kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2009年09月27日

イランの核について、非常によくない流れ。

最近、カタいニュース系の話ははてブにクリップして終わりになっているが、イランをめぐる情勢が、この数日で急に緊迫している。

既に存在が明らかにされているナタンツ(ナタンズ)の核施設のほかに、もうひとつ、テヘランの南、聖地ゴム (Qum) の近くに、秘密の核施設と思われるものがあることが発覚したからだ(月曜日に、イラン政府がIAEA宛てに書簡で連絡したとのこと。IAEA側は反応を示していない)。この話が今このタイミングで出てきたのにはいろいろと背景もあるとのことだが、もしこれが本当に核兵器の為の核施設であった場合、ものすごくまずい。普通の(平和利用のための)核施設であった場合も、NPT的にもIAEA的にも「ああそうですか」ってわけにはいかない。

イランとはシャレにならない敵対関係にあるイスラエルの、シャレにならないほど右派の外務大臣は、「この核施設の発覚で、イランが核武装を望んでいることが明らかになった」と鼻息が荒い。(これは「核施設が発覚」というニュースが出た時点で、既に想定の範囲内。)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/8276279.stm
※記事にはこのほか、各国首脳の反応も。

うはぁと思っていたら、ガーディアン(英労働党からニュースがすぐに伝えられる新聞)で、デイヴィッド・ミリバンド外務大臣が、「対イラン武力行使はない」とは言わない、というニュース。(同じ話をBBCは UK 'focused on diplomacy' in Iran という見出しで伝えている。)
http://www.guardian.co.uk/world/2009/sep/26/miliband-iran-nuclear-plant

その他、ガーディアンはいろいろとすごいので、kwoutキャプチャで。記事の見出しのリンククリックで記事に飛びます。


ガーディアンではこんなにたくさんの記事が一気にサイトのトップページに出たのだが、一方でBBCではかなり静かで、ああこれは労働党政権筋からガーディアンにキラーパスが渡ったな、という感じだ。(BBCはフィリピンの洪水でたくさんの方々がなくなったことがトップニュース。)

追記:
タイミング的にガーディアンよりしばらく遅かったのだが、タイムズも「ミリバンド、武力制裁を除外せず」。



2006年だっけ、イランに対して国連憲章第42条での制裁(武力制裁)がかなり現実味を帯びたことがあって、今はそのときの雰囲気に近いように感じられるのだが、問題は、関係者のメンツがそのときよりさらにガチだということだ。

日本のニュースでは読売がけっこういい仕事。

イラン核問題、米欧が追加制裁武器に攻勢
読売新聞2009年9月27日(日)00:23
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/world/20090927-567-OYT1T00039.html

安保理常任理事5カ国とドイツが、イランの核開発を断念させようと外交攻勢をかける、という報告。

 10月1日にジュネーブで開かれるイランとの協議では、同施設を含む核計画の全面開示を求め、追加制裁を武器にイランを追い込む構えだ。

 オバマ米大統領と英仏首脳が25日、「第2の施設」の存在を暴露したのは、イランが国際社会の圧力をかわす「時間稼ぎ」の場になりかねないと見られていた来月の核協議を前に、イランが非協力姿勢を貫いた場合に追加制裁に確実に踏み切れるよう環境作りを進める狙いがあった。

 オバマ政権高官は、施設は商業用ウランを作るには小さすぎる反面、「年に1、2個分の兵器級ウランの製造に適した規模」との分析を明らかにした。米英仏の情報機関は、数年前に施設の存在を察知したが、「イランが(濃縮施設ではないと)言い訳できない段階まで建設が進むのを待った」ため、公表しなかったという。……


読売のこの短い記事には書かれていないのだけれど、問題は、英米が主導する(などということは言われなくてもわかる)この外交攻勢がどう転ぶか。非常に怖い。

イスラエルがああだというのがもちろん大きいのだが、それ以外にもイランの国内政治の問題。今の、最高指導者ハメネイ、大統領アフマディネジャドの政権は、非常にナショナリスティックな宗教右派政権であるだけでなく、強烈な反シオニズム(実際には「反シオニズム」ではなく、「反イスラエル」、「反ユダヤ主義」であると言える)に原動力を得ている政権だ。彼らの反シオニズムについては、今年の選挙後の混乱でもいろいろと伝えられてきたのだが、その中にあった話(ソースはイラン国営IRIBとPress TVだから敵の情宣ではない)から最も強烈なところだけ書くと、現在のイランの政権は、史上最悪のでっち上げ文書 "The Protocols of the Elders of Zion" を「本物」(でっち上げではない)と扱って、それに基づいて政策を考えているらしい。ほんとに。(この7月、8月にイラン直送の英語ニュースで流れてきていた外務大臣のコメントとかIRGCの偉い人のコメントとかがソース。)

これまでは、改革派のバランスの取れた人たち(宗教や伝統は大切だが、行きすぎてはよくない、というような)が少なからず対外的に語ってきて、それは、イランに限らず一般的によくあることだが「○○といっても全員が全員、指導部のような石頭じゃないんだな」と思わせる効果をあげていたのだけれども、今年の選挙後の混乱でそういった人たちが根こそぎにされた。現在、イランで主導権を握っているのは、「テレビ漫画のトムとジェリーは、ユダヤ人、つまりネズミのイメージをアップさせようとするユダヤ人、ウォルト・ディズニーの陰謀」(←念のために書いておくと、ほぼ文節ごとにツッコミが入れられます)とかいうことを真顔で語れる人たちだ。

そして、そういう人たちが核武装を推進しようとしている。

米メディアで、WaPoのデイヴィッド・イグナティアス:
With Iran, 'The Cuban Missile Crisis in Slow Motion'
http://voices.washingtonpost.com/postpartisan/2009/09/with_iran_the_cuban_missile_cr.html?hpid=opinionsbox1
World leaders used language this morning that described a dangerous ladder of escalation ahead. Obama said Iran will be "held accountable" for its actions. French President Nicolas Sarkozy said that unless Iran changes its nuclear stance by December, harsher sanctions will be imposed. British Prime Minister Gordon Brown, normally no Churchill, said there was "no choice today but to draw a line in the sand."




以下、直接関係のない余談。

日本のマスコミは、「国際ニュース」っていうと「日本とは関係ないような宗教的な背景を有するテロ」の話か、「ネタ」(カダフィの長い演説のような)か、というような感じらしいのだけど(私自身はニュースはBBCとガーディアンなので、日本で何がどう伝えられてるとかいうのはあんまりよく知らない)、それほんとに何とかしないとまずい。

先日も、英国が何年もかけて(時に米ブッシュ政権と真正面から衝突しながら)アフガニスタンでやってきた「タリバンの下っ端のファイターの抱きこみ戦略」のことで、「日英首脳会談で両首脳が確認した」的な話があったのだが、それが日本語のメディアで伝えられるときには「鳩山首相が言い出した話」であるかのように書かれ(まあ、それは読む側のリテラシーの問題でもあるな。外交という舞台でのお約束で、首脳ってのは自分の考えをいきなり首脳会談などという場で伝えることはない、という基本中の基本を知らんというのは、明らかに読む側の知識の欠如が問題なのだ)、その挙句、一般の人からの「テロリストに職業訓練とか、どんだけ脳内お花畑なんだよ」とか「それより日本のニートを何とか」とか、ピントはずれのばかげた「意見」が、アクセスさえすれば誰でも読めるような形で、ネット上にストックされるという。orz...
http://b.hatena.ne.jp/entry/hamusoku.com/archives/270412.html

正直、「記者クラブ」の閉鎖性の問題より(これも問題なのだけれども)、「国際ニュース」の貧弱さのほうがさらに深刻だと思う。

あと、『テロの経済学』とかで書きたてられていた「テロリストは貧困層ではなく、けっこういいとこの子が多い」っていう話、それ自体は別に間違いではないのだけれども、それがどこの話なのかを考えてみたらどうかと。「わりといいとこの子が思想的に過激化してテロリストになる」と報告されているのは、例えば英国のhome grown extremistsであったり(2005年7月7日の、リーズ近郊デューズベリーの彼らなど)、サウジアラビアやシリアなどからイラクやアフガニスタンに戦って死にに行く「外国人戦士」たちのような、「紛争」をあらかじめ内面化していない人たちだ。

一方で事実として、アフガニスタンでは、旱魃やら戦闘やらで農家としてやっていけないという人たちが、かなりの高給に釣られて「タリバン兵士」として雇われている。30年もずっと戦乱や混乱が続いてきた地域だから、武器を手にすることはハードルの高いことではない。

下記なども参照。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/500/26815.html
http://www.jica.go.jp/story/interview/interview_78.html
http://www.jica.go.jp/story/interview/interview_78_01.html

※この記事は

2009年09月27日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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