kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2009年01月09日

【ガザ攻撃】「ハマスの掃討作戦」? この軍事行動にそんな定義あった?

※このエントリは単に「翻訳」というか、「言語」についてのエントリです。

AFP BBの記事:


この日本語記事に、今回のガザ攻撃について「イスラエル軍によるイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の掃討作戦」とある。だが、これは「ハマスの掃討作戦」であると位置付けられていただろうか。(事実上それである、というかそれ以外の何ものでもない、という見解に反論したいわけではありません。)

私が把握している限り、現在、イスラエルはこの攻撃を「ガザ地区からのミリタントによるロケット攻撃を止めるため」と説明しているはずだが。(その前は「テロのインフラを破壊するため」などいくつもの説明があったが。)

で、「ガザ地区のミリタント」といえばハマス、という受け取り方をしてしまうのだとしても、ガザは基本的にはミリタントは入り乱れていて(だからこそ、ハマスが軍事的に制圧したときにいわば内戦状態になってたし、BBCのガザ特派員だったアラン・ジョンストンが拉致されて長期にわたって拘束されていたときに、結局武装組織というかギャングの間をぐるぐると回されていた)、今の攻撃の文脈でも「イスラム聖戦」の名前も出てきている(日本の報道では出てきていないかもしれないけれども、私は日本の報道は見ていないのでわかりません)。ただ、「イスラム聖戦」と「ハマス」はルーツはムスリム同砲団でこの情勢下に特に対立はしていない(あるいは協力・共闘関係にある)かもしれない(<未確認)。それに、「イスラム聖戦」自体が中央司令部があって末端まで組織化されてるというよりは緩いネットワークだというから、たぶん誰かが「イスラム聖戦」に属しているかどうかは、まともな法の統治があるところで裁判で証明するのは大変なのではなかろうか。(何しろ、あれだけ明白そうに見えるあの人物のReal IRAのメンバーシップを証明するのがものすごいことになっているくらいだから、アイルランドで。)

ともあれ、今回のmilitary operation/offensiveを「イスラエル軍によるハマスの掃討作戦」という日本語で表現してしまうのは、ちょっと雑すぎると思うので、AFPの元記事を探してみた。でも英語のが見つからない。フランス語のなら見つかった。あう。

http://www.france-info.com/spip.php?article234906&theme=69&sous_theme=69
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5i_u5U_GNdvIlKdkVZKZ-2km1f4ZA

上のURLの(記事が短い)から:
Le bilan de l'offensive israélienne monte en flèche, atteignant 763 morts
08/01/2009-[15:41] - AFP

GAZA, 8 jan 2009 (AFP) - Le bilan de l'offensive israélienne à Gaza montait en flèche jeudi, s'établissant à 763 morts, après de nouveaux raids meurtriers et la récupération de nombreux corps par les services de secours à la faveur d'une pause des bombardements, ont indiqué ces services.

検討したいのは最初のところだけだからまずそこだけ見ると、l'offensive israélienne à Gaza, 英語にすると、the Israeli offensive on Gaza ってな感じ。その後もHamasという文字列は出現しない。内容的にも「掃討作戦」だとは書いていない。bloody raidsみたいなことは書かれているけれども。

下のURLのほうでも、Hamasが出てくるのは下記の2箇所だけだ。
Le Hamas et d'autres organisations radicales palestiniennes basées à Damas ont estimé que l'initiative égyptienne ne constituait "pas une base valable" pour une trêve, selon un porte-parole palestinien.

人力言語置き換え:
ハマスとそのほかのパレスチナ過激派組織は/ダマスカスに拠点のある/エジプトのイニシアティヴはviableなベースにはならないと考えている/truceのための/とパレスチナのスポークスパーソンは述べた。

これはこれで「えー」な内容だが、「ハマス掃討作戦」とは関係ない。

もう1箇所:
Israel affirme que son offensive vise à contraindre le Hamas à mettre fin aux attaques à la roquette, qui ont tué quatre civils israéliens depuis le 27 décembre. Seize roquettes ont été tirées jeudi sur le sud d'Israel, selon l'armée, blessant quatre soldats israéliens, dont deux grièvement.

「イスラエルは断言した/その攻撃は/ハマスにロケット攻撃をやめさせるための/12月27日以降イスラエルの市民4人がそれで死んでいる。16初のロケットが水曜日に発射された/イスラエル南部に/と軍は述べた/イスラエル兵士4人が負傷/うち2人は重傷」

やっぱりAFPのフランス語報道に「ハマスの掃討作戦」とは書かれていないよなあ。私のフランス語の能力では頼りないのだけれども。

というわけで結論としては、報道の翻訳をする場合、それが事実として間違いのないことなら日本語として読みやすいものにするために調整を行なうことは全然問題ないと思うのだけど、この「掃討作戦」は明らかにやりすぎだ。誤訳ですらなく、「作文」になってしまっている。



フランス語→英語の辞書はこちらで:
http://www.wordreference.com/

あと、フランス語→英語ならGoogle翻訳も実用レベルです。読みを外していないかどうかはGoogle翻訳で一応確認しました。
http://translate.google.co.jp/?hl=ja

でも英語と日本語の間(英語でなくてもフランス語でも)のGoogle翻訳はまだまだ全然実用レベルではありません。(欧州の言語と日本語のように言語間の距離が遠いときに、実用レベルのツールとして何をどうすべきかということについて、もうちょっと考えてからリリースしてほしい。)以下のようになります。
Israel has halted military operations in Gaza for three hours in the first of what it says will be a daily ceasefire.

イスラエルのガザ地区での停戦になりますが、毎日言っているの最初の3時間の軍事作戦を停止している。
タグ:言葉 翻訳

※この記事は

2009年01月09日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 01:56 | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼