kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2009年05月19日

Danger MouseとCDリリースの新形態。

おもしろいから乗せられてみよう―― 。

少なからず「メジャー」であるフィールドで(つまりRolling Stoneなどのメインストリームの音楽メディアが大きな記事を書くようなフィールドで)「アルバムのリリース」の方法に「革命」が起きたのは、2007年10月の In Rainbows (Radiohead) の「(非常に音の悪い)mp3でDLしてください。お値段はあなたが決めてください。盤はあとでリリースします」と、その直後、11月の The Inevitable Rise and Liberation of NiggyTardust! (Saul Williams, produced by Trent Reznor) での「わりと高音質のmp3やFLACでDLしてください。お値段は5ドル、直接アーティストを支援することができます」だったと思う。

その後、たとえばthe CharlatansがXfmで新作アルバム (mp3) を無料で配布したり、Princeがデイリーメイルの付録で新作アルバムを配布したりといったことが次々と起こり、NINに至っては2008年の Ghosts I-IV では「4枚組の1枚は、mp3, FLAC, WAVで無料DL、残り3枚は5ドルでDL(ただしCreative Commonsの非営利再配布ライセンスなので再配布可能)、盤はあとからリリース。超豪華仕様の限定盤あり」、その数週間後の The Slip では「完全に無料、盤はあとから」、NINのライヴでドラムを叩いていたセッション・ミュージシャンのジョシュ・フリースに至っては、2009年のソロアルバムのリリースで悪乗りしまくって、「7ドルでDLする」、「15ドルでCDを買う」から、「生電話」、「一緒にお食事」、「あなたのバンドにジョシュが期間限定で加入」など常軌を逸したオプションつきの豪華版(冗談半分でも、売れた分については真面目にこなしたとのことで、Twitterで「朝から晩まで電話してます」とか言ってた)ということをやって、さすがに「リリースの形態・方法としては、もうこれを超えるものはないだろう」というか、もう何をやっても新しくはないという状態になっているのではないかと思うようになっていたところに、Danger Mouseが……。

Danger MouseとSparklehorseが組んで制作したアルバム、Dark Night of the Soulがあまりに新しい。新しすぎてお茶ふくのも忘れて唖然とするほどに。

1576875245Dark Night of the Soul
Danger Mouse
Power House Books 2009-06

by G-Tools


この件についての記事はたくさんあるのだけれど、最も明確だったガーディアンで。

Danger Mouse and Sparklehorse unveil new album - a blank CD-R!
Sean Michaels
guardian.co.uk, Monday 18 May 2009 10.33 BST
http://www.guardian.co.uk/music/2009/may/18/danger-mouse-sparklehorse

今回、Danger Mouseは再度Sparklehorseと組んで、ものすごく豪華なゲスト(イギー・ポップとか)を迎え、13曲入りのアルバム、Dark Night of the Soulを制作した。音楽面のゲストが豪華なだけではない。アート担当が映画監督のデイヴィッド・リンチ。

メンツを一覧するだけで(→このエントリの末尾を参照)、ふつうに宣伝してふつうに盤でリリースするだけで飛ぶように売れることは誰にでも予想がつくし、リンチの写真が満載の100ページを超える豪華ブックレットつきの限定盤(50ドル)も、すぐに完売することは火を見るより明らか。

ところが、5月末のリリース直前、米国の公共ラジオNPRのサイトで全曲ストリームが開始された後になって、突然、「音源のリリースはできないことになりました」というアナウンスが!

Danger Mouseいわく、「法的にもめていて、リリースを強行するとEMIに訴えられそうです」。

そして結論が、「データの入っていないCD-Rを売ります。あとは好きにしてください」。

……こんな話聞かされたら、「はあ?」ってなるでしょ。「Danger Mouseって誰?」って人でも興味持つでしょ。で、NPRで全曲がタダで聞けるんならちょっと聞いてみようかな、って思うでしょ。参加しているゲストのメンツも豪華だし、損はしないよなあ、って。

実際私も、最初に「法的にもめている」云々を知ったときは、今さら何でもめてんのだろう、契約に違反した形でのサンプリングとかかなと思いつつ、アルバムが全曲、フルトラックでNPRで聞けるんなら聞いてみようかと。「それにしても大手レーベルはろくでもない。Danger Mouseくらいの人なら完全にインディでできそうなのになぜEMIなんだ」とかいうセット思考にはまりつつ……。

【以下、ネタバレだと思うので背景色と文字色を同じ色で】

ええ、ええ、釣られましたとも。大手4社の中でも、特にEMIにはろくなイメージありませんから。これが、「奇抜なこと」とはあんまり縁のなさそうな、例えばエアロスミスとかブルース・スプリングスティーンとかU2とかだったら自分が釣られることもないんですが、Danger Mouseだしね。ニヤニヤ。

そもそもなぜ「釣られた」と思ったのかというと、第一に、Danger Mouseが「訴訟リスクがあるので盤のリリースはしません」というステートメントを出してから何日か経過してもなお、NPRでのストリームがそのままになっているから。そんな訴訟リスクを抱えた音源なのに。

その上に、「何も入っていないCD-Rをリリース!」と書いていた記事のどれもが、Danger Mouseと所属レーベルEMIが「もめている」中身についての噂すら書いていないから。「もめごと」好きの音楽メディアや新聞の音楽欄が(トレント・レズナーがファン企画のインタビューでだれそれをクソミソに言ってたとかいうのが「記事」になるのに)こんなにおいしいネタについて何も示唆していないなんて、そもそも「もめごと」なんてないんだと考えるのが妥当でしょう。ほんとにそれがあるのなら、「EMIから第二のRadiohead」とかって煽るって、絶対に。(大手メディアの記事を元に書いているTech系のニュースサイトなんかでは「もめごと」があるっていう前提のところもありますが。)

それに、サイトで「5月29日に出荷開始」と告知されている商品が、こんなに間際になってから「レーベルともめているので、盤をCD-Rに差し替えて出荷します」という展開になることがありえるかどうかもちょっと疑問に思えるし。元々音入れた盤なんか作ってなかったんじゃないか、とさえ。

なお、amazon.co.jpではこの作品は「洋書」でカタログに入ってて「ミュージック」には該当の作品はありません。amazon.comで見ると、「音楽CD」のASINは取得されてはいるみたい。amazon.co.jpで示されている出版社はニューヨークの美術系出版社で、サイト (www.powerhousebooks.com) にはDNOSの書影があります。

【ネタバレと思われる部分、ここまで】
※ただし全然的外れである可能性もあります。

というわけで、Danger Mouse and Sparklehorseによる新作、Dark Night of the Soulは、豪華ブックレット限定盤は予定通り50ドルで発売、ただしCDは "For Legal Reasons, enclosed CD-R contains no music. Use it as you will" (法的な理由により、同封のCD-Rには音楽は入っていません。それなりにお使いください) ということに。また、豪華版ではないリリースに関しては10ドルで「デイヴィッド・リンチ制作のポスター+CD-R」で発売。お求めはDark Night of the Soulのサイトからどうぞ。(インターナショナル・オーダーに対応しているかどうかなどは私は知りません。各自ご確認ください。)

なお、ガーディアン記事によると:
For the moment, the only way to hear Dark Night of the Soul is to download it from an illegal filesharing network, or to stream it from the website of US public radio network NPR. While the NPR stream has been active since Friday, it's unknown how long it will remain online. "We don't have a definite take-down date," producer Robin Hilton told Billboard. "It's up in the air."

And while it's pretty clear what Danger Mouse and Sparklehorse intend for people to do with the CD-R - that is, download and burn the album - the artists are keeping coy. As the website states, "Danger Mouse ... hopes that people lucky enough to hear the music, by whatever means, are as excited by it as he is."

つまり、現状ではDark Night of the Soulは非合法ファイル共有ネットワークから手に入れるか、NPRのストリームで聞くしかなく(DLはできません)、NPRでは「いつまで公開しているかはわからない」とのことで、しかしながらデータの入っていないCD-Rを売るなどということをする以上、Danger MouseとSparklehorseの意図は明白であり、ウェブサイトには「Danger Mouseは……いかなる手段であれ、ラッキーなことにこのアルバムの音楽を耳にすることができた人たちに喜んでもらえることを願っています」とある、というお話。

ということは(以下略。あ、どうせならBitCometじゃなくてutorrentかAzureusがいいですよ、コミュニティではじかれないので(NINのtorrentのコミュニティでのアドバイスを借用)。

しかし「大手レーベルはしょうもないことばかりしている」というステレオタイプな見方をこういうふうに利用するとは、誰の発案なのか知らないけど……ははははは。かなり性格悪いよね、発案者。

あ、ニュースはこちらからどうぞ。

Danger Mouseの過去の仕事(Banksyと組んだときのもの):
http://www.youtube.com/watch?v=IqQYVKSmugc




アルバムの詳細 ※カッコ内は参加ゲスト:
1. Revenge (The Flaming Lips)
2. Just War (Gruff Rhys of The Super Furry Animals)
3. Jaykub (Jason Lytle of Grandaddy)
4. Little Girl (Julian Casablancas of The Strokes)
5. Angel's Harp (Frank Black of The Pixies)
6. Pain (Iggy Pop)
7. Star Eyes (I Can't Catch It) (David Lynch)
8. Everytime I'm With You (Jason Lytle)
9. Insane Lullaby (James Mercer of the Shins)
10. Daddy's Gone (Mark Linkous of Sparklehorse and Nina Persson of the Cardigans)
11. The Man Who Played God (Suzanne Vega)
12. Grim Augury (Vic Chesnutt)
13. Dark Night of the Soul (David Lynch)

タグ:音楽

※この記事は

2009年05月19日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼