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2008年12月02日

ポンドが下がり、EU筋から「英国のユーロ加盟」論が語られる。

今朝、はてなブックマークで知ったのだが、また「£1=140円」を割り込んでいる。下記は2日昼ごろのスナップショット。



今のところ、「どんぶり勘定」的には「£1=150円」でよさげ(学費などまとまったお金の貯金の目安としてはこれではちょっと不安かも。「160円」ならかなり余裕あり)。

■「どんぶり勘定」レートを考えるときの参考:
三菱東京UFJ銀行のレート http://www.arukikata.co.jp/rate/
英国大使館の査証申請料金のレート http://www.vfs-uk-jp.com/japan/visafees.aspx

大使館レートは「£1=150円」のまま(11月17日から)、銀行のレートは……かなり前だけど、ユーロの数字がこういう数字だったよねという。何というか、もう。

この「ポンド安」の原因としては、英経済にさらに悪い材料が出てきたということがあるらしい。対米ドルも対ユーロもがくがくになっているというBBCの記事@12月1日。

Sterling plunges against dollar
Page last updated at 18:45 GMT, Monday, 1 December 2008
http://news.bbc.co.uk/2/hi/business/7759576.stm

つまり、リセッションが長引き、Bank of England(英国の中央銀行)の利下げがありそうだとの観測が強まって、対米ドルで5.2セント下げ(1日の下げ幅としては1992年に英国がERMから外れたとき以来の大きなもの)、対ユーロでも3.5セント下げた。FTSEも下がってて、木曜日にBoEが利下げするだろうとの観測があることが説明される。

先週、ウールワースが会社更生手続入りしたんだけど、その後もさらにあれこれ伝えられていて、RBSは政府出資比率が57パーセントを超え(→日本語の記事)、HSBCは英国全体で500人の人員削減、ジェームズ・ボンド御用達のアストンマーチンは正規雇用・非正規雇用それぞれ300人ずつの人員削減、あと、先週より前だったと思うけど、Hondaの英国の生産拠点も縮小とか……1日のBBC記事によると、11月の英国の製造業は、今の形で数値がまとめられるようになった1992年以来最大の下げ、だそうで。

あと、11月最終週に出た統計では、2007年の世帯消費で既に服飾費とレジャー(休暇)の費用が下がっていたとか(学生とかではなく働いている人の世帯支出が、食費から光熱費から通信費から交通費から住居の費用からレジャー費まで込みで£459.20/週)、まあとにかくそういう話になっているんですが、そこに出てきたのが「ついにユーロ加盟か」みたいな話。

ていうか、EU委員会のバローゾがフランスのラジオでそういう内容の発言をした、ということですが。(英国からは肯定する話は聞こえてきていません、今のところ。)

UK closer to joining euro, EU commission president says
http://www.guardian.co.uk/politics/2008/dec/01/euro-barroso

The UK is "closer" to joining the euro than ever before, according to the president of the European commission.

José Manuel Barroso said some British politicians were considering signing up to the single currency in a bid to beat the effects of the global economic crisis.

He told French radio station RTL: "We are now closer than ever before.

"I'm not going to break the confidentiality of certain conversations, but some British politicians have already told me, 'If we had the euro, we would have been better off.'"

つまり、バローゾいわく、英国がユーロに加盟する可能性はこれまでになく高まっている。彼の口からは詳細は明かさないにせよ、何人かの英国の政治家からは「ユーロだったらここまでひどくはなかった」との発言もあった、と。

これに対し、ダウニング・ストリート(英首相官邸)は「ノーコメント」。スポークスマンは「ユーロに対するスタンスは以前と同じである」と言うのみ。(まあ、「ノーコメント」ということは、以下略)

保守党筋(というかウィリアム・ヘイグ、シャドウ・キャビネットの外務大臣、というより元保守党党首)からは「国民にわからないところで勝手なことを言うとは、言語道断である」との労働党への非難&「英国にはポンドが必要だ、独自の利率を決められる中央銀行が必要だ」etc、プラス「保守党はいかなる状況でもユーロ加盟を提案したりはいたしません」。UKIPは……省略。元記事をご参照ください。

AFP BBにはバローゾの発言についてある程度詳しく出ています。(でもこの発言主+この内容で「英国が検討」ってでかでかと見出しに打つのは心底どうかと思うけど。)


で、バローゾが聞いたというのが誰の発言かはわからないけど、発言者(英国の労働党筋)がこういう形でのほのめかしとかを意図しているのならばかげた戦術だし、バローゾ相手にほんとに「愚痴」みたいな形での発言をしているのなら、ただのばかだと思います。

一方でバローゾも何も考えてないわけではなかろうということで、この件についてのBBCの解説記事:

Strange times as eurozone woos UK
By Ben Shore
Europe business reporter, BBC News, Brussels
Page last updated at 15:59 GMT, Monday, 1 December 2008
http://news.bbc.co.uk/2/hi/business/7759082.stm

最後の部分が、「バローゾ発言」についてどう見るべきかという点で示唆するところが大きいかも。

The European Commission might be able to overlook Britain's current economic woes in order to snare the prize of British membership, but a domestic constituency for joining the euro does not appear to exist.

The prime minister saw off the possibility as chancellor, most of the mass-market press hate the idea and public opinion polls have always shown a majority against joining.

Mr Barroso knows all this, so why exactly is the UK closer now than ever to euro entry?

Well, perhaps he is betting on 2009 being a very bad year indeed. The public have heard all about the financial crisis, homeowners have seen values dropping and big retailers are going to the wall.

But it's only December and the government's own forecasts show next year will be worse than 2008. A serious devaluation of the pound might just focus British minds more closely on to the positives of the euro. But that seems like a long way off for now.

つまり、2003年に「ユーロ加盟はない」ということで決めたのはゴードン・ブラウン本人なのだし(当時財務大臣)、そんなに簡単にUターンしはしないにしても、来年は景気はもっと悪化するのだし、今は反対している世論がどう動くかというのがある。でも結局は、今どうこう言える話ではない、と。

例によって「この段階で結論を出せることではない」なんだけど、この件ではこれが妥当な議論だと思います。
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リセッション 拙著アップデート 為替レート 英国 メディア
posted by nofrills at 13:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | todays news from uk
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