kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2009年05月08日

IMCの第21次報告書 (the 21st Report)、「非主流派リパブリカン」という観点から

北アイルランドの武装組織の活動を監視しているThe Independent Monitoring Commission (IMC) の第21次の報告書が出た。
http://www.independentmonitoringcommission.org/publications.cfm?id=71

※via the BBC news:
Dissidents 'pose serious threat'
Page last updated at 11:08 GMT, Thursday, 7 May 2009 12:08 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/8037878.stm

第20次の報告書@2008年11月については、どうやら私はほとんどスルーしてしまっているようだが(つまりスキャニングした程度でまともに読んでいない)、一応過去記事:
■2008年11月12日 the IMC 20th reportを報じるBBCがなんか変
http://nofrills.seesaa.net/article/109585219.html

第20次報告書の対象期間は、主に2008年3月1日から8月31日であるが、BBCなど報道機関としてはこの報告書が公表された2008年11月のリアルタイムでの情勢を前提として記事を書くことになるので、当時活動を活発化させていた「非/反主流派リパブリカン」についての評価を中心に、この報告書のことをまとめている。(実際には、長期的視野に立てば、より重要なのはロイヤリスト側の武装組織の武装解除の進捗についての点であると私は思うが。)

なお、その前、第19次報告書(2008年9月)では、Provisional IRAは機能停止の状態にある(実質的に武装組織としては解散・解体状態にある、死んでいる)ということが中心だった。

で、今回の第21次報告書だが、その対象期間が "It focuses mainly on the six month period 1 September 2008 to 28 February 2009." つまり主に「2008年9月1日から2009年2月28日」。

「2009年2月28日」ということは、3月のアントリムでの英軍基地襲撃と、クレイガヴォンでの警官狙撃の前のことだ。しかしBBCなどの報道では(および、報告書公表に際してのIMCの記者会見では)、この報告書が公表される2009年5月上旬というコンテクストを前提とすることになる(人々はみな、3月にあの2つの大きな事件があったことを知っている)。IMCの報告書についての報道に接する時は、その点について、少し気をつけておいたほうがよい。

ともあれ、第21次報告書の内容だ。

表紙などを除いてだいたい30ページくらいのこの文書の目次(PDFからのコピペ):
CONTENTS
1. Introduction
2. Paramilitary Groups: Assessment of Current Activities
3. Paramilitary Groups: The Incidence of Violence
4. Leadership
5. Other Issues

ANNEX
...


"1. Introduction" は、対象期間(上述)だけ拾って飛ばせばよい。(ただしIMCの報告書というものを読んだことがない人は、これとAnnexのIとIIを必ず一読しておくこと。重要な前提条件が書かれているので。)

"2. Paramilitary Groups: Assessment of Current Activities" がこの報告書の本体。

"3. Paramilitary Groups: The Incidence of Violence" は武装組織の活動の具体的な点の乾いたデータ。2003年1月から2009年2月までの殺人、銃撃、襲撃の件数の表と分析。

"4. Leadership" は、Sinn Fein (Provisional IRA), PUP (UVF), UPRG (UDA) についてで、「非主流派リパブリカン」への言及はない。

"5. Other Issues" は、criminal justice systemについての話なので、今は飛ばす。

ANNEXは巻末資料で、IIIが「非主流派リパブリカンの活動、2004年から2009年」。これは資料性が極めて高く使いやすい。

というわけで、2と3を見てゆく。

2. Paramilitary Groups: Assessment of Current Activities"
「リパブリカン」と「ロイヤリスト」に大きく二分し、そのそれぞれの各勢力について分析をするという構成はいつも通りだが、第19次までは「リパブリカン武装組織」の筆頭格であったProvisional IRAは既に監視対象としての重要性を失っていて、今回は筆頭が "Dissident Republicans Generally"(13パラグラフ)、以下アルファベット順で個別に "Continuity Irish Republican Army" (CIRA), "Irish National Liberation Army" (INLA), "Provisional Irish Republican Army" (PIRA), "Real Irish Republican Army" (RIRA) と並んでいる……うは、2.27 (RIRA) がデニス・ドナルドソンの件だ(re: イースター声明の原稿)。「3.4参照」とあるので参照すると、「声明を出していることは把握しており、現在調査中」。うむ。次の報告書までに何かわかるのだろうか。

ロイヤリストの方は今は飛ばして後回しに。

で、本文を見る前に、2008年9月から2009年2月の期間における「非主流派リパブリカン」の活動についての報道を振り返る。はてなブックマークでそのタグをつけてあるものの、現時点で2ページ目と3ページ目。
http://b.hatena.ne.jp/nofrills/dissident%20republicans/

警官襲撃と爆弾と偽爆弾が連続していたという記憶があるのだが、それは記憶どおりであることが最初に確認できた。

一応9月の前の状況から。。。「非主流派リパブリカン」の活動についての警戒が高まっていることが公式筋から改めて示されたのが、2008年6月、BBC NIの記事で→Dissident threat is high - Orde

その後、7月にデリー・ジャーナルで反「非主流派リパブリカン」の運動があって、これは私は読み解けなかった。

それから7月には:
■2008年07月28日 【メモ】CIRAが「『戦争』は終わっていないんだよ」と言い、MI5も「北アイルランドのテロ」の脅威を説く
http://nofrills.seesaa.net/article/103732070.html

この後、自分のメモだけを根拠にするのも危なっかしいが、「非主流派リパブリカン」についての報道が徐々に増えている感じ。

8月にはBBCの取材で、80-100 'active dissident members' ということがわかった(Vincent Kearneyの記事)。かつてはPIRAに所属していた強硬派が「非主流派」にいて(ここまでは1998年以来ずっと既知の情報ではあるが)、「非主流派」の規模は実動は80〜100人程度、大半は現場経験がなく、現場には関わらないサポーターは250〜300人程度。(かつてのPIRAとは異なり)中央司令部(leadership)はなく、それぞれのグループが自分の地域で攻撃を行なっている。彼らの勢力が強い地域はLondonderry, Tyrone, Fermanagh and north Armaghで、振り返ってみると、デリーは別格として(別格と言わざるを得ない)、2月のカーボム、3月の警官銃撃など「非主流派」の事件で名前が出てきた地域だ。2008年からCIRAとRIRAによる警官襲撃は相次いでおり(この時点ではまだ死者は出ていなかったが)、彼ら流の「武装闘争」における治安当局を対象としたピンポイントの銃撃という方法のほかのもうひとつの柱、つまり「爆発物による闘争(爆弾闘争)」について、彼らは強化しようとしており、PIRAの爆弾製造班にいた人々に声をかけるなどしているが成功はしていない模様――といったことが記事に書かれている。

また、リパブリカンの組織はいずれもアイルランドを南北に隔てるボーダーは関係なく活動しているが、「非主流派」については南北双方の警察がインフォーマントを入れている、という記述が記事の最後にある。(NIを非常によく知っているNIのジャーナリストが書いている記事だから、書いても大丈夫なこと=ディシデンツも了解していること、ということだろう。)

上記の記事の数日後(オマー爆弾事件から10年となる日の前日)には、同じVincent Kearneyが、Dissidents step up attempts to kill という記事を出していて、これが上記の記事にソース(当局の人のインタビューやコメントなど)をつけたもの、とい感じだ。北アイルランド警察のトップ、サー・ヒュー・オードは、"Their focus is clear, they are determined to kill a police officer, they are focused on killing a police officer and that is where our efforts are going." と語っている。今振り返ると、3月にクレイガヴォンで射殺された警官の葬儀でのサー・ヒューの表情や発言を思い出すと、「起こるかもしれないと十二分に予測していたこと」(警官が巻き込まれるなどではなく、警官が標的として殺される、という事態の発生)を防ぐことができなかった、ということは彼にとって非常に重い意味を持つことであるに違いない。

それと、この8月の記事から:
There is concern at the increasing variety of weapons and tactics being used.

In Lurgan last year, dissidents tried to attack police officers with a new kind of mortar that was more sophisticated than those previously used by the Provisional IRA.

このa new kind of mortarについては、この記事が出たあとにどこかで読んだ気がする。今はそれを探せないのだが、武器の流入ルートに関連した話だったと思う。

あと、PIRA御用達のSemtexではない爆薬が使われていたとか(つまり、PIRAの在庫だった爆発物を流用しているのではなく新たに入手している)、改めて読むと「うはぁ」ということがいくつか書かれている。

以後、8月は家宅捜索で2人逮捕(ファーマナ、ティローン)、警察署へのRPG攻撃(ただし不発、ファーマナ)でこのときにSemtexが併用されていたとか、SDLPの議員に石が投げられたとか(つまり、ディシデンツの実働部隊メンバーではないサポ、ということだが、これは2009年5月になった今では、先月のイースター記念行事でのRIRAの集会もあるし、特になんでもないか)、Slugger O'Tooleで純度100パーセントの「現地の感覚」で語られていることを見ても明らかにものすごい不吉だとかいう感じ。

9月はボーダーの南で非主流派の活動拠点にガサ入れ、西ベルファスト郊外部で家にショットガンで銃撃、中にいた人たちがペレットで怪我、またはショックで入院。2歳の子供もいたが無事という事件が発生(誰も死ななかったのはラッキー)。この事件の捜査がその後どうなったのか、私は把握していない。(いわゆる「懲罰攻撃」についての短い記事はあったけど。「懲罰攻撃」というのは武装組織が自分たちのルールで他者に懲罰を加えるという、本来の意味での「アウトロー」の状態。PIRAの全盛期のpunishment shootingなど。)

また、9〜10月は政治が混乱していて、「政治家がしっかりしてくれないとディシデンツが調子づく」と警察トップが苦言を呈する、とてつもない陰謀論が出てくる、などのサイドストーリーもありつつ、ロードサイド・ボムなど爆発物処理が多数あり、警察署を警備している民間の警備会社(←NIは少し事情がややこしいのでそういうことになった経緯もわからんではないのだが、「意味ない」と思う)の人たちにディシデンツが「宣戦布告」をしたり(つまり、「正当なターゲットである」とした)、彼らの言う主義主張が本当に誠実にそうであるのなら「敵」認定などされるはずもない立場の「元・政治犯」や「元・無実なのに政治犯とされた人々」に対し、ディシデンツから脅迫が行なわれている(一例、また別の一例)とか、そういう混沌とした状況。

11月にはベルファスト・テレグラフで「IRSPと32 CSMの合併の話し合い」が報じられ(翻訳すると、「INLAとReal IRAの合併の話し合い」)、その直後に、アフガニスタンから帰還した北アイルランド拠点の英軍の部隊のパレードでロイヤリストのバカ者が大騒ぎする中、シン・フェインは見事に「沈黙の抗議」を行なう一方で、「非主流派リパブリカン」の「絵になる」抗議行動がBBCでかなりとんちんかんな扱いを受けて報道され(今思うと、あれは彼らにとって「パブリシティ」になったはず)、11月11日にIMCの第20次報告書

以後、セクタリアン・アタック、ボム、逮捕、起訴などの報道が続き、2009年1月にはジェリー・アダムズが西ベルファスト(シン・フェインの拠点)での攻撃について「CIRAがやっている」と述べ、またCIRA以外の「非主流派リパブリカン」組織(INLA, RIRA, ONH)の名も挙げて、彼らの活動を「受け入れがたい犯罪行為 unacceptable criminal actions」という言葉を使って非難した。私が字義通りに解釈すれば、「ギャング活動をしたり、イノセントな一般人やビジネスマンを標的にあれこれをするだけのくせに『リパブリカン』と名乗るな。リパブリカンの大義とは別なことをしているのだから」という内容の非難だ。

そして「300ポンドのカーボム」。
■2009年02月01日 「電話があったのですが、誰なのかよくわかりません」って話じゃないよね、300lbのカーボムが見つかったんだから。
http://nofrills.seesaa.net/article/113498136.html

これは、メディアによって「Real IRAだ」説と「Oglaigh na hÉireann (ONH) だ」説がある。後者は伝統的な「アイリッシュ・リパブリカン・アーミー」のゲール語名称だが(「IRA」を名乗る各組織の公式声明で使われる)、現在英メディアでこの組織名で呼ばれているのは小さな分派組織であるはずなのだが(IMCでもそういう扱いだ)、これは、変なたとえだが、アイドルが「アイドルグループ」という固有名詞で活動するとか、暴走族が「暴走族」という固有名詞で活動するようなことなので、実際にはわけがわからない。(Oglaigh na hÉireannは英語にすればIrish Volunteersで、つまりIrish Republican Brotherhoodで、Irish Republican Army、のはず。ちなみに、アイルランド共和国の軍隊の名称もOglaigh na hÉireannで、これはストレートに「アイルランド軍」。どうです、ものすごいややこしいでしょ。)

それから、この時点ではタイムズが「RIRAとCIRAが2008年に共闘するようになった」と報じていた(爆弾製造の技術を共有している、とか)。

そして2月12日、デリーで24年ぶりに、「パラミリタリー・スタイル」の殺人。殺害された人は麻薬で有罪になったことがある人だったというが、そういう人が「パラミリタリー・スタイル」で殺されるというのは、25年前にタイムスリップしちゃった人たちがいるということを意味すると考えて間違いない。

さらに3月4日には、MI5が、The threat assessment has been raised to "severe", meaning an attack is regarded as highly likely という動きを見せ、非主流派の活動を監視するために(警察ではなく)軍の特殊部隊の導入、という話が出てきた。

アントリムの英軍基地(Massereene Barracks)が襲われ、兵士2人が死亡、ピザ配達の人2人が負傷したのは、3月7日夜のことだった。2日後にはクレイガヴォンで警官が銃撃され殺された。軍基地の事件ではReal IRAが、警官の事件ではContinuity IRAが犯行を認めている。

――これが、IMCの第21次報告書がカバーしている時期の概況。

3月の2件の事件があまりにショッキングで(ついに治安当局者が殺された、という点において)、それだけがものすごく大きく報じられたから、いきなり「テロが復活」したように見えたほどだったが、実際にはいきなり「復活」したわけではない。2001年8月にReal IRAがロンドンで最後の「テロ」を行なったあともずっと彼らはアイルランド島で活動してきた(そして北アイルランドでの何件かの爆弾攻撃は「成功」したし、ガンマンの銃がジャムっていなければ警官が殺されていたという事件もあった)。その活動の線上に、爆弾闘争の面で最大のものとしては2009年2月の「300ポンドの爆弾を積んだ自動車」、銃撃の面では2009年3月の2件の事件があって、特に銃撃のほうは実際に死者が出てしまったから報道が大きかった。

第21次報告書は「2008年9月1日から2009年2月28日」を分析と報告の対象としているが、3月の事件についても言及程度はなされている。

さて、報告書の中身。

報告書の本体としては、4ページの2.3から後を見ればよい。

2.4では、前回の報告書(第20次、2008年11月)で、CIRAとRIRAの活動がこれまでにないほど激しくなっていること、それでも南北の警察の動きが成功していなければ件数はもっと多かっただろうということ、攻撃は「警官を直接殺害する」というものになっているということがまとめられている。

2.5は3月の事件への言及。7日の軍基地襲撃は「RIRAの一派 (a faction of RIRA) が関与していると考えている」、9日の警官銃撃は「CIRAが犯行声明を出している」といった事実関係を説明し、事件が起きたタイミングがこの報告書の対象期間外であることと、刑事手続が進行中であることにより、当面は詳細には立ち入らないとのこと。次の報告書は2009年10月の予定だが、そこでも詳細には立ち入らないだろうとも。

その上で2.6。これが重要だ。
Our comments below on CIRA and RIRA indicate that there has been a continuing high level of serious violent activity, often with the express intention of killing, or making possible the killing, of members of the PSNI and other security personnel, and often doing so by imperilling the lives of members of the general public. This activity needs to be assessed in the context of the consolidation of the peace process. These groups have never accepted the fundamental tenets of that process, and indeed have been violently opposed to it from the start. As the process became embedded and the democratic institutions of the Belfast Agreement were restored and took hold, the response of these groups became more violent. The current ongoing violence is an attempt to destroy the peace process and return the community to the period of violent struggle from which it has so painfully and relatively recently emerged. Dissident republicans are attempting to deflect the PSNI from maintaining community policing and so disrupt the increasing community acceptance of normal policing. There is also a hope that sufficient violence would provoke an over-reaction by the authorities which would play into their hands. In our view however this is a challenge and a testing of the peace process by people who have always been violently opposed to it. It does not represent an unravelling of the peace process.

これが公的な情勢分析である。

このあとの部分で重要と思われるのは:
2.8
Some explosive devices deployed by dissident republicans have contained small amounts of semtex, and a quantity of it was recovered by An Garda Síochána in County Meath in December 2008. This has given rise to concern in some quarters that some semtex might have been deliberately held back from PIRA decommissioning in 2005 and transferred to dissidents. We have found no evidence which supports such concern.

2.9
Overall dissident activity since early summer 2008 has been consistently more serious than at any time since we started reporting in April 2004. We thought it would therefore be useful to offer a brief conspectus of what we have said about this activity over those five years. We do this in Annex III. A key message from this conspectus is that dissident activity as a whole has fluctuated over these years but in the period under review has been at its most serious level since we started to report.

ひとつは、「Provisionalsは完全に政治的な道をとっており、彼らと最近の暴力の関係性を疑わせるものは何もない」という強調。これは、何かあると必ずユニオニスト(の一部)がぼそぼそ言い出すので、どれだけ強調しても強調しすぎることはない。UDAのリーダーシップなどともこの点についてはコンセンサスができているようだが、UDAの中の超過激派がどうか、というのは、見えないけれどもかなり心配なことだ。

それから、「2008年後半から2009年にかけての非主流派の活動は、2004年以降で最も激しい」ということ。これは「メディアの報道の件数が多いからそうなのだろう」という感覚的な判断以上に、根拠のある話。

2.10と2.11は、ONH (Óglaigh na hÉireann) という名称についての説明。やはりメディアがONHというときと、IMCがONHというときとは、そのシニフィエが一致していないことがあったとのことで、IMCが前の報告書でONHと呼んでいたのはStrabaneの地域で活動をしているグループだとの明示。一方でRIRAの中のグループも最近その名称を使うようになっており(うーん、以前からRIRAの声明では「われわれONHは」だったと思うのだけど、そのONHとは違うのかな)、要するに別々の組織が同じ名称を使っている(「名称」っていうか元々「普通名詞」に近いからなあ……「アイルランドの戦士」なので)ので、誰もがめんどくさい思いをしているらしい。で、StrabaneのONHというのが活発なリクルート活動や武器入手活動をし、「テロリズム」とは関係のない犯罪活動も幅広く行なっていて、危険、と。

2.12はディシデンツの連合について。これまで何度か連合の動きや個人レベルでの協力の動きはあったが、最近はまたバラバラになりつつある(「あいつとは合わない」というような理由が多い)。RIRAとStrabaneのONHに加え、また複数のグループになっている。また第20次報告書で言及した、最近できたIRLA (the Irish Republican Liberation Army) という集団は、本質的には、第20次報告書で述べたように「リパブリカン」の名目で犯罪を行なっている集団であって、「テロリスト」としての脅威というわけではない。また、SU (Saor Uladh) というベルファストの小規模な集団は、元CIRAメンバーもいるが、対象期間の6ヶ月間にテロ行為をおこなった形跡はなく、警察も動いている。ただしSUの目的や能力について判断するのは時期尚早で、今後も監視を続けていく。そして:
Finally, we said in our previous report that éirígí was a political group with a focus on aggressive protest activities. This remains the case, though we cannot ignore the fact that amongst members or former members there may have been involvement in serious violence.

RIRAによる英軍基地襲撃の容疑者として唯一逮捕された(起訴はまだ)コリン・ダフィは、この組織のスポークスマンであるとの話。前に書いたので記事検索してください。éirígíは "rise up" の意味、とかいうのも前に書きました。

そして報告書は、2.14から2.30は、CIRA, INLA, PIRA, RIRAの4組織についての詳細で(最も長いのがCIRAとRIRAのセクションで、INLAは「パラミリタリー・スタイルの殺人1件、あとはただの犯罪組織」、PIRAは「武装活動なし」)、その後、2.31から先はロイヤリストについて。

※ロイヤリストについては、書くとしたら稿を改めます。
→書きました。
http://nofrills.seesaa.net/article/118995286.html

※この記事は

2009年05月08日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:47 | TrackBack(0) | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック





【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

……全文を読む
▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼