kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2009年01月02日

【ガザ攻撃】ロバート・フィスク、「指導者は嘘をつき、市民は死に、歴史の教訓は無視される」(12月29日記事、翻訳紹介)

この件についてのエントリは
「2008年12月ガザ攻撃」のタグ
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英国のベテランのジャーナリストで英紙インディペンデントで書いているロバート・フィスクの12月29日の論説。(下記では掲載媒体が北アイルランドのベルファスト・テレグラフですが、インディペンデントと中身は同じです。)今回の大規模攻撃開始の翌日にインディペンデントに掲載されたもので、1月2日の現在、「今さら」感が漂わなくはないのですが、日本語化されたものが見当たらないので日本語化してみました。

フィスクは30年以上にわたって中東問題およびアラブ地域情勢を専門としていますが、1970年代にタイムズの北アイルランド特派員としてベルファストで数年を過ごし、1985年にアイルランドのダブリン大学でPhDを取得したときの研究テーマは、「第二次大戦時のアイルランドの中立」で、アイルランド問題および北アイルランド問題についても詳しい人です。

指導者は嘘をつき、市民は死に、歴史の教訓は無視される
Leaders lie, civilians die, and lessons of history are ignored
Monday, 29 December 2008
原文:
http://www.belfasttelegraph.co.uk/opinion/columnists/robert-fisk/
robert-fisk-leaders-lie-civilians-die-and-lessons-of-history-are-ignored-14122005.html


中東での大虐殺には、私たちはもうすっかり慣れてしまっているので、イスラエルの機嫌を損ねないのならば、もはやそれを気にかけはしない。

ガザで死んだ人たちの何人が一般市民なのかは明らかではないが【注:この記事は攻撃開始の翌日、29日に出された記事。31日か1日には死者の25パーセントが民間人と国連が発表している】、ブッシュ政権の反応は、そしてもちろんゴードン・ブラウンの弱気な反応も、アラブ人はもう何十年もわかっていたことを改めて協調しているだけだ。つまり、アラブ人がその敵対者を相手にいかに闘争しようとも、西洋はイスラエルの側につく。常のごとく、大流血は、武力しか理解しないアラブ人のせいである。

1948年以来、私たちはイスラエルからのたわごとを耳にしてきた。一方で、アラブ民族主義者とアラブのイスラミストは彼らの嘘をばらまいてきた。つまり、シオニストの「死の馬車 death wagon」は転覆されるであろうとか、エルサレムは全域が「解放される」とか。そして、ブッシュ(父)やクリントンやブッシュ(息子)やブレアやブラウンは、あたかもパレスチナ人とイスラエル人の両方がF-18戦闘機やメルカバ戦車や野砲を有しているがごとく、双方に「自制」を求めてきた。ハマスの自家製のロケット弾が殺したイスラエル人は8年間で20人である。しかしイスラエルの航空機は1日の空襲で300人近くのパレスチナ人を殺し、それもいつもどおりなのだ。

この血しぶきにも定石がある。そうだ、ハマスはイスラエルの怒りを引き起こした。ちょうどイスラエルがハマスの怒りを引き起こしたように。そもそもはイスラエルが……いやその前にハマスが……いつもこうだ。ハマスはロケット弾をイスラエルに向けて発射し、イスラエルはハマスを爆撃する。ハマスはますます多くのロケットを発射し、イスラエルはまたもや爆撃……というわけだ。そしてイスラエルの安全は当然保障されるべきと私たちは言うが、イスラエルによる巨大でまったく比率的に釣り合いのとれていない殺戮については看過する。あたかもパレスチナの戦車がテルアビブの通りにいるかのようにイスラエルは「包囲下にある」と言ったのは、(ビル・クリントン政権で国務長官だった)マデリーン・オルブライトだった。

昨晩までの両替レートは、パレスチナの死者296人に対し、イスラエルの死者1人だ。2006年にはレバノン人10人に対しイスラエル人1人だった。今週末は、この両替レートが最もインフレ化したが、それは1973年の中東戦争以来か?1967年の6日間戦争以来か?1956年のスエズ戦争以来か?それとも1948年の独立/ナクバ戦争以来か?これは、イスラエル国防相のエフード・バラクが無意識に認めた醜悪な、身の毛もよだつようなゲームである。彼はこの週末、Fox TVで「私たちの意図は、ゲームのルールを完全に書き換えることにある」と述べている。

まさにそうだ。ゲームの「ルール」だけが変わるわけではない。アラブとイスラエルの両替率がまた下がるのだ。ウォール街の株価下落よりももっとひどい。ブッシュ政権がイスラエルに、あまり盛大には使ってくれるなと要請しているF-18やヘルファイア・ミサイルを作っている米国では―ーそれを作っているのは米国だ――あまり関心を持たれていないようだが。

この週末の死者のかなり多くがハマスのメンバーであったようだが、それが解決するものとは何だろうか。ハマスが「うひゃあ、参ったね。空襲がすごいし、そろそろイスラエル国家を認めて、パレスチナ自治政府と共同歩調をとるべきじゃないか?武器はもう置いちゃって、囚われて無期限で拘置されて、アメリカの新たな中東和平案を支持することになるけどそのほうがよくないか?」などと? イスラエルとアメリカとゴードン・ブラウンは、ハマスがこうするとでも思っているのだろうか?

そうだ、ハマスのシニシズムを、すべての武装したイスラミストの集団のシニシズムを思い出そう。彼らはイスラム教徒の殉教者を必要としているが、それは決定的に重要なことだ。ちょうど、イスラエルが殉教者を作らねばならないのと同じくらいに。【注:「殉教者を作る」とは「殺す」ということ。】イスラエルが教えていると思っている教訓――従え、さもないとぶっつぶす、というものだけをハマスは学んでいるわけではない。ハマスはパレスチナ人の弾圧を強調するために暴力を必要としている。そしてその弾圧の主としてイスラエルに頼っている。ハマスはイスラエルに数発のロケット弾を撃ち込み、イスラエルはその願いを聞き届ける。

中東和平特使のトニー・ブレアからは一言もない。彼は今の職についてからガザには一度も行ったことがない。本当に、一言も、ない。

イスラエルからはいつものコメントが聞こえてくる。イスラエル陸軍の「調査・評価部」のトップだったヤアロフ・アミドロール将軍は、「この世界にあるどんな国でも、攻撃を防ぐために積極的な手段を講じることなく、その国民がロケット弾の標的になることを許容しはしない」と断言した。まさにそうだ。しかしながら、IRAが(アイルランド南北の)ボーダーを超えて(南から)北アイルランドに迫撃砲攻撃をしていたときに、IRAのゲリラがアイルランド共和国から越境して、警察署やプロテスタントたちを襲撃していたときに、英国は英空軍をアイルランド共和国に対して出しただろうか。英空軍は、アイルランド人に教訓を教えてやるために、教会やタンクローリーや警察署を爆撃し、300人の民間人を殺しただろうか。そんなことはしていない。そんなことをしたら、世界はそれを犯罪行為だとみなしただろうからだ。私たちは、自らがIRAのレベルにまで下がることを欲していなかったのだ。

そうだ、イスラエルの安全は確保されてしかるべきだ。しかし、この大流血はそれをもたらしはしない。1948年以降、空爆がイスラエルを守ったことはない。イスラエルは1975年以来、レバノンを何千回も 爆撃しているが、それでも「テロリズム」を撲滅してはいない。では、昨晩(12月28日)の反応は何だったのだろうか。イスラエルは地上戦をほのめかしてもいる。ハマスはまた次の戦闘を待っている。私たち西洋の政治家たちは怖気づいて穴に隠れている。そして、東方のどこかで―ー洞穴だろうか、地下だろうか、それとも山麓だろうかー―ターバンを身につけた例のあの著名人がほくそえんでいる。


ロバート・フィスクの記事一覧@znet:
http://www.zmag.org/zspace/robertfisk

ロバート・フィスクの記事一覧@ベルファスト・テレグラフ(フィスクの記事に関しては、中身はインディペンデントと同じ):
http://www.belfasttelegraph.co.uk/opinion/columnists/robert-fisk/

※この記事は

2009年01月02日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 17:00 | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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