモした日本語の記事でもだいたいたどれると思うので省略。大筋では、数万人に健康被害を引き起こした企業Trafigura社に対し、ロンドンの法廷で集団訴訟が起こされるが、今回同社が使っていた船から採取された廃棄物のサンプルを分析した結果の書類の存在が明らかになり、ものすごくひどい毒物が含まれていたことがわかった、というもの。ガーディアンは同社の弁護士(Carter-Ruck)に対し、毒が含まれていることがわかっていたのに、虚偽の声明を出していたとの件で質問をしたが、弁護士は回答期限を1時間のばしてくれと言い、そして最終的には回答期限から2時間後にぼんやりとした回答をよこし、裁判で明らかになることです的なことを言い、いずれにせよ廃棄物が人々の死亡原因になったはずはないと主張した。Trafigur社は廃棄物と健康被害との因果関係が立証できる人については和解金を支払うと申し出ており、原告側弁護士は、和解をしたら事態の真相は闇に葬られることになるのではと懸念している……あとは原文をお読みください。

で、今回のことなのだが:

Guardian gagged from reporting parliament
Monday 12 October 2009 20.31 BST
http://www.guardian.co.uk/media/2009/oct/12/guardian-gagged-from-reporting-parliament

すごい書きっぷりだ。「1688年の権利の章典において確立された言論の自由というものを疑わせるような法的理由で、本紙は国会での議事についての報道をさしとめられた」。(正直、この書きっぷりはテレグラフかと思いました。)

そして、「12日に出されたCommons order papersには、今週あるミニスター(閣外大臣か大臣か)によって回答されることになっているある質問があるのだが、本誌は質問主の議員名を報道することもできず、質問内容を報道することもできず、回答に当たるのが誰であるかも、その質問はどこに掲載されているのかも報道できない。また、報道ができないことの理由について読者にせつめいすることも禁止されている」云々。カフカというより、モンティ・パイソンのようだ。(当事者にはカフカ的なのだろうけど、その状況を説明するためにアウトプットした文面がモンティ・パイソンじみている。)

そして、「本紙がお伝えできるのは、この件にはロンドンの弁護士事務所、Carter-Ruckが関わっているということだけだ。この事務所はクライアントにかわってメディアを訴えるのが専門で、クライアントには個人もいればグローバルな企業もいる」。

で、ガーディアンが口を封じられた法的根拠も具体的には書いてはならないという状況なのだが、編集長はこれについて、「メディアに関する法 the media laws」とだけ書いている。

そして、「国会」という場での言論と、国会の外での報道については:
The media lawyer Geoffrey Robertson QC said Lord Denning ruled in the 1970s that "whatever comments are made in parliament" can be reported in newspapers without fear of contempt.

...

The right to report parliament was the subject of many struggles in the 18th century, with the MP and journalist John Wilkes fighting every authority - up to the king - over the right to keep the public informed. After Wilkes's battle, wrote the historian Robert Hargreaves, "it gradually became accepted that the public had a constitutional right to know what their elected representatives were up to".

ジョン・ウィルクスはウィキペディア日本語版にも項目ある。18世紀英国のすごい人。(英国の「言論の自由」っていうのは、こういう闘争の歴史を有している。その闘争の歴史があるのは英国だけではないけど、少なくとも、最初っから教科書に書いてあったわけではない。)

BBCの記事から、それほどまでして事前に報道させたくなった質問は:
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/8304483.stm
The full text of Mr Farrelly's question is: "To ask the Secretary of State for Justice what assessment he has made of the effectiveness of legislation to protect (a) whistleblowers and (b) press freedom following the injunctions obtained in the High Court by (i) Barclays and Freshfields solicitors on 19 March 2009 on the publication of internal Barclays reports documenting alleged tax avoidance schemes and (ii) Trafigura and Carter-Ruck solicitors on 11 September 2009 on the publication of the Minton report on the alleged dumping of toxic waste in the Ivory Coast, commissioned by Trafigura."

質問相手:司法大臣(ジャック・ストローだ)
2009年3月19日にBarclaysとFreshfieldsの弁護士が、脱税策といわれるものを記したバークレイズの内部報告書の公開をめぐり、また9月11日にはTrafiguraとCarter-Ruckの弁護士が、コートジヴォワールでの有毒廃棄物投棄疑惑についてのミントン報告書の公開をめぐり、高等法院で差止め命令を得ているが、内部告発者、および言論の自由を守るための法制度がどのくらい有効であるとお考えか、お聞かせ願いたい。

これはカフカ的というより、オーウェル的じゃないか……言論の自由についての質問が報道を禁止されたなんて。

質問主のPaul Farrelly議員は労働党所属、選挙区はNewcastle-under-Lymeだそうです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Paul_Farrelly

ところでこの件がTwitter上でこんなに話題になったのは、Twitter上でフォロワーの多い人が取り上げたことが大きく作用している。(いったんTrending Topicsに上がればあとはしばらくの間はほっといても話題になっているものだが、「オバマにノーベル賞」とか「リオで五輪」とかのような派手なニュースや、著名人の訃報や、話題の新作映画の話題でもない限り、ニュースねたはTTに上がるまでに起爆剤的なものが必要。)

フォロワー数83万人近くという化け物アカウント、@stephenfryを参照。
Outrageous gagging order. http://tr.im/BCA2 It's in reference to the Trafigura oil dumping scandal. http://tr.im/BCAm Grotesque and squalid.
http://twitter.com/stephenfry/status/4831036632

http://j.mp/35dV5E the Guardian (muzzled) attempts to explain how Trafigura(whom it cannot name) has achieved this unprecedented injunction
http://twitter.com/stephenfry/status/4831476898

Public disgust at this barbaric assault on free speech is being collected under the hashtag #trafigura.
http://twitter.com/stephenfry/status/4832006365

It's great that Trafigura and Carter-Ruck (the notorious law firm behind the gagging order) are trending. #trafigura
http://twitter.com/stephenfry/status/4832371413

Can it be true? Carter-Ruck caves in! Hurrah! Trafigura will deny it had anything to do with Twitter, but we know don't we? We know! Yay!!!
http://twitter.com/stephenfry/status/4833549338


長くなってきたのでこのURLでの更新はここでストップします。続きは次のエントリで。マスコミの記事のメモが中心です。
http://nofrills.seesaa.net/article/130220720.html

※この記事は

2009年10月13日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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